2011年6月議会一般質問 東日本大震災からの復旧・復興と放射能汚染対策

20111005

文化交流プラザ6階の本会議場

2011年5月29日投票の水戸市議会議員選挙で当選することができ、3期目のスタートとなる6月議会で一般質問に立ちました。その質問と市答弁の内容を掲載します。

(水戸市役所6階にあった議場が被災して使用できなくなったため、しばらくの間、五軒町の文化交流プラザ[旧びよんど]の6階を使用して市議会を開くことになりました。)


日本共産党水戸市議団の江尻加那です。東日本大震災からの復旧と復興に力を尽くし,日々の暮らしと子どもたちの未来,そして水戸市のこれからをよりよくしていくという決意を述べまして,6月議会に当たり一般質問を行います。


1.放射能の観測調査と対応策について


初めに,東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射能の観測調査と対応策について伺います。
放射能という目に見えない恐怖に,今多くの市民が不安やストレスを感じ,中でも,子どもを持つ母親の不安は深刻で,発表される放射線量のレベルが安全なのか,子どもの体に一体どんな影響を与えているのか,不安は募るばかりです。判断材料となる具体的な情報を迅速に,そしてわかりやすく発信することが何よりも今,政府や東電,そして水戸市は求められており,以下7点について質問いたします。

(1)放射線量の広報について
1点目は,放射線量の広報についてです。
水戸市の空気中の放射線量が一番高かったのは,あの地震後4日目の3月15日で,毎時3.63マイクロシーベルトが観測されました。多くの市民はこれを知らないまま,あの日1日を過ごしました。屋外活動を制限する基準とされる3.8マイクロシーベルトに限りなく近く,その時点で保護者や市民への市としての広報が必要ではなかったのかと私は考えますが,いかがでしょうか。今後,高い数値が観測された場合,どのような方法で即座に市民に情報を届けるのか,お答えください。

【答弁 市民環境部長】
江尻議員の一般質問のうち,東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射線の観測調査と対応策についてお答えいたします。
まず,放射線量の広報につきましては,このたびの福島第一原子力発電所の事故に伴い,本市においても,3月15日,一時的に毎時3.63マイクロシーベルトを記録いたしました。茨城県に確認しましたところ,本市は,避難や屋内退避の必要がなく,日常の生活に影響がないレベルであるとの見解を得ましたので,市独自の広報として,広報車10台及び常澄地区,内原地区の防災行政無線により,混乱することなくふだん通りの生活を送っていただくようお知らせをいたしました。
今後の市の対応といたしましては,引き続き,県が市内3カ所に設置し常時観測しているモニタリング状況を注視し,福島県における屋外活動を制限することとした暫定数値を目安に,放射線量の上昇が見られたときには,県と協議の上,正しい情報を迅速,確実に発信することとし,特に,子どもたちに,できる限り,放射線の影響がないように配慮してまいります。

(2)放射線量の測定について
2点目には,放射線量の測定についてです。
市は,小学校で5月と6月の2回,幼稚園や保育所などで6月に1回と,子どもが多くの時間を過ごす場所で観測を行っています。7月以降はこの測定を強化するということでございますが,その強化の具体的な内容をお示しください。
また,水戸市は放射線量の測定器を現在11台持っておりますが,なぜ今1台しか活用しないのか。残りの10台を十分に活用すれば,さらに測定の回数や場所をふやすことができると考えますが,見解を伺います。

【答弁 市民環境部長】
放射線量の測定でございますが,本市においては,民間も含めすべての小中学校,幼稚園,保育所等において放射線の測定を行い公表しておりますが,いずれも健康に影響がない値であります。7月以降は放射線を測定する体制を複数にすることで,体制を強化し,定期的に身近な場所の測定を継続し,その値を公表することで,市民の皆様の不安感の軽減を図ってまいりたいと考えております。また,放射線測定器の活用につきましては,7月以降の測定体制の強化に伴い活用してまいります。

(3)学校での対応について
3点目には,学校での対応についてです。
文部科学省は福島県の児童,生徒が学校で浴びる放射線量について,当初は1時間当たり3.8マイクロシーベルト,年間にして20ミリシーベルト未満であれば問題ないとしていましたが,子どもにとってこの基準値は高過ぎるという批判を国内外から受けまして,年間1ミリシーベルト以下を目指すといたしました。今,水戸市が行っている小学校での測定結果,例えば0.19マイクロシーベルトが観測されていますが,これでは年間1ミリシーベルトを超えてしまうという,この疑問に対して,水戸市はどのように検討され,対応する考えか,お答えください。

