2011年9月議会で代表質問を行いました。質問と答弁を掲載します。


日本共産党水戸市議団の江尻加那です。9月定例市議会にあたり代表質問を行います。

3月11日東日本大震災から6ヶ月が過ぎました。家族や住居、仕事を失い、今なお将来の展望が見えない多くの被災者の方々に、心からお見舞い申し上げるとともに、水戸市においても住宅損壊や原発事故の影響を受ける市民の生活再建に日本共産党として全力で取り組んでまいります。
はじめに、震災半年後の今、あらためて必要とされる支援策や、防災対策の具体化について質問いたします。


1.震災復旧・被災者支援の諸課題と防災対策の具体化について


(1)2万件を超える一部損壊家屋への水戸市独自の支援策実施を
8月末時点の水戸市の罹災証明書の発行状況は、全壊など半壊以上が2,649件で全体の約1割、残り21,348件は一部損被害です。市内の住居等で5軒に1軒が罹災証明を受けていることになりますが、申請していない市民も多いこと、また、塀や墓石の被災は含まれていないことを考えれば、被害実数はさらに増えます。
壊れた家屋の修繕や建て替えなど、多くの市民が予期していなかった多額の出費を迫られています。そこで、市長にうかがいます。国の補助が全くない一部損壊被害の市民に対し、水戸市は今後も何の補助も見舞金も行わないのかお答えください。
修繕費補助や住宅リフォーム助成、または見舞金など、自治体によって支援の方法は様々です。日本共産党水戸市議団として、あらためて2万件を超える一部損壊家屋への水戸市独自の支援策を実施するよう求めますが、市長の見解を伺います。

【答弁 高橋靖市長】
日本共産党水戸市議団を代表されましての江尻議員の代表質問にお答えいたします。
最初に、一部損壊家屋への水戸市独自の支援策についてですが、このたびの東日本大震災で水戸市内においても多くの住宅が被害を受けており、国の被災者生活再建支援制度や水戸市の見舞金制度を受けました半壊以上の世帯を対象に支援しているところであります。一部損壊の世帯の方は、その損害の程度に応じた修繕費を自ら負担することになりますので、公的な支援制度として独立行政法人住宅支援機構の災害住宅復興住宅融資制度などのご利用をご案内しております。
一部損壊の世帯を対象とする住宅修繕費補助や見舞金の支給などの市独自制度を創設することは、きわめて厳しい財政状況にあるため困難と考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。

(2)市営住宅等での被災者受け入れ期間の延長を
次に、住居が壊れ、市営住宅や県営住宅に一時入居されている方々が、現在、何人、何世帯いるのか。また、家賃免除で入居できる期間が、現行制度では最長1年、来年3月までとなっていますが、少なくとも雇用促進住宅の扱いと同じく2年まで延長するよう求めますが、対応をお答え下さい。

【答弁 市長】
市営住宅等での被災者受け入れ期間の延長についてお答えいたします。
まず、市営住宅等への被災者受入世帯数につきましては、平成23年8月末現在、市営住宅へは35世帯水戸市内の県営住宅へは85世帯が一時入居されているところです。
一時入居の期間に関しましては、当初、入居時より6ヶ月間としておりましたが、6ヶ月が経過しようとしている今もなお、被災者が困窮している実情に照らし、6ヵ月間の延長を含めて、地方自治法で定めている最長の1年間としたところでありますので、御理解願います。

(3)福島県等からの避難者への住宅支援と情報提供を
福島県を主として東北3県から、把握できているだけでも、現在、2,477人の方が茨城県に避難しているとうかがいました。2,477人のうち、水戸市には165人。その内訳は、少年自然の家に16人、市営・県営住宅および雇用促進住宅に33人、施設に1人、ホテルに9人、親戚宅や実家に28人、民間アパートに70人、不明が8人であります。全体から見て本市が大変少ないのは、応急仮設住宅として民間アパートを借り上げ、家賃免除で提供していないことが理由と考えます。唯一提供しているのは、見川町にある雇用促進住宅に限られ、場所の条件が合わなければ入居できません。一方、県内では、常陸大宮市や高萩市、神栖市、取手市など13自治体が民間アパート借り上げを実施しています。
そこで、水戸市においても避難者が暮らす民間アパートを借り上げ、すでに入居している70人の方を含めて、家賃を免除できるよう新たな対応を求めます。その際、仕事を失い収入のない方もおり、現在、自己負担となっている水戸市の水道料金を免除するなどあたたかい配慮が必要です。合わせて、日本赤十字社から生活家電6点セット(洗濯機、冷蔵庫、テレビ、炊飯器、電子レンジ、電気ポット)が寄贈される制度など、役立つ制度のお知らせと活用にもっと積極的に取り組むよう求めますが、いかがでしょうか。

