2020年9月茨城県議会 予算特別委員会 山中たい子議員の質問と答弁(大要)

山中たい子議員の予算特別委員会質問と答弁(大要)

2020年9月28日(月) 茨城県議会 第3回定例会

【質問事項】

  1. 東海第二原発の再稼働問題について(答弁・知事)
  2. あすなろの郷の再編整備について(答弁・知事)
  3. 福祉医療行政について
    (1)子どもの国保税均等割軽減(答弁・知事)
    (2)国保運営方針の見直し(答弁・保健福祉部長)
  4. 教育行政について
    (1)「いばとくプラン」と教育条件の改善(答弁・教育長)
パネルを前に質疑する山中議員

パネルを前に質疑する山中議員(左奥)=9月28日、茨城県議会

1. 東海第二原発の再稼働問題

日本共産党の山中たい子です
最初に東海第二原発の再稼動と、それにともなう諸問題について質問いたします。

現在、原発を巡って、福島と茨城の県民の関心事は、福島第一原発処理水の海洋放出の是非についてです。
茨城では、漁業者がいち早く反対し、知事も絶対反対、白紙撤回を表明しております。
今月9日には、国から意見を求められ、原発敷地から直接海に流すのではなく、「無人島から放出するなどの方法が十分に検討されたのか」と発言して注目されました。
「無人島」が大きく報道されましたが、注目すべきは「原発敷地から直接海に流すのではなく」というところです。

パネル1をご覧ください。

東海第2原発の取水口・放水口

東海第2原発の取水口・放水口

規制庁の資料です。これまで原電が、「商業機密、または防護情報の観点から公開できません」としていた東海第二の取水口、放水口の位置がはっきりと示されています。

ここが放水口です。
この放水口により、原発敷地から直接砂浜に流しています。
福島の処理水は、直接海に流すなと言い、東海第二は砂浜に垂れ流すというのは矛盾しないのでしょうか。知事は、県民の理解が得られるとお考えですか。お答えください。

【知事】

お答えいたします。
東海第二発電所において発生する放射性廃液につきましては、運転中、停止中にかかわらず、使用済み燃料の貯蔵プール水の浄化や機器の点検時の水抜き等に伴う廃液のほか、管理区域内で着用した服の洗濯廃液、原子炉建屋内での結露等に伴う雑廃液などが主なものであります。

これらの廃液につきましては、廃液の種類に応じて、放射性物質を取り除くためのろ過処理や蒸発処理などが行われた後、選択廃液以外は多くが再利用され、洗濯廃液などは放射性物質濃度を確認したうえで、発電所外へ排水されています。

国内の他の原子力発電所におきましても、発生した廃液については、同様に、放射性物質を取り除くための処理を行ったうえで、再利用や排水が行われているところと承知しております。

原子力発電所からの放水の方式につきましては、大きくは海面に放水する表層放水と、水中放水との2通りに区分されており、いずれの場合も放射性廃液を温排水で希釈したうえで放水しているものと承知しております。

各発電所においては、発電所立地地点の地形や海流などの諸条件を考慮し、温排水の放水による海中環境への影響等を軽減する方法が選択されているものと認識しております。

このため、入江や湾内に放水する発電所については、下層の冷たい水との混合により十分な水温の低減を図ることができる水中放出が選択され、また、東海第二発電所のように、外海に放水する発電所については、海面に広がることで十分な水温の低減を図ることができる表層放水が選択されることが多いものと理解しております。

このような原子力施設からの排水の放出にあたりましては、排水に含まれる放射性物質の濃度や総放出量について、法令値や目標値が設けられております。

東海・大洗地区の原子力施設からの排水につきましては、茨城県東海地区環境放射線監視委員会が定めた監視計画に基づき、事業者による測定データが県に報告されるとともに、県においても、東海第二発電所については月に2回、排水を測定し、法令値や目標値以下であることを確認しているところであります。

また、監視計画に基づき、定期的に海水や魚介類等の放射性物質濃度の測定も行っており、東海・大洗地区の原子力施設による周辺住民への放射線の影響については、東海第二発電所が運転していた当時も、国が住民の健康を守るために定めている基準値の年間1ミリシーベルトを大きく下回り、安全であることが確認できております。