【答弁 教育次長】
江尻議員の一般質問のうち,学校等での対応についてお答えいたします。
本市の空間放射線量は,すべての小中学校,幼稚園で実施した測定結果においては,国の暫定基準値を大きく下回っており,文部科学省が提示する試算方式による学校における積算線量については,今年度,1ミリシーベルトを超えることはないものと考えております。
今後,国おいては,夏季休業終了までの期間をめどに,暫定基準値の見直しを行うこととしておりますので,本市といたしましても,児童,生徒の安全確保のため,状況の推移を注視しながら,関係機関と連携し,適切な対応に努めてまいります。

(4)土壌調査について
4点目は,土壌調査についてです。
空気中の放射線量だけでなく,今多くの不安が広がるのは土壌汚染です。市が現段階で学校の校庭などの土壌そのものの調査は行わない,この理由は何か,また,今後も実施する考えはないのか,お伺いします。
また,農用地については,今年の稲の作付に当たって,茨城県が4月8日に土壌分析結果を発表いたしました。水戸市の水田におけるセシウムの濃度は157ベクレルで,国の基準値の5,000ベクレルを大きく下回り,安全が確認されていますが,この後,秋までの稲刈り時期まで継続的に土壌調査を実施していくことが,水戸市の米に対する風評被害の防止策の一つではないかと考えますが,いかがでしょうか。

【答弁 市民環境部長】
土壌調査についてでございますが,本市において,測定している空間線量は,地表から3センチメートル,50センチメートル,1メートルの高さで実施しております。地表から3センチメートルの地点での測定は,土壌の状況を把握する目的で行っているものです。土壌調査につきましては,地表から3センチメートルの測定結果において高い値が確認された場合には,より詳細な調査として,土壌調査を実施することを検討しております。

(5)学校プールの水質調査について
5点目には,学校プールの水質調査を求めます。
北茨城市が,国の基準が示されず,安全の確証が得られないとして今年度中止。日立市と常陸太田市が判断を保留している中,水戸市は,学校プールの利用を決定して,今日も水泳授業は行われております。しかし,水質検査は必要に応じて実施するというだけで,現在は行っておらず,雨水も入るプールの水にヨウ素やセシウムがどれだけ含まれているのかさえわかりません。子どもたち,保護者の不安にこたえるためにも,プール水のモニタリングを今すぐ行い,公表するよう求めますが,見解を伺います。

【答弁 教育次長】
学校プールの水質調査についてお答えいたします。
本市におきましては,プール利用に関する国,県の明確な基準が示されない中,開始に向けての準備を進めながらも,プールの使用を見合わせておりましたが,6月20日付で茨城県から,学校の屋外プール利用について,校庭の空間線量が毎時3.8マイクロシーベルトを下回れば,プール授業を含む屋外活動を制限する必要はないとの見解が示されたことに伴い,プールの使用を開始することといたしました。
プール学習の実施に際しては,現在,水道水のヨウ素,セシウム等の放射性物質は不検出となっておりますが,市立小中学校全校においてプール水のモニタリングを行うとともに,放射性物質に関する不安等からプール学習を希望しない児童,生徒に対しましては,見学も可能とするなど柔軟な対応を図ってまいります。

(6)国への要請について
政府が示すものは常に,福島県におけるとされており,茨城県では県や市町村の独自の判断が迫られ,対応のおくれを招く要因になっています。国に対し,福島県以外での基準値や対応策について,きちんと示すよう求めること。またプール水の検査を水戸市小中学校49校すべてで2回実施するとしても約250万円かかるとお聞きしましたが,測定や対応策の費用は全額国に求める考えか。高萩市のように,東京電力に請求する考えがあるのか,水戸市の見解をお答えください。

【答弁 市民環境部長】
国への要請についてお答えいたします。
国が福島県以外においても,放射線に対する十分な安全基準値や対応策等を示すことが重要であり,これにより,住民の不安感が軽減されると考えますので,他の自治体と情報交換を深めながら協議してまいります。また,福島第一原子力発電所の事故に伴う対策経費につきましては,事故の収束が見えず,いまだ不透明な状況でありますので,今後の検討課題と考えております。

(7)原子力発電や放射能について学ぶ機会の提供
次に,原子力発電や放射能について学ぶ機会を提供すること。
広く市民が参加できる講演会や学習会をきめ細かく開くことです。原発や放射能について,正しく知って正しく恐れること。放射能汚染という,この余りに大きな代償,危険が伴う原発を,地震列島の日本にふやすことはもうできません。そうであれば,原発にかわるエネルギーの活用をどう広げていくのか,子どもたちの未来に原発ゼロの日本をどうつくっていくのか,学ぶ機会を水戸市としても積極的に提供できるよう求めるものです。

