2009年3月議会で一般質問 保育所、子育て支援事業、公共交通について

2009年3月水戸市議会定例会 一般質問    江尻加那   2009.3.13

200903181

日本共産党水戸市議団の江尻加那です。本定例会を迎えるにあたり、寄せられた要望や意見をもとに質問通告いたしました。


1.保育行政について


(1)保育所の新設をすすめ、保育所に入れない子どもをなくすこと
はじめに、保育所の増設を求めて質問します。待機児童が水戸市でついに400人を超えました。ここに昨年4月以降、1年間の推移をグラフにしました。新しく子どもが入れ替わった昨年4月、すでに待機児童は57人。その後、入所希望は増え続け、とくに10月以降急増し、3月1日現在408人と過去最高です。このうち、入所の優先度が高い母子家庭は何人いるのか。また、無認可の保育施設に行きながら、入所を待っている子どもは何人いるのか伺います。
「働かなければならないと思うのに子どもを保育所に預けられない。いつになったら入れるの?」と、祈るような思いで待っています。生活がかかっています。
市長は「安心して子どもを生み、育てることのできる環境整備に取り組む」と所信表明しましたが、それならなぜ、新年度、1か所も保育所を増やす計画がないのかお答えください。
水戸市の待機児童数は県内ダントツです。土浦市は0人、日立市は80人、2番目に多いつくば市でも165人です。水戸市の408人がいかに多いか。この状態が続けば、水戸市は非常に子育てしづらいまちになってしまいます。
新年度となる来月4月からの入所希望申し込みは922人ありました。これに対し、現在、内定しているのは610人です。300人以上の子どもが入れないことになっていまいます。
本来であれば、4月段階では定員より少ない入所でスターとさせ、年度途中に増える入所希望に応じられるようにすべきです。昨年秋以降の急激な雇用の不安定化により、子育て世代の貧困はさらに広がり、働きに出る母親が増え、入所希望が急増しているのです。
こうした事態を受け、県は国の安心こども基金を活用して、21年度に保育所13か所の緊急整備費として7億9百万円を予算化しています。水戸市は待機児童が県内で飛びぬけて多い訳ですから、真っ先に行うべきです。
今のところ、つくば市やひたちなか市など10か所で整備計画が上がっており、まだ3か所分の予算枠が空いていますので、ぜひ増設すべきです。
市は民間活力の活用と言いますが、いまの補助単価は低すぎ、民間保育園を運営している社会福祉法人にとって1億円を超える自己資金の調達が足かせとなっています。そこで、整備を促進するために、用地取得への助成や、施設整備への市補助上乗せを行うよう求めますが、いかがでしょうか。
合わせて市の計画を引き上げることです。今後3年間の実施計画にあるのは、わずか1か所、水戸市立河和田保育所の建て替えで定員を20名増やす計画しかなく、これでは今の事態にてらして、あまりにも不十分です。少なくとも1年に1か所、90人から120人の定員を増やすよう求めますが、考えをお答えください。
私は先月、すでに保育所に子どもを預けている保護者にアンケートを行いました。保育所に入れるまで2ヶ月、3ヶ月待ちは短いほうで、一番長い方で2年待ってようやく入所できた方もいます。その間、職場復帰や求職活動を遅らせたり、無理をして祖父母に預けたり、無認可保育園を利用したり、仕方なく職場に子どもを連れて行きながら働いた保護者もいます。
ある方は、「入所を待っている間は先の見えない不安な毎日で、市役所からの連絡がいつくるか、いつくるかと待っていた。1人目の子どもで保育所に入るのにこんなに苦労したのに、2人目なんて考えられない」と、アンケートに寄せています。
また、要望の中には、予算をかけなくても改善できると思うものがいくつかありました。例えば「認可保育所に入れないのであれば、せめて無認可保育所の保育内容や保育料を知らせるパンフレットを子ども課に置いて欲しい」というものや、「毎月下旬になる市役所からの入所できるかどうかの連絡を、もっと早めてほしい」といった声には、ぜひ応えていただきたいと思いますがいかがでしょうか。

