2020年9月茨城県議会 江尻加那議員の一般質問と答弁(大要)

江尻加那議員の一般質問と答弁(大要)

2020年9月11日(金) 茨城県議会 第3回定例会

【質問事項】

  1. 新型コロナウイルス対策について
    ▽「いばらきアマビエちゃん」登録義務化条例案の課題
    ▽医療・福祉従事者等への定期的なPCR検査等の実施
    ▽感染症をふまえた茨城県地域医療構想の見直し
    ▽無料低額診療の拡充の必要性
  2. 台風・豪雨被害をふまえた河川・ダムの治水対策について
  3. 農業の担い手育成、就農支援の取組について
  4. 職場におけるハラスメント防止の取組について
  5. 東海第二原発の再稼働問題と避難計画の策定、安全性の検証について
  6. 新産業廃棄物最終処分場の整備に係る住民意見への対応について
質問する江尻かな議員

質問する江尻かな議員=9月11日、茨城県議会

1. 新型コロナウイルス対策について

(1)「いばらきアマビエちゃん」登録義務化条例案の課題

日本共産党の江尻加那です。県政の諸課題について、順次質問いたします。

「ウィズコロナ時代の新しい茨城づくり」とした知事の議会冒頭発言に、どんな新しい茨城が示されるのか注目いたしました。ところが、そうではなく、保健所を減らし、医療や福祉を後退させた採算優先の県政を転換するビジョンはまったく示されませんでした。

知事が語ったのは「企業誘致・茨城空港・魅力向上」と、これまでと同じ中身。そのうえ、一昨日のいばらき自民党の代表質問に、知事は「これまでの慣例を踏襲し、自民党幹部や政調会には事前説明を行っている」と、特別対応をはばかることなく公言する時代錯誤の姿勢です。

コロナ対策の迷走で空白をつくった安倍政権がまもなく終わります。
日本のPCR検査数は、人口あたり世界150位と、検査対象を絞ってきた結果、余りに少ない現状です。

本県の検査数も、国と同様、8月上旬をピークにまた減少しています。陽性者が減ったからと検査も減らせば、無症状者からの感染が継続し、次の波が必ず来ます。今のこの時期にこそ検査を増やすべきですが、今議会の補正予算で、アマビエ登録促進事業は10億円かけるのに比べ、PCR検査拡充費は8億円にとどまっています。

コロナの影響で、倒産・解雇が最も多いのは飲食、宿泊、食品卸売です。
これら事業者の深刻な底冷えに、「アマビエ」の登録義務化は追い打ちをかけることにならないのか。事業者を応援するものと知事は言いますが、実際は登録する者は応援し、しない者は名前を公表すると、まるで事業者を二分し差別するような条例が、果たして応援になるのか。
ワクチンや治療薬が確立しない今、感染防止と社会経済活動の両立に必要なのは、抜本的な検査の拡充で、感染を抑制することです。

これらを踏まえ、3点伺います。

第一に、店舗などが感染防止策を行ったうえで、さらに「いばらきアマビエちゃん」に登録するかしないかは事業者の判断であり自由です。県は、「登録すれば3万円の支援が出ます」と勧めることはあっても、登録を義務化する権限はあるのか、法的根拠をお示しください。

アマビエちゃんは、県が独自につくった任意のシステムです。例えば、任意の団体である自治会の加入を義務付けるような条例をつくろうとした場合、憲法第21条の「集会、結社の自由」に反し、よって、加入を義務化する条例はつくれないとされています。同様に、登録の義務付けは基本的人権等に反することにならないのかお示しください。

第二に、対象となる事業者が登録しない場合、名前や所在地を公表するとしています。感染防止策を行っている事業者が感染者を出した訳でもなく、ただ登録しないからといって公表するのは、事実上の社会的制裁であり、営業を妨げることにならないか。

第三に、陽性者と同じ日に同じ店舗を利用した場合、利用者に注意喚起メールが送られてきますが、メールが来たからといって検査が受けられる訳でないと県の説明です。これでは、不安ばかり募ります。職場に報告した方がいいのか、会社は休んだ方がいいのか。感染防止というなら、メールの受信者が検査を受けられるように何故できないのか。これまでの送信実績と対応状況を含め、知事の所見を伺います。

【知事答弁】

江尻加那議員のご質問にお答えいたします。

初めに、新型コロナウイルス対策についてお尋ねをいただきました。
まず、「いばらきアマビエちゃん」登録義務化条例案の課題についてのうち、アマビエちゃんの義務化についてでございます。
地方公共団体は、地方自治法に基づき、他の法令に違反しない範囲で、その地域の事務に関して独自に条例を制定することができるとされており、また、義務を課す場合には、条例によることとされております。

本条例案は、感染拡大防止と社会経済活動の両立という公共の福祉の実現を目的としており、感染症の発生やまん延防止を目的とする、感染症法やインフルエンザ特措法に違反するものでもないことから、憲法を含めた関係法令との整合性は保たれているものと考えております。

他方、条例によって県内事業者や県民に義務付けを行う場合、その必要性や負担感を十分に考慮する必要がございます。
県ではこれまでも、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けて、店舗等における感染対策を推進するため、私自ら先頭に立って、アマビエちゃんの普及促進に努めてまいりました。