【答弁 市民環境部長】
原子力発電や放射能に関して学ぶ機会の提供についてでございますが,原子力に関する正しい知識を市民の皆様にお伝えすることがさらなる不安感の軽減につながると考え,現在,親子で学ぶ原子力講座や消費者向けの原子力講座などの開催を市民活動団体との協働事業として計画しているところでございます。


2.学校施設の耐震化について


(1)前倒し計画の具体的内容とスケジュールについて
2番目といたしまして,学校施設の耐震化について伺います。
これまで水戸市は,平成27年度末,今年度からしますとあと5年かけて100%完了するとしていました耐震化を,高橋市長は,今任期中に完了させるとしました。しかし,これでは1年前倒ししたに過ぎず,あと4年も待てない,その間にまた大きな地震が来たらどうするのかという市民の不安にこたえられません。水戸市内市立の49ある小中学校のうち,校舎もしくは体育館が耐震化されていない学校が,現時点で27校残されており,私はさらなる前倒しを求めます。
(2)耐震化予定年度の公表と耐震化までの対応について
あわせて,どの学校をいつ耐震化するのか,年次ごとの工事実施予定の学校を,地域の住民,保護者に知らせて理解を図ることです。また,耐震化されていない学校施設をこのまま引き続き避難場所として市は指定していくのか,見解を伺います。

【答弁 教育次長】
学校施設の耐震化についてお答えいたします。
学校施設の耐震化の取り組みにつきましては,平成20年度から計画的な耐震化に向けた事業に着手し,年次計画により校舎及び屋内運動場等の耐震補強工事を実施しており,本年度におきましても,国の補正予算を活用して3月に補正予算化した寿小学校の校舎及び吉田小学校ほか11校の屋内運動場の耐震補強工事を実施いたします。
現在,水戸市耐震改修促進計画において,平成27年度末の耐震化率おおむね100%を目標としておりますが,学校施設の耐震化につきましては,子どもたちの安全,安心な学校づくりを最優先し,防災上重要な地域の避難場所としての役割も担っておりますので,現計画の前倒しにより耐震化を進めてまいります。
次に,耐震化予定年度の公表と耐震化までの対応についてお答えいたします。
耐震化予定年度の公表につきましては,地域住民や保護者の方々に対して正しい情報を提供することにより,耐震化への取り組みについての御理解を得るため,本市のホームページ上でお知らせしており,内容等についても随時更新を加えております。
災害時の子どもたちへの安全対策につきましては,子どもたちがみずから身を守り安全に避難するための備えについて,校長会等と連携を図りながら,各学校における防災計画の見直しを行う中で,本市の安心できる具体的な方策について検討してまいります。


3.税務行政について


(1)所得税および市県民税における雑損控除について
3点目に,税務行政についてです。
地震などの災害によって,住宅などに損害を受けた場合に,確定申告を行うことによって,所得税や市県民税の一部を軽減できる雑損控除という制度がありますが,住宅以外にも塀や物置,倉庫,車庫,門扉,墓石,自動車などの多くが控除の対象になることを水戸市が市民に周知していないために,制度が正しく理解されておらず,このままでは税負担の軽減免除を受けずに終わってしまう市民を生み出してしまうおそれがあります。
そこで,雑損控除の制度について,また,そのために必要な領収書などの書類について,早急に広報,市民に周知する必要があると考えますが,いかがでしょうか。

(2)罹災証明書の取り扱いについて
また,確定申告の際には,市が発行する罹災証明書がなくても,雑損控除の手続ができるという,はっきりとした見解が示されるよう,水戸税務署などとの関係機関と事前の調整を行う必要があると考えますが,見解を伺います。

【答弁 財務部長】
江尻議員の一般質問のうち,税務行政についてお答えいたします。
東日本大震災に伴う雑損控除につきましては,従来の住宅や家財のほか,塀や自動車,墓地などに係る損害が対象とされる見込みでございます。これらの周知等につきましては,税務署等関係機関と十分調整をいたしまして,「広報みと」,そして水戸市のホームページなどを通じて広報し,周知に努めてまいります。
次に,雑損控除の手続における罹災証明書の取り扱いにつきましてですが,雑損控除を申告する際は,原則として罹災証明書の提示または添付が必要となっております。しかしながら,家財等については,罹災証明書の発行の対象とならないことから,罹災証明書がない場合でも,雑損控除の申告ができるよう税務署等に十分要請をしてまいります。


