2022年3月茨城県議会 山中たい子議員の一般質問と答弁(大要)

山中たい子議員の一般質問と答弁(大要)

2022年3月8日(火) 茨城県議会 第1回定例会

【質問事項】

  1. 県総合計画と新年度予算について(答弁・知事)
    (1)感染症対策の強化
    ア)検査と医療提供体制
    イ)保健所の人員と体制
    (2)安心の子育て
    ア)子どもの医療費無料化の拡充
    イ)医療的ケア児への支援
    (3)地域経済を支える中小企業・農業支援
    ア)コロナ禍の事業者支援
    イ)水田活用の直接支払交付金の見直し
    (4)気候危機打開
    (5)東海第二原発の再稼働
  2. 教育行政について(答弁・教育長)
    (1)つくば市内における県立高校の課題
    (2)不登校の子ども達への支援
質問する山中たい子議員

質問する山中たい子議員=3月8日、茨城県議会

項目

1. 県総合計画と新年度予算について

日本共産党の山中たい子です。

いまだ続くロシアによるウクライナ侵略に強く抗議し、一日も早い停戦合意の実現を望みます。
私たちは、戦争や世界的パンデミック、地球規模の気候変動など様々な課題を乗り越えていかなければなりません。

長期化するコロナ禍で県民の暮らしと営業は深刻です。ところが、新年度予算案では企業収益は好調と見込み、法人二税など県税収入は今年度比10.4%の増で、史上3番目の水準です。富めるものはさらに豊かに、貧しいものはさらに貧しくという格差社会の実態が浮き彫りになった予算です。そうであれば、この税収増を、暮らしと営業を守る給付や支援に思い切って使うべきです。大井川知事にその姿勢があるでしょうか。

相変わらず常陸那珂港建設や霞ケ浦導水事業を推進し、2カ所の工業団地造成に129億円。今年度最終補正で、カーボンニュートラル産業拠点創出基金に200億円、企業立地推進基金に140億円を積み増す予算の計上は、資本力のある大企業への補助金であり、県税投入の大盤振る舞いです。加えて、土地開発の失敗が招いた住宅供給公社への貸付金370億円もの債権の放棄は、県民にとって大きな損失です。

知事が、「県民幸福度NO.1の新しい茨城づくり」を推進すると言うなら、格差や貧困を拡大し、競争をあおる新自由主義から脱却し、全国8位の財政力にふさわしい医療や福祉、教育を実現することです。

そこで、知事の県政運営について、3年目に入ったコロナ危機のもと、県民の命と暮らし、営業を守る立場から質問いたします。

(1)感染症対策の強化

ア)検査と医療提供体制

まず、感染症対策の強化についてです。

知事は、コロナ対策について「先手先手で必要な対策を講じ」てきたと繰り返していますが、果たしてそうでしょうか。
日々の陽性者は高止まり、直近1週間平均の陽性率は48%です。問題は、検査が全く不足していることです。

本県のPCR検査能力は1日あたり1万1千件ですが、1月は1日平均4,200件、2月は6,300件と少なすぎます。検査能力を最大限活用して迅速に検査が受けられるよう、県の責任で機材を十分確保すべきです。薬局の無料検査を再開し、学校や保育園等の職員・子ども達への行政検査と定期検査を強く求めます。

より重大なのは、軽症と診断され自宅療養中に亡くなる方を出してしまったことです。知事は「高齢者や基礎疾患のある一人暮らしの方などには、宿泊療養施設への入所をこれまで以上に強く要請する」と言いました。

ある60代男性は、高血圧の基礎疾患がありながら、宿泊療養は勧められず、自宅療養となりました。保健所の電話による健康観察では、熱が下がり酸素濃度は正常値だったものの、肝心の肺機能の急激な低下が見落とされました。結果として、肺炎での緊急入院となり、いま後遺症に苦しんでいます。重症化リスクの高い方は、1人暮らしでなくても、入院もしくは看護師が常駐する宿泊施設での療養が必要です。検査と医療提供体制について、知事の所見を伺います。

【大井川知事】

山中たい子議員のご質問にお答えいたします。
県総合計画と新年度予算についてお尋ねをいただきました。

まず、感染症対策の強化のうち、検査と医療提供体制についてでございます。
今般のオミクロン株による第6波につきましては、かつてない規模での感染拡大となり、病床のひっ迫などとともに、社会経済活動の維持への支障も懸念されてきたところであります。

こうした中、感染対策と日常生活、社会経済活動の両立に加え、感染拡大時の不安解消を図るため、昨年末以降、薬局等における無料検査を実施してまいりましたが、全国的な検査需要の高まりを受け、医療機関における症状のある方への検査を優先させるため、本県においては、先月5日より一旦停止したところです。

現在は、抗原検査キットの流通や、民間検査機関のPCR検査の結果判明までの時間が通常に戻りつつありますので、一旦停止しておりました薬局等での無料検査について、国とも協議のうえ3月6日より再開しております。

なお、学校や保育所の検査につきましては、対象者数も多く再度、医療機関での有症状者の検査に影響を及ぼす可能性があることから、その再開には感染状況や検査能力、小児の重症化リスクなども勘案して、慎重に判断してまいります。

次に、医療提供体制についてでございます。
今般のオミクロン株による第6波におきましては、中等症以上となる方の割合が少ないことから、陽性者の大半が、直ちに入院加療を必要としない方となっております。