なお、これらの測定データや監視委員会による確認の結果につきましては、県のホームページ等で公表をしているところであります。

【山中】

福島第一の処理水は放流する前に処理しているんだという事ですが、東海第二と福島第一の処理水は、放流する時に放射性物質のトリチウムを取り除けないという点では全く同じです。

知事も江尻議員の一般質問に、東海第二原発の運転中は、停止中の180倍にもなる、年間8600億ベクレルのトリチウムが放出されたと答弁しました。
再稼働しても基準を下回るから安全だという説明だけで、茨城の風評被害を防げるのでしょうか。

知事も、今年2月に福島の処理水問題で国の担当者と面会した際、「科学的な説明でクリアしようというだけでは納得できない。風評被害が起こることが前提」だと強調しました。
では、そもそも東海第二のように砂浜に垂れ流している原発が、他にあるのかどうかお答えください。

【知事】

原子力発電所からの放水の方式につきましては、大きくは海面に放水する表層放水と、水中放水との2通りに区分されており、いずれの場合も放射性廃液を温排水で希釈したうえで放水しているものと承知しております。

各発電所においては、発電所立地地点の地形や海流などの諸条件を考慮し、温排水の放水による海中環境への影響等を軽減する方法が選択されているものと認識しております。

このため、入江や湾内に放水する発電所については、下層の冷たい水との混合により十分な水温の低減を図ることができる水中放出が選択され、また、東海第二発電所のように、外海に放水する発電所については、海面に広がることで十分な水温の低減を図ることができる表層放水を選択されることが多いものと理解しております。

【山中】

ずいぶん長い答弁ですが、私が聞いているのは、砂浜に流すような原発が他にあるのかということをお聞きしたのです。
すぐに調べて、報告していただきたいと思いますがいかがですか。

【知事】

お答えいたします。
東海第二原発以外に同じような表層放水方式を採用している原発としましては、敦賀2号機、柏崎刈羽1号機から7号機、浜岡3号機から5号機、その他美浜3号機、その他川内1号2号がございます。

【山中】

私が調べた範囲では、女川原発は、当初、海岸線に放出する計画でしたが、当時の審査会に指摘され、パイプで沖合にするよう設計変更されました。
東海の再処理施設も、漁業組合の反対にあい、海岸ではなく1,800m沖合に変更されています。

私は沖合に流せとか、無人島なら良いと言っているわけではありません。
東海第二は今後も砂浜に垂れ流しなのか。無人島などと言う前に、目の前にある現状を承知で再稼動したら、この放水口から毎秒70tの処理水が放出されることになります。
この量は、那珂川の平均水量に匹敵します。
こうした原発の影響を監視するために、県は定期的に放水口付近のモニタリングを行ってきました。

ところが、今年の2月、東海原発と東海第二の放水口周辺の砂の測定を検査項目から削除してしまいました。
理由は、「海岸の浸食により、土砂の採取が困難」いうことです。
我々は、現地も見ましたし、グーグル写真でも確認しました。
確かに、東海原発の放水口は、テトラポットに直接流していますが、東海第二の放水口周辺には広い砂浜が今も残っています。
それなのになぜ削除したのか、知事は説明を受けていますか。

【知事】

お答えいたします。
東海第二発電所の排水口近辺土砂の測定については、近年の潮流の変化に伴う砂浜の浸食のため、排水口付近の土砂の採取にあたり、海岸防波堤から消波ブロックが露出した不安定な地面に梯子を下ろして昇降する必要があり、作業安全上の観点から継続的な試料採取が困難であるため、本年2月に開催しました茨城県東海地区環境放射線監視委員会において、監視計画を改定し、当該測定を廃止したところであります。

【山中】

砂浜があるのになぜ測定しないのか、現地を確認する手立てを当然県は持っていると思います。再確認を求めます。

【知事】

今回の測定の廃止にあたりましては、排水口近辺土砂で測定していた項目に関して、環境中の蓄積状況や施設からの影響の継続的な監視を図る目的から、事業所沿岸で採取している海底土の測定項目に含める改訂を行っております。