4.障害者の就労支援について


(1)障害基礎年金の支給停止について
最後に,障がい者の就労支援について,障害基礎年金の支給停止の問題について伺います。
月6万6,008円の障害基礎年金を全額支給停止されてしまったという,26歳の男性の話をうかがいました。彼は,子どものころから自閉的傾向があって,療育手帳Bを取得する知的障がいを伴っています。御家族の療育に対する懸命な御苦労と本人のいつの日か一般就労したいという強い希望のもと,勝田養護学校の高等部を18歳で卒業後,水戸市内の知的障害者福祉作業所に5年間,毎日休むことなく,8キロメートルの道のりを自転車で通って真面目に仕事に取り組み,この間,20歳のときから障害基礎年金を受給して,23歳で水戸市内にも店舗を持つ衣料品会社に障がい者雇用として一般就労することができたのです。そして2年,頑張って働いていた昨年,日本年金機構(旧社会保険庁)から年金支給停止の決定通知,厚生労働大臣のこの処分が届いたのです。20歳のときと25歳で再審査に提出した医師の診断書の中身は全く同じで,障がいの程度が軽くなったわけでもないにもかかわらず,厚生労働省は年金を停止したのです。会社に就職できたと言っても,彼の月々の賃金は10万円程度です。
就労を後押ししてきた福祉作業所のNPO副代表は,国の障害者自立支援法が施行されてすべての障がい者が社会に出て自立を促すという国の政策のもとで自分たちも懸命に就労支援してきた。2年頑張って働いたことで逆に彼の大切な安心基盤の年金が停止されるのであれば,今後安心して就労を勧めることができない。年金の停止は,障がい者が社会に生きていくための根幹の問題であり,彼らが親亡き後も安心して生きる最低の権利だけは守ってあげたいと強い思いを訴えております。こうした声が水戸市には届いているでしょうか。
水戸市内で就労移行支援事業を行っている事業所は,16カ所あると聞いていますが,一般就労できた方は何人いるのか,そして障害基礎年金を停止された方がほかにもいるのか,実態の把握を伺います。
働く意欲と自立を阻害してしまうような,障がい者の実態を見ない一方的な年金の支給停止はやめるよう,市としてよく調査した上で国に意見を上げる必要があると私は考えますが,見解を伺います。

(2)障害者就業・雇用安定等事業の取り組み状況について
水戸市においても障がい者の就労支援として,社会福祉事業団が,赤塚ミオス内にセンターを設置して,就業支援担当員3名が働きたいと願う障がい者の相談を受けて,一人一人の適正や条件を丁寧に把握しながら,独自に職場や実習先の開拓に努力を重ねています。昨年度は新規の就職件数について目標値を達成できたとされていますが,その具体的な取り組み状況を伺います。また,その中で,障害基礎年金を停止されたケースがやはりあったのかどうかについてもあわせて答弁を求め,質問を終わります。

【答弁 保健福祉部長】
江尻議員の一般質問のうち,障がい者の就労支援についてお答えいたします。
初めに,障害基礎年金の支給停止についての御質問のうち,就労移行支援事業から一般就労へ移行できた人数についてでございますが,平成22年度には,市内の就労移行支援事業所16カ所のうち,水戸市が事業主となっております3つの事業所から3名の方が一般就労へ移行いたしました。
また,障害基礎年金を停止された人数についてでございますが,障害基礎年金の受給認定につきましては,国民年金法施行令に定める基準に基づき,国からの委託を受けた日本年金機構が個々の障がいの状況に応じ判断しているものであります。今回,改めて確認いたしましたところ,現時点においてはこれら3名の方が年金の支給停止を受けたという情報は得ていない状況にあります。
さらに,年金停止の措置に対して国へ意見を提出してはとの御指摘でございますが,国民年金制度における市町村の役割は,裁定請求,年金保険料免除等の申請手続を法定受託事務として行う立場にあり,審査事務については,基本的に国の事務でありますので,御理解願います。
次に,水戸地区障害者就業・生活支援センターにおける雇用安定等事業の取り組み状況でございますが,本事業は,水戸市社会福祉事業団が厚生労働省から委託を受けて実施しており,就業支援担当員を配置し,障がい者の雇用促進及び職場定着支援を目的に取り組んでいるものでございます。平成22年度の対象障がい者の新規就職につきましては,個別支援計画の作成を初め,職場実習先の開拓など,就労に向けた多様な支援に努め,目標値60件を上回る63件の実績を達成したところであります。
また,63件のうち障害基礎年金の停止を受けたケースは,現在のところございません。
今後とも,各専門の関係機関と連携し,障がい者本人に適した職場への就労支援を図るとともに,職場定着支援に努めてまいりたいと考えております。

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