そのうえで、今後の感染拡大にしっかりと備えるためには、広く県内における感染対策の徹底を図る必要がありますことから、条例によるアマビエちゃんの活用の義務化を提案したところであります。

また、アマビエちゃんは簡便な手続きで利用できるのですが、今回の義務化にあわせて、事業者の感染対策に必要な経費の一部助成や、アマビエちゃんの利用者への県産品プレゼントキャンペーンの実施、パソコンに不慣れな方へのアマビエちゃんの登録支援などにもしっかりと取り組み、広く関係者への更なる負担軽減を図ってまいります。

県といたしましては、あらゆる施策を講じることで、県民が一丸となった感染対策を強力に促進し、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図ってまいります。

次に、アマビエちゃんの登録をしない事業者名等の公表についてでございます。

本条例案では、事業者のアマビエちゃんへの登録等に関して、必要な指導又は助言を規定するとともに、なお改善が見られない場合には、期限を定めてアマビエちゃんへの登録等を勧告できるとしております。

勧告をした場合、県民への注意喚起を目的として、あわせてその旨を公表いたしますが、公表により事業活動に影響が生じる可能性がありますことから、県といたしましては、その影響を十分に考慮し、適切な運用に努めていく必要があると考えております。

そのため、まずは事業者の理解・協力を得て、アマビエちゃんの普及を図ることが大変重要でありますことから、県ではこれまでも、私自ら先頭に立った啓発活動に加え、県職員によるキャラバン隊を編成し、戸別にアマビエちゃんへの登録を支援したほか、市町村とも連携した普及活動を推進するなど、広く県内への普及促進に取り組んでまいりました。

こうした取り組みに加え、今後は、感染対策に必要な経費の一部助成や、店舗の利用者への県産品プレゼントキャンペーンの実施などにより、アマビエちゃんを積極的に活用したくなる環境づくりを進め、県民一人一人の取り組みを促進してまいります。

その上で、アマビエちゃんへの登録を行わないなどの事業者につきましては、県職員が直接訪問し、丁寧に事情を聴取するとともに、必要な対策をともに検討することで、ねばり強く感染対策の実施を促してまいります。

しかしながら、それでもなお登録が行われない場合や、虚偽の登録が是正されない場合には、感染拡大の可能性や周辺地域への影響等を総合的に勘案し、事業者に対して勧告・公表に至る可能性を十分に説明したうえで、やむを得ず勧告・公表を行う場合がございます。

県といたしましては、広く県内事業者の理解・協力を得て、アマビエちゃんの普及が進むよう、本条例の適切な運用に努めてまいります。

次に、注意喚起メール受信者への対応についてでございます。

「いばらきアマビエちゃん」は、ガイドラインに沿って感染症防止に取り組んでいる事業者を応援するとともに、新型コロナウイルス感染症の感染者を確認した場合、感染者と同じ日、同じ店舗等を利用した方に、注意喚起の通知をすることで、感染拡大の防止を図ることを目的として導入した、本県独自のシステムでございます。

この通知では、感染者が特定されることを回避することや、店舗等の風評被害を防ぐなどの観点から、利用した店舗名や日時等、感染者に関する情報はお知らせしないものの、濃厚接触者に限らず、感染者とその場所で接触した可能性がある方に、幅広く注意喚起する上で、有効なシステムであると考えております。

このシステムにより、これまでに12施設59件の注意喚起の通知を送信しており、県においては、現時点ではこの通知を受け取った方からの相談は確認しておりませんが、通知を受けとった方には、県の設置するコールセンターにお問い合わせをいただきたいと考えております。

その上で、感染者の行動履歴と、お問い合わせいただいた方の行動履歴を照らし合わせ、感染者との接触の可能性が疑われる場合には、速やかに検査につなげることとし、接触の可能性がない方には、その理由を丁寧に説明することにより、通知を受け取った方の不安を払拭してまいります。

県といたしましては、「いばらきアマビエちゃん」を十分に活用しながら、感染拡大の防止に全力で取り組んでまいります。

(2)医療・福祉従事者等への定期的なPCR検査等の実施

【江尻質問】

政府は8月28日の対策本部で、全国で1日20万件の検査体制を整備するとしました。人口あたりにすると、本県で1日5千件の規模となります。
さらに、政府は都道府県に対して、医療機関や高齢者施設の従事者には定期的な検査を実施するよう要請しました。重要な決定です。
そこで、知事が示している1日1,500件の検査能力で、こうした定期検査は実施できるのか、具体策をお示しください。

【知事答弁】

私は、新型コロナウイルスと共生しながら社会経済活動を進めるためには、誰もが検査を受けることができる体制の構築が必要と考え、かねてから知事会を通じて国にその必要性を主張してまいりました。

感染拡大を防止し、クラスターの発生を阻止するためには、感染者をいち早く探知し、隔離をすることが重要であります。

本県の感染第1波では、3月末から4月にかけて医療機関や高齢者施設などでクラスターが発生し、医療資源に乏しい本県の地域医療に大きな影響を及ぼしたことから、クラスターの発生を未然に防ぐことが重要であると深く認識しております。

今般、国が、感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域の医療機関や高齢者施設等の従事者などを対象に、定期的に幅広く検査することが可能であるとしたことを踏まえまして、現在、県においても定期検査の実施に向けて検討しているところでございます。

