2021年10月茨城県議会 予算特別委員会 江尻加那議員の質問と答弁(大要)

江尻加那議員の予算特別委員会質問と答弁(大要)

2021年10月20日(水) 茨城県議会 第3回定例会

【質問事項】

  1. 「1県1水道」をめざす県水道ビジョン素案について
  2. 原子力行政について
    (1)国のエネルギー基本計画における原発依存
    (2)医療機関等の原子力災害避難計画
    (3)東海第二原発の再稼働と捉える時期
  3. 自衛隊百里基地周辺の安全対策とオスプレイ訓練の中止について
  4. 国民健康保険税賦課方式の「2方式」導入による子育て世帯の値上げ回避について

質問する江尻議員=2021年10月20日、茨城県議会

1. 「1県1水道」をめざす県水道ビジョン素案について

日本共産党の江尻加那です。先週の本会議質問に続き、いくつかの県政課題について知事に伺います。

はじめに、県が改定作業を進めている水道ビジョンについてです。茨城の水道をどのようにしていくのか、実に20年ぶりの見直しです。

県や国は、地域の衰退や人口減少に対応するには、広域行政が必要だといって消防やゴミ、保健所や医療等を次々に再編統合してきました。そして、今度は水道も「1県1水道」をめざし、市町村の水道を含めて1本化の方針です。私はこれが望ましい方向か、大いに疑問です。

例えば、集約化すれば、災害やトラブルで1カ所が機能停止したときの被害は広い範囲に及びます。そうでなくても、本県は、東日本大震災時に断水になった戸数が80.5%にのぼりました。これは、岩手、宮城、福島3県より多かったのです。その理由として、厚労省は、本県の「県用水供給事業からの水供給が停止したことが直接の要因」と分析しました。事実、県水に頼っていた市町村ほど断水が長期化するなど、被害が広がりました。

また、ビジョンによると、市町村の水道経営が大変になっていることを広域化の理由に挙げていますが、無駄な水源開発による高い水道料金や、過大な契約水量を押し付けてきたことが一因と言えます。そのため、度々県に対し市町村から値下げの要望や契約水量の見直しが出されていますが、今回の水道ビジョンでどうなるのか、重要課題が示されていません。

資料をご覧ください。

茨城県の3つの広域水道における実績、施設の整備計画

茨城県の3つの広域水道における実績、施設の整備計画

県の3つの広域水道:鹿行、県中央、県南西において、青の横棒が去年1年間で一番多く水を使った日の、県から市町村に送られた実績水量です。下のオレンジがそれに対して県施設が有する給水能力です。どこも十分に足りていますが、とくに、水戸市を含む県中央広域水道は、現在整備済の7万8千m³/日でも余っているのに、県はこれを今後24万m³/日にまで拡張する計画です。

そこで、水道ビジョンにおいて、まずは過大な水需要の想定を見直すとともに、市町村との契約水量のもとになる「協定書」を白紙に戻して、実際の水量に合わせるべきと考えますが、知事の所見を伺います。

【大井川知事】

お答えいたします。

県水道ビジョンにつきましては、学識経験者や日本水道協会、市町村職員等を委員とした「茨城県水道ビジョン策定検討委員会」を設置し、それぞれの専門的見地から、忌憚のないご意見をいただいているところであり、検討委員会でのご意見を十分踏まえながら、「水道ビジョン案」を取りまとめたいと考えております。

各市町村等に対しては、素案作成の段階から、市町村等の実態や人口減少を適切に反映させるため、将来の水事業等をはじめとした各種調査を行っているところでありますが、検討委員会と並行し、丁寧に説明し意見を聞いてまいります。
さらに今後、パブリックコメントを実施し、広く県民のご意見を伺ったうえで、水道ビジョンを策定してまいりたいと考えております。

また、策定した水道ビジョンにつきましては、令和4年第1回定例会において、ご報告させていただきたいと考えております。

委員ご指摘の「水道用水供給事業の実施に関する協定書」につきましては、県営の水道用水供給事業を実施するにあたり、必要な水量について、あらかじめ確認しあうため、県と関係市町村等が連名により、締結したものであり、県の水道用水供給事業の活用についても、水道ビジョン策定検討委員会において、検討してまいります。

