(2012年6月18日に行った代表質問の内容と答弁要旨を掲載します。)

日本共産党水戸市議団の江尻加那です。2012年6月定例議会にあたり代表質問を行います。


1.東海第2原発の再稼働中止と廃炉を求め、市のエネルギー施策推進を


(1)大飯原発再稼働の政府判断について
5月5日に日本のすべての原発が運転停止するという歴史的な日を迎え、「危険な原発はいらない」との声の広がりに反して、政府は16日に、福井県大飯原発3、4号機の再稼働を決定し、関西電力は作業を開始しています。この政府の決定に対し、以下3点について高橋市長の見解を伺います。
第1に、市長は東海第2原発の再稼働について、2重3重の安全対策により、東日本大震災を上回る地震や津波に対しても万全であることが大前提だと繰り返し述べてきましたが、大飯原発では、政府自身が最低限と指示した30項目の安全対策-免震事務棟やフィルター付きベントの設置さえ3年も先の計画です。一番優先されるべき安全を置き去りにすることは許されないと、市長の表明を求め見解を伺います。
第2に、野田首相は「原発は重要な電源だ」と表明し、国策として今後も原発継続の意志を示しました。これは、原発依存を転換して、再生可能エネルギーを本格的に普及していくという国の大仕事を放棄するものではないでしょうか。「創エネルギー」推進を表明する市長の見解を伺います。
第3に、政府は大飯原発以外の再稼働も「個別に安全性を判断する」としています。東海第2原発についても、ずさんな安全基準の下で再稼働が強行されかねないとの懸念、不信は高まるばかりです。東海村の村上村長は「憤りを覚える。東海第2は廃炉との思いを強くした」と表明しています。「安全神話」を復活させた再稼働押し付けはやめるべきとの表明を求め、市長の見解を伺います。
(2)水戸市議会に提出された請願、陳情及び17,000名超の署名について
現在、水戸市議会に東海第2原発の再稼働中止や廃炉を求めて、陳情や請願が5件提出され、そのうち2つの陳情に添えられた署名は計17,000名を超えるとのことです。過去に例のないこれだけ多くの署名や陳情・請願に示された市民の意志を議会が重く受け止めることはもちろん、市長としてどのように受け止めるのか見解を伺います。
子どもを持つ母親達が中心になって発足した「希望のたね・みと」の方々がどんな思いで署名を集めたのか。ホームページには「住民の暮らしや安全を第一に考えるのであれば再稼働させてはなりません。福島の人たちの無念を忘れてはいけません。ふるさとを、思い出を汚され、奪われるという危険性を後世に遺してはなりません。茨城県内各地で廃炉や再稼働中止を求める声があがり、市町村議会や首長が明言するところも出てきました。東海第2原発から30km圏内であり、県都である水戸市が表明することの意味は大きい」と、その思いが書かれています。17,000名を超える署名は、人口比では県知事への17万人署名をも上回る数です。放射能汚染という取り返しの付かない危険をはらむ原発を再稼働しないで欲しいという願いを重く受け止めた市長の姿勢、反対表明を求めて見解を伺います。
(3)東京電力の電気料金値上げについて
東電が経営状況の悪化等を理由として、17%もの電気料金値上げを行い、水戸市公共施設の影響額は年間1億6千万円になる見込みです。さらに、家庭用電気料金についても10.28%の値上げを国に申請し、認可されていないうちから値上げを示したリーフを家庭に配布して、苦情と怒りが広がりました。原発事故による損害を、その被害者である市民や事業者に料金値上げで責任転嫁するなど認められません。値上げは認可すべきでないと国に申し入れることを求めますが、見解を伺います。
(4)再生可能エネルギーの活用による発電能力の拡大について
今年3月に策定された水戸市地球温暖化対策実行計画で、化石燃料に変わる太陽光など再生可能エネルギーの利用促進を位置づけました。現在、市の公共施設で太陽光発電が設置されているのは12施設。今後の北消防署や市民センター32ヵ所など計画まで含めると46施設となり、その発電能力は263.64kwの推計です。これによって賄われるのは、公共施設で1年間に使用する電力約5,700万kwhに対しまだ0.5%ですが、今後どこまで高めていくのか、目標値をお答えください。
また、各家庭への太陽光発電設置補助は今年度末(2012年度)で1,540基、総発電能力は5,850kw(1基あたり3.8kw)となる見込みです。今後、どれだけ普及していくのか、地球温暖化対策実行計画に基づいて目標値を明確にし、その目標達成のための補助拡充や、新たな発電システム開拓などを求め、市長の見解を伺います。