定期検査については、地域における感染状況を勘案し、幅広く検査を実施したいと考えておりますが、基礎疾患を有する方や高齢者の重症化リスクが高いことを踏まえ、まずは感染が拡大した際の影響が甚大となる医療機関や高齢者施設を対象に進めていきたいと考えております。

また、検査体制につきましては、国が示した流行シナリオに基づき算出した感染ピークを見据えて、今月末に1日当たり1,500件を確保できる見通しがたっておりますが、定期検査については、当面、1,500件の枠とは別に確保できるよう、新たな民間検査機関と調整を進めているところであります。

県といたしましては、検査需要の高まりに適切に対応できるよう、唾液による抗原定量検査の導入や、検査協力医療機関の拡充などにより、検査体制のさらなる充実を図ってまいります。

(3)感染症をふまえた茨城県地域医療構想の見直し

【江尻質問】

次に、地域医療構想の見直しについてです。

団塊世代が75歳を迎える2025年の病床数を検討するために、県は地域医療構想を策定しました。厚生労働省はこれを促進するため、病床の見直しを必要とする424の公立・公的病院を名指しし、本県で4病院があげられました。

しかしいま、新型コロナウイルス感染症により、こうした公立・公的病院は基幹病院・指定病院として重要な役割を担っており、医療構想は見直しを余儀なくされています。感染症流行時の基幹病院をどこに位置付けるか、発熱外来をどれだけ設置し、保健所とどう連携するかなど、健康危機管理の具体策はほとんど記載がありません。また、それら内容が市町村や住民に知らされていないため、一体どの医療機関がどんな役割を担っているか周知も求められます。

これらをふまえ、約5千床のベッド削減を計画する本県地域医療構想は見直し、新型コロナ感染症をふまえた計画に改善することについて知事の所見を伺います。

【知事答弁】

茨城県地域医療構想は、医療法に基づき、県民に良質かつ適切な医療を提供するための基本的な方針を定めた「茨城県保健医療計画」の一部として、2016年に策定したものであります。

本構想においては、地域の人口や医療機関の診療実績に関するデータ等に基づき、今後の高齢化の進展に対応していくために、限られた医療資源をどのように活用していくか、という視点で、病床の機能分化や医療機関同士の連携促進に向けた施策などを取りまとめております。

また、地域医療構想の推進にあたりましては、二次保健医療圏ごとに医師会や地域の基幹病院、市町村、学識経験者などで構成される「地域医療構想調整会議」において議論し、地域の合意を得ながら取り組みを進めているところであります。

このような中、国では新型コロナウイルス感染症を踏まえた地域医療構想のあり方について、感染症対策等の非常時における急性期病床の確保などを含めて議論する必要を認めつつも、限られた医療資源を地域の医療需要にマッチングさせ、質が高く効率的な医療を継続して提供できる体制を構築するという地域医療構想の必要性は今後も変わらないとしております。

県といたしましては、今後も地域医療構想に関する国の動向を注視しながら、今般の新型コロナウイルス感染症対策で得られた知見を活用し、地域の実情を踏まえた医療提供体制のあるべき姿について、地域医療を支える関係者と地域医療構想調整会議などにおいて議論を進め、必要に応じて見直しを図るとともに、その実現に向けて取り組んでまいります。

(4)無料低額診療の拡充の必要性

【江尻質問】

コロナの影響によって生活が困窮し、病院にかかれない方から相談が寄せられています。ある方は「運転手の仕事を解雇され、失業保険で生活。足がしびれて歩けないが保険証がなく受診を控えている」、また「ホテルのフロントで非正規で働いていたが、4月に解雇。体調が悪いが病院代がない」など切実な相談です。今後生活に困る人が増える中、無料または低額で診療が受けられる無料低額診療所の拡充が必要です。

現在、受けられる医療機関は県内11病院で地域的な偏りもあることから、どの地域でも無料低額診療にアクセスできるよう拡充を求めます。

また、薬代は3割の自己負担が必要なことから、薬代についても無料低額が適用できるよう県の支援策を求め、知事の所見を伺います。

【知事答弁】

次に、無料低額診療の拡充の必要性についてでございます。

無料低額診療事業につきましては、生活保護受給者以外で生活に困窮する方が、必要な医療の受診機会を制限されることがないよう、救済措置として、医療機関の負担により、医療費が無料または低額とされる制度であります。

当事業は、第二種社会福祉事業に位置付けられており、開始にあたっては、県への届け出が必要となるものであり、実施医療機関には、固定資産税や不動産取得税の非課税など、税制上の優遇措置が講じられておりますが、事業を実施するうえで、医療機関の負担は避けられないものとなっております。

一方、国民健康保険制度においても、災害や新型コロナウイルス感染症の影響による失業などの特別な事由により、収入が著しく減少し、医療費の支払いが困難となった世帯に対し、申請により、医療機関等での一部負担金の減免が一定期間受けられる制度があり、医療機関に対しては、減免を行った一部負担金分を市町村が補填する仕組みとなっております。

これらを勘案しますと、無料低額診療事業は、生計困難者の医療を受ける権利を保証するうえで、重要な役割を果たしており、医療機関等の高い志に基づく社会貢献事業として素晴らしい制度であると考えますが、その実施に関しましては、基本的には、医療機関の判断に委ねられるべきものと考えております。

次に、調剤薬局への本制度の適用拡大につきましては、関係団体等から国への要望等もなされており、現在、国において、今後の無料低額診療事業を行う医療機関等における調剤のあり方について検討が行われておりますので、県といたしましては、その動向を注視してまいりたいと考えております。

