2023年12月 茨城県議会第4回定例会 江尻かな議員の開会日討論(要旨)

日本共産党の江尻かなです。
令和4年度公営企業会計ならびに一般会計及び特別会計の決算認定に係る認定第1号・第2号および議案第116号について、主な反対理由を述べて討論いたします。

まず、水道事業会計と、一般会計における水資源開発と水道広域化事業についてです。

物価の高騰が続く中で水道料金がどうなるのか、災害時も含めて安定供給されるのかなど、水道への関心や不安が増しています。
特に中央広域水道の料金は全国一高いままであり、県企業局は水道料金の引き下げを求める市町村からの要望に、黒字分を活用して答えるべきです。

水戸市や土浦市などからは、県との契約水量そのものを見直す要望もあがっています。県と契約する受水量が実際の必要量を大きく上回って過大となっており、市の水道事業会計を圧迫しているためです。

高い料金、必要量と乖離した契約水量の根本原因は、県の過大な水源開発による「水余り」です。ところが、県は、まったく反省なく無駄な霞ケ浦導水事業に多額の予算を投入する一方で、市町村の水道管や施設の耐震化、更新事業には一切、独自補助を行っていません。

さらに、「1県1水道」をめざす水道事業広域連携推進方針において、「経営の一体化により給水原価を下げられ費用抑制効果が得られる」としながら、各種推計や経営一体化のシミュレーションの詳しい内容を県民に公開していません。

市町村や事業団で単独経営する場合と、広域化した場合それぞれのメリットやデメリット、リスクも含めて広く情報を開示すべきです。県民や議会の理解を得ないで持続可能な水道事業を作り上げることは不可能です。

第二に、一般会計と特別会計により実施している県の「4つのチャレンジ」事業について、特に目標に対する達成度が低いのが県民の「安心・安全」を支える事業です。「救急要請から医療機関への搬送に要した時間」や「特定健診実施率」、「交通事故死者数」や「原子力施設における事故・故障等の発生件数」などはいずれも達成率は「0%」となっています。

地域の医療や保健、介護の体制を拡充すること、信号機や歩道の整備を含め、交通安全対策や高齢者にやさしい公共交通への予算を増やすこと、さらに老朽化した原子力施設の廃止および安全管理に県の責任を果たし、東海第二原発は再稼働させず廃炉にすることです。

そして、もっとも評価が低いのが「障害のある人も暮らしやすい社会」の取り組みです。障害者の自立や社会参加、就労機会や工賃を引き上げる取り組み、重度障害や医療的ケア、難病の方々の人権を保障する施策にもっと予算を増やすべきです。

一方で、企業誘致や産業用地開発に多額の予算を投入し続けています。特に、常陸那珂港区整備では火力発電所の石炭灰で海を埋め立てるという時代錯誤の拡張整備を続けています。

さらに、カーボンニュートラルとして火力発電所でのアンモニアや水素の混焼事業を推進していますが、これは「環境への配慮を見せかけるだけで、CO²排出削減につながらない」などの批判から、現在開催中のCOP28で日本政府が4年連続で不名誉な「化石賞」を授与された理由そのものです。

また、個別事業では、日立市に計画する産業廃棄物最終処分場の整備に対して、住環境や自然環境の悪化、自然災害等を危惧する市民の声を聞くべきです。産廃搬入のための新設道路整備に120億円を要するほか、10月の台風で整備予定地では土砂崩れ、鮎川では洪水が発生しており、計画は中止・見直しすべきです。

最後に、国民健康保険特別会計についてです。
「国民健康保険税が高すぎる」と県民から悲鳴の声があがっています。

令和4年度は、県主導で賦課方式が変更され、すべての市町村で所得割と均等割の2方式によって各世帯の国保税額が計算され、多くの世帯で値上げとなりました。県は、子どもにまで課税される均等割を半額にする措置として、19歳までの加入者数に応じて市町村に特別交付金を5億円配分しましたが、そもそも子どもの均等割は全額免除とすべきです。県の財政安定化基金を活用し、国保税の負担を軽減するよう求めます。

以上で討論を終わります。

以上

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