今回の監視計画の改訂にあたりましては、放射線の専門家等で構成する茨城県東海地区環境放射線監視委員会の専門部会において協議検討を行ったうえで、監視委員会において審議し、計画の改訂についてご了承いただいたもので、見直す必要はないと考えております。

【山中】

全く私の質問に答えていないのがいま確認されましたけれども、県民は、風評被害だけでなく、命にも健康にも不安をもっています。
漁民は、安全な茨城の海から、新鮮でおいしい魚を届けたい、食べてもらいたいと願っています。
知事の漁業振興も、そんな思いが込められているはずです。
だとすれば、その最大の課題は、現在冷却中の東海第二の燃料棒をすべて取り出し、安全な乾式キャスクに移しかえることです。

放射性廃棄物を大量に生む再稼動を認めない。
これが最も確かな保証ではないでしょうか。知事の決断を求めます。的確にお答えください。

【知事】

東海・大洗地区の原子力施設による周辺住民への放射線の影響については、茨城県東海地区環境放射線監視委員会において評価しており、東海第二発電所が運転していた当時から、国が住民の健康を守るために定めている基準値の年間1ミリシーベルトを大きく下回り、安全であることが確認できております。

従いまして、東海第二発電所の再稼働の是非につきましては、このような観点からではなく、国の新たな規制基準に基づく安全性を検証するとともに、実効性ある避難計画の策定に取り組んだうえで、県民の皆様に情報提供し、県民や、避難計画の策定する市町村、並びに県議会の皆様のご意見を伺いながら判断していくこととしております。

2. あすなろの郷の再編整備

【山中】

次に、県立あすなろの郷の再編整備についてです。
築47年の老朽化した施設を早急に改築することは、喫緊の課題です。

昨年10月にまとめられた建て替え計画は、大きな問題があります。
県立あすなろの郷の入所定員462名を半分以下の200名とし、病院とばら寮を除く約250人程度は、知事の指示のもと、民間施設に移行させるとしています。
これについて、昨年の第3回定例会一般質問で、江尻議員は、「入所者を追い出すことに他ならない」と厳しく指摘しました。

整備計画の進捗について、18日の保健福祉医療委員会で経過報告がありました。その内容は、6月・7月に実施した説明会で、保護者から多くの不安や心配の声、疑問や質問が出されたこと、また、施設の整備と運営に今後も県が責任を持つよう要望が出されたこと。県は、この保護者要望を受けて、今年度予定していた民間事業者公募などの、事業すべてを一旦停止することにしました。

このことは計画の根幹に関わることです。
知事が主導してきた民間ありきの計画に、保護者から「ノー」を突きつけられたのです。
老朽施設の早期建て替えに向かっていた計画が頓挫する事態を招いた責任は、すべて知事にあります。

保護者の方々は、民間事業者から入所を何度となく断られ、やっとの思いであすなろの郷にたどり着いているのです。
今後は、保護者の方々に寄り添い、疑問や意見、要望などに真摯に、そして丁寧に対応し、計画を変更すべきと考えますが、お答えください。

【知事】

あすなろの郷再編整備計画については、昨年度に引き続き、今年度も去る6月下旬から7月上旬にかけて保護者説明会を開催し、再編整備の施設の概要や今後のスケジュール等について説明し、質疑応答を行ってきたところでございます。

その中で、民間施設の導入に関する様々な不安や施設運営に関する要望が多く出されたことから、再編整備計画を進めるには、保護者の民間導入に関する不安を解消するとともに、再編整備計画に関する一層の理解促進を図る必要があると認識しているところであります。

このため、今年度実施予定の関連事業を一旦停止し、保護者の不安や要望の内容等について、保護者会の役員等から丁寧に聞き取り、具体的な対応策等について検討・協議を進めたうえで、保護者全体に対する説明会を行うことといたしました。

既に、先週24日から、役員と個別に話し合いを開始したところであり、民間導入に関して不安がどこにあるのか、しっかりとお聞きした上で、具体的な解消方法を検討してまいりたいと考えております。