【答弁 市長】
福島県等からの避難者への住宅支援と情報提供についてお答えいたします。
まず、福島県を中心とした東北3県からの避難者数につきましては、総務省が運営しています全国避難者情報システムにより把握しており、現在、50世帯162名の方が水戸市内に避難されていると届出されております。
水戸市内での住宅確保につきましては、市営、県営住宅、雇用促進住宅をご案内し、14世帯が入居しております。また、生活に欠かせない家電製品につきましては、日本赤十字社の生活家電セット寄贈事業による支援により対応しているところでございます。
避難されている方々への情報提供につきましては、水戸市、茨城県、各地元の自治体から情報を提供する体制となっており、今後も連携して情報の提供に努めてまいります。

(4)各種税金や保険料等の減免手続きを改善し速やかな実施を
4点目には、8月15日広報みとに掲載された被災者に対する各種税金や保険料の減免制度について、これまでの申請件数をお答えください。減免対象世帯には市役所から減免申請書を送ると書いてありますが、2,600件を越える半壊以上世帯に申請書の送付は済んだのでしょうか。現在、担当部署ごとに分かれている税金・保険料の減免や義援金、見舞金等の支給などについて、もれなく実施する仕組みをどう作っていくのか、市長の考えを伺います。

【答弁 市長】
東日本大震災のおける市税等の減免手続きのついてお答えいたします。
まず、震災による被災者に対する市税等の減免につきましては、主として居住用住宅の損害の程度が半壊以上である場合等に適用されますが、り災証明の申請件数が約2万5千件にせまる状況にあり、現在、税務所職員に加え、各部各課から職員を増員し、休日も返上するなどして、その調査及び判定にあたっているところであります。その結果、9月5日現在のり災調査の進捗率は約98パーセントに達しており、調査に一定の目途がついてきている状況と考えております。
ご質問の市税等の減免申請の状況につきまして、8月末時点の実績で申しますと、市税について217件、国民健康保険税について77件、介護保険について1,259件、後期高齢者医療保険料について151件という状況であります。
また、減免申請書につきましても順次発送を行っておりますが、り災証明の申請者と減免となる税目の納税義務者が一致しない事例が多数見受けられるなど、減免対象者の特定及び課税の有無等の確認に困難を極めており、そのため市税が約300件、介護保険料が約1,200件の発想にとどまっておりますが、今後はり災調査から減免事務に移行し、速やかに発送できるよう最善の努力をしてまいります。
なお、議員御指摘の被災者支援システムにつきましては、現在、導入に向けて研究を進めておりますが、被災者の方々が市税等の減免などの負担軽減が適切に受けられますよう、広報みとや市のホームページ等の概存の媒体を十分に活用して周知を図るほか、関係各課の関連を図りながら、減免事務について、スピード感を持って取り組んでまいります。

(5)各家庭に防災ラジオ(簡易型戸別受信機)の設置を
第5に、各家庭に防災ラジオの設置を求めます。災害時において、水や電気はもちろんですが、何よりも「情報伝達」の重要さを私たちは痛感しました。その教訓を生かし、今後、避難所等に設置される防災行政無線の役割を補完するものとして、さらに、高齢者など避難所に行くことが困難な弱者対策として、各家庭への戸別受信機の導入がどうしても必要と考えます。6月議会での田中真己議員の質問に、市は「有効だけれども多額の費用がかかる」と答えました。
そこで、1台2万円ほどする戸別受信機に対し、より安価で必要な機能が備わっている防災ラジオ(※試作機提示 リズム時計社)、これは1台数千円でできます。実現可能なものを具体的に検討し、ぜひ設置を求めますが、市長の見解を伺います。

【答弁 市長】
各家庭に防災ラジオを設置することについてお答えいたします。
このたびの東日本大震災の反省から、各家庭に市から直接情報をお知らせする情報伝達媒体は、広報の充実を図るうえで有効な手段と考えております。ご提案の防災行政無線簡易型戸別受信機につきましても、新たなデジタルによる各種設備の初期投資に加え、維持管理にも多額の費用を要することから、広く家庭に普及しておりますラジオ放送の活用を中心に検討を進めているところでございます。


2.大工町1丁目再開発事業への補助金投入について


(1)保留床処分およびテナント契約について
こうした防災対策や被災者支援を実行する財源を確保するためにも、税金の使い方があらためて問われているのが大工町再開発事業への36億円もの税金投入です。
これは、加藤前市長の元ですでに12億円、高橋市長になってこれから3年間で24億円の税金投入が予定されています。「今そんなところにお金を使っている場合か」、「建物は出来たとしても中はガラ空きになるんじゃないか」という声が、当初、再開発事業に町の活性化への期待を寄せていた市民からも聞こえてきます。事実、水戸駅北口から大工町にかけての空き店舗は増え、マンション・ホテルは供給過剰の状態が続いています。
オープンまで1年8ヶ月。そこで、ダイワハウスマンションとリッチモンドホテル以外で、決まっているテナント契約がひとつでもあるのかお答え下さい。また、保留床の総面積は何平米になるのか、総額いくらの見込みなのか答弁を求めます。

