2010年12月議会で代表質問~子育て・仕事・老後~6項目を質問

201012171 2010年12月水戸市議会定例会が12/6~12/21まで開かれ、13日の本会議で日本共産党水戸市議団を代表して質問を行いました。
茨城県議会議員選挙の投票日翌日の代表質問でしたので、質問準備が大変でしたが、水戸市選挙区で5期目の当選を果たした大内くみ子県議とも力を合わせて、公約実現に取り組みます。
来年4月に行われる市議会議員選挙まで、議会は12月と3月の2回。4年前の選挙で掲げた「子育て・仕事・老後が安心できる水戸に」をテーマに、市長・教育長に市民の願いを届け、政策を提案し質問しました。(以下、質問と答弁の内容)

江尻加那です。12月定例会にあたり代表質問を行います。
私ども日本共産党水戸市議団は、来年度予算に関する重点要望を加藤市長に提出いたしましたが、市民から寄せられた切実な要望であり、予算に反映されるよう求めるものです。


1.国保行政について


はじめに、重点要望にも掲げました国民健康保険について質問します。市民の命と健康を守るべき水戸市の国保行政は、2008年、2009年と2年連続で国保税が値上げされ、年所得200万円の4人家族で国保税が27万円にもなり、所得の1割を越え、払いきれない世帯が増え続けています。短期保険証の有効期限が切れた10月、市は国保税滞納世帯のうち2,203世帯に保険証を郵送しないというペナルティーを課したため、手元に保険証もなく、国保税も払えず、病院にもかかれないという大変な事態が広がりました。
日本共産党水戸市議団はただちに大内久美子県議や、生活と健康を守る会、社会保障推進協議会のみなさんとともに10月18日、(1)保険証を全員に郵送交付すること、(2)高すぎる国保税を値下げすることを市長に申し入れました。
その場に参加した39歳の女性は保険証がなく、「歯医者に行けず、私の歯は、まともに残っているのは上の歯1本だけ」と訴えました。女性は日雇いや内職をして、建設業の夫と高校生、小学生の子どもと暮らしていますが、夫の月収が日給制に変わって激減。不況で月10日しか仕事がないときもあり、国保税がきちんと払えなくなって9年。この間、歯科治療を受けていません。「子どもの眼鏡が壊れても新しいのを買ってあげられないのが切ない」と話していました。
10月18日の申し入れの際に、市は1,950世帯の短期保険証を市役所に留め置いていると答えましたが、現時点で留め置きは何世帯か。直ちに全員に郵送交付するよう求めますが、市の考えをお答え下さい。昨年は年明けの2月になってようやく交付し、5ヶ月間も多くの市民を無保険状態においたことは命に関わる問題です。
市民の健康と命を守るべき国保制度が、逆に市民の生活を苦しめる制度になっています。中小零細業や自営業、農家や年金者、失業者など、所得の低い人が多く加入する制度であるにもかかわらず、国保医療費に対する国の財政負担は以前の50%から25%に減らされ、県の補助は4年前に廃止されました。国保税軽減のための市独自の一般会計繰入も年間2億円で国保加入者1人あたり2,500円と少なく、その結果、国保税が高くなっているのであり、払えずに苦しむ市民から保険証を取り上げることは許されません。市民に高い国保税を課しながら、水戸市の国保会計が多くの自治体同様、赤字となっているのは、国の財政負担の縮減が最大の原因です。市の繰入を含めた公費負担を大幅に引き上げて、国保税を値下げするよう求めますが、市長の考えをお聞かせ下さい。
国は、後期高齢者医療制度にかわる新しい制度として国保の広域化を打ち出していますが、市町村の国保を県単位に広域化しても、公費負担を増やさない限り、何ら問題解決につながらないと考えますが、市長の見解を伺います。逆に、市町村独自の一般会計からの繰入ができなくなり、国保税が4人家族で2万8千円値上げになるとされています。さらなる負担増と、保険証の取り上げや徴税強化が進むことになり、市民にとって何も良いことにならない広域化には反対すべきと考えますが、見解を伺います。

