2021年4月茨城県議会臨時会 山中たい子議員の質問と答弁(大要)

山中たい子議員の質問と答弁(大要)

2021年4月28日(水) 茨城県議会 4月臨時会

  1. 検査体制の拡充について
  2. 事業者への支援について

項目

1. 検査体制の拡充について

日本共産党の山中たい子です。
今回の294億円余の補正予算は、営業時間の短縮要請協力金や生活福祉資金貸し付け、医療従事者応援金、宿泊療養施設の借り上げなど、これまでの継続事業です。しかし、新規の「いば旅あんしん割事業」の予算計上は、議会運営委員会において厳重注意となりましたが、本来なら、取り下げるか、もしくは、観光事業者への直接支援に充てるべきです。一方で、最も必要とされた検査の拡充は盛り込まれませんでした。

知事は、感染状況が「第4波の入り口」にあるとして、水戸市など15市町を「感染拡大市町村」に指定しました。その対策は、外出自粛と飲食店への営業時間の短縮要請です。

しかし、これで感染を抑え込むことができるでしょうか。現に、「従来対策では不十分」と、安田貢医療統括監もマスコミの取材に答えています。また、落合聖二真壁医師会長も、有効な手段である、「検査の拡充になぜ踏み切れないのか」と述べています。

検査体制の拡充についてです。今度こそ、無症状感染者をいち早く把握し、保護して感染を封じ込めるために大規模検査にとりくむことです。命にかかわる問題にこそ、スピード感を持って、実施していただきたい。

高齢者や障害者の入所施設職員への社会的検査は、プール検査を含め、世田谷区などが先行し、政府も実施を促しました。本県も昨年11月から実施し、わずかながら無症状の陽性者を把握、保護、隔離しています。知事はこの結果をどう受けとめていますか。所見を伺います。

無症状者を把握するには、入所施設の検査だけでは足りません。対象を医療機関職員と入院患者、高齢者・障害者施設の利用者などにも広げ、週1回程度の定期検査が必要です。変異株陽性者の家庭内感染を防ぐためにも、保育所や幼稚園・学校等でも行うことです。

広島県はすでに、無料で、280万人県民を対象に大規模検査を実施しています。県内でも笠間市・日立市・筑西市などが検査対象を広げています。他県や県内自治体がすでに始めている検査の拡大について、知事はなぜ手をこまねいているのでしょうか。検査の拡大にどうとりくむのか、知事の所見を伺います。

変異株の陽性者が全国的に急増しています。本県は1月以降、衛生研究所において、スクリーニングを陽性者の約半数まで実施しています。しかし、PCR等検査数の9割は民間検査機関と医療機関が担っています。変異株の全数検査について、知事の所見を伺います。

【大井川知事】

山中たい子議員のご質問にお答えいたします。

はじめに検査体制の拡充についてお尋ねをいただきました。
本県では2月末に1日2,500件だった検査能力につきまして、複数の検体を同時に検査できるプール検査を含め、今月末には4,500件にまで拡大できる見通しが立っております。

これまでに実施した入所型福祉施設への緊急検査では、約6万名を検査し7名の陽性者を確認しており、重症化リスクの高い方が多く生活する施設等での大規模クラスターを未然に防ぐことができたと評価しております。

また、変異株は従来株と比較して感染力が高いとの報告もあることから、県民の皆様が安心して社会経済活動を送るためには、幅広い検査による無症状者への早期探知に大きな意義があると認識しております。

しかし、行政検査として実施するためには、検査前確率が高く、クラスター連鎖が生じやすい地域や集団を対象にしなければならず、感染状況や集団の特性を考慮しながら、検査を実施しているところであります。

さらに変異株陽性者は重症化しやすい可能性も示唆されていることから、私は変異株の感染拡大に強い警戒感を持ち、積極的な変異株PCR検査による感染状況の把握に努めており、国が変異株を同定するためのスクリーニング検査の割合を40%程度とする方針を示し、全国平均が34%である中であっても、本県では50%を超える陽性検体について変異株検査を実施しております。

地域の医療機関などにおいて、当初の検査を簡易キットで実施した場合は、検体量が少ない場合には物理的に変異株PCR検査を実施できませんが、県内全域から様々な状況下で陽性が確認された検体を収集し、検査を実施しており、変異株の広がりを適切にモニタリングできていると考えております。

県といたしましては、第4波の感染ピークを出来る限り抑え、医療提供体制を維持するために引き続き検査体制の拡充に取り組んでまいります。

2. 事業者への支援について

【山中】

次に事業者への支援についてです。

感染拡大の波が起こる度に、営業時間の短縮要請を受け、飲食店は廃業・倒産に追い込まれています。とくに、酒類を提供している店主は、「店を開けていても客は来ない」「もう蓄えも底をついた」と肩を落としています。1年余のコロナ禍の影響は深刻です。地域経済を支える中小事業者を廃業に追い込まない支援策が必要です。

協力金はこれまで一律4万円でしたが、今回、年間売上高に応じた支給額となりました。事業者の7割は、年間売上高が3千万円以下と見込まれ、協力金は1日2万5千円に下がってしまいます。県独自に、協力金への上乗せを行い、飲食店以外の業種にも拡大することについて、知事の所見を伺います。

【大井川知事】

次に事業者への支援についてお答えいたします。

営業時間短縮要請に伴う協力金につきましては、国から新たに店舗の売上高に応じて支給する方針が示されております。
具体的には、中小企業の場合、売上高に占める固定費の割合を約3割と想定し、これをカバーできる支給額とすると共に、事業者への配慮から支給額に加減が設けられております。

例えば県独自の営業時間短縮要請の場合、年間売上高が約3千万円までの店舗では1日あたり25,000円。約3千万円から約1億円までの店舗では1日平均売上高の約3割。1億円を超える場合は1日あたり75,000円を支給し、県がその2割を負担しています。加えて、蔓延防止等重点措置の対象地域では、1日あたりの支給額が増額され、最大10万円が支給されます。

また、飲食店以外の業種への支援につきましては、現在1月から2月にかけて全県を対象とした県独自の緊急事態宣言に伴う一時金の支給を進めております。

これは、感染対策を全県に拡大することへの影響を考慮するとともに、国の緊急事態宣言地域と同等の対策を行う本県において、県内事業者がそうした地域と同様の支援を受けられるよう、県が独自に措置したものであり、全額が県の負担となっております。

協力金の支給は県の財政上負担が大変大きく、まずは国の制度を最大限活用して取り組む必要があることと、飲食店への新たな協力金の支給方針には一定の合理性があること、現在融資制度や雇用調整助成金の活用等総合的な支援に取り組んでいることなどから、現時点で議員ご提案の追加的な協力金の支給は考えておりません。

その上で、県といたしましては、1日も早い協力金の支給を実現し、事業者の負担軽減を図ることが重要であると考えております。特に飲食店への協力金につきましては、今後の申請手続きが一部変更となりますことから、新たに必要となる書類を明確に発信するなど、効果的な方法を徹底し、申請書類の簡素化や電子申請の活用審査体制の拡充などにも取り組むことで、事業者の立場に立った制度を実現してまいります。

また、今後とも事業者の置かれている状況をつぶさに把握し、必要な支援を着実に届けられるよう、粘り強く国に働きかけてまいりますとともに、関係機関との緊密な連携のもとで施策の効果的な活用を促進してまいります。
県と致しましては、引き続き必要な対策にスピード感をもって取り組み、事業者支援に全力を挙げて参ります 。

以上

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