(2)特定業務代行者との契約について
再開発組合は過去2度の工事入札不調を経て、長谷工・株木グループと特定業務代行契約を結びました。保留床の処分も含め、再開発を丸ごとゼネコンに委託するものですが、契約の中身を議会に明らかにするよう求めます。基本契約には、保留床が売れ残った場合の最終処分責任は長谷工・株木グループにあるとされているようですが、ここでいう「責任」とは何が担保されているのかお示し下さい。
保留床が処分できない、肝心要のテナントが入らないとなれば、活性化につながらないばかりか、36億円もの補助金投入が厳しく問われます。
市民生活と震災復旧の施策の優先順位からみても、再開発への補助金投入は中止し、学校や水道施設の耐震化、消防機能の強化など、福祉と防災のまちづくりに使うべきと考えますが、市長の見解を伺います。

【答弁 市長】
大工町1丁目再開発事業についてお答えいたします。
この事業は、中心市街地活性化の理念のもと、偕楽園や千波公園に隣接した立地を生かした集客性の高いホテルや業務施設、中心市街地における定住人口の増加に大きく貢献する都市型住宅などの複合施設を整備することにより、多くの人々が交流し、賑わいが創出される、中心市街地の拠点にふさわしいまちづくりを目指しております。
現在、再開発ビルの工事を行っており、工事完成時期につきましては、平成25年度当初を目途としております。
当事業に行ける保留床のうち、住宅については、参加組合員である「大和ハウス工業株式会社」が取得し、その他の保留床については、地権者法人の「株式会社フロンティア水戸」が取得することとなっております。
テナントとの契約状況につきましては、現在、「再開発組合」と「株式会社フロンティア水戸」において、完成時に空き室が発生しないよう、テナント予定者との協議を進めているところであり、市といたしましても、早期にテナントが確定するよう、組合に対し、指導を行っているところであります。
また、無利子貸付につきましては、再開発ビル完成後の初期段階における管理運営会社の円滑な経営に資するため、国の制度を活用し、必要な資金の一部を貸し付けるものであり、市といたしましても、償還計画に基ずく返済について、適切な管理を行ってまいります。
なお、保留床面積については、約3万1,000m²の計画としておりますが、処分額については、テナントとの協議中であり、床構成が未確定であるため、詳細については決定に至っておりません。
次に、特定業務代行者との契約につきましては、あくまでも再開発組合と特定業務代行者間の民間同士の契約行為であるため、市の立場として、公開の可否については言及できませんので、ご理解をいただきたいと思います。
いずれにいたしましても、本事業は、中心市街地の再生と賑わい創出のため、極めて重要な事業と考えておりますので、引き続き、積極的に支援してまいりたいと考えております。


3.東海第2原子力発電所の再稼働を認めないこと


(1)安全協定の見直しと、「安全対策」に対する市長の考え方
次に、原発からの撤退と自然エネルギーの活用・普及について、質問いたします。
市長は7月28日、茨城県に対し、原子力事業者と関係自治体で結ぶ安全協定-これは原子力施設の新増設や再稼働に係る同意権や立ち入り調査権を定めたものですが、この協定の地域的枠組みを広域化し、対策を見直すよう求める要望書を提出しました。これは、「再稼働に係る同意権」を水戸市にも認めろということでしょうか。そもそも、東海第2原発の再稼働に市長は同意するのか、しないのか、自らの考えについて明快な答弁を求めます。
東海第2原発の事業者・日本原子力発電㈱が、「安全性向上対策」とする内容を示した広告を(※広告提示)8月末に大規模に新聞折込みしました。そこには「津波対策の強化」「電源の確保」「原子炉や使用済み燃料プールの冷却機能の確保」など、対策を掲げて「福島原発のような事故発生を防ぐことができる」と、またしても「安全神話」を振りまいています。市長は6月議会の答弁で「運転再開は安全が確認されることが前提」と述べましたが、あれこれの対策をとれば「原発は安全になった」といえるのでしょうか。安全な原発などないのです。今ある原発に安全を求めることで安全は保障されません。廃止することが最大の安全策ではないでしょうか。原発からの撤退について、市長の見解を伺います。