そのため、陽性となった方の療養先につきましては、宿泊療養施設や自宅での療養が多くなっておりますが、児童など年少者への感染が拡大したこともあり、とりわけ自宅で療養される方が多い状況にあります。
こうした自宅療養者に対しましては、毎日の健康観察のほか、近隣の医療機関による診療体制を構築のうえ、フォローアップを行っております。

しかしながら、容態急変時の対応や、家庭内感染の観点からも自宅療養はリスクを伴うことから、県といたしましては、重症化リスクが高い方に対しては、看護師が常駐する宿泊療養施設への入所を強く要請することにより、適切な医療の提供につなげているところです。

依然として高い水準で新規陽性者数が推移するなど、予断を許さない状況が続いておりますが、感染状況をしっかりと分析しながら、検査から療養に至る様々な場面において、必要な対策を講じてまいります。

イ)保健所の人員と体制

【山中議員】

コロナ対策の最前線にたつ保健所のひっ迫状況の改善、とくに人員と体制の拡充強化は急務です。
本県は1997年の地域保健法施行を契機に、行政改革の名で職員と予算を削り、保健所を18カ所から半分の9箇所にしてしまいました。

保健所の人員体制は280人ですが、現在は応援や人材派遣などを入れ457人で対応しています。こうしたやり方をいつまで続けるのでしょうか。

しかも、新年度、保健師はわずか5人の増員です。
廃止した保健所の復活と増設を早急に検討すべきです。その際、保健所設置市の人口要件である「人口20万人に1カ所」を目安にすることを提案します。

保健所の人員増と増設など体制強化について、知事の所見を伺います。

【大井川知事】

次に保健所の人員と体制についてでございます。
感染症対策の中核を担う保健師の増員につきましては、大変重要でありますので、保健所の役割の変化に対応しつつ、計画的に行ってきたところでございます。

平成29年度からは、社会人採用を導入し、年齢や役職のバランスを考慮して、ここ数年、例年より採用数を増やしてまいりました。

しかしながら、今回の新型コロナウイルス感染症の第6波のような、急激な感染拡大の場合は、保健所だけでは対応が困難となりますので、他部署からの動員職員数を51名から290名と大幅に増強するなど、保健所からの人的支援の要請に応えているところでございます。

感染者数は、依然として高止まりし、動員が必要な状況が続いておりますことから、引き続き、感染状況に応じて、他部署の業務に支障を及ぼさない範囲で、必要な人員の動員を臨機応変に行ってまいります。

また、保健所業務につきましても、積極的疫学調査の重点化や、自宅療養者の夜間救急電話相談の本庁集約、いばらき電子申請・届出サービスを活用した、患者自らの入力による体調や療養に必要な情報の把握など、業務の負担軽減を図っているところでございます。

一方、保健所の整備につきましては、令和元年11月の保健所再編以前は、多くの保健所が、小規模で、所長が兼務の状態になっており、新興感染症や大規模災害への対応が十分にできないという深刻な状況が続いていたことに加え、現場を預かる保健所長会からも再編について、強い申し入れがございました。

これらも踏まえ、私は、早急な再編を決断し、住民サービスの水準を維持した上で、12保健所から9保健所2支所とすることとし、保健所の機能強化を図ったところであります。

具体的には、地域保健法の趣旨に基づき、保健所管轄区域と二次保険医療圏を一致させ、業務ごとに管轄市町村が異なるといった煩雑さを解消するとともに、感染症への対応強化のため、保健師などの技術職を集約化し、全ての保健所に感染症対策を専門的に担う保健指導課を設置いたしました。

この再編により、どの保健所においても、専門性が高い業務や突発的に生じた業務に対し、より的確に対応することができるようになったところであります。

再編前の小規模な保健所では、今回のような膨大で多岐にわたる新型コロナウイルス関係業務の対応は極めて困難であり、保健所の再編は必要であったと再確認しております。

県といたしまして、保健所に求められる役割が十分に果たされ、県民の命と健康を守るために必要な業務をしっかりと遂行できるよう、今後とも保健所の機能強化に取り組んでまいります。

(2)安心の子育て

ア)子どもの医療費無料化の拡充

【山中議員】

次に、安心の子育てについてです。
子育て支援は県民の強い願いであり、毎年の「県政要望」の上位です。

子どもの医療費無料化の拡充は、経済的状況に左右されず医療が受けられる大切な制度です。長年の県民運動で「外来」も「入院」も拡充されてきました。

「外来」は、つくば市が4月から高校3年まで拡大し、これで全市町村の対象年齢が同じになります。「所得制限」と「自己負担金」の「撤廃」も、市町村の努力で広がっています。

市長会・町村長会等は、所得制限の撤廃と外来を高校3年まで拡充するなど県内統一した制度となるよう求めています。
「日本一、子どもを産み育てやすい県」を標榜するなら、県の「外来」の助成を小学6年から高校3年まで引き上げ、所得制限も自己負担も撤廃する完全無料化をめざすべきです。あと23億円でできます。知事の所見を伺います。

【大井川知事】

次に、安心の子育てについてでございます。
まず、子どもの医療費無料化の拡充についてであります。

本県の小児医療費助成制度、いわゆる小児マル福制度につきましては、少子化対策の観点から、対象者を順次広げてまいりました。
私が知事就任後、平成30年10月からは、「日本一、子どもを産み育てやすい県」を目指すうえで、子育て世代の経済的負担の軽減を図ることは大変重要であるとの認識のもと、家計への負担が重くなる、入院治療に対する医療費助成について、高校3年生まで対象を拡大いたしました。