【答弁 高橋市長】
日本共産党水戸市議団を代表されましての江尻議員のご質問にお答えいたします。
はじめに、大飯原子力発電所の再稼働に関するご質問についてでありますが、私は、今後のエネルギー政策のあり方については、国の責任において、福島第一原子力発電所の事故の検証と収束に向けたしっかりとした取り組みが果たされるとともに、未来ある子どもたちのために、自然エネルギーや再生可能エネルギーのさらなる活用について、検討すべきであると考えております。
大飯原発の再稼働に係る政府の判断につきましては、あくまで個別に判断されたものであると認識しており、東海第二顔視力発電所に対する国の考え方は示されておりません。このような中、現在、県央地域首長懇話会におきましては、原子力施設周辺地域としての一体的な安全確保を重要課題ととらえ、原子力安全協定の見直しと東海第二発電所の重要事項に係る協議等の権限の確保に向けた取組を進めているところであります。今後も周辺市町村との連携のもと、県や事業者との協議を行ってまいります。
私は、これまで申し上げてまいりましたとおり、原子力発電所は安全が最優先であり、二重三重の安全対策が講じられることが前提になると考えております。

なお、請願、陳情及び署名については、議会に提出されたものであり、私がコメントする立場にございません。

 次に,東京電力の電気料金値上げに関する御質問にお答えいたします。
私は,東京電力の契約電力50KW以上の自由化部門の電気料金値上げの動きに際し,原価の見直しを十分に行うべきであること,また,経営合理化の具体的な内容等について,市民,事業者等が納得できる詳細かつ丁寧な説明を行うことが必要であるとの考えに立ち,4月25日に東京電力株式会社に対し,要請を行ったところであります。
5月30日付で東京電力から頂いた回答は,一般家庭や商店・事業所などの規制部門の料金設定に当たっては,総原価の抜本的な見直しを実施することとし,認可された規制部門の原価に基づき,自由化部門の値上げ額見直しを行うこと,また,広く一般の皆さまに対しても理解を得られるよう積極的に説明を行っていくとの内容でありました。本市におきましては,自由化部門の契約期間満了に伴う更新は留保しているところであり,回答等の内容を十分に精査し,判断してまいります。
また,一般家庭や商店・事業所などの規制部門の電気料金につきましても,平成24年7月1日からの平均10.28%の値上げを経済産業大臣に申請しているところでありますが,東京電力は,国民に対して値上げの根拠等について誠意を持って説明していく必要があるものと認識しておりますので,このことも踏まえ,国の判断を注視してまいりたいと考えております。

次に,再生可能エネルギーの利活用による発電能力の拡大についてお答えします。
太陽光をはじめとした再生可能エネルギーの活用は,本年3月に策定した「水戸市地球温暖化対策実行計画」において,地球温暖化対策の大きな柱となるものであります。
この計画において,温室効果ガスである二酸化炭素の排出削減量の目標を,2020年度において約22万トンとしており,この目標に向け,家庭や事業所における太陽光など再生可能エネルギーの利用促進をはじめ,環境負荷の少ない生活様式・事業活動への転換,都市交通システムの構築・緑化の推進,リサイクル社会の形成などを進めてまいります。
なお,再生可能エネルギーによる発電能力については,市内の家庭及び事業者等の太陽光発電を仮想の「メガソーラーみと発電所」と位置付け,市のホームページ等で公表する取組をスタートさせ,市民への啓発を図ってまいりたいと考えております。
さらに,今議会において,再生可能エネルギー活用の視点とともに,更なる防災機能の強化の視点から,市民センターに太陽光発電設備等を設置する補正予算を提案させていただいたところであり,その他の公共施設整備においても,積極的に太陽光発電を設置するとともに,新エネルギーに係る次世代型産業など,幅広い分野における企業等の誘致に取り組んでいるところであります。
今後とも,各種補助制度の活用により,設備の普及促進及び市民意識の啓発を図るとともに,公共施設への再生可能エネルギーの積極的な導入を進めながら,市民・事業者・行政の連携・協働により地球温暖化対策を推進してまいります。