2. 台風・豪雨被害をふまえた河川・ダムの治水対策について

【江尻質問】

次に、近年の台風・豪雨被害をふまえた河川とダムの治水対策についてです。
昨年の台風災害後の11月臨時議会で、私は3点質問しました。1つは、水郡線で崩落した橋の橋脚に鉄筋が1本も入っていなかったこと。2点目は、樋管や県管理ダムの治水対策の課題解決。3つめは、堤防整備と河川改修です。

その中で、今議会で具体的に示されたのは、那珂川と久慈川水系にある県管理ダムの水位を下げる事前放流の運用です。
昨年の台風で被害を受けた水戸市藤井川の上流ダム(藤井川ダム)でも、1日当たり200ミリの雨が降った場合、これまでの洪水調節水量の約1割増しで放流できるというものです。

そこで、これら事前放流により、どれほどの水害が防げるのか、課題の対策について土木部長に伺います。

昨年の台風では、那珂川の右岸・左岸の両側、水戸市国田地区と飯富地区で甚大な被害を受けました。とくに、国田の無堤防区間は、地元住民が繰り返し整備を求めてきた箇所です。にもかかわらず、国交省は「堤防は必要ない。大丈夫」と根拠のない対応に終始してきました。しかし、今回の被害や住民の批判・要望を受け、先月の説明会で、堤防ではなくコンクリート擁壁を整備すると回答してきました。

そこで、コンクリートの擁壁は堤防と同等の機能を果たせるのか。擁壁の高さは対岸・飯富地区の堤防と同じ高さにするとしていますが、これで昨年と同レベルの洪水を防ぐことができるのか、土木部長の所見を伺います。

異常気象のもと、降水量が最も多く観測された地点はどこか調べてみました。気象庁のデータでは、10分間の最大降水量1位は埼玉県熊谷、1時間あたりのトップは千葉県香取、1日あたりは神奈川県箱根と、全国ランキングトップはいずれも関東地域、しかも本県の近県です。「これまでに経験したことがない大雨」はもはや現実となっており、「想定外」という理由は成り立ちません。
流域全体の治水対策を早急に進めて頂きたいと思います。

【土木部長答弁】

豪雨被害を踏まえた河川・ダムの治水対策についてお答えいたします。

まず、ダムの運用についてでございます。
近年、全国各地において、気候変動に起因する記録的な台風や集中豪雨が相次いで発生し、令和元年東日本台風では、茨城県が管理する水沼ダムと竜神ダムを含め、全国6ダムでダムに流入する洪水の貯留調節を行わない異常洪水時防水操作、いわゆる緊急放流を実施したところであります。

このような中、藤井川ダムにおいては、台風が来襲する数日前から、事前に水位を下げ、ダムの貯水容量を増加させた効果もあり、緊急放流を免れたところでございます。

このような事例を踏まえ、激甚化する水害に備えて、ダムにおける洪水調節機能の向上を図るため、県が管理する7つのダム全てにおいて、今年度、国及び利水者である市町村と、治水協定を締結いたしました。
この治水協定により、洪水が予想される場合には、3日前から利水容量分も含めて、事前放流することが可能となりましたことから、ダムの洪水調節容量が平均で約2割増加することになり、緊急放流を実施するリスクの低減と、ダム下流の洪水被害の軽減に寄与できると考えております。

しかしながら、昨今の異常気象を踏まえると、想定を超える降雨の発生は今後も考えられることから、ダムの事前放流などの運用とともに、築堤や河道堀削などの従来の河川整備に加え、堤防天端の保護や堤防裏法尻の補強などの危機管理型ハード対策についても整備を進めているところです。

また、大規模出水時に住民の迅速な避難行動を促すため、ダム下流の関係自治体への情報伝達について、より分かりやすい表現にするなどの改善を図るとともに、水位計や河川完成カメラを増設し、より詳細で的確な情報を、インターネットなどを通じて、迅速に提供してまいります。

県といたしましては、引き続き大規模災害に備えて、河川の着実な整備、ダムの適切な運用に努めるとともに、関係自治体と連携して住民の避難が確実に行えるよう、ダムや河川に関する情報の提供にも取り組んでまいります。

次に、那珂川の整備についてでございます。

昨年の令和元年東日本台風をふまえ、那珂川流域では、国・県・沿川市町村が連携し、本年1月に那珂川緊急治水対策プロジェクトを取りまとめ、早期復旧・復興を目指しているところです。

那珂川本川につきましては、国が直轄事業をして進めており、国田地区につきましては家屋が河川に接近している箇所が多いことから、出来るだけ家屋移転が生じないよう、コンクリート擁壁などの整備により浸水防止対策を実施する予定で、これから調査・設計に着手すると聞いております。

このコンクリート擁壁による対策は、従来から採用されている構造で、盛土の堤防と同様の機能と安全性が確保されており、那珂川本川の下流部においても、同様の整備事例があるところです。

また、コンクリート擁壁の高さにつきましては、対岸の堤防と同じ高さでありますが、那珂川緊急治水対策プロジェクトに基づき、河道の堀削や上流の遊水地整備などの総合的対策を実施して水位を下げることにより、昨年と同規模の洪水に対し、越水を防ぐ計画となっております。