【市長 答弁】
日本共産党水戸市議団を代表されましての江尻議員の御質問にお答えをいたします。
はじめに, 国保の広域化についてでございますが, 国民健康保険制度の財政は, 景気の悪化等の影響により, 低所得者層の増加や収納率の低下が進むなど, 非常に厳しい運営を余儀なくされている状況にあります。このため, 本市においては, 毎年一般会計から国保会計へ繰入れを行っておりますが, 平成22年度の累積赤字解消分の繰入額は, 被保険者一人当たりで2,500円, 総額で2億円となっております。
このような中, 本年5月の国民健康保険法改正により, 都道府県は国保運営の広域化や財政の安定化を推進するため, 広域化等支援方針を定めることができることとなり, 茨城県においても今月末までを目途に支援方針の策定作業を進めているところであります。本支援方針については, 現在, 国で進めている高齢者医療制度改革の検討とあわせ, 国保の全年齢を通じた都道府県単位化に向けた環境整備でありますので, こうした中で, 国保の構造的な問題を踏まえた議論が深まるものと期待をしているところであります。
私としましても, 国保の安定的かつ持続的運営ができるよう, 全国市長会, 全国特例市市長会等の国への要望行動などのあらゆる機会を捉えて, 国庫負担割合の引き上げなど, 国の責任について引き続き訴えていきたいと考えております。
次に, 国保税の値下げについてでありますが, 本市の国保財政は, 累積赤字が拡大し, 一般会計からの繰入れを行っている大変厳しい状況であり, 現状では値下げは困難でありますので, ご理解願います。
また, 10月更新の短期保険証の取扱いでございますが, 短期保険証は滞納者との接触の機会を設け, その際に納付相談を行うことを目的に, 原則窓ロにおいて交付しているところであります。11月末日現在で, 約1,700世帯の方が相談等をいただいていない状況でありますが, 引き続き窓ロ交付を基本に, 制度への理解を促しながら, 収納率の向上に努めてまいりたいと考えております。


2.子育て支援の拡充について


(1)子どもの医療費助成を中学3年生まで拡大を
次に、子育て支援の拡充として、子どもの医療費助成を中学3年生まで拡大することです。医療費の補助は、今年10月から対象年齢が小学6年生まで拡大され、小学生の子どもをもつ親は大変助かっています。そこで、年齢拡大により医療費助成を受けられる子どもは水戸市でどれだけ増えたのか。また、厳しい所得制限があるために、6年生までの子どものうち何割が助成を受けられていないのか、合わせてお答え下さい。中学3年生まで対象にしている自治体が県内でも城里町など11市町村に増えています。水戸市で実施するにはあと1億円でできるとのことであり、来年度からの拡大を求めますが見解を伺います。

(2)保育所待機児童ゼロを実現する増設を
2点目に、保育所の待機児童ゼロを実現することです。11月1日現在の水戸市の待機児童は212人にまで増えています。日本共産党水戸市議団は、保育所に入れないで待っている多くの子どものために、早急に施設整備等の対策を講じて定員を増やすよう繰り返し求め、今年度、新設や移転改築、分園設置が進められましたが、来年4月までに何人の定員を増やすことができるのか。また、現在、来年4月からの入所を希望する申し込みが受け付けられ、例年より早く12月15日で早く締め切られますが、来年4月に待機児童をゼロにできる見通しがあるのかお答えください。合わせて、公立河和田保育所と白梅保育所の早期移転増改築の確実な実施を求めますが、民間保育施設も含めた来年度以降の整備計画について伺います。

(3)学童保育の拡充について
3点目に、働く親にとって保育所と同じく必要で重要な小学生の学童保育の拡充についてです。とりわけ、民間学童クラブに通う子どもの保育料への補助を求めます。水戸市の小学校で行っている開放学級の保育料は月4,000円で、低所得世帯には減免制度があり、一人親家庭の多くは、保育料が無料です。ところが、民間学童クラブは国・県・市からの運営費補助が少ないために、保護者が払う保育料がどうしても高くなってしまいます。ある学童クラブは、1年生の保育料が月16,000円と開放学級に比べ4倍です。保育所は公立でも民間でも保育料は同じなのに、学童保育では何故この格差を行政が放置しているのか。民間学童クラブの保護者会からも毎年、保育料補助の要望書が出されています。これを受け、市は8カ所の民間学童クラブに一人親家庭が何世帯あるのか調査したようであり、来年度予算において保育料の補助実施を強く求めますが見解を伺います。