2.消費税増税について


(1)市財政と市民生活への影響について
次に、消費税増税に反対を表明することを求めて質問いたします。
どの世論調査でも増税反対が5割、6割に上っている国民世論を無視して、野田政権は消費税10%への増税法案成立に向け、国民不在で民主党、自民党、公明党の3党合意で大増税を決めようとしています。ただでさえ国民所得も消費も落ち込んでいるときに、13.5兆円もの大増税を行えば、個人消費や雇用、中小企業に大打撃を与え、震災復興の妨げにもなるものです。そして、景気悪化を招けば地方税収は落ち込み、水戸市の財政もいっそう困難にならざるを得ません。過去の例をみても明らかです。市の歳入について、消費税を5%に引き上げる前の1996年度と2010年度を比較すると、年間の法人税は79億円から48億円に31億円も減少し、所得税や固定資産税を含めた税収全体でも12億円も落ち込んでいます。消費税増税により、地域経済や市民生活が冷え込み、減収になったと考えないのか、見解を伺います。
(2)増税反対の表明を
政府は、社会保障との一体改革といいながら、年金、医療、介護、子育てのどれをとっても削減ばかりです。年金の支給額引き下げ、支給開始年齢の先送り、後期高齢者医療制度の温存、介護保険料の引き上げ、利用料は1割負担を2割に、そして保育の公的責任を放棄する「子ども・子育て新システム」の導入などです。震災復興と景気回復を妨げるような増税に市長が反対を表明するよう求めます。

【答弁 高橋市長】
消費税増税のご質問についてお答えいたします。
平成9年の消費税率改正以降,法人市民税が減収してきた原因につきましては,バブル経済の清算による金融危機,また,アメリカにおけるサブプライム問題や大手証券会社の破綻,さらには原油価格の高騰や円高によるデフレ不況など,多くの要因によるものと考えております。
また,地方消費税交付金につきましては,現在の税率5パーセントのうち1パーセントが地方消費税となっており,その2分の1が市町村に配分されております。消費税率が8パーセントに引き上げられたときは,そのうちの1.7パーセント,10パーセントのときは2.2パーセントが,地方消費税となるとの原案が示されております。
このため,市の歳入増となることが予想されますが,地方交付税制度への影響など,不透明な部分が多いことから,本市財政や市民生活にどのような影響が出るか,試算できる段階ではございません。
消費税増税は,国民に負担増をお願いすることとなるため,私は,国においても,自らが身を切るような徹底した行財政改革の実施,さらには逆進性の緩和など,市民生活への影響に配慮した上で実施されるべきと考えております。
いずれにいたしましても,消費税につきましては,国においても地方においても貴重な財源のひとつでありますので,引き続き,国の動向を注視してまいりたいと考えております。