【山中】

保護者との継続した話し合いは必要ですが、問題の本質は施設の民間移行です。
そもそもあすなろの郷は、処遇困難で民間施設に入所できない重度障害者に対して、より専門的な支援を行っている県立施設です。
入所者の97%は最重度、重度の障害者で、文字通り、セーフティネットの役割を果たしています。しかも、現在の入所待機者は170人で、この5年間増え続けています。

施設の建て替えと運営について、保護者の方々は、「今後も県が責任をもつ」、知事の決断を求めていますが、お答えください。

【知事】

お答えいたします。
あすなろの郷の建て替えについては、保護者の代表や民間施設等の代表者で構成される「あすなろの郷整備調整会議」において協議し、官民の役割分担を整備方針とした「建て替え整備計画」を昨年10月に取りまとめたところであります。

この計画は、障害の程度に応じた障がい支援区分のうち最も重い「支援分6」で、「強度行動障害のある方」または「医療的ケアが必要な方」を対象に、県がセーフティネット棟を整備することで、重度であるにも関わらず、今まであすなろの郷に入れなかった在宅の障害者をはじめとする、重度障害者の方にも手を差し伸べることができる公平で開かれたものであると考えております。

また、「支援区分6」の知的障害者のうち8割以上は民間施設もしくは在宅で対応していることから、民間施設でも十分に対応が可能であると考えております。

このような中、保護者から、施設の運営形態として、引き続き県立での運営を要望する声があったことは聞いており、これは民間導入への不安が大きいために、そうした声につながっていると考えられるところであります。

ちなみに、民間導入と申しましても、障害者の入所する施設を運営できるのは社会福祉法人に限られており、現在あすなろの郷も、社会福祉法人の1つである茨城県社会福祉事業団が指定管理者として、運営していることはご理解いただきたいと思います。

いずれにしましても、まずは保護者の不安や要望の内容等を丁寧に聞き、その解消策や対応等について検討するよう担当部局に指示したところでございます。

【山中】

在宅の障害者とその家族の要望に応える、相談に応じる、それは当然のことで県立施設を、半分の方々を民間に移行するという理由にはなりません。
県立施設をもう一か所整備することが求められていると思いますので、引き続きその立場でやっていただきたいと思います。その点いかがですか。

【知事】

先程ご説明を申しあげたとおり、重度の方に対するセーフティネットの役割を十分に果たすことが県の役割というふうに考えております。現在、あすなろの郷には入れない、在宅で見られてらっしゃる重度の行動障害の方々に対しても広く開かれたあすなろの郷をつくっていく。
そういった重度でない方々も実はあすなろの郷には随分いらっしゃると考えております。そういう方々には民間でも今、民間といってもあすなろの郷をやっている社会福祉法人も民間ですが、民間施設も十分にサービスが、逆にあすなろの郷より良いところも沢山あると認識しておりますので、そういうところも含めてしっかりと面倒を見ていくこと、サポートしていくことが最も合理的あるいは相応しい対応だと考えております。

【山中】

これまで県として福祉施設等の民間委託、民間移行を数多くやってきて、その意味では不安はあるし、保護者の方達の「是非県立で」という思いに応えることが重要で、だからといって在宅の障害者の方々の要望に、それをするから応えられないということではないという事を付け加えておきたいと思います。

3. 福祉医療行政について

(1)子どもの国保税均等割の軽減

次に福祉医療行政についてです。
国保の財政を都道府県に集約する「国保の都道府県化」がスタートし、3年目となりますが、高すぎる国保税を引き下げてほしい、との要望は切実です。

日本共産党つくば市委員会が行った、市民アンケートの回答者1,100人のうち、6割が国保税の引き下げを求めています。

コロナ禍のもと、非正規労働者や自営業者などが、大幅な収入減で困窮状態に陥っています。暮らしも生業も疲弊し、感染への不安が増しています。

こうした時こそ、県が申請減免や一部負担金免除などの減免制度を抜本的に拡充し、払える国保税にしていくことが求められていると思います。
特に、子どもに課税される均等割保険料を軽減することについて、知事の所見を伺います。

【知事】

お答えいたします。
国民健康保険制度は、▽被保険者の年齢構成が高いため▽医療費水準が高いこと▽低所得層が多いため▽保険料の負担感が大きいこと─など、いくつかの構造的な課題があると認識しております。
こうした課題に対応するため、平成30年度からは、県が財政運営の責任主体となり、国民健康保険制度の安定的な運営に努めてきたところであります。