【市長 答弁】
次に, 子育て支援の拡充についてお答えいたします。
まず, 子どもの医療費助成制度につきましては, 本年10月1日から県の医療福祉制度の改正に加え, 本市独自の取り組みとして子育てしやすい環境づくりをより一層進めていくため, 対象年齢を小学校6年生までに拡大したところであります。この対象の拡大により,10月1日現在で, 受給者数は19,918人となり, 8,533人の増加となりました。また,12歳以下の子どものうち, 医療費助成制度に該当している者の割合については, 全体の約6割となっております。中学3年生まで対象を拡大することにつきましては, 今後とも, 県の動向や市の財政状況等を見極めながら, 調査検討してまいりたいと考えております。

次に, 保育所待機児童ゼロを実現する増設についてお答えいたします。
本市におきましては, 本年度は民間保育所1か所の移転増改築及び2か所の創設に加え, 分園2か所を設置し, 定員の拡大を図っているところです。これにより, 平成22年4月の定員3,220 名から平成23年4月定員は, 259名増の3,479名となる予定でございます。
今後につきましては, 昨年度策定いたしました水戸市次世代育成支援対策行動計画後期実施計画に基づき, 民間保育所1か所の創設,公立保育所2か所の移転増改築や家庭的保育事業の実施により, 待機児童の解消を図ってまいります。

次に, 学童保育の拡充についてでございますが, 現在, 本市におきましては, 8か所の民間学童クラブに対し, 運営費の補助を行っているところであります。
民間学童クラブにおける保護者への保育料補助につきましては,同種の事業として実施している開放学級が保護者負担の減免を行っていることから, 支援のあり方について, 今後検討してまいりたいと考えております。


3.教育行政について


(1)少人数学級について
次に、教育行政について、初めに小中学校での少人数学級について伺います。県内公立小中学校で今年4月から、35人以下学級の対象学年が従来の小学1、2年から3、4年生と中学1年に拡大されました。「一人ひとりの子どもにゆきとどいた教育を」との願いが一歩前進したものであり、全国の自治体でのこうした少人数学級の取り組みが国を動かし、国の制度として1クラスの人数を現在の40人から35人に見直すことが検討されています。
そこで、水戸市において、少人数学級の拡大の影響と評価について伺います。(1)クラスの数はどれだけ増えたのか、(2)1クラスの人数は平均して何人になったのか、(3)教師と子どもとの関係や、学習指導、学級運営にどのような変化があったのか、(4)クラス数は増えても正規の教員は増やされていないために、臨時の非常勤講師がどのくらいの割合に増えたのか、(5)中学3年生までの全学年での少人数学級の実現を求めるものですが、それぞれ見解を伺います。