3.市役所本庁舎等の整備について


(1)災害時等における安全性の確保について
市民1万人アンケートで、本庁舎等の改修や建て替えで優先すべきことでは、「安全性」が62.8%とダントツであり、市民の意向がはっきり示されました。
震災後、多くの市民から「市役所が建っている場所は地盤が悪い」と言われ、現に庁舎の下には、長いもので23mの基礎杭が200本以上埋まっています。現在地建て替えや現庁舎改修も選択肢の一つに掲げるならば、地盤は大丈夫かとの懸念に応える調査が必要ではないでしょうか。
茨城大学工学部の安原一哉教授や村上哲准教授など5名の専門家が、地盤工学的な立場から「東北地方太平洋沖地震における水戸市周辺の地盤災害」を調査しています。震災後の昨年5月に行われ、「水戸駅南地域における千波湖周辺の埋立地盤は、元来、地盤沈下を生じていたが、今回の地震によりさらに沈下が生じた。要因は、埋立材料である砂の液状化、および、その下の軟弱な粘土層の沈下による可能性がある。軟弱地盤の沈下は地震後も長期的に生じる恐れがあるため、継続的なモニタリングにより確認する必要がある」とまとめています。市が行った庁舎建物の損傷度調査と耐震診断により「地震で倒壊、又は崩壊する危険性が高く、使用禁止」との結果は示されていますが、地盤はどうなのか。今後、議会で整備方策を検討する際の基礎的資料としても調査の実施を求め、市長の見解を伺います。
(2)市民検討委員会委について
5月29日、市役所本庁舎などの整備方針を話し合う市民検討委員会の第1回会合が開かれ、その際、本庁舎の立地場所についても意見を出せるよう求める声が相次ぎましたが、当然ことです。日本共産党水戸市議団3名は、6月4日につくば市庁舎を視察してきましたが、つくば市でも20名からなる庁舎建設審議会で庁舎の位置を議題の一つとしました。また、現在検討が進む板東市岩井庁舎でも、検討委員会が立地場所を含めた中間報告をまとめています。市役所をどこに置くのかは市民の関心事であり、委員会で立地場所を含めた活発な議論をいただくことは当然であり、市長の見解を伺います。

【答弁 高橋市長】
市役所本庁舎等の整備についての御質問にお答えいたします。
本庁舎等の整備は,本市が本格的な震災からの復興を図り,今後のまちづくりを進めるうえで,重要な課題であり,私は,広く市民の意見の把握に努めるとともに,様々な観点からの検討を早期に進め,議会との協議を十分に行い,平成24年度中に庁舎整備の基本方針として決定していく考えを明らかにしたところであります。
私は,本庁舎につきましては,市民が利用しやすいことはもとより,防災拠点として,また,まちづくりをけん引する拠点施設としての機能を有し,市民が将来にわたって,安心・安全に暮らせるまちづくりにつながる施設となることを目指していくべきと認識しております。
このような認識のもと,本庁舎等の整備の検討に当たりましては,東日本大震災における本庁舎等の被災状況や,市民1万人アンケートにおいて本庁舎等の安全性を求める意見が最も多かったことを踏まえ,耐震性の確保など構造的・技術的に安全性の高い庁舎機能について検討を進めてまいります。
東日本大震災による本庁舎の被害の程度につきましては,平成23年11月の第5回東日本大震災における復興対策調査特別委員会にご報告させていただきましたように,震災後において,市庁舎損傷度調査及び耐震診断を実施したところ,損傷度調査においては,基礎構造部の不同沈下はみられず被害はないこと,地上構造部については,被災度区分判定上の損傷度は「小破」との診断でありました。また,耐震診断においては,「地震の振動及び衝撃に対して倒壊し,又は崩壊する危険性が高い」ことが明らかになりました。
ご質問の地盤調査につきましては,損傷度調査における調査結果から,本庁舎周辺部について沈下は生じたものの,建築物を支える基礎杭には影響がなかったことから,震災後の地質調査は行っておりません。今後,庁舎の検討を進める中で,本庁舎の安全性の確保は重要な課題でもありますので,これまでの地質調査の結果や本庁舎周辺部の状況等も含め,総合的に検討してまいります。

次に,本庁舎等の整備に係る市民検討委員会についてでありますが,庁舎整備の基本方針の素案作成に当たって,求められる庁舎のあり方及びその機能について,市民の視点,各界各層の視点から,広く意見を把握することを目的とするものであり,去る5月29日に第1回の委員会を開催したところであります。
今後,庁舎の安全性や防災機能の強化,窓口等の利便性の向上,バリアフリー化の推進など市民が安心・安全に暮らせるまちづくりを進めるために求められる庁舎のあり方や機能について,多様な角度から意見を伺ってまいりたいと考えております。
本庁舎等整備の検討に当たりましては,以上申し上げましたように,広く市民の意見を把握しながら,幅広い視点からの検討を進め,議会との協議を十分に積み重ねてまいりたいと考えております。そのうえで,最重要事項である改修,建替えなどの整備手法や立地に係る庁舎整備の基本方針につきましては,議会との協議により決定してまいりたいと考えております。