現在、対象年齢を高校3年生までとしているのは、本県を含めて全国で4県のみであり、全国トップの水準となっております。
さらに、本県では、全国で本県を含め4県のみが実施している妊産婦を対象としたマル福制度に取組むなど、子どもを産み育てる世代を支援するために充実した医療費助成の仕組みを整えております。

議員からご要望がございました、小児マル福の外来受診の対象年齢につきましては、現在小学6年生までとしておりますが、県内全ての市町村が独自の上乗せを行っております。現在は、市町村により対象年齢が異なった状況にありますが、本年4月からは、県内全ての市町村において、高校3年生まで拡充されると承知しております。

この結果、県内どの市町村におきましても、外来受診・入院治療ともに高校3年生まで医療費助成制度の対象となってまいります。

次に、自己負担金の撤廃につきましては、軽症にもかかわらず、休日や夜間の安易な救急外来の利用につながる可能性があることから、医療機関の適正利用を阻害する要因になりかねないとの懸念を持っております。

県内の限りある医療資源が、本当に必要な方に適時適切に活用されること、更には、今後、一層の取組みが求められる医師の働き方改革に適切に対応する観点からも、県民の民様に、適切な受療行動にご理解ご協力を頂くことは大変重要であります。このことから、医療費の自己負担を撤廃することにつきましては、非常に慎重に考えざるを得ないと考えております。

最後に、所得制限の撤廃につきましては、本県では平成28年から、所得制限の基準に児童手当の制限額を準用し、622万円としておりますが、所得制限を設けている28都道府県の中でも、最も緩やかな基準であり、支援の対象者は、18歳以下人口の9割となっているところでございます。

こうした事情をふまえ、小児マル福制度のさらなる拡充につきましては、本県の財政状況や他県の動向などを勘案しながら、慎重に検討してまいりたいと考えております。

イ)医療的ケア児への支援

【山中議員】

昨年9月に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行され、県の責務と支援内容が示されました。都道府県が医療的ケア児支援センターを早期に開設し、学校や保育所など受け入れにあたっての具体的な相談や他機関との連携を支援するなど、ワンストップで対応できることが期待されます。

本県は、2018年の実態調査をもとに、受入施設の開設補助やコーディネーター(66人)等の養成と研修を推進してきました。昨年秋に行った2回目の実態調査から、保護者のニーズや要望を把握し、看護師の確保や相談支援体制の整備、さらに関係機関との連携などが課題としてあげられました。

そこで、質問します。コーディネーターに気軽に相談できる体制をつくるべきです。また、家族を支援するため、子どもが一時的に入院又は短期入所できるレスパイト施設が県南地域にどうしても必要です。例えば、小児リハビリを行っている県立医療大学付属病院への設置を検討していただきたい。「医療的ケア児支援センター」の早急な設置についても、併せて、知事の所見を伺います。

【大井川知事】

次に、医療的ケア児への支援についてでございます。
在宅で医療的ケア児を介護している家族は、昼夜問わず痰の吸引などを行う医療的ケアが大きな負担となっており、「ケア児を預けられる施設が少ない」、「希望する就労ができない」といった声を伺っております。

このため、県では、通所施設やレスパイト等の短期入所などの受入施設の確保を図るため、福祉車両や医療用ベッドなどの導入支援を行うとともに、ケア児の療養の相談支援や障害福祉サービス等の利用調整を担うコーディネーターの養成に努めております。

その結果、通所施設は、この3年間で9カ所増えて32カ所になるとともに、66名のコーディネーターが相談支援事業所等においてケア児の対応にあたっております。

医療的ケア児の保護者には、ケア児の預け先や就労など様々な相談事があり、通常は、病院のケースワーカーなどを通じて、コーディネーターのいる市町村の窓口や相談支援事業所等につながっておりますので、コーディネーターにつきましては、周知されているものと考えております。今後も、ケア児の相談を一元的に担う市町村の相談体制の充実の支援に努めてまいります。

また、県内のレスパイト施設につきましては、よりケアが困難な重症心身障害児を含む医療的ケア児等を対象とする「医療型短気入所施設」と比較的軽度のケア児等を対象とする「福祉型強化短期入所施設」が合わせて20カ所あり、いずれかの施設が全ての障害福祉圏域に設置されておりますので、今後は、ケア児の障害の状況に合わせた適切な支援が受けられるよう努めてまいります。

なお、県立医療大学付属病院は、リハビリテーション専門病院でありますので、リハビリテーションの受診を目的としないケア児のレスパイト入院は実施しておりませんが、ケア児がリハビリ等で入院する際は、ご家族の希望する時期に入院していただくことで、介護する方の負担の軽減を図っております。

一方、昨年9月に、医療的ケア児を社会全体で支えることなどを基本理念とする新法が施行され、ケア時に適切な対応を取ることが、国や地方公共団体の責務とされました。

現在、市町村や地域の相談支援事業所では、ケア児に対応するノウハウが十分蓄積されていないため、専門的な見地からの助言等の充実が求められております。

このため、「医療的ケア児支援センター」につきましては、医療・福祉等の専門店専門機関や家族会代表で構成する「医療的ケア児支援体制協議会」において、センターに必要な役割や機能などについて、ご意見を伺っております。

今後は、協議会等の意見やケア児とその家族のニーズを的確に踏まえながら、県域をカバーする相談支援機能の具体的な業務内容等も含め、ケア児に対するより良い支援のあり方について検討してまいります。