(2)保育料減免制度の適用について
次に、年度途中で収入が大幅に減った場合、市の「保育所における保育の実施に関する条例」第5条では、保護者の所得が、前年に比して著しく減少し、保育料を納入することが困難であると認めるときは、減額、もしくは免除、または徴収猶予することができるとしていますが、過去に減免を行ったケースがあるのかお答えください。
私が調べたところ、今年度は減免されたケースは1件もありませんが、それは減免要綱がないためです。そこで、失業や病気、離婚など収入が減った場合、速やかに保育料を減免できるよう、要綱を早急に作ることを求めますが、対応をお答えください。

(3)一時保育の拡充について
次に、一時保育の拡充を求めて質問します。これは、普段、保育所に預けていない保護者が、半日もしくは1日、保育所を利用できる事業です。例えば、就職の面接に行くために子どもを預けたり、ヘルパーの資格を取る研修がある日に預けたりと、利用する理由は様々です。料金は有料で、公立保育所の場合で1日2,100円。公立10か所と、民間18か所で行っています。
ところが、最近はこの一時保育が利用しづらくなっています。とくに民間保育園では、普段から定員を超える多くの子どもの保育を行っているため、一時保育の申し込みがあっても、受け入れるための職員や部屋に余裕がなく、断るケースが増えているのです。
それでも、昨年度の利用数は民間保育園だけで4,200件と多く、受け入れ態勢の充実が求められています。そこで、現在、実施している民間保育園18園のうち、補助がおりているのはわずか8か所であり、その拡大を求めます。
合わせて、一時保育専任の職員を配置し、部屋を確保してある保育所を中学校区に1か所はつくり、必要に応じて一時保育を利用できるようにすることです。

[保健福祉部長 答弁]
江尻議員の一般質問のうち、始めに保育行政について、お答えいたします。
待機児童数につきましては、平成21年3月1日現在で408人、そのうち、母子家庭は63人になっております。また、待機児童のなかで、認可外保育施設を利用している方は、42人となっており、うち母子家庭は、9人となっております。平成21年4月1日現在の入所児童数は、約3,500人(定員3,220人)、待機児童数は、約180人と見込んでおります。
保育所緊急整備事業の活用につきましては、待機児童数の状況を見極めつつ、今後、次世代育成支援対策行動計画の後期実施計画策定にあわせ、検討してまいりたいと考えております。
年度途中の保育所入所の決定時期を早めることにつきましては、申込期日を早めざるを得ないなどの問題があることから、今後検討してまいりたいと考えております。認可外保育施設の情報提供につきましては、今後とも県と連携し、パンフレット等の内容の充実に努めてまいります。
保育料の減免につきましては、平成20年度までの10年間において、2件となっております。年度途中の雇用状況の変化に伴う保育料の減免については、所得状況の把握等の問題があることから困難なものと考えております。
一時保育事業の補助事業での実施については、保育士の配置等について国の基準がありますので、毎年度民間保育園の意向を確認しております。地区ごとに一時保育を実施する保育所を指定することについては、国の基準に基づき、各保育所に定員を上回る児童が入所しておりますことから、難しい状況にありますので、ご理解を願います。


2.子育て支援事業について


(1)新たな子育て支援・多世代交流施設の整備に向けた検討状況
次に、子育て支援事業について質問します。わんぱーく・みとの利用が10万人を超えました。市長は高い利用ニーズを踏まえ、新たな子育て支援・多世代交流施設の整備について検討を進めると、本議会の所信表明で述べられましたが、その具体的内容を伺います。未活用となっている市有地を活用したり、東部図書館の北側にある国有地を活用してつくって欲しいという市民からの声も聞かれます。

(2)市民センターにおける子育て広場などの専用スペースの設置と、事業予算の拡充について
また、市民センターを利用した子育て広場事業が、見川市民センターで地域の女性会の協力で行われており、新年度にもう1か所増やすとしています。今後も既存の市民センターを活用して事業を推進するのであれば、スペースを確保するために増築したり、遊具などをそろえるための予算の拡充が必要です。さらに、今後建て替えられる常磐市民センターや桜川市民センターでは、地域の意見を聞いたうえで、子育て支援専用の部屋やスペースを最初からつくってはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