4.子育て支援施策の拡充について


(1)中学校3年生までの医療費助成実施を
昨年9月議会の一般質問で私が実施を求めたのに対し、市長は「医療費助成を中学校3年生まで拡大していく必要がある。対象者数は3,700人,必要予算額は6千万円の見込み。具体的な実施時期を判断していく」と答弁しましたが、市長が初めて予算編成した今年度、なぜ実施しなかったのか。来年度実施への決意を伺います。現在、水戸市の補助は小学校6年生まで、所得制限もあって4割の子どもが補助を受けられません。県内ですでに30市町村が所得制限を廃止していますが、水戸市は夫婦と子ども1人家庭で年所得431万円以上は助成を受けられません。これは所得制限がある都道府県の多くの570万円と比べても厳しく、所得制限をなくして、すべての子どもが医療費助成を受けられるよう求め見解を伺います。
(2)幼児教育課設置による保育所および幼稚園施策について
政府は、今国会に幼保一体化を進める子ども・子育て新システム法案を提出しました。日本共産党は、新システムは国や市町村の保育の公的責任を後退させ、保育を民間任せ、市場化するものであり、待機児童の解消や子どもを大切にする国づくりを望む国民の願いに反するものとして法案の撤回を求めてきました。今、国会では消費税増税法案と一体に、新システム法案は一部修正で通そうとしており撤回を求めます。
水戸市は、国の幼保一体化を先取りし、4月から教育委員会に幼児教育課を新設して、保育所と幼稚園の窓口を一元化しました。そこで、第1に保育所の増設を求めて伺います。水戸市の待機児童は6月1日現在120人と、昨年同時期の1.5倍です。市民1万人アンケートでも、子育て支援施策要望の1位が保育所整備であり、大きな願いです。また、幼保一体化として、公立幼稚園を活用した保育の実施まで検討しているのか伺います。
第2に、民間保育園への運営委託料のうち、市は今年度、児童援護費を子ども1人あたり月2,000円を1,800円に1割カットし、年間予算で約530万円削減しました。民間保育園には事前に全く説明もせず、一方的な削減です。児童援護費を元に戻すこと、予算を拡充して量的にも質的にも保育の向上を図るよう求めます。
また、公立幼稚園についても老朽化や耐震化されていない施設の早期建て替えを求めます。今年度の緑岡、石川幼稚園に続き、2013年度の浜田幼稚園、2014年度の飯富、酒門幼稚園の改築計画を前倒しすること、見川幼稚園は改築年度さえ示されていません。子どもたちに安全な環境を早く整備するよう求め、教育長の答弁を求めます。

【答弁 高橋市長】
子育て支援策の拡充についてお答えいたします。
まず、子どもの医療費助成制度についてでございますが、その対象を中学校3年生まで拡大することにつきましては、私の公約でもあり、任期中に実現してまいる考えでありますので、以前にも申し上げているとおり、今後、具体化の時期について、事業の優先順位等を見極めて判断をしてまいります。
また、所得制限の廃止等につきましては、対象年齢を中学校3年生まで拡大することと合わせまして、本来ならば、国において、医療費助成制度の創設について検討していただき、その中で論じされて然るべきものであると思っております。少子化対策としての子育て支援施策の充実は、我が国の重要な問題でもありますので、今後、県を通じ、国による助成制度創設を働きかけていきたいと考えております。