このように、昨年の浸水被害をふまえた整備を進めてまいりますが、ハード対策に多くの時間を要することから、県民の生命を守るためには、防災・危機管理意識の向上を図るソフト対策に取り組むことも大変重要でございます。

そのため、那珂川の支川に河川監視カメラを新たに設置し、監視体制の更なる拡充を図るとともに、市町村と連携し、住民のマイ・タイムラインの作成支援を行うなど、県民一人一人の迅速な避難につながるソフト対策に取り組んでまいります。

県といたしましては、国・市町村との連携をより一層強化するとともに、地元住民のご理解をいただきながら、ハード・ソフトを効果的に組み合わせた防災・治水対策を着実に包めてまいります。

3. 農業の担い手育成、就農支援の取組について

【江尻質問】

次に、農業の担い手育成と就農支援の取り組みについて伺います。
日本の食料自給率はわずか38%。担い手づくりは喫緊の課題です。

水戸市内で20町歩の田んぼで年1,500俵ものコメを生産している認定農家さん。子どもがおらず事業継承を悩んでいたところ、縁あって農学部出身の20代男性が、いま一緒にコメ作りを行っています。

県の就農支援事業を活用しようと市の農政課や県農林振興公社に相談しましたが、予算がない、条件が合わないと、様々な理由でどれも受けられない現状です。

助成額が月10万円のニューファーマー育成研修事業は、年間700万円程度の予算しかなく、要望件数に応えられないでいます。また、年額150万円の支援がある次世代人材投資事業は、予算6億7400万円と大きいのですが、対象の研修先が5カ所しかないため、昨年度3億円の予算が余ってしまいました。
意欲をもって頑張っている農業者に、なぜ支援が閉ざされるのか。

そこで、各事業について改善を求めます。
第一に、次世代人材投資事業は、多くの就農希望者が活用できるよう、研修受入の認定先を増やすこと。
第二に、ニューファーマー育成研修事業は、予算不足の事態にならないように、財源である農業担い手育成基金に県の予算を拡充することです。

こうした就農支援事業が、これまでは県農業改革大綱に明示されてきました。ところが、大井川知事になって個別計画の多くを改定せず、県総合計画の一部に格下げされました。その上、総合計画に盛り込んでいた新規就農者の確保目標さえ消えています。知事が新たな指標としたのは、農家の法人化率であり、販売金額1億円以上の農家をどれだけ増やすかというものです。

もうかる農業最優先の目標値は、本県の現状にかみ合っていません。農家の9割を占める家族農業を基本とし、すそ野の広い担い手育成にむけて就農者の確保に取り組む考えはないのか、知事の所見を伺います。

【知事答弁】

次に、農業の担い手育成、就農支援の取り組みについてお答えいたします。

県では、国の「農業次世代人材投資事業」や、県農林振興公社の「ニューファーマー育成研修助成事業」などにより就農希望者の就農前研修を支援してきたところであり、その結果、平成30年度の新規就農者数は378名と、過去最多となっております。

こうした中、まず、「農業次世代人材投資事業」が活用できる研修機関については、地域として研修から就農までをきちんとサポートできる体制を強化するため、本年度から、個別の農業者を除く、市町村やJA等を対象に認定することとしたところでありますが、まだ十分な研修機関の認定数には至っておりません。

そのため、今後は、県の農業経営士など優れた指導者がいる市町村やJA等に対し、研修期間が行うべき研修の進行管理業務や運営体制について、丁寧な説明を個別に行い、認定を促すことで、研修機関の増加を図ってまいります。

次に、「ニューファーマー育成研修助成事業」の予算の拡充については、現在、農業担い手育成基金の運用益を財源として充当しておりますが、近年の低金利の中、運用益を増やすためには、大幅な出捐金の増額が必要となることから、県としては新たな拠出は難しいものと考えております。

一方、「ニューファーマー育成研修助成事業」と同様、就農希望者の就農前研修を支援する事業として、全額国補事業の「農の雇用事業」がございますので、今後はこちらの制度の活用を進めてまいります。

さらに、県総合計画の目標指標については、儲かる農業のための施策をより適切に評価できる指標として、新規就農者数に代えて「法人化している農業経営体率」に見直したところです。法人化の推進により、新規就農者の目標となる優れた農業経営体を増やすことは、やる気のある研修生や雇用就農者の確保にも寄与することから、改めて新規就農者数の確保目標の設定は考えておりません。

引き続き、法人化の推進とあわせて、就農相談や研修先・就農先の紹介などにより、新規就農者の確保を進めてまいります。
県といたしましては、これらの取り組みにより、本県農業の未来を支える担い手を育成し、儲かる農業を実現してまいります。

4. 職場におけるハラスメント防止の取り組みについて

【江尻質問】

次に、職場におけるハラスメント防止の取り組みについてです。
パワハラ、セクハラ、マタニティハラスメント。最近は、性的指向や性自認に関するSOGI(ソジ)ハラスメントなど、その大本にあるのは、相手の人格や尊厳を傷つける人権侵害です。

今年6月、労働施策総合推進法や男女雇用機会均等法が改正施行され、雇用管理上の措置が適用されました。
総務省は都道府県に対し、公務の職場はハラスメント防止の模範となり、職員の能力を十分に発揮して質の高い行政サービスを提供するよう求めました。