(2)就学援助制度の収入基準の引き上げを
次に、就学援助制度の改善を求め質問します。小中学校に通う子どもの入学準備や毎月の給食費、学級費のほか、修学旅行の積立金など家庭の経済的負担に対する補助制度です。今年10月時点で援助を受けている児童生徒数は1,414人と、昨年同時期より99人も少なくなっています。親の失業や減収、貧困と格差が広がるなかで何故こんなに減ったのか。原因は明らかです。今年度から設けた水戸市の収入基準があまりにも厳しすぎるために、これまで援助を受けられていた家庭が相次いで援助を打ち切られたのです。
そのうち、中学1年生の息子さんと県営住宅で暮らすお母さんから手紙をいただきました。一部読み上げさせていただきます。「私の家庭では今年度から就学援助金が取り消しになりました。基準が変更したためということですが、昨年度と収入は変わっておらず、時給850円のパートで毎月の手取りは91,800円。余裕のない生活を送っています。人並みの学校生活を送ってもらいたいと思い、毎日、必死に働いています。県営住宅の家賃減免や児童扶養手当の申請は、税金や保険料を引いたあとの収入で申請し、非課税世帯です。なぜ、就学援助だけは税金や保険料を引く前の総支給額でみなされるのでしょうか。子どもが健全に育つ環境をつくるためにご検討をお願いします」と書いています。中学生になると、船中泊や修学旅行の積み立て、給食費や部活動費などで少なくても毎月2万円以上かかります。91,800円の手取りからみれば、これが補助されるかどうかは大変大きなことです。実際にお話しした時には、「もうひとつ仕事を増やさなければやっていけない」と話していました。こういう親と子どもために、就学援助制度があるのではないでしょうか。
そこで、今年度、申請があったうち何件が認定を受けられなかったのか。生活保護基準の1.2倍未満という収入基準が厳しいと考えないのか。そして、援助を打ち切られた家庭の実情を教育委員会はどのように把握する努力をしているのか伺います。常総市のように生活保護基準の1.5倍に引き上げること、もしくは、保険料や税金を引いた後の所得でみるべきではないかと考え、改善を求めますが市の見解を伺います。

【教育長 答弁】
江尻議員の代表質問のうち, 教育行政についてお答えいたします。
はじめに, 少人数学級につきましては, 県が今年度から対象学年を拡大して実施しております「少人数教育充実プラン」により, 本市における今年度の状況は, 小学校が6校で7学級の増, 中学校が8校で8学級の増となっております。これにより,1学級の児童生徒数は, 小学校6校で平均38名から29名に, 中学校8校で平均37名から31名に減少しております。
また, 少人数学級が導入された学級における担任の配置状況につきましては, 小学校30学級のうち, 教諭26名, 講師4名, 中学校では50学級のうち, 教諭48名,講師2名となっております。
この制度の効果につきましては,1学級の児童生徒数が少なくなったことから, 担任としても児童生徒一人ひとりに目が行き届き,きめ細かな授業が展開されているといった効果や「中1ギャップ」と言われる, 小学校から中学校への進学後, 環境や学習の変化になじめない生徒の精神的負担の解消に効果があがっていると認識しております。
また, 対象学年を全学年に拡大することにつきましては, 少人数指導の実施により, 一定の効果が認められているところではございますが, 学級担任と非常勤講師の人件費や施設面での財政負担が伴うことから, 国の動向を注視しながら, 引き続き, 少人数学級編制が全学年に拡充されるよう, 茨城県市町村教育長協議会等を通して,県教育委員会へ要望してまいります。

つぎに, 就学援助制度についての御質問にお答えします。
今年度, 準要保護世帯として申請があった児童生徒数は, 小中学校合わせて, 1,280名おり, このうち, 認定者は1,142名,非認定者は138名で, 認定率は約9 割となっております。
また, 生活保護世帯である要保護世帯は, 増加の傾向にあり, 準要保護世帯と合わせた認定者の割合は, ほぼ横ばいとなっております。
つぎに, 収入基準の引き上げにつきましては, 本年度から生活保護基準額の1.2倍未満という一定の収入基準を設けておりますが,収入基準を超える世帯であっても, 保護者の就労状況や家族構成,生活実態など, 民生委員の家庭訪問による調査をもとに, 弾力的な運用を行っているところでございます。
また, 認定基準を収入から所得を基準にすることにつきましては,生活保護世帯の認定の際にも, 家庭のすべての収入額をもとに算定していることや他市の事例などを参考にしながら, 準要保護世帯の認定の際に収入を基準としておりますが, 経済的理由によって児童生徒の就学が困難にならないよう, 就学援助制度の趣旨に基づき,適切な運用に努めてまいります。