(3)幼稚園での子育て支援事業の実施について
これまで子育て支援事業と言えば、多くは保育所が担ってきましたが、茨城県は新年度、私立幼稚園で地域子育て支援サポートスタッフ配置事業をスタートさせ、園庭や遊戯室の開放、子育てや幼児教育に関する相談会や親子教室を実施するとしています。200か所の幼稚園での実施を目標にしています。私は水戸市の公立幼稚園でこうした事業ができないかと考えます。公立幼稚園の定員割れが課題となっていますが、地域にいる子どもと親に遊びに来てもらい、知ってもらう機会にしてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

[保健福祉部長 答弁]
子育て支援事業のうち、新たな子育て支援・多世代交流施設の整備と市民センターにおける子育て広場について、お答えいたします。
子育て支援施設の利用需要が大きいことから、更なる子育て支援の取り組みを推進するため、新たな子育て支援・多世代交流施設の整備に向けた検討を進めるとともに、市民センターにおける子育て広場の拡充に努めてまいりたいと考えております。

[教育次長 答弁]
江尻議員の一般質問のうち、幼稚園での子育て支援事業の実施についてお答えします。
現在、本市の市立幼稚園におきましては、在園児と未就園児が交流する場として園庭開放を行っており、子ども同士の交流にとどまらず、保護者同士が育児の悩み・経験等について相談する場として子育て支援機能を担っております。
また、各園では、預かり保育事業を行っており、在籍園児の保護者に対する子育て支援として、年間で延べ約6,000人の利用があります。
今後につきましては、預かり保育事業の一層の充実を図るなど、市立幼稚園における子育て支援機能の拡充に努めてまいります。


3.妊産婦・乳幼児医療費助成について


(1)妊産婦医療費助成の対象を削らないこと
次に、医療費助成制度について、県は、妊産婦医療費助成のうち歯科診療や怪我などは助成の必要性が乏しいとして、今年7月から助成から外す考えを、今年2月になって突然示しました。これにより、年間9,989万円の経費が削減できるとしています。
妊婦健診の補助を14回まで拡大して、母親と胎児の健康を守ろうという時に、なぜ妊産婦のマル福内容を削ろうとするのか。歯科診療は必要性が乏しいと県は言いますが、市の保健センターでは妊婦を対象に「妊娠中の歯の衛生」教室を開き、そこで配られる資料、作ったのは茨城県ですが、この中には、妊娠すると虫歯になりやすくなる。歯ぐきからの出血や口内炎が多くなるとあり、「妊娠6~7か月までに必要な治療を完了させましょう」と書いてあります。
マル福の中身を削るという県の意向に対し、市はどのように考えているのか。県が削るから市もそれに倣うというのではなく、継続を強く申し入れるべきです。仮に県が助成を減らした場合は、水戸市独自に継続するよう求めますが、その影響額-必要となる助成額と合わせて、市の見解をお答えください。

(2)乳幼児医療費助成の拡充について
次に、子どもの医療費助成制度は、市町村の取り組みが拡充し、所得制限をなくしているのは23自治体で県内半分を超え、対象年齢を小学校卒業や、中学卒業までなど引き上げているところは13自治体と増えています。水戸市では所得制限があり、小学校入学前までとなっていますが、制度の拡充を求めます。実現するにはどれだけの予算かについても、合わせてお答えください。

[保健福祉部 答弁]
医療費助成制度についてお答えします。
県においては、財政状況の厳しさから事務事業の見直しを行う中で、妊産婦医療費助成制度について、妊産婦特有の疾患に限定して助成するという改正を提起しております。これに対して、本市を含む各市町村から、少子化対策や周産期医療の充実にそぐわないことから、現行制度を維持するよう強く要望してきたところであります。
なお、この制度改正による本市の対応策につきましては、影響額も含めて、今後、整理検討してまいりたいと考えております。
続きまして、乳幼児医療費助成の拡充についてでございますが、平成21年3月1日現在の年齢人口から試算しますと、現行制度での対象年齢で所得制限を撤廃した場合は約1億6千万円、所得制限をそのままで、小学校卒業まで対象とした場合は約3億5千万円、中学校卒業までとした場合は約5億2千万円の負担増になると推計されます。したがいまして、対象年齢を拡大することは、現下の厳しい財政状況の中では、難しいものと考えております。