(2)再稼働ではなく廃炉の決断を求めること
東海第2原発でひとたび爆発事故がおき、放射性物質が上空に放出されれば、風速4mの風でさえ、20km圏内の水戸市にはたった1時間半で放射性物質が到達します。万が一の事故が「想定外」ではなくなりました。
東海村の村上村長は、8月2日の日本原子力学会主催のシンポジウム挨拶でこう述べています。「東海村は原子力発祥の地であり、原発は自治体財政と雇用を支えてきた。それは事実であるが、今般の福島原発事故で原発依存の繁栄は一炊の夢でしかないことが証明された。私は故郷や暮らし、子どもたちの未来と原発マネーとは等価交換できないということを問いたい」と、再稼働を認めない立場を表明しています。各地の原発立地自治体のシンポジウムで「やらせメール」や「やらせ発言」が相次いで発覚し、原子力行政への不信は深まるばかりです。
水戸市長として、30年の稼働計画を越えて老朽化が顕著な東海第2原発の運転再開を認めない立場を明確に示すべきと考えますが、見解を伺います。

【答弁 市長】
東海第二原子力発電所についてお答えいたします。
「安全協定」の見直しにつきましては、福島第一原子力発電所の事故において、現在市町村、隣接市町村をこえ、広範囲にわたり避難区域などが設定されましたことから、県央地域首長懇話会において、原子力施設周辺地域の一体的な安全確保に向け、現在の原子力安全協定の枠組みや安全対策をはじめとした根本的な見直しを茨城県に対し要望したものです。
東海第二原子力発電所の安全対策につきましては、先日、日本原子力発電株式会社から、地震発生時の状況、津波襲来時の対応、その後のすでに対応した緊急安全対策及び今後の更なる安全向上対策などについて、詳細な説明がありました。
私は、原子力発電所は安全が最優先であり、福島第一原子力発電所のような事故は、二度とあってはならないと考えており、東海第二原子力発電の再稼働については、今後予定されている安全向上対策も含め、二重三重の安全対策が講じられ、今回を上回る地震、津波に対しても万全であると確認されることが、前提になるものと考えております。
いずれにいたしましても、県央地域首長懇話会におきましては、安全協定の枠組みを見直し、原子力施設周辺地域の安全確保及び安全対策を今後の重要課題として、引き続き、検討・協議を進めてまいります。

(3)太陽光発電の設置状況と設置補助の拡大について
同時に、低エネルギー社会の実現と自然エネルギーの普及・活用に取り組むことです。環境省は、太陽光、中小水力、地熱、風力だけでも20億キロワット以上、原発54基の発電能力の約40倍あると推定しています。そこで、本市の公共施設における太陽光発電の設置はどこまで進んでいるのか伺います。
また、住宅への太陽光発電設置補助は、今年度300件分(1件あたり10万円)の予算です。中庭次男議員が6月議会で予算額を超えた場合は対象件数を増やすようよう求めたのに対し、市長は「少しでも多くの市民が設置できるよう十分精査する」と答えました。ところが、8月29日をもって打ち切られています。どのように精査した結果、打ち切ったのか。補正予算を組むなどして補助を継続すべきと考えますが、見解を伺います。

【答弁 市長】
太陽光発電の設置状況と設置補助の拡大についてお答えいたします。
本市の公共施設への太陽光発電システムの設置は、昨年度までに浜田小学校などの学校施設を中心に8施設に計約70KWを設置したほか、今年度は、本町子育て支援・多世代交流センター、末広老人福祉センター及び植物公園に設置する予定であり、今後、公共施設の新築・改装等に伴い、太陽光発電システムの設置を積極的に実施してまいります。
また、平成14年度から実施している住宅用太陽光発電システム設置の補助につきましては、平成22年度までの設置基数は833基、発電容量3,108KWとなっております。本年度、さらに約310基、発電容量1,250KWの太陽光発電システムの設置が見込まれております。
なお、議員御指摘の補助の拡大につきましては、平成21年度以降の設置件数が大幅に増えてきたため、それに併せて本年度の補助予定件数を昨年度の185件から300件へ大幅に増やした状況であります。
本助成制度は、家庭における地球温暖化対策としての太陽光発電に関心がありながらも、高額な初期投資が障害となっている市民に対し、その一部を助成し導入への動機付けとするものであります。
今年度受付した300件余りの設置工事予定時期を見ると、今年度末までの各月に分散しており、年度内設置を計画した市民の需要には、限られた財源のなかで普及を図ることになりますが、少しでも多くの市民が住宅用太陽光発電システムの設置ができるよう補助の件数についても十分に精査してまいります。