特に、事業主たる地方公共団体の任命権者は、自らもパワハラに対する関心と理解を深め、職員に対する言動に注意を払うように明記しています。

さらに、公務職場におけるパワハラ防止対策検討会のまとめには、パワハラになり得る言動として、「書類で頭を叩く・物を投げつける」といった暴力の他、「人権を否定するような罵詈雑言を浴びせる・他の職員の前で無用な奴だと言う」などの暴言、さらに「自分の意に沿った発言をするまで怒鳴る・自分のミスを部下に責任転嫁する」などの威圧的行為の事例をあげ、「バカ」「死ね」「出ていけ」との暴言の告発も寄せられています。

そして、パワハラの行為者は、国民全体の奉仕者にふさわしくない非行に該当し、懲戒処分に付されることがあるとしています。
どんな職場にも起こり得ます。ハラスメントによって貴重な人材が失われないよう努めなければなりませんが、大井川知事就任から2年、県庁職員の長期病休者のうち精神性疾患が初めて100人を超えていることは大変気がかりな事態です。

そこで、県では今回の法改正を受け、どのような取り組みを進めているのか。県行政トップである知事のハラスメントに対する認識と対策をお伺いいたします。

【知事答弁】

本年6月に、改正労働施策総合推進法などが施行され、民間企業も含め、事業主は、パワーハラスメントを始めとする各種ハラスメントを防止するために必要な措置を講じなければならないこととなりました。

一方、県では、法改正以前から、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント及び妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントについて、対象となる行為の例示、所属長の責務の明確化、職員に向けた研修の機会の確保、相談窓口の設置等について定める要綱を制定し、ハラスメントの発生を防止するとともに、事案が発生した場合には迅速かつ適切な対応に努めてきたところでございます。

ハラスメントの相談窓口として、人事課、人事委員会事務局、各部の幹事課等が対応にあたっているほか、保健師である職員健康カウンセラーによる巡回相談も活用し、職員が相談しやすい環境に配慮しているところであります。

実際に、ハラスメントについての相談があった場合には、速やかに事実確認を行い、該当する行為が認められた際には、当該職員に対する注意や、所属に対する改善指導を行うこととしております。

職場におけるハラスメント行為は、個人の尊厳や人格を傷つける許されない行為であると考えております。また、ハラスメント行為を受けた職員は、就労意欲の低下や、メンタルヘルスの不調などに陥る可能性があり、更に、職場環境の悪化等により、県の組織としての能力や活力を阻害するものと考えておりますことから、県庁組織全体として取り組むべき課題と認識しているところであります。

県といたしましては、引き続き、各種ハラスメント対策を徹底するとともに、必要に応じ対策の実効性を高める見直しを適宜行うなど、職員が安心して働きながら、活力を持って仕事に臨むことができる職場環境づくりに努めてまいります。

5. 東海第二原発の再稼働問題と避難計画策定、安全性検証について

【江尻質問】

次に、東海第二原発の再稼働問題についてです。

6月議会で、県民投票の実施は否決されましたが、安全性の検証と実効性ある避難計画、県民への情報提供が県民の声を聞く条件だとされました。県議会にこうした論議を系統的に行う特別委員会や勉強会の設置が必要です。

そこで、まず避難計画について伺います。
知事は先の6月議会予算特別委員会で、コロナと原発事故の複合災害について、避難計画の矛盾をただした山中たい子議員に対し、「原子力災害時の防護措置と、感染症対策の両立は困難」とくり返し答えました。

その困難さを示す事例がありました。
先月、福井県と内閣府が新型コロナと原発事故を想定し、全国で初めての避難訓練を行った結果です。
避難所となった交流センターの収容人数は通常155人ですが、感染症対策をとると30人しか入れない。避難用バスは1台ですむ人数でも、感染の疑いがある人用に1台、濃厚接触者用に1台、それ以外の住民も間隔を空けると2台が必要で、計4台使用されました。バスも避難所も4倍、5倍必要なことがわかったのです。

本県はこれまで、避難所1人あたりの面積を畳1畳分、2m²でよいとしてきましたが、4倍5倍の避難所の確保。さらに現状でも難しいバス会社の了解が得られるのか。知事は「協議・検討する」という繰り返しです。
窓を開ければ被ばくのリスク、閉めれば感染リスク。どちらにするかという選択を県民に迫ることができるでしょうか。コロナ禍のもとで、「実効性ある避難計画」の両立は困難どころか不可能と考えますが、知事の所見を伺います。

もう一つの課題、安全性の検証についてです。
日本原電は、放射性廃液だけをとっても、何度も漏えい事故を起こしています。福井県の敦賀原発で放射性廃液がタンクからあふれ、排水口の土砂からコバルト60が平常時の10倍も検出された事故や、東海第二原発では廃棄物処理棟で放射性廃液750リットルが漏れ、立入制限基準値を40倍上回る放射能が検出されました。

廃炉を決めて、現在冷却用のプールに保管されている核燃料棒をすべて取り出し、乾式キャスクに納めれば、過酷事故のリスクは低減し、避難計画も作らなくてよいというのが国の防災指針です。運転停止から9年、冷却期間は十分に過ぎています。

しかし、再稼働を認めれば、使用済み核燃料も排水も必然的に増えるのは明らかです。100万kw規模の原発は毎秒70トンもの温排水を放出し、その量はなんと那珂川の平均流量に匹敵します。