県といたしましては、引き続き医療的ケア児の支援に取り組んでまいります。

(3)地域経済を支える中小企業・農業支援

ア)コロナ禍の事業者支援

【山中議員】

次に、地域経済を支える中小企業・農業支援について伺います。
過去最多の感染者の発生、燃油・資材の高騰などで、中小・小規模事業者が深刻な打撃を受けています。知事は、「国の支援策の活用を基本に」と言いますが、国の支援金は不十分で県の上乗せなどの検討も必要です。

事業者は、コロナ感染拡大のたびに対策の強化が求められ、営業自粛・外出自粛などの影響を受けています。知事は、「必要な施策はスピード感をもって」取り組むとしていますが、第5波で実施した県独自の「関連事業者支援一時金」は、第6波においても必要な施策です。なぜ実施しないのでしょうか。飲食店への協力金とセットで具体化すべきです。知事の所見を伺います。

【大井川知事】

次に、地域経済を支える中小企業・農業支援についてでございます。
まず、コロナ禍の事業者支援についてであります。

新型コロナウイルス感染症の第6波がこれまでにないスピードで全国的に拡大し、1月27日以降は本県でも、まん延防止等重点措置に基づき、感染対策を強化している状況にございます。

こうしたなか、広く県内事業者の事業継続を下支えするためには、まずは資金繰り支援が極めて重要であると考え、県では感染症の流行開始以降、これまでに、約6500億円の資金需要に対応してまいりました。

また、今年度は新たに、金融機関が事業者の経営改善を丁寧に支援する融資制度を創設し、広く県内事業者の経営安定化を図っているところであり、加えて先月には、年度末の資金需要や融資条件の見直しに柔軟に対応するよう金融機関に要請し、短期的な資金不足にも対応しております。

その一方で、コロナ禍を新たな成長機会と捉え、事業拡大に意欲的な事業者もおられますことから、事業者の挑戦を後押しする融資制度を創設し、今年度は既に50億円を超える融資実績がございます。

こうした資金面での支援に加え、県内事業者が事業の見直しや事業承継などを効果的に進められるよう、産業支援機関の一層の連携強化を推進しておりますほか、今後は、県内のM&Aの加速化に向けてマッチング支援を一層拡大するなど、必要な支援に総合的に取り組んで参ります。

また、今回の飲食店への営業時間短縮要請では、新たに、事業者が営業終了時間を選択できる制度としたほか、協力金を早ければ2週間で支給するなど、支援内容のさらなる充実を図ったところであります。

こうした県の取り組みに加え、国も第6波を踏まえた手厚い支援策を講じております。
例えば、コロナ禍の影響を受ける幅広い事業者を対象に、昨年11月から今月までのいずれかの月の売上高が、過去と比較して3割以上減少した場合、最大で250万円が支給されますほか、雇用調整助成金の助成額を引きあげる特例制度が、新たに6月まで延長されております。

そのため、県としましても、商工団体等との連携の下で丁寧な情報提供に努めるとともに、申請手続き支援に精力的に取り組み、県内事業者による支援策の活用をしっかりと促進してまいります。

その上で、議員ご指摘の一時金の支給につきましては、まん延防止等重点措置を実施したことによる県内事業者の影響や、本県の財政状況等を総合して検討すべきものであり、営業時間が直接制限される飲食店への協力金とは性格が異なると考えております。

そのため、現在のまん延防止等重点措置の影響について、引き続き広く県内の状況把握に努めてまいります。
県といたしましては、今後とも必要な施策はスピード感をもって実行し、事業者支援に全力を挙げて参ります。

イ)水田活用の直接支払交付金の見直し

【山中議員】

米の消費は、コロナ禍で外食需要が減り、大きく落ち込み、米価下落も深刻です。こうしたとき、農水省は、主食用米からの転作補助制度である「水田活用の直接支払交付金」について、来年度からあぜや水路がない土地や、あっても今後5年で一度も水張りをしない水田を交付対象から除外するなどの削減方針を打ち出しました。

農家は長い間、減反、転作を推進する国の指導に協力してきましたが、交付金を見直すことははしごを外すもので、単なる補助金のカットです。農家からは、「経営計画が立てられない」「もう続けられない」と悲鳴が上がっています。
農業大県である本県の農業の生産基盤をさらに弱体化させ、食料自給率の一層の低下を招くことは必至です。

茨城農業を支える小規模家族農業への影響について、どのように把握しているのか、また、交付金見直しを撤回するよう国に要望することについて、知事の所見を伺います。

【大井川知事】

次に、水田活用の直接支払交付金の見直しについてでございます。
米の国内消費量は、少子高齢化や食生活の多様化などにより、毎年10万トン程度のペースで減少し続けており、米農家の経営安定のためには、国全体で需要に応じた米生産に取り組み、主食用米の価格を安定させることが重要でございます。

県では、これまで国の「水田活用直接支払交付金」を活用して、飼料用米を中心に主食用米からの転換を進めてまいりました。その結果、令和3年産の飼料用米の作付け面積は約1万2千ヘクタールと過去最大となり、県全体の主食用米生産面積の目安を概ね達成したとこであります。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響で外食・中食向けの需要が大きく落ち込み、国内の米の在庫量が積み上がっていることから、令和4年産においても引き続き、交付金を活用し、主食用米からの転換をさらに進めることとしております。

こうした中、今般、国が示した交付金の対象となる水田の見直しでは、既に対象外にしている畦畔や用水路がなく、水張りができない農地に加え、令和4年度から令和8年度までの今後5年間に一度も水稲の作付けが行われない農地も、令和9年度以降は交付金の対象外とする新たな方針が示されたところです。