4.放射能汚染から子どもと市民の健康を守る対策について


(1)徹底した調査と結果公表の実施継続を
次に、放射能汚染から子どもと市民の健康を守る対策について質問します。
現在、小学校では週1回の放射能測定が継続されていますが、放射線量が高いとされる雨樋付近や側溝などはきちんと測定されているのか。千波公園や森林公園など、公園の測定状況についてもお答え下さい。また、水戸市には11台の測定器があると聞いていましたが、その他に中学校16校に昨年度1台ずつ配置されています。今後、全小学校等への配置や、希望する市民の利用や貸し出しなど、測定器の活用と徹底した調査の継続を求めますが、見解を伺います。

【答弁 市長】
放射線量の測定につきましては、現在しりつの33小学校で毎週実施し、市内各地域の放射線量の状況をお知らせするとともに私立も含めた全ての中学校、幼稚園、保育所で月1回、さらには各種公園など合計約500箇所で測定した結果を公表しており、今後もこれらの施設での測定・公表は継続することとしております。
現在測定は、災害時対応用及び教材用を除く空間放射線量測定器5台を使用して、放射線に関する専門的知識と経験を有する職員が行っております。測定に当たりましては、子どもたちが日常生活する場所の広さに応じて3~5地点で計測し、その平均値を公表しています。また施設の雨どいなど局所的に放射線量が高いと言われている場所も測定いたしましたが、平均値よりはやや高い値は示したものの、問題となるレベルの放射線量は測定されませんでした。

(2)土壌に蓄積した放射性セシウム濃度分布マップの詳細データについて
文科省は8月30日に、土壌に蓄積された放射性セシウム濃度の分布マップを公表しました。セシウムは水に溶けて土に染み込みやすく、半減期は30年と長く、体内に入ると筋肉に蓄積して発ガン性をもつ物質です。分布マップによると、茨城県では県北と県南で比較的濃度が高くなっていますが、水戸市内の細かな汚染状況を知ることはできません。詳しい分布データの提供を文科省や県に求め、市民に情報提供することです。

【答弁 市長】
放射性セシウム濃度マップにつきましては、茨城県に問合せしましたところ、現在のところ、より詳細なデータは文部科学省では、各自治体の状況をより細かく示すマップを作成できるデータの提供を検討しているとのことです。

(3)空間線量の目標値設定と除染基準値の明確化を

空気中の放射線量については、市内の小学校で見ますと、9月7日現在、一番低いところで毎時0.10マイクロシーベルト、高いところで0.25マイクロシーベルトです。常総市が毎時0.19マイクロシーベルト以下を目指すなど、独自の基準を決めて除染作業に取り組む自治体が県内でも増えています。水戸市においても、長期にわたる放射能の影響を考慮し、子どもの安全を第一に考えた基準値の設定と対応を求めます。合わせて、県に対し基準値の見直しを求めることです。県は除染基準を毎時1マイクロシーベルト以上としていますが、これは放射線管理区域に指定される基準(0.6マイクロシーベルト)よりも高く、単に国が補助を出す基準に従っただけです。これでは子どもの健康を守ることはできません。

【答弁 市長】
空間線量の目標値設定と除染基準値の明確化につきましては、水戸市内での空間放射線量が、1時間当たり0.1から0.2マイクロシーベルト程度と健康に影響のない低レベルとなっております。また、国が8月26日に発表した「除染に関する緊急実施基本方針」によりますと、水戸市は、この方針で示されました面的な除染を行う必要がない地域ではあり、除染につきましては、国から示された、国際放射線防護委員会(ICRP)の「放射線被爆は、社会的、経済的要因を考慮に入れながら、合理的に達成可能な限り、低く抑えるべきである」との考え方を踏まえて、適切に対応してまいります。

(4)学校給食の食材の安全確認体制について
次に、学校給食等の食材の安全確認体制について質問いたします。
セシウムに汚染された牛肉が流通していたことが7月に判明しました。政府は暫定基準値を決め、「これより高いものは出さないから安心を」と説明してきましたが、それが守られていませんでした。牛肉だけでなく他の食品も本当に大丈夫なのか、消費者の不安が増すだけでなく、生産者にも大きな被害を及ぼしています。より安全な環境を求めて対策を行っていくことが必要であり、特に学校給食などは、徹底的に安全にこだわらなければなりません。こそで、小学校での自校調理方式や、地産地消の拡充に取り組んできた水戸市において、独自に食材等の安全を確認できる体制をどのように進めるのか。また、保育園や幼稚園など給食を提供する民間施設からの食材検査を求められた場合には、水戸市で購入する機器を活用して、検査を受け入れるよう求めますが見解を伺います。