4.公共交通の活性化について


(1)茨城交通の民事再生に伴う公共交通の維持確保について
200903182最後に、公共交通の施策について質問します。民事再生手続き中の茨城交通は、株式会社経営共創基盤との間で、1月23日に基本合意契約を締結し、事業再建に取り組むこととなりました。
市民は、今あるバスの路線が継続されるのか、雇用は保障されるのか懸念しています。3月11日に開かれた債権者説明会では、雇用は原則すべて継続すると説明されましたが、バス事業については全路線の継続は示されていません。今ある393の路線は、この4年間で50もの路線が廃止されて残った路線です。
あらためて、市として393全路線の継続、および536名の労働者の雇用継続を要望することです。また、すでに茨城交通から廃止の協議が出されている4つの路線-水戸駅下江戸線などについて存続が求められますが、市はどのように意見を出す考えか伺います。
採算が取れない路線への国、県の補助は、ルートが複数の市町村にまたがり、かつ、1日の便数や乗車人員に制限があるため、茨城交通に対する国、県の補助は4路線のみで1,200万円。市の補助はありません。現行の補助基準の緩和を県に求めること合わせ、市独自の財政支援についての考えをうかがいます。

(2)デマンド型タクシーの運行を含め、市民の利用ニーズ調査を行うこと
次に、市はバスなど公共交通の利用を呼び掛けていくとしていますが、すでにバス路線が廃止されている地域はどうするのか。住民の足の確保にどのように取り組むお考えでしょうか。
県内で、デマンド型乗合タクシーの運行は毎年のように増え、昨年度は笠間市など5市で、今年度は古河市など6市町村で開始され、現在16自治体に広がっています。水戸市でもデマンド型タクシーを運行すること。そのために、公共交通の利用状況調査や、新しい交通手段に対するニーズ調査を実施することです。
双葉台中学校や山根小学校に通う子どもたちが利用してきた茨城交通の路線バスが7月末で廃止されることが決まっており、代りに市はバスを購入して直営のスクールバスを走らせますが、朝夕だけなので、これを昼間活用して、地域の高齢者が済生会病院へ行ったり、買い物に行ったりするにくのにも活用するなど、地域住民の足の確保策を早急に図るよう求めますが、市の考えをお答えください。
以上で、質問を終わりますが、答弁によっては再度質問いたします。

[市長公室長 答弁]
江尻議員の一般質問のうち、公共交通の活性化に関するご質問にお答えいたします。
はじめに、株式会社経営共創基盤に対する要望につきましては、代表した茨城県によりますと、同社からは、要望書の内容について十分認識した上で、今後の事業運営に生かしていきたいとの回答があったと伺っております。また、新会社のバス事業を成功させるためにも、行政との連携を図りながら、公共交通のグランドデザインを考えていきたい、などの意見交換があったと伺っております。
本市といたしましては、同社に対し、公共交通機関としての公共性、公益性等を十分に勘案いただきまして、全ての路線バスを維持するとともに、市民の利便性のさらなる向上に努めていただくことなどにつきまして、既に市長が直接申し入れをしてございます。
次に、今年度の廃止協議路線につきましては、昨年9月に茨城交通株式会社より申し出のありました、水戸駅―下江戸線、茨大前営業所―大貫―鉾田駅前線、茨大前営業所―島田―鉾田駅前線及び水戸駅―大洗高校線の4系統でございます。
これらの系統につきましては、少数ではありますが、通勤、通学等を目的とした利用者がいることから、本市といたしまして、同社に対し、存続を要請しているところであり、これまで、茨城県バス対策地域協議会において、協議を継続している状況でございます。
次に、不採算路線に対する補助制度につきましては、本市といたしましては、生活交通の確保が図られるよう、これまでも、茨城県に対し、要件緩和も含め補助制度の一層の拡充を要請しているところであり、引き続き、働きかけてまいりたいと考えております。
次に、デマンドタクシーの導入についてでございますが、本市といたしましては、現在の路線バスの維持確保を基本とした上で、通勤、通学、通院など、日常生活を支える公共交通機関のあり方等について、市民や利用者のニーズ等を捉えながら、研究してまいりたいと考えております。

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