もともと「水田活用の直接支払交付金」が、水稲の作付けが可能な農地での主食用米から他の作物への作付転換を支援するための措置であることを考えれば、麦・大豆等の転換作物の作付が固定化した農地については、水田でなく畑地として利用していくことが適切との判断に基づく今回の国の方針は理にかなったものと考えております。

実際に、現在でも畑地で麦・大豆等を作付している生産者は、この交付金の対象外となっており、生産者への公平性の観点からも妥当と考えております。

また、麦や大豆等の畑作物は、同一の農地で同じ作物を連続して作付すると、病気の発生や収量の低下など連作障害が発生することから、これを回避するためには、例えば、米・麦・大豆の生産農地を団地化した上で、一定期間ごとに回転させるブロックローテーションを行うことが有効とされております。

本県でも県央や県西地区において、集落ぐるみで数年おきに米と麦・大豆の作付を入れ替える取り組みを実施し、生産性を向上させている事例もございます。

このような取り組みを行えば、生産性の向上と併せ、結果的には引き続き交付金の対象となることも可能であり、県としては、今後こうした取り組み事例を水田での麦・大豆の作付が多い他の地域にも紹介し、取り組みを促すことで、方針見直しの影響を受けないようにしてまいります。

なお、この方針の詳細な運用については、今後国から示されることとなりますが、その運用にあたっては、全国の水田の利用実態を調査し、現場の課題を明らかにした上で対応していくとされており、県といたしましては、現時点において国に対して見直しを要望することは考えておりません。

(4)気候危機打開

【山中議員】

次に、気候危機打開について伺います。知事はカーボンニュートラルを掲げる一方、肝心のCO²削減目標を示していません。
日本では「2050年に実質ゼロにすればいい」との議論が目立ちますが、気候変動に関する政府間パネルIPCCは、この楽観論を否定しています。まず実現すべきは30年までに排出量を半減すること。それがなければ気温上昇を1.5度以内に抑え込めないと戒めています。

そこで、来年度改定する県地球温暖化実行計画において、どう目標を設定する考えか伺います。環境省によれば、本県は全国7番目にCO²排出が多い県です。日本政府の目標は30年までに46%削減ですが、先進国は6割削減というのが世界の要請です。本県は全国を牽引する高い目標が必要です。

また、今月中に茨城港・鹿島港での「カーボンニュートラルポート形成計画」が策定予定です。しかし、水素やアンモニアの活用といったJERAや日本製鉄が実証実験を始めたばかりの技術が前提では、2030年排出削減が現実的にならないと考えますが、所見を伺います。

私は、県の地球環境保全行動条例に基づく特定事業所からの報告制度について、実効性ある仕組みの導入を提案します。
東京都は、「CO²総量削減義務化制度(キャップ&トレード)」により、エネルギーを大量に使用する事業所に対し、期限内での削減を義務付けています。直近では、高効率の熱源や空調、照明による省エネが大規模に進み、目標を上回る27%削減を達成。5年間で2190万トンのCO²を減らしたとの公表です。
本県でも、報告や助言にとどまらず、目標と実績を公表する制度導入が必要です。知事の所見を伺います。

【大井川知事】

次に、気候危機打開についてでございます。
県では、県地球温暖化対策実行計画に定めました産業など4つの部門における二酸化炭素の排出削減目標の達成に向けて、環境に配慮したライフスタイルの定着を図る県民運動「いばらきエコスタイル」の推進や、再生可能エネルギーの導入などに取り組んでおり、2018年度の二酸化炭素の排出量は、2013年度に比べ、全部門において、着実に削減が進んでいるところでございます。

削減目標については、国での目標を踏まえ、県としても引き上げを検討する必要があると考えておりますが、具体的には、来年度改定する県地球温暖化対策実行計画の見直しの議論の中で、有識者の意見などを取り入れながら検討してまいります。

検討にあたっては、産業部門からの大幅な二酸化炭素の排出削減につながる「カーボンニュートラル産業拠点創出プロジェクト」や、民間企業と連携した省エネルギー対策、地産地消型再生可能エネルギーの導入拡大などの取り組みや地域特性などを踏まえてまいりたいと考えております。

また、カーボンニュートラル産業拠点創出プロジェクトでは、茨城港と鹿島港において、次世代エネルギーの需要と供給を一体的に創出するカーボンニュートラルポートを形成するため、今年度、国や港湾立地企業等で構成するワーキンググループを設置し、カーボンニュートラルポート形成計画の策定に向けた議論を重ねております。

この計画の策定においては、国から2030年度の温室効果ガスの削減目標を設定するよう求められておりますことから、国の目標や企業の意見などを踏まえ、削減目標を盛り込んだ計画の策定を進めているところでございます。

二酸化炭素排出量の公表につきましては、国において、昨年、地球温暖化対策推進法を改正し、令和4年度から新たに一定規模以上の企業に対し、事業所単位の排出量情報をオープンデータ化して、誰でも閲覧できるようにするなど、企業の脱炭素に向けた取り組みを評価しやすい環境が整備されたところですので、県としてさらにそれ以上の対策を講じる必要性は今のところ感じておりません。

県としては、企業の排出量の公表よりも前に、排出量削減に向けた取り組みへの支援がより重要かつ建設的だと考えておりますので、地球環境保全行動条例に基づく排出量の報告を受けた事業者への助言や、エネルギー管理の専門家を無料で派遣し、設備の運用改善を提案する等の企業支援に注力してまいります。