【答弁 鯨岡教育長】
江尻議員の代表質問のうち、学校給食の食材の安全確認体制についてお答えいたします。
本市の学校給食につきましては、学校給食共同調理場及び単独調理校35校で実施し、給食の食材はそれぞれにおいて独自に調達を行っております。
震災による東京電力福島第一原子力発電の事故の発生を受け、学校給食の実施に当たりましては、放射線量が規制値を超えたことなどにより出荷制限されている品目、区域の食材については一切使用せず、安全安心な給食の提供に努めております。
しかしながら、放射性セシウムを含有する牛肉等の問題もあり、食材への放射性物質の影響を懸念する、一部の保護者からの不安が、教育委員会や学校等に寄せられていることから、更なる食の安全への取組を推進し、より安心できる給食を実施するため、検査の手法、範囲等について関係機関と協議し、早期に体制を整備してまいります。

(5)放射能や原子力・エネルギー教育について
私たちは今後数十年にわたって放射能と向き合い続けなければならなくなりました。放射能がどういうもので、どういう危険があるのか、子どもたちに放射能や原子力について、これまで学校教育の中でどのような教育が行われてきたのか伺います。
県が作成した「原子力ブック」が小・中・高校の副読本として活用されてきましたが、そこには、原発は「活断層の上にはつくらない」「最大の地震を考慮した設計」など、事実に反する内容が書かれています。内容見直しを迫られていますが、原発の安全性を強調してきた原子力行政の影響を受けてきた教育内容を根本から切り換え、放射能や原子力について現実の課題に沿った科学的知識と、これからの人間生活やエネルギーを考えるきっかけとなるような教育を期待するものです。
また、1999年9月30日に起こった東海村JCO臨界事故について、現場で作業にあたっていた3人の労働者が大量被爆し、2人が筆舌に尽くしがたい苦しみの末に亡くなった、その事故の事実をきちんと伝えていくことも大切なことと考えます。

【答弁 教育長】
放射能や原子力エネルギー教育についてお答えいたします。
これまで、各小中学校におきましては、茨城県が作成している副読本「原子力ブック」やビデオ、DVD等を活用して、原子力エネルギー教育の充実に努めてまいりました。
本市におきましては、平成24年度から全面実施される中学校学習指導要領の理科の内容に「放射能の性質と利用」が加わったことを受けまして、全中学校に理科教材として「簡易放射能検知器」及び「放射能鉱物標本」を配布し、目に見えない放射線について子どもたちが実感を伴って理解できるよう、指導をすすめているところでございます。これらの教材につきましては、学区内の小学校へも貸し出して授業で活用しております。
今後につきましては、今回の事故等の経験を踏まえ、子どもたちが原子力に関心をもち、放射線による人体への影響などその危険性を含めて正しく理解することができるよう、学年に応じた指導を進めてまいりたいと考えております。


5.国民健康保険について


(1)短期保険証の切り換えにあたって全員に保険証を郵送交付すること
次に、国民健康保険について質問します。水戸市は国保税を値上げし続け、今年度の保険税も均等割・平等割を11,000円値上げしました。滞納世帯は加入世帯の約4割になり、高すぎる国保税に多くの市民が苦しみ、加えて医療費の負担が重いために病院に行けない方もいます。水戸市は国保税の滞納世帯に正規の保険証を交付せず、6ヶ月しか有効期限のない短期保険証を今年4月に7,181世帯に交付しました。その期限が9月末で切れます。そこで、10月以降の保険証をすべての方に9月中に郵送するよう求めますが、市の対応を伺います。例年、郵送せずに市役所に留め置き、手元に保険証がない実質無保険状態に市民をおいてきましたが、今年4月は震災後の影響で全ての世帯に郵送交付しました。半年経っても市民の暮らしは震災の影響を受けています。10月の切り換え時にあたっても全員に郵送交付すべきであります。

(2)震災による国民健康保険税の減免申請書の送付について
また、被災者の国保税が減免される制度が8月15日の広報みとでお知らせされました。減免分は全て国の負担となりますが、これまでに何件申請があったのかお答えください。対象世帯にもれなく減免を実行するためには、早急に減免申請書を送付して制度の周知と申請に市が責任を持って対応するよう求めます。

(3)高すぎる国保税を値下げし、国保の広域化に反対すること
水戸市の国保加入世帯の平均年間所得は、昨年度で147万円。これに対し、国保税の平均額は163,000円で所得の1割を超えています。市は、払えない世帯に差し押さえ等で取り立てを強化していますが、やるべきことは国保税の値下げであります。一般会計からの繰り入れを増やすとともに、下げ続けられた国庫負担金を増やすよう強く政府に求めること。合わせて、国が検討する国保の広域化に反対することです。県単位に広域化しても、低所得者に高い国保税を課して、なお国保会計が成り立たないという根本問題は、国の負担増なしに解決されるものではありません。