次に,幼児教育課の新設による保育所及び幼稚園の施策についてお答えいたします。
本市におきましては,就学前児童に対する教育,保育に係る横断的かつ総合的な施策を,迅速かつ柔軟に対応することが重要な課題であるとの認識のもと,幼稚園及び保育所を所管する組織の一元化について検討を重ね,本年4月,教育委員会事務局に幼児教育課を設置したところであります。
組織を一元化することで,就学前児童に対する統一的な考え方に基づく教育の実践により,幼稚園及び保育所に在籍する児童への教育効果を高め,小学校への円滑な引継ぎが図られ,また,窓口の一元化による市民サービスの向上が図られていると考えております。
保育所の所管が教育委員会に変わりましても,保育環境の充実に向けた施策は継続しており,待機児童の解消に向け,4月に開所いたしました市立河和田保育所において,20人の定員増を行ったところであります。民間保育所につきましても,24年度内に定員90人の1園を創設し,さらに3か年実施計画に位置づけた定員90人の1園の創設等により,定員の拡大を図ってまいります。あわせて,家庭的保育事業の推進や事業所内保育施設の整備促進に努めるなど,今後におきましても,子どもを預けやすい環境の整備充実に努めてまいります。
幼稚園の耐震化の取り組みにつきましては,平成21年度に事業に着手し,耐震診断の結果により,耐震性の低い順に年次計画を立て,事業を進めております。
本年度におきましては,改築による耐震化が必要となる緑岡幼稚園及び石川幼稚園の実施設計及び改築事業を進めているところであり,引き続き,来年度以降につきましても,計画的な耐震化を図ってまいります。
民間保育園への運営費補助につきましては,国の基準に基づき支出しており,市単独の補助であります児童援護費につきましては,限られた財源の中で,見直しを行ったものでございます。
今後におきましても,幼稚園と保育所の政策課題について総合的に検討し,施策の推進を図ることにより,本市のすべての小学校就学前の子どもが,幼稚園と保育所の枠を超え,分け隔てなく健やかに育つ環境の整備に努めてまいります。


5.幼児発達支援と特別支援教育について


(1)療育センターの機能強化について

20120618

水戸市療育センター(河和田町)

 河和田町にある水戸市療育センターは、心身の発達に遅れがあると疑われる児童とその保護者が親子でセンターに通所しながら支援を受けたり、市内の幼稚園や保育所に訪問指導を行うなど、早期発見、早期支援の重要な役割を担っています。センター開所以来18年経ちますが、1日親子10組、20名という利用定員の拡充など、機能強化を求めます。一つは、現在6人の職員を増やすことです。6人のうち、正職員は所長と言語聴覚士の2人だけで、あとの社会福祉士と保育士3名は嘱託職員ですが、子どもの療育という専門的な仕事であり、正職員とすべきです。又、嘱託の雇用は最長10年で切られるため、せっかく療育センターで培った経験や知識が市全体に生かされません。療育センターと公立保育所の間で保育士の人事交流を可能とし、その経験を生かして保育の現場で子どもの支援を広げるよう求めます。
(2)ことば・こころの教室の拡充について
言葉がうまく話せない、集団の中で友達とうまくかかわれないなど、発達に何らかの心配がある4歳、5歳の子どもが通う「ことば・こころの教室」が、浜田、常磐、緑岡の3ヵ所の幼稚園にあります。普段は別の幼稚園や保育所に在籍しながら教室に通ってくる子どもの数が増加し、昨年度は3ヵ所で166人。1教室2人の専門の先生が、個別指導や2、3人の小さな集団で指導しています。現在、1教室50~60人の子どもに対し、週1回の通級を確保することさえ困難になっています。5水総では2ヵ所増設の計画が1つも増えておらず、教室を増やすことです。又、先生を1教室あたり現在の2人から3人に増やすこと、以前は行っていた3歳児の通級も保障することです。現状では、指導時間や指導内容の質の確保が困難になっていることは教育委員会も把握しており、実施要項がないことを含めて改善を求め、教育長の見解を伺います。
(3)特別支援教育支援員及び障害児補助員について
最後に、小・中学校の特別支援教育支援員と、幼稚園の障害児補助員について伺います。2007年度から学校教育法の改定により特別支援教育が本格実施され、障害や別な支援を必要とする児童生徒が在籍する学校や幼稚園に支援員の配置がすすめられてきましたが、この間の配置状況を伺います。支援員が必要だと申請しても認められないケースや、支援員の配置が1日2時間しか認められないケースもあり、どのような基準で決定しているのかお答えください。こうした支援員の状況を調査した、茨城県障害者問題研究会が昨年行ったアンケートでは、学校現場だけでなく支援員からも数多くの悩みや要望が寄せられています。中でも、「他の学校の支援員との情報交換や研修会参加によって資質を高めたい」という意見や、「市の財政上、勤務時間が制限されて支援が行き届かないこと」などが強い声です。研修機会を増やしたり、配置基準や配置時間についてより一層の拡充を求め、見解を伺います。