一方で、国民健康保険制度には、サービスに応じた応益負担の考え方から、負担能力のない未成年者についても、保険料が算定される仕組みがあり、多子世帯の負担が大きいとの声も聞かれております。
このため、県では、子育て支援の観点から「子どもの均等割額の軽減措置の導入」について、全国知事会とも連携しながら、国に対する要望を続けてまいりました。

こうした中、本年5月に閣議決定された「少子化社会対策大綱」において、子育てに関する経済的支援の1つとして、「子どもの数に応じた国保料の負担軽減を行う地方公共団体への支援などを着実に実施する」との方針が明記されたところであり、これは、これまでの要望活動の大きな成果であると考えております。

県といたしましては、国に対して、少子化社会対策大綱に掲げられている方針の早期の実現に向け働きかけるとともに、国の支援制度が導入された際には、市町村に対し、子どもの国保料の負担軽減措置が、適切に実施されるよう助言してまいりたいと考えております。

【山中】

この要望実現に向けて、国に積極的に働きかけを一層強めて頂きたいと思います。しかし、一方で県は、県国保運営方針を今回見直し、子育て世帯の負担を増やす賦課方式の統一を市町村に示しています。

国保税が他の医療保険と比べて高い要因は、世帯の人数に応じて課税される「均等割」があるためです。
その均等割の比率を高め、均等割と所得割の2つで税額を決める賦課方式に対して、8月の県国保運営協議会でも「多子世帯の負担が増えることから、配慮が必要」との意見も出ているはずです。

子どもが多いほど国保税が上がる均等割は、「まるで人頭税だ」「少子化対策、子育て支援に逆行している」と批判があがっています。知事会もその立場から国に子どもの均等割軽減の要求を出しています。
国に子どもの均等割軽減を求めている知事が、県民には子育て世帯の負担を増やす賦課方式変更を押しつける、やっていることがちぐはぐではないでしょうか。ご答弁ください。

【知事】

お答えいたします。
委員ご指摘のとおり、国保運営協議会の委員から、「多子世帯などの負担が重くなるのではないか」というご意見があったため、他県の状況や本県の少子化対策について、追加資料によりご説明し、先日、委員全員からご了解が得られたところでございます。

その際、委員から、少子化対策の観点から、「賦課方式の統一にあたっては、多子世帯への配慮を検討していただきたい」旨の補足意見をいただきましたので、今後、国への要望と並行して、例えば、県から市町村に交付している「国保特別交付金」の支援メニューに、子どもの数や多子世帯に着目した項目を設けるなど、何か工夫できないか、検討してまいりたいと考えております。

【山中】

いま私が申し上げたのは、国に子どもの均等割軽減を知事は求めているのです。先程答弁にありました。

しかし一方で、県民には子育て世帯の負担を増やす賦課方式の変更を押し付ける。
国保運営協議会で出された意見をふまえてやろうとしているかもしれませんが、賦課方式の変更を最終的に決定するのは知事ですから、その点でご自分がやっていることがおかしいのではないか、と言っているわけです。

当然のことながら見直すべきだし、賦課方式の変更を押し付けるべきではない、市町村の判断に任せるべきだと思いますが、ご答弁ください。

【知事】

国民保険制度の賦課方式につきましては、県が統一して国民健康保険の制度運用を市町村から代わって担うことになりましたので、その賦課方式についても、市町村によって差が生じて不公平にならないよう、かつ、単純かつ簡素化されたものであることが、税としての最も重要な項目のひとつだというふうに認識しておりまして、検討しているもので、少子化、子ども、多子世帯に対する賦課をあげるという視点とは、また別なもので検討しているわけでございますので、その両方がきちんと成り立つような方法をきちんと探るべく、様々な検討を今後していきたいというふうに思います。

ただし、賦課方式の統一を直ちにやめろというのは、まったく当たらないというふうに考えております。

【山中】

子育て世帯の負担が増えるかどうかというのは、よく考えれば分かることなんです。
これまで4方式でやっているところ、3方式でやっているところありますけれども、均等割というのは先程も言いましたように、子どもの数が増えれば負担が増えるという事になりますので、知事が国に求めながら県民には負担を押し付けるということを是非やめていただきたいと申し上げておきます。