4.介護保険行政について


(1)国の制度見直しにあたっての費用負担のあり方と保険料について

画面左下が加藤市長、私の上が袴塚議長、右下は速記者です

画面左下が加藤市長、私の上が袴塚議長、右下は速記者です

次に、介護保険について質問します。介護保険制度が始まって10年。この間、見直しのたびに負担は増えてサービスは制限される改悪が続き、「社会全体で介護を支える」という制度の理念が失われ続けています。
厚生労働省が示した2012年度実施の見直し案でも、保険料や利用料の大幅値上げやサービス削減のメニューがずらりと並んでいます。▽料理、買い物、掃除など生活援助中心の軽度の高齢者は保険の対象外か、利用料を1割から2割に倍増、▽毎月のケアプランを有料化、▽施設入所の低所得者の利用料軽減を制限するなど、とんでもない内容です。さらに、厚労省は毎月の保険料が5,200円程度に上がると試算しています。現在、水戸市の介護保険料基準額は4,200円ですから、月々1,000円もの負担増です。国は高齢者の負担を増やす一方で、現在25%しかない国庫負担はまったく増やそうとしていません。日本共産党は制度改悪には反対であり、国庫負担割合を今より10%増やすよう提案していますが、市長は、介護サービスの費用負担のあり方や保険料についてどのような考えか、見解を伺います。

(2)特別養護老人ホームの増設計画の倍増を
次に、特別養護老人ホームの増設についてです。特養ホームへの入所を順番待ちしている高齢者が、水戸市だけで約400人に上っています。まだまだ施設が足りません。現在の市の計画では、今年から2013年度までの4年間で4ヵ所、230床の整備計画しかなく、待機者の半分です。これでは5年待っても入れない高齢者をつくるものであり、増設計画を今の2倍に引き上げる必要があると考えますが見解を伺います。
また、この間の整備では、個室のみのユニット型施設だけが整備されましたが、毎月の入所料が12~13万円と高く、ホテルコストといわれる入居料や食費に補助を行い、年金等が少なくても入所できるようにすべきです。また、比較的安く入れる4人部屋などの従来型施設は、建設に対する県の補助がなかったために、この間まったく整備されませんでした。日本共産党として県に働きかけた結果、従来型施設に対して県の補助がつくことになりましたが、市としては何年度の整備から適用されるのか伺います。また、特養ホームをつくる医療法人等に一部4人部屋を整備するよう、市として働きかけるよう求めるものですが、見解を伺います。

【市長 答弁】
次に, 介護保険行政についてお答えいたします。
初めに, 国の制度見直しにあたっての, 費用負担のあり方と保険料につきましては, 現在, 国において, 介護保険制度の見直しについて検討が進められているところでありますので, 今後, 国から示される制度改正の内容を踏まえて対応してまいります。
また, 本市の介護保険料については, 平成23年度に策定する次期介護保険事業計画の中で検討をしてまいります。

次に, 特別養護老人ホームの増設計画についてお答えいたします。
まず, 本市における特別養護老人ホームの待機者数は, 平成22年3月31日現在,390人となっております。
次に, 多床室を含めた従来型特別養護老人ホームの整備につきましては, 茨城県において, 「今年度に整備を協議する施設から, ユニット型を基本としつつも, 地域において特別の事情や合理的な理由がある場合には, 従来型の整備にも配慮するもの」とされ, 本市におきましても県と同様に, 従来型の整備を可能としたところであります。
また, 本市では, これまで計画的に特別養護老人ホームの整備を進めてきたところであり, 今後とも, 低所得者の利用を考慮し, ユニット型と従来型とのバランスにも配慮しながら, 特別養護老人ホームの整備に努めてまいりたいと考えております。


5.住宅行政について


(1)「地域住宅計画」における本市の住宅政策
次に、住宅行政について質問します。衣・食・住と言われるように、安定した生活を送るには安心して住める住居がなければなりません。とりわけ、低所得者や高齢者、ひとり親世帯など社会的弱者の居住確保が重要です。市営住宅の増設や民間アパートの家賃補助など、水戸市の実情に照らしてどのような住宅政策をもっているのか見解を伺います。
今年7月に茨城県と市町村が共同で作成した「地域住宅計画」では、県内の住宅戸数は113万6千戸で世帯数の107万1千世帯を上回っており、今後は既存住宅を有効に活用することが重要だとしていますが、本市の現況と課題についてお答えください。