【答弁 高橋市長】
幼児発達支援と特別支援教育についてのご質問のうち、療育センターの機能強化についてお答えします。
療育センターにつきましては、心身に発達の遅れ等があると思われる就学前の児童及び保護者に対して、療育相談をはじめ、集団や個別による療育と指導を通して、児童の発達を支援するとともに、保護者の不安軽減に努めております。
また、発達に遅れがあると認められる児童が通園する市内の保育所や幼稚園からの希望により巡回訪問指導を実施し、担当職員への助言を行っているところでございます。
ご質問の職員体制につきましては、現在、言語聴覚士、社会福祉士、保育士といった有資格者の専門性のある職員を配置し、適切な支援を行い、効果をあげているところでございます。今後、対象児童数が増加する場合には、その推移を見極めながら、適切な支援が継続できるように職員体制の充実について検討してまいります。

【答弁 鯨岡教育長】
江尻議員の代表質問のうち、幼児発達支援と特別支援教育についてお答えいたします。
はじめに、こどば・心の教室の拡充につきましては、浜田、常磐、緑岡の3つの幼稚園にことば・こころの教室を設置し、専門的な研修を重ねた職員によって、発達等に何らかの心配のある4・5歳児を対象に、保育指導を行っております。ことば・こころの教室に通級する幼児の数は増加傾向ですが、教室の拡充や職員の増員につきましては、財政的に厳しい状況にある中でも、今後とも質の高い支援を維持・継続できるよう努めてまいります。
そのため、教室を担当する職員どうしが互いに情報交換を行うとともに、小・中学校職員の研修にも広く参加できる機会を設けております。さらには、専門的な機能をもつ療育センターや、早期発見早期支援のために配置した巡回訪問指導員とも密接な連携を図ってまいりたいと考えております。

次に、特別支援教育支援員及び障害児補助員についてお答えいたします。
現在、本市では、各幼稚園から申請のあった幼児に障害児補助員、各小・中学校から申請のあった児童生徒に特別支援教育支援員を配置しております。開所当初と比較すると、飛躍的に配置数は増えており、特別支援教育の重要性に応えるべく、幼児児童生徒の状況に応じて必要な時間を配当できるようにしてまいりました。配置にあたっては、実際に担当指導主事が訪問して子どもの学校生活の状況を把握し、年4回の配置検討会において慎重に審議を重ねて、決定しております。
今後につきましては、多様化するニーズに対応できるよう特別支援教育支援員及び障害児補助員の資質をなお一層向上させることが課題と認識しており、そのため、特別支援教育コーディネーターを中心に研修を一層推進し、とり質の高い支援に努めてまいりたいと考えております。


【再質問】
市長と教育長からそれぞれ答弁があった後、再度、原発問題について市長に質問しました。
東京電力福島第一原発事故の後、日本の国内で原発を再稼働するには高いハードルがあると考えられていましたが、大飯原発再稼働の決定経過をみると、ハードルは低かった。ハードルが低かったというのは正しい表現ではなく、ハードルは高かったにもかかわらず、政府はそのハードルを越えることなく下を通り抜けていったように私は考えます。市長の答弁では、安全対策が講じられ、安全性が確認されれば再稼働を認めることもあり得ると受け止められますが、再稼働は認められないとはっきりした表明を求めました。市長は再度、答弁に立ちましたが、再稼働中止や廃炉の表明はありませんでした。