2020年4月茨城県議会臨時会 山中たい子議員の質問と答弁(大要)

山中たい子議員の質問と答弁(大要)

2020年4月27日(月) 茨城県議会 4月臨時会 会派代表質疑

1. 県民生活と営業の支援拡充について

【山中】
日本共産党の山中たい子です。はじめに、新型コロナウイルス感染症によって亡くなられた方とご遺族にお悔やみを申し上げますとともに、感染された方々の一日も早い回復をお祈りいたします。また、医療従事者の方々に感謝を申し上げます。

国の緊急事態宣言が拡大され、本県は特定警戒区域に指定されました。県政の果たす役割は、もはや一刻の猶予もありません。
補正予算は、県民の命と健康、暮らしをまもるうえで、果たして期待に応えるものとなっているでしょうか。

補正予算963億円の9割弱・853億7千万円が貸付や融資です。一方、感染防止・医療体制の整備はわずか73億円、教育支援には5億円しか予算化されていません。

今年の倒産は1万件を超え、休業・廃業は5万件を超えるといわれ、それだけの雇用の場が消えようとしています。そんな窮状にあえぐ中小零細業者に対し、厳しい条件、煩雑な手続き、先延ばしの融資ではまったく実情にあいません。県民のなかには、「自粛を要請するなら補償するのがスジ」という声が広がっています。

そこで、県民生活と営業支援の拡充について、知事に伺います。

第1に、中小事業者・個人事業主への家賃・水光熱費・リース代など固定費の補助を行うこと。
第2に、イベント中止によるキャンセル料、会場費などの必要経費を補助すること。政府も県も繰り返し自粛を要請はしても、補償と責任をとろうとしていません。
第3に、雇用調整助成金について、県は1/10を上乗せします。しかし、国の要件は売り上げの5%減であるのに、県は50%減と厳しくしています。国と同じにすれば、県は改めて審査する手間を省けます。
第4に、緊急小口資金の貸付は、収入減少で生活に困窮した際、活用できます。申請には銀行口座を必要としますが、口座を持たない人にも窓口で受け取れるようにすることです。

以上、知事の所見を伺います。

【知事】

山中たい子議員のご質問にお答えいたします。

まず、中小企業への固定費助成及び損失補填についてであります。
県の調査では、当面の支払いが困難な経費として、家賃や光熱水費、給与等の固定費を挙げる方が約半数にのぼっており、事業者の資金繰り支援に万全を期す必要があると考えております。

先般取りまとめられた国の緊急経済対策におきましては、事業者の資金繰り支援策として、無利子無担保の融資窓口を民間金融機関に拡大するとともに、既往債務の借り換えを可能とする制度が公表されております。

また、雇用調整助成金の拡充や、売り上げが急減した事業者に対する、最大200万円の給付金制度の創設など、大幅な支援策の強化が図られております。

こうした国の対策を踏まえ、県においては、県内事業者が安心して新たな国の融資制度を活用できるよう、県として過去最大規模となる、5,600億円の融資枠を確保するとともに、既存の制度では融資を受けられない事業者に対し、県と市町村が協調して、長期の返済が可能な融資制度を創設し、すべての中小企業者等の資金繰りを支援してまいります。

議員ご質問の事業者に対する固定費への助成や、営業損失に対する補償は、県の財政事情も勘案し、現時点では考えておりませんが、今後の状況につきましては、いまだ予断を許さず、県としてあらゆる事態を想定しておく必要があると考えており、引き続き事業者の声をつぶさにお聴きしながら、必要な支援策は果断に実行してまいります。

次に、雇用調整助成金の上乗せ助成要件であります。

私は、感染症が終息した後の経済活動を確かな回復軌道に乗せるため、雇用をしっかり守り抜くという強い決意のもと、今回の補正予算に雇用調整助成金の事業者負担分を助成する経費を計上したところであります。

これは、国と併せて助成率を10分の10とした点、また、対象地域を限定することなく、全県規模で実施することとした点においても、全国に先駆けたものであると認識しております。