【江尻】

いま知事のご答弁で、今後の人口減少に対応していく必要があると。
ビジョンでは茨城県人口がこのあと252万人まで減少するということも前提になっていますが、市町村と県が交わしている協定書は昭和の時代に県人口が420万人にまで増えると想定したものです。整備済みの3つの広域用水施設だけでも計算してみますと、給水能力は県民約30万人分余裕があり、中央広域で更に拡張すると80万人近い水余りとなる計算です。

水道ビジョンの素案の中では県や市が保有する水道施設、「浄水場を適正規模にダウンサイジングすることが必要」と明記されています。ダウンサイジング=規模の縮小ですけれども、市町村にそれを求めて県全体でダウンサイジングしていくというなら、県の中央広域水道の施設についても拡張計画は例外ではなく、見直していくということでよろしいですか。

【大井川知事】

今後、人口減少など様々な状況を適切に反映したものとなるよう、策定中のビジョンにおいては、検討委員会で検討していただいているところでございます。
個別の施設については、このビジョンの中では特段に触れることはございません。

【江尻】

市町村が保有している施設、浄水場というのは市町村でも独自に考えていかなくてはいけないと思いますが、県中央広域水道は県の施設であり、県中央のエリアでも人口が増えることはないし、1人あたりの使用水量も節水などで減っていくということですので、知事として、中央広域水道をあり得ない規模、24万m³/日まで拡張していくことも見直し対象の例外にはしないということにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

【大井川知事】

策定中の県水道ビジョンにおいては、県内の水道事業全体の最適化を図ることを念頭に、現在検討委員会においてバランスや基本的な方針を検討していただいているところでございます。

【江尻】

適正な規模にしていくというのは大切なことだと思っています。その時は実際の県が市町村に送っている配水量、この実績ですね、実際の量と契約水量や施設規模があまりにも差があるというのが課題の一つだとも思っていますので、実際の規模、実績にあわせていくという方向で知事も考えているのか、もう一度ご答弁ください。

【大井川知事】

県内の水道事業全体の最適化を図るため、現在検討委員会において、バランスや基本的な方針を検討していただいているところでございます。

【江尻】

市町村にそれを求めるのであれば、県も模範を示して、施設をあわせていく。そうしないと24万m³/日なんていう施設の拡張を実際おこなってしまうと、さらにコストが水道料金に跳ね返ってきて、市町村が値下げを要望しているのに値上げも余儀なくされる。

結局それは県民が払う水道料金の負担にしわ寄せがくると思っていますが、この水道料金の引き下げについても、昨日の決算委員会等でも意見があったようですけど、県の水道料金の値下げの要望にたいしてはどのようなビジョンで考えていくのか、最後にお伺いいたします。

【大井川知事】

現在、検討委員会において総合的に検討していただいているところでございます。

【江尻】

検討するのは大事なんですが、県としてこうしていきたい、少なくとも値下げの要望にどんなふうに応えていくのか。過大な水事業の想定を見直していくとか、計画の施設があまりにも大きすぎるのであれば、それを規模縮小していくということを市町村だけではなく、県自身が行うべきだということを求めます。

あと水道ビジョン、素案のまとめが10月26日、3回目の検討委員会でもう素案としてまとめられるのは、ちょっと拙速すぎるんじゃないかと思っていますけれども、今後市町村との意見交換では、全ての市町村が「じゃあこれでやりましょう」とはすぐに合意はいかないと思っておりますので、県としての責任、県自身の水道施設の在り方を考えていくべきだと申し上げまして、次の質問に移ります。

2. 原子力行政について

(1)国のエネルギー基本計画における原発依存

2つ目、原子力行政について伺います。
国は第6次エネルギー基本計画の案を示すとともに、2050年までにCO²排出を実質ゼロにする目標も掲げられました。
しかし、これら政府の計画には大きく3つの問題点があると考えます。

1つは、当面2030年までの日本のCO²削減目標が世界平均より低いこと。第2に、石炭火力発電所を温存、新増設すること。第3に、電力の20~22%を原発で賄うとしていることです。

そのためには、全国でおよそ27基の原発稼働が必要とされておりますが、計画には新増設や建替えを盛り込むことはできず、このままですと、2050年にはすべての原発が運転期限40年の寿命を迎えます。