【答弁 市長】
国民健康保険についてお答えいたします。
まず、短期保険証につきましては、国保税の収納対策の一環として、滞納者との接触の機会を設け、その際に納付相談を促すことを目的としているところであります。したがいまして、引き続き、窓口交付を基本に、制度への理解を促しながら、収税率の向上に努めてまいります。
次に、震災による国保税の減免につきましては、8月末時点で、申請件数が77件となっております。また、申請に係る勧奨通知につきましては、本市より、り災証明の交付を受けられた方のうち、国保税の減免の可能性がある方に対し、先週から申請書等の用紙を順次お送りしているところであります。
次に、国保税の値下げについてでありますが、国保は、突然の病気やけがに備えて、加入者の皆さんがお金を出し合い、共に支えあう制度であり、市民が安心して生活するために必要となる大変重要な制度であります。しかしながら、その財政は、医療費の増加や景気悪化の影響等により、非常に厳しい運営を余儀なくされている状況にあり、本市の国保会計は、へいせい23年度補正予算において25億5千2百万円の前年度繰上充用金を計上したところであります。したがいまして、現状では、国保税の値下げは困難でありますので、ご理解をいただきたいと思います。
また、国保の広域化につきましては、保険財政の安定化や市町村間の保険料負担の公平化等の観点から、国保の財政運営の都道府県単位化を進めようとするものであります。県においては、昨年12月に市町村国保広域化等支援方針を策定したところであります。
いずれにいたしましても、国保の構造的な問題を踏まえ、国において進められております制度見直しに係る動向を注意深く見守りながら、収納率向上、医療費適正化といった、本市国保の安定運営に向けた取組を着実に進めてまいりたいと考えております。


6.子どもの医療費無料化について


(1)中学卒業までの医療費助成の実現を
次に、子育て支援策のうち、中学卒業までの医療費助成の拡大を求めて質問します。日本共産党水戸市議団は子どもの医療費無料化の拡大を求め、現在、小学6年生まで拡大されています。高橋市長は5月の市長選挙公約において「中学卒業までの医療費公費負担拡大」を掲げました。そこで、その公約どおり、中学卒業までの医療費助成を、来年度から実施することをもとめますが、見解を伺います。また、対象となる子どもの人数と予算額の見込みについても合わせてお答え下さい。その際、現在の厳しい所得制限により4割の子どもが補助を受けられておらず、つくば市などのように所得制限を撤廃するよう求めます。

【答弁 市長】
子どもの医療費無料化についてお答えいたします。
子どもの医療費助成制度につきましては、昨年10月1日から、対象年齢を小学校6年生までに拡大したところでありますが、次代を担う子どもたちを安心して育てられる環境づくりをより一層推進していくための一つの方策として、その対象を、さらに中学校3年生まで拡大していく必要があると考えております。対象者数については約3,700人、必要となる予算額は約6千万円と見込まれていますので、今後、事業の優先順位等を見極めながら、具体的な実施時期について判断してまいります。
また、その際、所得制限を廃止することにつきましては、現在のたいへん厳しい財政状況や、所得制限を設けている制度の趣旨などを考慮しますと、きわめて厳しい状況であると考えております。


7.新ごみ処理施設の整備について


(1)約56haの建設予定地の区域設定について
最後に、下入野町に建設予定の新ごみ処理施設について質問いたします。平成29年稼働に向け、議会でも特別委員会を設置して審議をしているところですが、これまでの市の方針について2点伺います。
1点目は、建設予定地を約56ヘクタールとしていますが、なぜこれだけ広い土地を区域設定するのか。また、地権者は何人で土地は何筆あるのかについても、合わせてお答えください。現在、稼働する小吹清掃工場は、関連の植物園や農業技術活用センター、温水プールなど全部合わせても19ヘクタールです。56ヘクタールといえばその3倍になりますが、全体の土地利用計画をどのように考えているのかお示しください。56ヘクタールのうち、焼却施設とリサイクルプラザの建設地として10ヘクタールについてのみ、環境アセスメントが行われますが、再来年度に予定される土地買収にあたっては、56ヘクタールをまとまったかたちで取得するのか、それとも10ヘクタールだけを先行取得するのか考えを伺います。

(2)灰溶融まはたガス化溶融としている処理方式を検討、見直すこと
2点目は、ごみの焼却方法についてです。市は特別委員会に対し、灰溶融炉またはガス化溶融炉を導入すると、どちらにしても高温の熱で溶かす溶融方式を採用する考えを示しています。しかし、ごみの溶融はまだ不成熟な技術で、溶融炉を導入した自治体では、莫大な維持管理費とランニングコストがかかる。事故が多発し、ストップすればその間、他自治体への委託経費がかかる。稼働率が低い。溶融してできた固形スラグの有効利用が進まないなど、多くの問題が浮上しています。
国は、施設整備費補助の条件に灰の溶融固化設備設置を義務付けていましたが、2004年にこれを廃止し、さらに昨年3月には、国の補助によって設置した灰溶融炉を廃止しても補助金を返還しなくてよいという「通知」を出しました。国自ら、灰溶融炉の必然性が低下したことを認めたものです。実際に、横浜市や群馬県太田市、千葉県我孫子市など10自治体が溶融炉を休止し、高知市や仙台市、京都府城南衛生管理組合などが廃止の決定です。それでも、水戸市は溶融炉をつくるのでしょか。
私は、問題が多い溶融炉は導入せず、最小限の焼却施設によってごみを適正に処理しながら、ごみどのものを減らしていくことです。徹底した分別や、生ゴミの堆肥化や廃油の活用など再資源化とともに、ごみをもとから出さない政策を前面に進めるべきと考えますが、市長の見解をお示し下さい。