今回、売り上げが50%以上減少していることを助成要件としておりますのは、先程申し上げましたとおり、全国的に初めての試みであることから、まずは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、最も痛手を受けていると思われる事業者を対象としようと考えたからであります。

一方、感染症の影響が長引くことも想定する必要がありますことから、今後、状況を見ながら、助成要件を含め、適宜、支援策の見直しを検討してまいりたいと考えております。
県といたしましては、雇用維持と事業継続に必死に取り組まれている事業者を全力で支援し、県内経済の回復を図ってまいります。

次に、県民生活と営業の支援拡充についてお尋ねをいただきました。

まず、生活福祉資金貸付の拡充についてでございます。
今般の、新型コロナウイルス感染症の影響により、当座の生活費の工面に苦労される方の増加が懸念され、迅速な支援が必要であると認識しております。

このため、県といたしましては、今回の補正予算により、資金を必要とする方に速やかに貸付がなされるよう、対応してまいります。
具体的には、低所得者に限定していた「生活福祉資金貸付制度」の対象者を、特例措置により、今般の感染症の影響で収入が減少した方にも拡大するとともに、貸付原資として8億円を積み増しし、十分な資金を確保いたします。

また、申し込みに迅速に対応するため、申請窓口である市町村社会福祉協議会の人員増強のため経費を追加支援するなど、窓口業務の実施体制を強化いたします。

なお、貸付金の支給については、貸付の迅速化や本人確認の徹底のため口座振替を基本としておりますが、窓口での直接受け取りの希望者には、個別に判断し対応してまいります。
県といたしましては、支援を必要とする全ての方へ必要な資金を速やかに届けられるよう、努めてまいります。

2. かかりつけ医の判断で検査できる体制の確立と病床の確保について

【山中】
次に、緊急に必要な検査体制と病床の確保について、知事に伺います。

本県のPCR検査の流れは、9つの保健所が窓口となり、帰国者・接触者外来で検体を採取し、これを県内1カ所の衛生研究所まで運び、確定結果を待つことになっています。

保健所は、電話相談総数4万4千件のうち、その8割、3万4千件に対応し、さらに濃厚接触者の疫学調査など多くの業務が集中しています。保健所を減らしてきた県の責任は大きいと言わなければなりません。

自らの感染リスクや家族の不安を抱えながら、文字通り、24時間体制で働く職員の負担を一刻も早く軽減しなければなりません。
すぐにでも各地にPCR検査センターをつくり、保健所を通さなくても、かかりつけ医の判断で検査ができる体制をつくることを求めます。

それには、県医師会の全面的な協力と連携が必要となります。厚労省も、「検査センターの都道府県医師会への運営委託」を通知しており、東京都医師会は設置を始めました。本県も早急にセンターを設置していただきたい。

補正予算には検査機器2台購入予算が計上されており、検査件数は確実に増えます。しかし、それが陽性率(3.9%)を今より下げることにはなりません。同時にやるべきは、相談窓口と検体採取を大幅に増やす、新たな体制の構築が感染拡大の抑止につながります。

さらに感染者を受け入れる病床の拡充について。感染症指定医療機関11施設・48床を含めても、28施設・151床に過ぎません。昨日(4/26)現在161人の陽性者数を数えていることを見れば、一刻も早く増やすことを求めます。

自宅療養では、病状急変で死亡する事例が他県で起きました。軽症者を受け入れる施設をさらに確保し、看護師を常駐させなければなりません。

しかし、人口10万人あたりの医師数・看護師数が全国最低クラスの本県においてどう対応するのか。いつ起こっても不思議ではない、院内感染、医療崩壊を見据えて、これまでの病院の削減・統合の方針を深く反省して切り換える時ではないでしょうか。