これら老朽原発の稼働を前提とする原発依存の国のエネルギー計画が果たして実効性があるのか、知事は矛盾を感じないのか。この計画に沿って原発というのは必要と捉えているのか所見を伺います。

【大井川知事】

お答えいたします。
先月、国が示しました第6次エネルギー基本計画の案における2030年度のエネルギー需給見通しにつきましては、当該年度の温室効果ガス排出量を、2013年度から46%削減するという目標を実現するため、需給両面における様々な課題の克服を野心的に想定した場合に、どのような電源構成になるか、という視点で検討がなされたものと承知しております。

このうち、原子力発電につきましては、可能な限り依存度を低減させるとの方針の下、二酸化炭素の排出削減に貢献する電源として、原子力規制委員会の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進めるとしたうえで、電源構成ではこれまでのエネルギーミックスで示された20から22%程度を見込むとされております。

しかしながら、この割合をどのように達成していくのかについては、具体的に示されておらず、また、エネルギー政策は、国の責任において検討されるべきものであり、計画の実行性について、県の立場で言及することは差し控えたいと考えております。

(2)医療機関等の原子力災害避難計画

【江尻】

ほんとうに野心的な計画というのであれば、世界の流れと一体になって石炭火発、原発に依存しないで再エネ省エネでいかにCO²を削減していくのか、ということこそ野心的なものだと思います。

第5次と比べても、第6次も相変わらず原発が20~22%賄うと。何も変えようとしない。そのためには27基程度の原発再稼働が必要だということですが、この27のうちに本県の東海第二原発も入っています。

再稼働する以上、どの原発でも30キロ圏内の避難計画が必要とされています。東海第二の場合は、東海村をはじめ14市町村の避難計画はもちろんですが、30キロ圏内にあるすべての医療機関、社会福祉施設にも計画策定が求められています。そこで、病院などの医療機関は119施設の対象のうち策定済みは39施設とのことですが、社会福祉施設はどのような策定状況なのか伺います。

当然避難のためにはバスや福祉車両が必要ですが、どれだけの台数が必要で、現時点で本県にどれだけあるのかも伺います。
そのうえで、30キロ圏内にあるこれら医療施設、社会福祉施設の中で、1つでも(避難)計画ができていない施設があれば、県としての広域避難計画も完成しない、実効性ある(避難)計画ができたことにはならないという理解でいいのか、お伺いいたします。

【大井川知事】

お答えいたします。
国の防災基本計画や原子力災害対策指針に基づき、茨城県地域防災計画において、東海第二発電所から30キロ圏内の医療機関などは、避難計画を策定することとしており、県は策定を支援しております。

まず、高齢者、障害者などを対象としました社会福祉施設の避難計画の策定状況でございますが、9月1日現在、486施設のうち、280施設が計画の策定を行っており、策定率は57.6%でございます。

次に、医療機関や社会福祉施設の避難に際して必要となるバスや福祉車両等でございますが、現在策定されている計画をみますと、入所者の状況によっても異なりますが、明確な台数を計画に記載していない施設が多いことから、今後、必要車両の想定についての考え方を示すなどして、計画策定の促進と併せ、計画への必要台数の明記を働きかけてまいります。

なお、平成30年9月に全施設を対象に行った調査によりますと、バスによる避難の対象人数は約1万1千人、福祉車両は約1万3千人であり、必要台数は推計で50人乗り大型バス約200台、福祉車両約8千台となっております。

一方、現時点で、県バス協会加盟会社の保有するバスは約2千900台、県ハイヤー・タクシー協会会員の保有する福祉車両は約30台、県内の社会福祉協議会が保有する福祉車両は約160台となっております。

こうした状況の中、避難時におけるバスや福祉車両等の移動手段の確保に向けては、交通事業者等の理解と協力が不可欠であることから、県では、これらの事業者と協議を進めるとともに、バス等の円滑な配車に向け、配車オペレーションシステムの開発を進めており、医療機関や社会福祉施設、交通事業者等が参加する訓練を行い、改善点の意見をいただきながら、システムの改良を図っていくこととしております。

医療機関・社会福祉施設の避難計画が1施設でもできていなければ、広域避難計画ができたことにはならないという理解かという点につきましては、「実効性ある避難計画」を策定する上では、要配慮者の避難体制の構築が不可欠でありますことから、万が一の事故があった場合に備えて、すべての医療機関・社会福祉施設において避難計画が策定されることが必要であると考えております。