(2)住宅リフォーム助成制度の実施を
次に、住宅リフォーム補助制度の創設を求めて伺います。この制度は市民が住宅リフォームを行なう際に、市内事業者への発注を条件に、水戸市が補助金を出すものです。建設業を中心に塗装業や畳屋など地元中小業者の仕事拡大につながり、地域経済への波及効果が大きく、全国で秋田県のほか175自治体に広がっています。
県内でもお隣の城里町や茨城町など8つの自治体で実施されており、そのうちの一つ、古河市では昨年度、270件に合計1,066万円の補助を行い、その結果として総額3億3,791万円の工事が生まれ、経済効果は約30倍、157の業者に仕事が発注されました。
「地域住宅計画」に基づく国の地域住宅交付金を活用すれば、補助金したうち45%が国から交付され、市の負担は55%でできるのです。水戸市建築業組合も毎年、住宅リフォーム助成制度を市に要望しています。
平成20年度の住宅・土地統計調査によると、水戸市内の住宅の約4割が築30年から40年が経過しており、リフォームのニーズは高いと考えます。市民が快適な住環境に改善できることとあわせ、地域住宅産業の担い手である大工・工務店・建設職人の仕事対策に寄与する制度として、ぜひ、水戸市での実施を求めるものですが市長の見解を伺います。

【市長 答弁】
次に, 住宅行政についてお答えいたします。
はじめに, 「地域住宅計画」における本市の住宅政策についてでございますが, 「地域住宅計画」は, 茨城県全域を対象として,茨城県及び水戸市を含めた県内37市町村の共同により公営住宅の建設や居住環境整備など,地域における住宅行政を,自主性と創意工夫を活かしながら,総合的かつ計画的に推進するため,平成17年度に作成されたものであります。
この計画の中で, 県全体におきましては世帯数約107万1千世帯に対し,住宅戸数は113万6千戸で,住宅戸数が世帯数を上回っていることから,今後,既存住宅を活用することが重要としております。
本市の状況につきましては,平成20年度の住宅・土地統計調査の結果、世帯数は,約10万7千世帯に対し,住宅戸数は10万6千戸でございます。
また,本市の住宅行政につきましては, 民間による良好で良質な住宅・宅地や,中心市街地における都市型住宅など, 多様な住宅供給の促進を行っております。
一方で, 本市の公営住宅数は, 市営住宅と県営住宅をあわせ約7千800戸ございまして, 量的な確保はされておりますが, 老朽化が進んでいる住宅もあることから, 現在策定中の「公営住宅等長寿命化計画」に基づき計画的な建替えや修繕を進めてまいるところでございます。

次に, 住宅リフォーム助成制度の実施についてのご質問にお答えいたします。
住宅リフォーム助成制度につきましては, 現在, 県内においては,古河市や結城市など県西地区を中心に8つの自治体で実施されており,つくばみらい市においては昨年度でこの事業を終了している状況にございます。また,このうち国の「地域住宅交付金」を活用しているのは, 古河市など6つの自治体という状況となっております。
この交付金につきましては, 中小企業等の振興策のひとつとして住宅リフォーム助成制度にも活用できますが, 市の負担も大きく生じる(助成額の55%超) ことになることから, ご提案の本市における助成制度の創設につきましては, 今後, 財政状況等を踏まえ,既に実施している他市の状況や実績を検証しながら, 慎重に検討してまいりたいと考えております。


6.農業行政について


(1)TPPについて
最後に、農業行政について質問します。政府は、例外なく関税を撤廃し、輸入自由化をさらに広げるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加の方針を決めましたが、全国で農・林・漁業関係者を中心に「異議あり」と反対の声が広がっています。
日本がTPPを締結し、関税が撤廃されれば、アメリカやオーストラリアからの農産物輸入がさらに拡大され、農林水産省の試算でも食料自給率は40%から13%へ低下するとしています。自給率向上という多くの国民の願いに反するものです。農業産出額が全国2位の茨城県においても、JA県中央会は、米の生産は9割、豚肉は7割が減少するなど、農業算出額が1,240億円-体の3分の1が減少し、「県内の農家が大打撃を受ける。米農家や畜産農家は死活問題」と訴えています。
食料自給率の向上とTPPへの協議参加は両立しないものであり、JA水戸も本議会に「TPP交渉参加反対に関する緊急請願」を提出しています。市長もTPP参加に反対を表明し、農業関係者の当然の声を国に主張すべきでありますが、見解を伺います。