また、現場には医療用マスクやフェイスシールド、防護服、消毒液などの資材を最優先で供給することを求めます。

以上、併せて、知事の所見を伺います。

【知事】

次に、かかりつけ医の判断で検査できる体制の確立と病床の確保についてお答えいたします。

まず、検査体制の強化についてでございます。
今後の感染拡大を見据え、増加する検査依頼に、しっかりと、迅速に対応できる体制づくりが急務であると認識しております。

国では、地元医師会等と行政が連携して、「帰国者・接触者外来」の検体採取業務を補完する「地域外来・検査センター」を新たなスキームとして示しております。このスキームでは、帰国者・接触者相談センターに代わり、かかりつけ医が患者と電話相談・診察を行うなどして、PCR検査につなぐもので、保健所が担う業務の負担軽減等にもつながるものと聞いております。

一方で、本県と感染者の拡大が続いている地域においては感染状況が異なり、本県では医師が必要と判断したケースは、すべて検査ができている状況にあります。

また、本県では、県医師会に対して、ドライブスルー方式の導入促進や、発熱外来の設置について、協力を要請するなど、検査体制の強化を図ってまいりますが、今後、「地域外来・検査センター」の設置についても、この先の感染拡大を見据え、検討してまいります。

県といたしましては、今後、増加が見込まれる検査に対し、速やかに対応できるよう、検査体制の強化について、引き続き取り組んでまいります。

次に、受入医療機関等の確保についてでございます。

現在、感染症指定医療機関及び入院協力医療機関において、患者を受け入れるための病床として151床を確保していただいており、昨日現在、66名の患者が入院しているところです。

県といたしましては、今後、新型コロナウイルス患者の増加が見込まれる中、特に重症及び中等症の患者に適切な医療を提供するため、さらなる病床確保が必要であると考えております。

このため、医師や看護師など医療従事者の確保や医療圏ごとのバランス等に留意しながら、病棟単位や医療機関単位でまとまった病床が確保できるよう県内の医療機関と交渉を進め、病床の確保に努めてまいります。

また、これまでの感染者のうち、約8割が軽症者や無症状者でございますが、これらの方が宿泊施設に療養することで、今後、重症・中等症の患者を優先する医療提供体制に移行できることになります。今後、病床を確保し、医療体制を維持するためにも、民間の宿泊施設に協力いただきながら更なる拡充に努めてまいります。

次に、受入医療機関への影響についてでございます。

新型コロナウイルス感染者を受け入れている医療機関の一部においては、通常診療の縮小や予定されている手術の延期、医療用資機材の不足など、様々な影響が出始めていると承知しております。

県としましては、新型コロナウイルス感染者のみならず、他の疾患の患者など、地域で医療を必要とする方へ適切な医療を提供することができるよう、地域全体で役割分担を行い、医療体制の確保に取り組む必要があると考えております。

具体的には、入院受け入れを行う医療機関を、原則として感染症指定医療機関及び入院協力医療機関に限定するとともに、軽症者や無症状者には宿泊施設で療養していただくこと、入院受け入れを行っていない医療機関や医師会・看護協会等には、医療従事者の派遣や救急患者の受け入れ拡大等の役割を担っていただくことなどによって、入院受入医療機関の負荷を軽減し、県内の医療関係者が一丸となって医療崩壊を防ぐための体制を構築してまいります。

さらに、マスクや消毒液など必要な医療資機材を確保することで、医療従事者の感染を防止し、治療に専念できる環境を確保することも大変重要であることから、県ではこれまでにも、国の支援を受けながら医療資機材を確保し、協力医療機関等に提供してまいりました。引き続き、国や県内外の企業とも協力し、全庁を挙げて医療資機材の確保、提供に努めてまいります。

3. 介護・障害者施設等福祉施設の感染防止対策の強化について

【山中】

次に、介護や障害者など、福祉施設の感染防止対策の強化について、知事に伺います。

施設職員は、日頃から利用者の体調管理、家族との連絡、施設内の衛生状態を常に清潔に保つために細心の注意を払っています。
こうしたなかで起きた、介護老健施設「アレーテルつくば」と障害者通所施設「ハミングハウス」の集団感染に、大きな衝撃が走りました。