ところが、日本原電は原発から海に出るこれら排水口の位置や構造、排水量を公表していません。また、県原子力安全対策課はその資料は県にはないと言います。

しかし、いま原発の排水問題は大きな関心事です。
あらためて東海第二原発からの排水についてその状況を知事に伺います。多くの情報が公開されないのでは、安全性の検証が不可能です。東海第二原発の再稼働は認めるべきではないと考えますが、知事の所見を伺います。

【知事答弁】

まず、感染症流行下での原子力災害時の防護措置についてでございます。
今年6月に内閣府から、「新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた、感染症流行下での原子力災害時における防護措置の基本的な考え方」が示され、原子力発電所の立地地域ごとに内閣府が策定する緊急時対応に、「感染症流行下での防護措置」の対策が加えられた地域もございます。

本県におきましては、7月末に、国・県・14市町村・関係機関で構成する東海第二地域原子力防災協議会作業部会の場において、他の地域で改定された緊急時対応も参考にしながら、国が示した基本的な考え方を踏まえて、避難や屋内退避をするにあたり、具体的にどのような点が課題となるのか、協議を行ったところであります。

その際、例えば、避難所や避難車両等において、感染者とそれ以外の方に分けた場合のスペースの確保などが困難な課題として共通認識され、現在、内閣府では、本県の自治体や、他の原発立地地域の自治体の意見等を踏まえて、具体的な対応策の検討を行っていると伺っております。

県といたしましては、国の検討状況を踏まえ、引き続き、県主催の勉強会等において、市町村等とともに課題の解決に努め、感染症流行下においても、防護措置の実行性が確保できるよう、取り組んでまいります。

次に、東海第二原発からの排水と廃炉の決断についてでございます。

現在、東海第二発電所は、使用済み燃料の貯蔵プールの水の浄化等に伴う排水を行っており、昨年度、検出された放射性核種はトリチウムのみであり、年間の総放出量は約47億ベクレルとなっております。

また、原子炉が運転中であった直近の10年間につきましては、排水から検出された放射性核種は同様にトリチウムのみであり、年間の総放出量は、最も多い年度で約8千6百億ベクレルとなっております。
原子力施設の立地に伴う放射線の影響は、周辺にお住まいの方の健康を守るため、年間1ミリシーベルト以下となるよう、法令で定められております。

このため、排水に含まれる放射性物質の濃度や総放出量について、法令地や目標値が設けられており、管理されたうえで放出が行われているところであります。

県では、東海・大洗地区の原子力施設からの影響を監視するため、放射線の専門家や医療関係者に加えて、原子力施設が立地及び隣接する9市町村の長や議会関係者、農業や漁業の団体の代表者などで構成する茨城県東海地区環境放射線監視委員会が定めた監視計画に基づき、定期的に海水や魚介類等の放射能測定を行っております。

測定結果につきましては、9市町村の住民の代表の方にも委員をお願いしている専門部会において、四半期毎に評価をしたうえで、監視委員会が最終の評価を行い、その結果を放射能測定のデータとともに、県のホームページ等で公表をしているところであります。

東海第二発電所も含めた原子力施設による放射線の影響は、同発電所が運転中であった直近の10年間において、最も大きい年度で0.0092ミリシーベルトと評価されており、国が住民の健康を守るために定めている基準値1ミリシーベルトを大きく下回り、安全であることが確認できております。

従いまして、東海第二発電所の再稼働の是非につきましては、このような観点からではなく、国の新たな規制基準に基づく安全性を検証するとともに、実効性ある避難計画の策定に取り組んだうえで、県民の皆様に情報提供し、県民や、避難計画を策定する市町村、並びに県議会の皆様のご意見を伺いながら判断していくこととしております。

6. 新産業廃棄物最終処分場の整備に係る住民意見への対応について

【江尻質問】

最後に、新産廃処分場の整備に係る住民意見への対応について伺います。
8月末までの1回目の住民説明会で、課題が多岐にわたることがはっきりしました。しかし、住民からは「県の説明は日立市につくるという結論ありきで、日立市がいったい断れる立場にあるのか」と声が寄せられています。

日本共産党日立市議団が周辺住民に配布したアンケートには、ひと月で300通を超える回答があり、そのうち86%が県計画に反対と答えています。9割近い反対というのは、候補地選定の妥当性が問われていると思います。

とくに、道路・交通問題です。「山側道路の延長」など208億円の事業費に入っていない新たな道路整備まで検討にあがっています。そして県庁内に「交通問題対策会議」が立ち上げられるなど、エコフロンティアかさまではなかった事態となっています。

候補地の2km圏内にいくつも住宅団地があり、約1600世帯・4千人が暮らし、搬入ルートの道路沿いには保育園や小中学校もあります。アンケートには、「どうしてこんな場所が選ばれたのか」、「知事は動物園にパンダと言い、今度はゴミ捨て場と言い、これが県北振興なのか」という意見です。

候補地の太平田鉱山跡地は、日立セメント(株)が100年にわたって石灰石を掘ったロケーションは、産業遺産とも言うべき地層が見事に現れています。世界ジオパークに認定された新潟県糸魚川市にあるフォッサマグナミュージアムには、「日立市諏訪町太平田鉱山」、まさにこの場所が3億年~3億6千年前の地層として展示紹介され、古代生物ウミユリなどの化石が多数見つかっています。