県といたしましては、引き続き、移動手段の確保に向けた取り組みを進めてまいりますとともに、避難計画の未策定の医療機関等に対する説明会や個別協議の実施などにより、計画の策定を推進してまいります。

【江尻】

いま知事から、全ての医療機関、福祉施設での避難計画策定が必要だと明確な答弁がありました。
当然のことですけれども、これも重要な姿勢として私は受け止めたところです。

併せて、避難に必要なバスについて今、50人乗りで計算した場合ということですけれども、コロナなどの感染症は決して一過性では終わらない。そのための防護措置ということであれば、50人乗りバスに50人乗るという想定についても、感染の拡大時期にあっては、それでは間に合わないということも対応として必要かと思っているところです。

併せて、今、知事が配車オペレーションシステムを進めているというご答弁がありましたけれども、バスの他にあった福祉車両というのは、福祉バスや福祉タクシーのみであって、いわゆる救急車というのは入っていないと思います。

しかし、情報公開で明らかになった県の県立中央病院の避難計画では、救急車が延べ141台必要。また、東海村の村立病院も、救急車10台必要と計画に明記されています。一体30km圏内全部の医療機関合わせれば何台救急車が必要になるのか。現時点で本県に救急車は170台程しかないと伺っていますけれども、この救急車についても検討されているのかどうかお答えください。

【大井川知事】

例えば、県立病院の例を取り上げますと、入院患者のうち重傷者の搬送について救急車が最善と考えておりますが、患者の状況や配車の状況に応じて、福祉車両により搬送など臨機応変に対応することも必要と認識しております。搬送にあたってはトリアージにより緊急性の高い患者を優先するなど、円滑な対応が取れるように訓練するとともに、バス等配車オペレーションシステムを有効に活用していくことで対応したいと考えております。

(3)東海第二原発の再稼働と捉える時期

【江尻】

避難計画の策定状況の中で、東海第二原発の現場においては再稼働のための工事が日々進められています。その現場で働く作業員の安全や管理体制が軽視されて、違法行為がまかり通っているということを私は先日の本会議で示しました。

知事は「国が指導監督していると認識している」と国任せの答弁でしたけれども、県としても当該会社や日本原電に確認したのでしょうか。このまま再稼働工事が進めば、来年秋にも調整運転、いわゆる試運転が予定されます。

知事は昨年12月の予算特別委員会で、山中議員の質問に対し、「試運転については、再稼働するかしないかの判断があった上でのことであり、その判断の前に試運転することはない」と答弁されました。そのとおりだと私も思いましたが、今年6月の予特で、私が「避難計画なしに、試運転はないということでいいんですね」と質問したのに対し、なぜか明確なご答弁がありませんでした。
現在、国内で再稼働された原発を見ますと、全て試運転されればそのまま営業運転に移行されています。

そこで、知事は、再稼働というのはどの時期、再稼働の是非を知事として判断するのはどの時点だと考えているのでしょうか。試運転の前なのか、それとも、試運転が終わってしまって営業運転に入るときなのか、改めて確認いたします。

【大井川知事】

お答えいたします。
東海第二発電所の再稼働と捉える時期につきましては、原子炉の運転を開始するとき、すなわち原子炉を臨界の状態にするため起動操作を行うときであると認識しております。

また、原子炉の運転とは、原子力規制委員会規則の運用に係る訓令にあるとおり、「原子炉が臨界の状態にあることをいい、通常の運転のほか試運転及び調整運転が含まれる」ものと理解しております。

なお、原子力安全協定に基づき、事前了解のない段階での原子炉施設の運転を認められないことから、東海第二発電所の再稼働の是非を判断する前に、試運転や調整運転を含め、原子炉を臨界の状態にするための起動操作が行われることはないものと考えております。

【江尻】

改めて確認させていただきました。
原子炉が起動するということ自体が再稼動するということですので、試運転といえども県の判断、安全性の検証、実行性ある避難計画、そして県民の意見を聞くということなしにですね、試運転がなし崩しに行われることは決してないように、これは知事の今のご答弁として確認させていただきたいと思います。