(3)隣接する茨城町住民や大涸沼漁業協同組合など関係者への情報提供および対応について
次に、下入野町の建設予定地に隣接する茨城町住民への説明と情報公開をしっかりと行うことを求めます。7月15日に初めて開かれた茨城町での説明会で、参加住民から様々な意見や疑問、不安などが出されました。合わせて、建設予定地から約1kmにある広浦小学校の区長会より、先日、意見書が出されたと聞いています。水戸市はこれまで大洗町や鉾田市、笠間市に対しては市の計画を説明してきましたが、一番に隣接する茨城町への説明が後回しにされた感は否めません。今後、茨城町住民をはじめ、涸沼川に漁業権をもつ大涸沼漁協など関係者に対し、どのような情報提供と意見の吸い上げを図る考えか、市長の見解を伺います。

(4)小吹清掃工場の跡地利用と余熱利用施設について
最後に、小吹清掃工場の今後の跡地利用と余熱利用施設のあり方について伺います。下入野町に新たな施設が稼働したにもかかわらず、小吹町の跡地利用はまったく決まっていないという事態を招かないよう、市長の姿勢が問われます。小吹清掃工場は茨城県庁と市立陸上競技場の間に位置し、19ヘクタールの敷地はすべて水戸市の土地、公有財産です。これを有効活用できるかどうか、将来の地域発展に大きく影響するものです。新施設の整備と同時進行で跡地利用の具体化を進めるよう求めますが、検討にあたって、敷地内にある9万トンの埋め立てごみの撤去や小吹池の水質浄化、焼却炉の解体、焼却施設に変わる熱源の設置など課題は山積みです。
これらの課題は小吹町地元住民の同意なくしては決して事が進みません。その際、岡田市長時代に環境整備促進協議会に出した公文書-清事第17号に基づく下水道受益者負担金の全額補助等の約束が履行されていない問題に対し、新市長の高橋市長はどう取り組まれるのか、考えをご答弁ください。
以上で日本共産党を代表して1回目の質問を終わります。

【答弁 市長】
新ごみ処理施設の整備についてお答えいたします。
まず、建設予定地の区域につきましてはかつての総合計画における新市街地整備構想ゾーンとして位置付けられた区域から、公共事業に対する困難性がある個所を除いて設定したものであります。今後、区域の確定に当たっては、地元の皆様にご理解とご協力を求めてまいります。これらの区域に含まれる土地につきましては、約220筆、地権者は約90名であり、用地の取得に当たりましては、地権者間の公平性の確保や早期の整備を図るため、まとめて取得することが望ましいと考えております。
次に、焼却施設から出る灰の溶融処理についてお答えいたします。環境負荷の少ない循環型社会の構築に向け、溶融処理による灰の資源化を行い、最終処分量の削減、最終処分場の規模の縮小を図ることが必要であると考えております。さらに、新ごみ処理施設整備に合わせ、これまで燃えるごみとしていたプラスチック製容器類を資源物として回収するなど、分類排出区分の拡充と一層の資源化を図ってまいります。なお、事業系ごみにつきましては、引き続き、排出事業者に対する減量指導を強化し、排出抑制に努めてまいります。
また、ごみ処理施設整備については、周辺住民の関心が高いことから、建設予定地に隣接する茨城町の区域を含め、これまでも積極的に情報提供を行い、御理解を求めてまいりました。町議会への報告や広報紙への掲載等、御協力を頂いているところでございます。従いまして、事業の進捗に合わせ、今後も茨城町と連携して情報提供に努め、御理解を深めてまいります。
次に、小吹地区の余熱利用施設につきましては、植物公園、小吹運動公園、及び民間事業者による園芸団地等の特色ある施設づくりを進めてきており、地元住民をはじめ、市民の皆様からは一定の評価を頂いているものと認識しております。従いまして、代替熱源の確保等の各施設改修計画や、小吹清掃工場の跡地利用のあり方につきまして、新ごみ処理施設整備の進捗に合わせ、地元と協議しながら、検討を進める必要があると考えております。