県といたしましては、気候危機打開に向け、カーボンニュートラルへの挑戦が、産業構造や経済社会の変革をもたらし、本県の大きな成長に繋がるという発想で、本県の地域特性を踏まえた取組を進めてまいります。

(5)東海第二原発の再稼働

【山中議員】

次に、東海第二原発の再稼働問題についてです。
いま、世界は、原発が軍事攻撃される脅威を目の当たりにしています。ロシアは、ウクライナの原発や核研究施設を砲撃し、関連施設を破壊しました。原子炉本体でなくても、電源喪失で冷却機能が失われれば、炉心溶融、放射能拡散の大惨事になりかねない犯罪的行為です。断じて許されません。

同時に、身近に原発があることに県民不安は増しています。県の新総合計画でも、100ページに及ぶ答申案の中で、「原子力」の記載は15カ所ありますが、すべて「安全対策」「防災体制」です。「危険があり被害を及ぼすもの」との位置づけが総合計画でも示されています。

東海第二原発について、水戸地裁が運転差止判決を出してから、まもなく1年です。判決は、避難計画の不備を正面から取り上げ、「実現可能な計画には程遠い」と指摘。「避難対象人口に照らせば、相当困難」と指摘する通り、30km圏内市町村の避難計画が見通しすら立たないのは市町村がやらないのではなく、できないからです。
県は昨年9月、避難所の1人当たり面積を「2m²」から「4m²程度」に広げ、見直し作業を進めていますが、現在の進捗状況を伺います。
知事は昨年10月の予算特別委員会で、30km圏内にある医療機関や社会福祉施設の避難計画について、「万が一の事故に備え、すべての施設で策定されることが必要」と答えました。

その時点で、医療機関の策定率は33%、福祉施設は57%で、避難車両や避難経路など課題は山積みです。知事が、すべての医療機関・福祉施設で計画策定が必要との考えは当然ですが、国や関係自治体とこの考えが共有されているのか伺います。

原電はいまだに、避難計画の前提となる東海第二原発で起こり得る事故や被害の想定を示していません。再稼働に「事前了解」を持つ6市村が昨年4月、原電に求めましたが、こんな基本的なことがなぜ出せないのでしょうか。いつまでに示させるのか伺います。
原発事故の危険と隣り合わせで、「県民が日本一幸せ」と言えるはずがありません。

知事がやるべきは、原電に対し、工事延長ではなく廃炉の決断を迫ることだということを強く求めます。

【大井川知事】

次に、東海第二原発の再稼働についてでございます。
まず、原子力災害時の一人当たりの避難所面積についてであります。

県では昨年9月に、避難所運営マニュアルを改定し、感染症対策やプライバシー確保等を考慮した新たな避難所レイアウト例を示し県内市町村に周知を図るとともに、避難所内に設置するパーティションテントなどの資機材の確保について、内閣府などと協議を行ってきたとことであります。

現在、避難所を確保する際の新たな面積の目安として、必要な資機材の確保を前提に、1人当たり3平方メートル以上とすることを方針として、避難元市町村と協議を行っているところであり、その結果を踏まえ、今後、隣接県を含む避難先自治体と具体的な協議に入ってまいりたいと考えております。

避難所の確保にあたりましては、避難先自治体のご理解・ご協力が大前提でありますので、国や避難元市町村とも緊密に連携しながら、引き続き丁寧な協議を進めてまいります。

次に、医療機関・社会福祉施設の避難計画についてあります。
昨年の第3回定例会での答弁のとおり、実効性である避難計画を策定する上では、すべての医療機関・社会福祉施設において避難計画が策定されることが必要と考えております。昨年11月には、県が主催した国、市町村等との意見交換の場においても、改めてこの認識について、関係機関と共有を図ったところでございます。

次に、東海第二発電所における事故・被害想定についてであります。

実効性ある避難計画を策定していく上では、最悪の事態も念頭に、あらかじめ具体的な事故や事態を想定した放射性物質放出後の拡散等に関するシミュレーションを実施することにより、いつ、どのくらいの避難者が発生して、その避難には何台の避難車両が必要になるかなどの対応策を計画に盛り込んでいくことが必要であります。

このため、県では、日本原電に対して、シミュレーションの速やかな実施を要請し、日本原電において、具体的な作業が進められているところであります。

日本原電からは、現在、県からの要請を踏まえて、様々な想定を置いて具体的な試算を行ってるところと聞いておりますが、現時点で公表の時期を見通せる状況にはございません。

実効性ある避難計画を策定する上で、シミュレーションの結果を活用することの重要性は、日本原電とも認識を共有しておりますので、引き続き、速やかな実施を働きかけて参ります。

県といたしましては、引き続き、国、市町村、関係機関とともに課題を共有し、意見交換を重ねながら課題の解決に努め、「実効性ある避難計画」の策定に取り組んでまいります。

2.教育行政について

(1)つくば市内における県立高校の課題(高校改革・基本プランの課題)

【山中議員】

最後に、教育行政について、教育長に質問します。
つくば市は、国と県が進めたTX沿線開発による宅地開発と公務員宿舎跡地売却による再開発で、戸建て住宅とマンションが林立し、子育て世代が急増しています。

つくば市は、今年度から23年度まで小中学校5校(170億円)を建設していますが、追いつきません。当然、高校入学者も増加します。

昨年3月の中学卒業者1,958人中、全日制県立高校の竹園高校・つくば工科高校、筑波高校への入学者は311人。中学卒業者の6人に1人しか、県立高校に入学できず、大変狭き門となっています。この状態をいつまで放置するのでしょうか、お聞きします。

