2022年1月茨城県議会臨時会 江尻加那議員の討論(要旨)

第1号および第2号議案、2件の補正予算について討論します。
共産党県議団はこれまで、新型コロナ対策補正については、さらなる拡充や改善を求め賛成してきました。しかし、今回の補正には同意できません。

第1に、必要な検査が余りに不十分です。1日1万1千件の行政検査能力に対し、年明け以降の平均は2,120件。地域薬局の無料検査も、昨年専決処分で見込んだ54万回に対し実績は3万回です。濃厚接触者は同居家族に限定され、それ以外は現場判断に丸投げされ、自宅待機者に対する行政検査は行われず、薬局では濃厚接触の疑いがある人は検査できません。当面、抗原検査キットの家庭や職場への無料配布、保育園・学校は県の定期検査実施が必要ですが、予算や具体策がありません。

第2に、県内産業への支援では、富裕層向けのマリンレジャーイベントに2,100万円、いば旅あんしん割に27億2千万円の予算です。あんしん割は予算措置しても実行できない一方で、事業再開までの支援金は1円もありません。時短要請には飲食店協力金のみであり、県の関連事業者支援金の追加・継続こそ必要です。

第3に、「新しい資本主義」にむけた予算が計上されましたが、国民に自己責任を押し付け、人件費を削減し、社会保障を切り下げてきた新自由主義の弊害により、かつて18カ所あった本県保健所がいまや9カ所です。応援体制の強化とともに、恒常的に保健所の数と職員を増やすことです。保健所必要人口の目安を20万人としている「地域保健法ガイドライン」の趣旨を踏まえれば、本県は14箇所ですが、知事は統廃合の反省も今後の増設方針もありません。

第4に、防災・減災、国土強靭化のための土木事業(304億7200万円)について、国の今年度防災・安心交付金は、地方要望に対し7割程度で、3割が切られています。一方、国土強靭化による予算が優先され、茨城港の港湾整備に3億2千万円、鹿島臨海工業地域の特定企業が出す産業排水処理施設に9億円です。対し、交通安全事業は2千万円の補正で、県内1,365箇所ものハード対策必要個所への対応は困難です。

以上で、反対討論を終わります。

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