これら石灰岩地層の隣、日立から常陸太田にかけては日本最古の約5億年前カンブリア紀の地層や岩石が現れる唯一のジオサイトになっています。全国的にも注目され、県北振興に生かせる価値ある資源です。

そんな場所をなぜ選んだのか。県の選考委員会資料をみると、搬入道路の状況は評価対象外とされ、地層の調査はこれからです。優位な条件があるとすれば、地権者が株木建設関連会社の日立セメント1名だけということではないでしょうか。

県は、日立市から受入れ回答を得たうえで今後基本計画をつくるとしていますが、すでに8月に計画策定業務の公募型プロポーザルを実施し、3,988万円でコンサルタントと契約しています。基本計画が先か、日立市の受諾が先か。そもそも、住民生活に直接多大な影響を及ぼすことが明らかな場所を選ぶべきではありません。最終処分場として、ふさわしくない場所です。住民意見に対する知事の所見を伺います。

【知事答弁】

県では、日立市民を対象に、6月下旬から候補地周辺の諏訪学区を皮切りに、周辺学区や市内全域を対象とした住民説明会を先月30日までに計40回実施し、約750名の市民の皆様にご参加いただきました。

住民説明会では、県から、処分場整備の必要性や整備候補地の選定過程の他、「エコフロンティアかさま」の安全安心な施設設計及び運営実績等を紹介し、新処分場の整備や運営の基本的な方向性についてご説明させていただきました。

一方、市民の皆様からは、大型車両の交通量が増えることによる交通安全上の問題や生活環境への影響、地盤の強度への懸念、また地下水への影響が心配であるといった様々なご意見をいただいております。

こうしたご意見に対する具体的な対策については、今後策定する基本計画の中で検討・決定していくこととしております。

なお、最も多くのご意見をいただいている交通問題につきましては、庁内に「新産業廃棄物最終処分場整備に伴う交通問題対策会議」を設置し、搬入ルート等の調査・検討を進めているところであり、日立市及び市民の皆様にご理解を得られるよう答えを出していきたいと考えております。

また、地盤の強度や地下水への影響については、基本計画の策定に必要なボーリングによる地質調査や水文調査をできるだけ早く実施し、沢や湧水地点を調査して地下水等の流動状況を把握するともに、候補地や周辺地域の地下水利用状況についても調査してまいります。

これらの調査により得られましたデータなどをお示ししながら、不安の解消に努め、基本計画の策定に入っていきたいと考えております。

県といたしましては、市民の皆様からのご懸念や問題意識に真摯に向き合い、日立市や市民の皆様のご理解を得ながら、新処分場の整備を着実に進めてまいりたいと考えております。

【江尻再質問】

それぞれご答弁いただきました。知事に2点再質問させていただきます。

1点目は農業の担い手確保です。
知事は先程の答弁で、新規就農の確保目標について、「必要ない」、「目標は設けない」と明言しましたが、今の現状において新しく就農する農業者を本県で今後どれだけ確保していくのかという目標がなぜなくていいのか、再度お答えください。

もう1点は日立の産廃処分場についてです。

さきほど知事は「基本計画の策定には入っていない」と。 日立市から処分場整備を受け入れるという回答を得てから、基本計画の策定に入るとしてきました。

しかしすでに、基本計画作りをなぜコンサル契約しているのか。知事は日立市が断ることはない様々課題や条件はあっても当然受け入れられるとしているのか、再度ご答弁お願い致します。

【知事答弁】

再質問にお答えいたします。

まず農業の担い手確保の目標でございますが、新規就農者の数ではなく、法人化率その他の目標に指標を変更したという理由です。
わが県の農業の課題を考えるときに、農業の担い手の人口というよりは、そもそも農業の担い手、要するに利益率というのでしょうか、要するに儲かっている農業者をどれだけ増やすのかということが大きな問題ではないかと認識しております。

様々は農業従事者の方々の話を聞くときに、最大の問題は担い手不足、後継者がいない、後継者がいないことの最大の理由は、後継者にとって魅力的な職業になっていないということだと思います。

そのために県として、優先的に取り組むべきは後継者の人達が喜んで、あるいは東京の仕事を捨ててでも、茨城で熱心に農業をしたいと思っていただけるような農業に変えていくことが最重要課題と思いまして、単純に担い手の数を増やすということをしようとするのではなく、農業の質を図れるような指標に変更したというのが理由でございます。

2つ目産業処分場の件でございますが、基本計画の策定には入っておりません。
まず日立市及びその住民の方々の御意見を伺いながら、その疑問に対して、我々としてきちんと答えを選択肢として示すことができるための必要な情報を入手するためのコンサルティング計画と認識しております。

【江尻再々質問】

1点再度お伺い致します。

日立市の処分場計画について様々な課題があるということは明らかですが、そもそもあの候補地が処分場として相応しいのか、そもそもが私は問われていると思います。

そこで伺います。 整備を受け入れるかどうかは日立市民・周辺住民の意向を踏まえて日立市の判断に委ねられ、受け入れられない反対という判断が今後あった場合に、県は当然それを尊重し、柔軟に対応するということでよいか、確認の為再度お答えください。

【知事答弁】

当然そのとおりでございます。

以上

動画はこちらから

2020年9月茨城県議会 江尻加那議員の一般質問と答弁(大要、PDF)

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