この問題の背景には、県が18年に策定した「県立高校改革・基本プラン」があります。プランは県内を12のエリアに分け、2020年から26年までの県立高校入学者数と募集学級数・募集定員の将来推計をしています。

これによると、県立入学者の全県平均は68%ですが、つくば市を含むエリアは50%台で極端に低いのです。全県平均まで引き上げるには、入学者定員が600人足りません。

中学卒業者がつくば市を含むエリアに進学できるよう、高校の増設が必要ですが、お答えください。

こうした事態に、2017年以降、つくば市は県立高校設置を毎年、知事に要請しています。つくば市議会も、2019年9月に続いて、昨年10月1日、市民の請願を受けて全会一致で知事・教育長に意見書をあげました。

つくば市の県立高校不足は、8万人を呼び込む県の沿線開発が大本にあり、県の責任です。つくば市や茨城県が移住を推進しても、基本的なインフラである小中学校や高校の整備がおぼつかないとなれば、犠牲になるのは子ども達です。
ただちに、TX沿線など交通利便性の良い場所への県立普通科高校の新設を具体化すべきです。教育長の所見を伺います。

【教育長】

教育行政についてお答えいたします。
まず、つくば市内における県立高校の課題についてでございます。

県では、県立高等学校改革プランに基づき、県立高校の適正配置について、通学実態などを考慮し、県内を12のエリアに分け、中学校卒業者数などを踏まえて、学校・学科の配置を検討することとしております。

今年度、つくば市立の中学校及び義務教育学校卒業者の高校進学の状況は、つくば市内の4校の県立高校のほか、同じエリア内や、隣接するエリアなど広範囲の県立高校に多くの生徒が通学しており、私立高校などを含めた多様な選択肢の中から選んでいる状況にありますことから、進学先の受け皿がない状況とは考えておりません。

また、県平均と同じ水準でエリア内の県立高校に進学できるようにすべきとのご指摘につきましては、12のエリアそれぞれに、県境など地域の特性や中学校卒業者数の変動度合い、私立高校を含めた高校の立地状況などが異なることから、各エリアの状況を踏まえて県立高校の適正配置を検討すべきであると考えております。

さらに、県立高校の新設につきましては、地元からの要望もいただいておりますが、県全体で中学校卒業者数の減少が進んでいる中、つくば市内の県立高校でも、定員に満たない学校が生じておりますので、まずは、既存の県立高校の魅力化による志願者確保を優先すべきと考えております。

このため、令和5年度にサイエンス専科高校として新たなスタートを切るつくば工科高校につきましては 、TX 沿線地域の人口増加への対応として2学級増やし、科学技術に関する幅広い学びにより、地域の大学進学ニーズの受け皿となるよう、改編整備を着実に進めるとともに、広報活動に力を入れてまいります。

また、筑波高校につきましても、国立大学への進学者輩出や体験的学習活動「つくばね学」の取組により一定の評価をいただいているところですが、さらなる志願者確保に向けて、抜本的な魅力づくりに取り組んでまいります。

県といたしましては、既存の県立高校の魅力化を図るとともに、必要に応じて募集学級数の調整を検討するなど、つくば市内における県立高校の課題について対応してまいります。

(2)不登校の子ども達への支援

【山中議員】

2年余のコロナ禍で、子ども達の不安とストレスは深刻です。
20年度の不登校児童生徒数は、小学生が5年連続、中学生が8年連続で増加し、本県で4,500人を超えました。

教職員が子ども達に寄りそい、学校を安心できる場所にするため、教職員を増員し、教員の授業持ち時間数を減らして、子ども達にしっかり向き合う時間を保障することです。全学年・全学級の少人数学級の拡充は、その前提条件です。

とくに、不登校の子ども達の相談相手となり、支援を行う、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーを、正規職員として配置できるよう増員するべきですが、お答えください。

不登校の子ども達の居場所の1つであるフリースクール等について、親の会などの協力も得て実態把握が進み、情報交換と交流の場がつくられたことは前進ですが、更なる支援の強化が求められます。

県は、今年度から「フリースクール連携推進事業」を立ち上げ、運営費補助と授業料補助が始めましたが、関係者から様々な意見や要望が寄せられています。

授業料補助は20人の予算を確保しながら、対象を住民税非課税世帯としたため、実績はわずか1人です。保護者負担は半額補助でも1万5千円と高額です。

その他、「立ち上げの資金援助がほしい」、「利用料負担が重く利用を断念するケースが非常に多い」「利用料の補助を非課税世帯だけでなく広げてほしい」などの要望が出されており、どう応えるのか問われています。今後の改善方向について、教育長の所見を伺います。
以上で終わりますが、答弁によっては再質問とさせていただきます。

【教育長】

次に、不登校の子どもたちへの支援についてでございます。
不登校児童生徒数が年々増加する中、誰ひとり取り残すことなく、すべての児童生徒の学びを保障するための支援策を適切に講じることは、大変重要であると考えております。

そのため、学校では、担任等の観察や生活アンケートにより、児童生徒の様子をきめ細かに見取るとともに、必要に応じて面談や家庭訪問を行うことで、不登校傾向が見られる児童生徒の早期発見・早期対応に努めております。

また、県では、保護者向けに不登校理解啓発リーフレットを配布し、家庭においても、保護者が子どもの変化にいち早く気付き、学校と連携しながら、適切に対応していけるよう取り組んでいるところです。