3. 自衛隊百里基地周辺の安全対策とオスプレイ訓練の中止について

3つ目に、自衛隊百里基地周辺の安全対策とオスプレイ訓練の中止について伺います。

百里基地は、首都圏で唯一、戦闘機運用の編成部隊を擁する基地ですけれども、正式発足から55年の歴史上初めて、V-22オスプレイの飛行訓練が8月に強行されました。千葉県木更津駐屯地に暫定配備されたオスプレイによるものですけれども、百里での訓練以前にも首都圏上空一体を飛行して、大子や常陸大宮などでの目撃情報も寄せられております。
知事は、オスプレイの機体や飛行の安全性について、確信をお持ちなのでしょうか。

日本では、沖縄の普天間に最初に配備された2012年以降だけでも、降着装置の異常、嘉手納基地への緊急着陸・機体からの発煙、さらには部品の落下、名護市に墜落、オーストラリア沖で墜落・乗員3名死亡、奄美空港や伊丹空港に緊急着陸など、事故や不具合を挙げればきりがありません。今年になってからでも山形空港、仙台空港に緊急着陸がありました。

だからこそ、百里基地周辺の住民は強い危機感を抱いて、地元26行政区長が訓練中止を申し入れ、小美玉市など5市町連絡会が訓練の詳細な情報提供を要望しました。百里基地反対連絡協議会8団体も抗議したほか、私ども共産党県議団でも中止を要請いたしました。

専門家からは、日本に配備されたオスプレイには、「オートローテーション機能」、いわゆるエンジンが停止した時に安全に着陸できる機能が欠落しているのではないかという指摘もあります。県として防衛省などに確認するとともに、訓練は中止すること。少なくとも今後の訓練の実施時期、飛行時間、飛行ルートなどの詳細情報を提供するよう、正式に政府に、防衛省に文書で要望すべきと考えますが、知事の所見を伺います。

また、こうした防衛省などとのやり取りを、本県では県民生活環境部の生活文化課が現在担当されていますが、ここの主な所管というのは消費生活の安全でしたり、文化振興、県民文化センターや大洗水族館の担当でありますから、基地対策として日頃の騒音の苦情などの対応はいいと思うのですけれども、防衛省に対して折衝・要望を行うにはこのままでいいのか。

ちなみに、千葉県では総合企画部政策企画課が担当し、埼玉県は企画総務課基地対策が担当しています。今後の本県の部署のあり方についても所見を伺います。

【大井川知事】

お答えいたします。
まず、オスプレイの安全性についての認識でございますが、7月14日に訓練実施に関する事前連絡があった際に、防衛省から県民生活環境部長らに対し、

  • 過去におきた事故は、人為的ミスに起因するものであるとの調査結果が出ていること
  • また、今後の陸上自衛隊の訓練は充分に経験を積んだパイロットが飛行を行うこと

など、安全性に問題がない旨の説明があったことの報告を受けております。

また、国では、訓練の安全性を高めるため、機体の点検・整備を強化するとともに、訓練内容を見直すなど、一層の事故防止に努めており、委員ご指摘のオートローテーションも機能的にも問題ないことを確認させておりますので、現在は、オスプレイの安全性に問題があるとは考えておりません。

次に訓練中止を求めることについてでございます。県にはこれまで、地元の団体などから計4回、訓練中止の申し入れがあり、防衛省に対し、地元の要望として伝えたところであります。

これに対し、防衛省からは、「今回の訓練は国の安全保障について総合的に判断し実施するもので、当然安全確保に最大限配慮する」との説明がありました。

このように、訓練は国が責任をもって適切に実施するとしていることや、そもそも、防衛や安全保障は国の専管事項であることも踏まえますと、訓練中止を申し入れることは考えておりません。

次に、防衛省に対する文書での申し出についてでございます。これまで、防衛省職員が訓練の事前説明に来られた時など、その都度、安全対策や周辺住民の不安払拭の徹底、訓練日程の事前公表などについて、口頭で申し入れを行っております。

これに対し、防衛省からも、初飛来の日程等の情報提供などがあったことから、現時点では文章での申し入れは考えておりません。
最後に、委員からご提案がありました、所管部局の見直しについて、現時点では、各担当課において、県として必要な対応ができているものと認識しており、特段の課題が生じていると考えておりません。