(2)戸別所得補償制度と地域特産物の振興について
  次に、農家の所得を保証する制度として始まった、米戸別所得補償制度について、今年度の水戸市の実績と評価について伺います。
また、水田を活用した麦・大豆・新規需要米などの自給率向上事業について、水戸市では作付面積が増えたのかどうか取り組み状況を伺い、合わせて、麦や大豆などの生産性の向上や、地域特産物の振興について、行政としてどのような栽培技術指導を行なっているのか伺います。
全国にも認められている水戸納豆は、各納豆メーカーが、北海道の国産大豆だけでなく、茨城の大豆を使用したこだわりの県産大豆納豆をブランド品として加工・販売していますが、このような取り組みへの支援について伺います。地域でつくられる「地大豆」が近年の地産地消と健康志向の高まりから「特産品に」と注目されつつあり、「地元の物にこだわりたい」という消費者と農家、商業者を取り結ぶ役割が求められていると考えますが、市長の見解を伺います。(以上)

【市長 答弁】
次に, 農業行政についてお答えいたします。
はじめに, TPP環太平洋戦略的経済連携協定についてでございますが,TPP に参加した場合の影響につきましては, 内閣府の試算では, 実質GDPを0.4 8%から0.65%増加させるとしておりますが, その一方で, 農林水産省の試算によれば, 国内の農業生産額は, 年間4兆1,000億円減り,340万人の就業機会が失われるとされております。
多国間で結ぶTPPは, すべての品目について10年以内に関税を撤廃することが原則とされており, 米などの個別の品目を例外扱いにすることは出来ませんので, 本市の農業をはじめ, 関連する産業に与える影響は計り知れないものと危惧しております。
しかしながら,TPP に参加するかどうかは, 国において検討が始まったところでありますので, 本市におきましては, 他の自治体との情報交換を深めながら, 茨城県市長会や全国市長会を通した国に対する働きかけなどについて, 検討して参りたいと考えております。

次に, 戸別所得補償制度についてでございますが, 本市の戸別所得補償モデル対策への加入者数は1,114件であり,交付要件の1つである水稲共済加入者に占める割合で申しますと35.9%となりました。また, 水稲共済の引き受け面積に占める割合で申しますと, 42.5%となっております。なお, 水田利活用自給力向上事業への取り組み実績といたしましては, 主なもので申しますと, 麦296. 4ヘクタール, 大豆138.4ヘクタール, 新規需要米137.2ヘクタールとなりました。
今年度の評価といたしまして, 経営面積が大きい農家の加入割合が高いものとなっており, 大規模農家ほど本制度の有効性を理解していただき加入されたものと考えております。
今年度は, これまでの生産調整政策から大きく制度が変更になったものの, 周知期間が短かったことから, 戸別所得補償制度が各農家に十分には理解されなかったと考えておりますので, 来年度は, 今年度以上に関係機関・団体との連携を密にし, これまでの地区説明会に加え, 各機関の広報誌を活用するなど, 農家の皆様に本制度の有効性を十分に理解していただきますよう周知徹底に努めるとともに, 麦, 大豆など戦略作物の生産拡大を図って参りたいと考えております。
また, 地元産大豆を使用した水戸納豆など, 地域特産物の振興についてでございますが, 茨城県においては, 納豆加工用の品種として「納豆小粒(なっとうしょうりゅう)」が奨励品種となっており, 県内で約2,000ヘクタール, 本市でも64ヘクタールが栽培され, 県内産大豆と合わせ,市内の納豆製造業者で利用されております。
このような納豆を本市特産品として推進することは, 本市に来られる観光客の期待を裏切らないためにも重要であると考えており,納豆に適した品質の大豆生産振興と合わせ, イベント等による納豆商品のPRと需要拡大に取り組み, 特産品としての水戸納豆を推進し, 本市農業の振興と地域経済の活性化に繋げて参りたいと考えております。(以上)

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