さらに、全ての公立小・中・高校に、スクールカウンセラーを配置して、児童生徒に寄り添った教育相談体制の充実に努めております。

スクールカウンセラーの活用については、不登校傾向にある児童生徒を含め、悩みや不安を抱えている児童生徒に対して、個別面談を行うことに加え、スクールカウンセラーが講師となり、SOSの受け止め方やそのロールプレイ、事例を基にした生徒指導研修など、心の専門家であるスクールカウンセラーから指導・助言を受けることで、教職員全体のスキルアップを図り、教育相談の質の向上に努めているところです。

併せて、高校におきましては、不登校生徒数は減少しておりますが、その背景や要因は多岐に渡っているため、スクールカウンセラーを効果的に活用し、より適切な支援に努めております。特に付属中学校を併設する高校やフレックススクールにつきましては、配置時間と回数を拡充しているところです。

今後は、中学校で今年度モデル的に実施している、1人1台端末を活用した校内オンライン窓口を全市町村に拡充するなどにより、児童生徒の悩みや不安に、より効果的な支援が可能となる教育相談体制の構築に努めてまいります。

一方で、主に民間が運営しているフリースクールが、不登校児童生徒に多様な学習や体験の機会を提供し、新たな居場所となっていることから、支援策の一つとして、今年度新たに、フリースクールの運営費や、通所者に対して授業料等の一部補助を行う事業を立ち上げたところです。

今後は、今年度の成果や課題を分析し、より効果的な事業となるよう改善を図ってまいります。
県といたしましては、すべての児童生徒が悩みや不安を今以上に相談しやすく、また、学校以外の多様な学習機会が提供できる環境を整備することで、不登校の子どもたちへの支援にしっかりと取り組んでまいります。

【山中議員・再質問】

知事と教育長の答弁をいただきましたが、この答弁に対し東海第二原発について知事に、つくば地域の県立高校問題については教育長に再質問いたします。

まず東海第二原発の避難計画について、30km圏内にある医療施設119か所、そして福祉施設486か所、そこに入院・入所する2万人を超える県民の命に関わる大変重要な問題です。

すべての施設で原子力事故を想定した避難計画ができることが必要だということを、国や市町村と「共有している」と知事は述べましたが、内閣府や関係機関、県も入る「東海第二地域原子力防災協議会」の作業部会が、これまで10回開かれておりましたが、一度も病院や福祉施設の避難計画について議題になっていません。

そして、この1年半近く部会が開かれていません。国や市町村も知事と同じく「すべての医療機関、福祉施設の計画策定が必要だ」との認識に立っているのか、国も了解しているのか、再度お答えいただきたいと思います。

次に、つくば地域の県立高校問題です。

教育長は、県立高校入学者の問題について、厳しい実態というその点で、改めてそうじゃないというようなご発言もあったように思いますが、確認したいと思います。

そして、つくば市の合併時の県立高校は6校でしたけれども、上郷が統廃合され並木はなくなり、そして並木は中高一貫校となって高校の受け入れがなくなりました。茎崎は定時制高校に改編されました。この県立の6校から3校に半減されたことが大きな痛手となっていると思います。

ちなみに取手市や土浦市と比較してみました。両市とも、市内中学卒業者は2人に1人が市内の県立高校に進学しています。両市とも市内に県立高校が5校あるわけですけれども、 JR駅を中心にバス路線が整備され、交通の利便性が良いということも進学先を考える上で大きな要素になっていると考えています。

既存校の魅力アップももちろん必要ですけれども、進学率アップを言うなら、交通の利便性の良い場所にみんなが行ける、県立の普通科高校を作ることだと思いますが再度お答えください。

【大井川知事】

再質問にお答えいたします。
医療機関・社会福祉施設の避難計画についてですが、先月1日時点で52.9%の進捗となっております。医療機関等に対しては、説明会や個別協議により策定を働きかけているところでありますが、新型コロナウイルス感染症の対応に追われ、計画作成の優先度が低くなってしまっていることなどから、策定がなかなか進まない状況にあります。

県としましては、改めて実態調査を実施し、その結果を踏まえ、引き続き避難計画未策定の医療機関等に対し、計画策定の支援をしてまいりたいと思います。

【教育長】

再質問にお答えいたします。
県立高校の配置につきましては、県全体で広域的に検討すべきものと考えております。

具体的な対応につきましては、今後の中学校卒業者数の動向や隣接エリアを含めた県立高校の志願状況などを注視しながら、つくば市内から通学可能な県立高校における募集定員の増など、必要な対応をとってまいりたいと考えております。

また、通学方法も問題となりますので、地元つくば市と連携し、生徒の視点に立った対応を検討してまいります。

【山中議員・再々質問】

いま、知事と教育長にご答弁いただきました。一点だけつくば地域の県立高校問題について教育長に再々質問をしたいと思います。
教育長は県立高校入学者が中学卒業者のつくば市内の中学卒業者の6人に1人だという大変狭き門だということについてどのように認識しているのか。先ほど答弁がなかったので再質問の際の答弁になかったので改めてお聞きします。

【教育長】

つくば市内の中学生の卒業者の進学先が、つくば市内においては6人に1人だということは十分承知しておりますが、先ほど答弁でも申し上げたとおり、高校の進学については、つくば市内だけではなく、広域的に対応すべきであるというふうに考えております。

以上

動画はこちらから

2022年3月茨城県議会 山中たい子議員の一般質問と答弁(大要、PDF)

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