(2)国保運営方針の見直し

次に、国保運営方針の見直しについて、保健福祉部長に質問します。
今回の見直しで、県は保険料水準の統一に向けた検討を掲げ、まず市町村の賦課方式を2方式に統一すると明記してあります。

しかし、賦課方式を選択し、決定するのは先程も言いましたけれど市町村です。県が運営方針に明記して市町村に押しつける、そんなやり方は認められないと思います。
賦課方式統一の理由と国保加入世帯への影響について、県としてシミュレーションは行っているのでしょうか、お答えください。

【保健福祉部長】

お答えいたします。
県内の国保税の賦課方式を、所得割と均等割の2方式に統一する理由といたしましては、

  • 2方式は、簡潔・公平な賦課方式であること
  • 資産割を廃止することにより、固定資産税との二重課税といった被保険者の懸念を解消できること
  • 世帯あたりに賦課される平等割を廃止することにより、近年、増加している低所得の高齢者単独世帯の負担感を減らすことができること

などが挙げられます。

特に、平等割につきましては、

  • 国勢調査において、年齢別世帯の統計を取り始めた昭和45年と比べ、最新の平成27年の調査結果では、県内の「一人暮らしの高齢者世帯」の割合が、約7倍に増加していること。
  • また、国民健康保険の実態調査によると、平成30年時点で、県内の国保世帯の約85%が1人世帯又は2人世帯となっていること。

など、制度の創設当時から、家族の形態が大きく変わってきたことから、一世帯あたりに賦課する「平等割」は、見直しの時期に来ているものと考えております。

こうしたことから、県内市町村の賦課方式について、令和4年度からの2方式への統一を目指し、準備を進めてまいりましたが、先般、各市町村へアンケートを行ったところ、約7割の市町村から「令和4年度から2方式に統一する」との回答があり、賦課方式の統一に向けた環境は整ってきているものと認識しております。

県といたしましては、今後、保険者である各市町村が実施するシミュレーションに際し、情報提供や個別相談を行うなど、市町村と連携しながら、令和4年度からの賦課方式の統一に向けた取り組みを進めてまいります。

【山中】

県としてシミュレーションは行ったのか、お答えがないのですが。

【保健福祉部長】

保険者である各市町村がシミュレーションを実施していくことになっておりますが、その際に、情報提供や個別相談を県としても行いまして、市町村と連携しながら取組みを進めてまいります。

【山中】

この賦課方式の統一による国保加入世帯の影響については、県としてシミュレーションは行っていないということですね。確認します。

【保健福祉部長】

繰り返しになりますが、各市町村においてシミュレーションを行っており、その支援をさせていただいているところです。

【山中】

いま部長の繰り返しの答弁がありましたが、結局はシミュレーションをやっていないということがハッキリしたと思います。

「国保の都道府県化」が始まる直前に、つくば市は2方式と3方式でシミュレーションしております。2方式にすれば、とくに多子世帯などで国保税が上がるため、3方式を継続する判断をして、現在に至っています。
決めてからシミュレーションをすることはおかしいし、影響を考えない。なによりも1人世帯は確かに軽減されるかもしれませんが、2人以上の世帯では国保税は上がるというのがつくば市のシミュレーションで出された結果です。

国は、「保険料は市町村ごとの設定を基本」とした原則を削除し、「都道府県での保険料水準の統一をめざす」と明記しました。
また、市町村が税負担軽減のために行っている法定外の繰入を、やめたり減らしたりしたときは国の交付金を増額する。逆に、法定外繰入を増やした場合は、交付金を削減するなど、アメとムチで国に従わせようとしています。

知事会が求める1兆円の公費投入がないまま、法定外繰入の解消を強引に進めれば、国保税を払えない滞納者が増え、医療への足が遠のき、病気を悪化させる、これこそ国民健康保険制度の目的から外れる本末転倒な対応だと思います。
市町村の法定外繰入は、独自の判断でできることを改めて確認します。お答えください。