今後とも、飛行訓練の状況把握や、県庁内及び地元市町村との情報共有に務めるなど、引き続き県民の安全対策にしっかりと取り組んでまいります。

【江尻】

これまでも今後も、様々な百里基地等に関する課題に対応して、県民の安全、周辺住民の生活環境を保持していくというためには、地元の周辺市町村が作っています現在の連絡会に県も正式に加わって、対応にあたることが必要ではないかと考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

【大井川知事】

お答えいたします。
ご指摘のありました、「百里基地周辺5市町連絡会」は、住民の声を直接、防衛省に届けるなどの必要性から、地元市町において設置されているものと承知しております。

一方県は、地元市町の意向を踏まえ、防衛省に対し、広域的な住民の安全確保の要請など、必要な対応していることから、現時点で、県の協議会参加は必要ないと考えております。

【江尻】

私は、県も市町村と一体にということであるなら、こうした連絡会、協議会、埼玉県では県も入って共に進めているようですけれども、そのさまざまな課題に対応ということで私が一つ懸念しているのは、国会で今年6月に可決された「土地利用規制法」、来年の6月が施行予定ですけれども、自衛隊施設など国の安全保障上重要な土地の周辺約1kmを政府が「注視区域」に指定して、土地や建物の利用状況調査を名目に、市民を監視したり、土地利用を制限するということも可能になりました。

百里基地の1kmといえば、県が売り出しているテクノパーク工業団地なども入っていますけれども、基地をめぐる今後の情勢の変化を踏まえて、しっかりとした対応を求めていきたいと思います。この点の質問は以上です。

4. 国民健康保険税賦課方式の「2方式」導入による子育て世帯の値上げ回避について

最後に4つ目として、国民健康保険税賦課方式の「2方式」導入による子育て世帯の値上げ回避について伺います。

来年度から、県内の市町村が国保税額を算定する際の賦課方式について、県が示した方針に基づいて、すべての44市町村が2方式を目指すとされています。この件は先日私も保健福祉医療委員会で執行部の方とやり取りをしましたが、2方式にした場合、県内のある市町村でシミュレーションしてみた結果、国保加入世帯の1割で国保税が増額になるということです。

その他、多くの市町村も同様のことが想定されますが、「値上げが想定される1割はどういう世帯なのか」と伺いましたところ、やはり子どもが多い多子世帯との回答でした。

子育て世帯の負担が重くなることをわかっていながら、そのままにするのでしょうか。私は国保税の値上げを回避するために、県としてさらなる支援策、財政措置が必要ではないかと考えますが、所見を伺います。

【大井川知事】

まず、国民健康保険制度においては、すべての世帯員が等しく保険給付を受ける権利があるため、世帯の人数に基づき、応分の保険税をご負担いただくことが基本でございます。

このことを踏まえ、本県においては、令和4年度から、県内の国保税の賦課方式を所得割と均等割の2方式へ統一することを目指し、準備を進めているところであります。

2方式へ移行する場合、市町村が国保税で「集めるべき総額」には影響ありませんが、「賦課方式」が変わることにより、世帯当たりの税額は、所得状況や世帯構成等によって変動することとなります。

具体的には、応益負担分については、1世帯当たりに賦課する平等割を廃止し、世帯の人数に応じて賦課する均等割のみとなることから、県内の国保世帯の約85%を占める1人世帯ないし2人世帯では、税額が低くなる傾向にあります。

一方で、多子世帯など、ご家族の多い世帯では、税額が高くなる傾向があると認識しております。
このため、県では、令和4年度については、子どもの数に応じた国保特別交付金の配分など、国による未就学児に係る均等割保険税の軽減と併せて、子ども1人当たり約2万5千円の負担軽減を図ることとしております。

また、市町村が2方式に移行するにあたり、応能・応益割合の見直しなどによる最適な税率の設定など、適切なシミュレーションが行えるよう、引き続き、市町村と連携しながら進めてまいります。

一方、さらなる支援策の実施についてですが、国保における子育て支援は、一義的には、国が責任をもって取り組むべき課題と認識しております。

このため、引き続き、国に対して、均等割保険税の軽減措置について、対象年齢の拡充と地方負担の撤廃を要望してまいります。
県といたしましては、これらの取り組みを通じて、可能な限り子育て世帯の負担軽減を図ってまいります。

【江尻】

知事は国保税って払ったことがあるでしょうか。所得に対して1割を超えるような国保税は本当に今でも重い負担になっています。払えない方もいらっしゃる、それによって正規の保険証を受け取れない方もいらっしゃいます。

今、知事は、2方式の意向によって県の交付金、国の軽減策で子ども一人あたり2万5千円の支援をしていくとおっしゃいましたけれども、これを踏まえてシミュレーションした結果、それでも残り1割の値上げがあるんじゃないか、想定されるというのが市町村のシミュレーションです。

仮に1割と言いましても、県全体でみれば約4万世帯、6万6千人に及ぶ値上げになってしまいます。影響は決して小さくありません。それも子どもが多い家庭ほど値上げが大きいということが分かっていながら、少子化対策だとこれだけ国も県も言いながら、やっていることが逆じゃないかと。政府は子ども庁創設だ、またコロナでは子どもへの給付金が必要だと言っている時に、県が負担増を行って、本当に日本一子どもを産み育てやすい県と言えるのか。

そもそも協会けんぽ等の被用者保険では、子どもがいることで保険料は増えません。国保だけです。市町村が頑張るとか、シミュレーションするとかではなく、県主導で賦課方式を変えることで、その結果、子育て世帯が値上げになってしまうということですから、やはり、県として対応、支援をすべきと思います。もう一度ご答弁お願いします。

【大井川知事】

お答え致します。県では先程答弁したとおり、子育て世帯の負担軽減策として、子ども1人当たり最大約2万5千円の負担軽減を図ることとしております。

加えて、本県独自の子育て支援策として、3人目以降の3歳未満の子どもにかかる保育料の完全無償化や、子どもや妊産婦に対する全国トップクラスの医療費助成を行っております。

県としましては、このような子育て世帯の負担軽減にも取り組んでいるところであり、子育て支援に逆行をするというのものではございません。いずれに致しましても、県としましては、日本一子どもを産み育てやすい県の実現に向け、各種施策を推進していきたいと考えております。

【江尻】

1割の世帯、子どもが多い世帯の国保税は上がっても仕方がないということなのでしょうか。

【大井川知事】

賦課方式の変更を行うことによって、特定の世帯については保険税の引き下げが起こり、特定の世代においては税の引き上げが起こる事態が生じるのは論理的にはしょうがないという風に思いますが、それに対して先ほども答弁していますように、様々な政策において子育て世帯への負担軽減などを図っていくことが重要だというふうに考えております。

【江尻】

知事が1割といえども、子育て世帯の値上げはやっぱり駄目だという知事の想い、方針があれば、何も国保会計だけでなんとかしようというのではなく、一般会計からの繰り入れも行えば値上げは回避できます。

例えば、県独自に今おっしゃった妊産婦や子どもの医療費助成を行っていることで、国がペナルティとして本県へ国庫負担金約6億円を減額していますが、これは一般会計から補てんすることも可能です。こうしたことで国保の負担を緩和する、子育て世帯の値上げをなんとか回避する、そこまで考えて頂きたい。そうじゃないと来年、市町村から国保税の納付書が届いた時、子どもがいる家庭で「去年よりどうして上がったのか」、「子育て支援だと言っているのにどうして国保税が上がったのか」と市町村の窓口に苦情が行きます。

その時に、市町村の担当者は「県に言われて計算式を変えたからです。仕方がないのです」。そういうことで本当に納得されるでしょうか。

子育てを応援するという知事の姿勢が見えないと思いますが、県として値上げをなんとか回避する、そういう考えに立てないのか、もう一度最後、ご答弁お願いいたします。

【大井川知事】

お答えいたします。
そもそも国民健康保険制度は、補てんの公費と保険税により運営されているものとされており、国においては国保特別会計の赤字を賄うための法定外繰入については、速やかに削減解消するように求めております。県においては、市町村に対して計画的に赤字削減に取り組むように働きかけております。県が一般財源の充当により子育て世帯の負担軽減を実施することは適当ではないと考えております。

【江尻】

本当に子育て支援ということであれば、しっかりと県の財政支援をお願いしたいと思います。以上です。

以上

動画はこちらから

2021年10月茨城県議会 江尻加那議員の予算特別委員会質問と答弁(大要、PDF)

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