【保健福祉部長】

お答えいたします。
市町村の法定外繰入は、一義的には、保険者である市町村が判断するものと認識しておりますが、国保以外の税金を、国保税を軽減するために使用するという側面があり、公平性の観点から問題があると考えております。

【山中】

厚労大臣も国会答弁の中で、市町村が独自に判断できると答弁しておりますので、その立場を忘れずに、おしつけるとかそういうことをやめさせるというような事はやらないでいただきたいということを申しあげたいと思います。

4. 教育行政

(1)「いばとくプラン」と教育条件の整備

次に、「いばとくプラン」と教育条件の整備について、教育長に質問します。

本年2月、「県立特別支援学校教育環境整備計画」、いわゆる「いばとくプラン」が策定されました。しかし、整備期間も示されず、予算の裏付けもありません。
過密状態が県内一深刻なつくば特別支援学校は、プランにおいて校舎増築の対応にとどまり、学校の分離・新設を長年要望してきた市民や学校関係者などの期待を裏切る形になりました。

パネル2をご覧ください。

つくば特別支援学校の現況図

つくば特別支援学校の現況図

これがつくば特別支援学校の現況図です。2007年開校時のつくば特別支援学校の児童生徒数は211人。180人規模で造られましたが、最初から超えてしまいました。今年度は346人、不足教室は19教室です。
2018年・19年と2か年にわたって通学区域を変更しましたが、不足教室は全く解消されませんでした。

特別支援は、基礎疾患のある子どもたちが多く在籍し、新型コロナの感染が広がるもと、過密状態にある現状に保護者や関係者から不安の声があがっています。
なぜ、こんなにも長く、過密状態が解消されず、放置されてきたのか。教育長、お答えください。

【教育長】

お答えいたします。
少子化が進む中にありましても、特別支援学校に在籍する児童生徒数は年々増加しており、特に知的障害特別支援学校の中には普通教室が不足している学校がありますので、その解消に向けて、計画的に対処していく必要があると考えております。

こうした中、つくば特別支援学校につきましては平成19年度に知的障害児と肢体不自由児を対象とした併設型の特別支援学校として、児童生徒数211人で開校して以来、毎年度児童生徒が増加しております。

そもそもつくば特別支援学校は、開校当初より、将来の児童生徒数の増加に備え、多くの多目的教室や特別教室などを配置していたために、これまでは、これらの教室を普通教室に転用することにより児童生徒の増加に対応してまいりました。

しかしながら、平成29年度には児童生徒数が最多となる410人となり、普通教室が28室不足する状況となりましたので、翌30年度には、一部の通学区域を伊奈特別支援学校に変更するとともに、昨年度は、新たに石岡に特別支援学校を開校したことにより、近隣の児童生徒が伊奈や石岡へ移り、令和2年5月現在の児童生徒数は346人で、不足教室は19室となっております。

これまで、こうした対策をとってきたところでありますが、つくば特別支援学校につきましては、依然として、慢性的に教室が不足している状況にありますので、早期に抜本的な対策を図る必要があると認識しております。

【山中】

現在77教室を確保するため、普通教室は2つに仕切り、特別教室は11室も普通教室に転用しています。さらに、職員室も給食室も駐車場も足りません。教員182人のうち、高等部の37人は職員室に入りきれず、木工技術室の半分を活用しています。

10年前から、中学部と高等部の教員に給食を提供できず、弁当持参。さらに駐車場も不足し、敷地内の通路は車でいっぱいです。
(パネルを指しながら)ここですね。車、車、車でいっぱいです。こういう悪条件の下でつくば特別を一日も早くを分離・新設する考えはないのか、伺います。

【教育長】

つくば特別支援学校つきましては、「いばとくプラン」に基づきまして、この不足教室につきましては新たに学校を設置することはせずに、既存の特別教室の改修や敷地内の校舎を増築することにより対応することとしているところでございます。

【山中】

特別支援が過大、過密になる最大の原因は、学校の中で設置基準がないことが問題で、文科省有識者会議もやっと、そのことに踏み出して検討するとなっていますので、現状を踏まえて、教育長は国に要望していただきたいという事を申しあげて終わります。

以上

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