施設関係者から、次のような声が寄せられました。
「コロナを恐れて清掃や洗濯の業者が来なくなった」「入所者の入浴や清拭ができない」「職員家族の保育所受け入れや病院の受診を断られた」「体調不良でも休めない」「入所者の陽性結果が出た後も、すぐ病院に搬送されず、別室に留まっていた」という驚くべき実態でした。

日常的に職員が不足している現場で感染者が出たら、どのようになるか。知事は、これらの現状から何を教訓とすべきか。真摯に向き合っていただきたい。

他の職種にくらべ、ストレスや疲労が極限に達しているのにもかかわらず、賃金や待遇が悪く、将来の見通しが持てずに離職する人が多いのです。

県として独自の処遇改善策と特別手当の給付を求めます。
マスクや消毒液は優先的に届けていただきたい。

以上、併せて、知事の所見を伺います。

【知事】

次に、介護・障害者施設等福祉施設の感染防止対策の強化についてお答えいたします。

まず、マスク等の確保への支援についてですが、先月以降、県備蓄のマスク約7万枚や消毒液約6千リットルの配布を行いましたが、マスクについては、未だに安定的な調達が困難な状況のため、布製マスクを含めて確保に努めてまいります。

また、職員の感染により人手不足が深刻化した現場の支援については、同業の他施設から人的応援を得やすくするため、県社会福祉協議会を通じて、施設間の派遣調整業務を行うとともに、派遣職員の人件費等を助成してまいります。

ご提案の特別手当の創設については、福祉施設等で働く職員の方々が感染の危険を感じながら、職務に従事されていることは十分認識しておりますが、まずば、感染症患者の命を守るため、感染リスクを抱えながら最前線で治療に携わっている医療従事者の方々を支援する必要があると考えております。

一方、施設職員に対する特別手当につきましては、同じように感染の危険を感じながら業務に従事している方々とのバランスを考慮する必要があることから、まずは国において広く検討されるべきものであると考えております。

4. 学校の休業延長と再開の判断と対応について

【山中】

次に、学校の休業延長と再開に向けた判断と対応について、教育長に伺います。
知事は5月末までの休業延長を決定しました。

今後、さらに6月半ばまで休校となれば、夏休みはお盆の前後を除いて毎日登校しなければなりません。それより遅れれば、今年度の授業数の確保にとらわれない措置も迫られます。
家庭学習支援について、担任教員による授業の動画配信や分散登校による健康や学習の確認などの取り組みを求めます。

再開するにしても、最低限必要な「3密」回避のために、プレハブ校舎を設置する、分散授業に必要な教職員を加配するなど、思い切った対策も検討を要します。

高校については、先のストライキを教訓とし、決定過程に生徒や県民の声を十分に反映すること。オンラインやテキストによる学習補填の仕組みを構築することです。

特別支援学校は、児童生徒の心身に特別な配慮が必要であり、早急な学校再開は困難です。家庭と日常的につながり、不安やストレスに応じられるよう家庭訪問や電話連絡を継続することが重要です。

いずれも、科学的な根拠に基づく専門家の知見や対策を聞き、その上で、学校が見通しを持てるよう、教育の専門性と独立性の発揮を求め、教育長の所見を伺います。

以上で、質疑を終わります。

【教育長】

学校の休業延長及び再開の判断と対応についてお答えいたします。
学校につきましては5月末日まで休業を延長したところでありますが、それ以降の判断については、政府の動向や感染拡大の状況、専門家の意見を踏まえて慎重に決定してまいります。

今後休業が長期化することも想定されますことから、休業中にあっては定期的な分散登校や家庭訪問と、ICTを活用したオンライン学習を充実させることなどにより、子どもたちの学ぶ機会を確保してまいります。

また、学校再開に向けては、学習の遅れに対応するため、夏季休業期間の短縮を検討するとともに、非常勤講師のさらなる活用を図ってまいります。

学校再開後の感染防止対策につきましては、3密を避けるため、できる限り机の間隔を開け、双方向の換気を図るとともに、マスクの着用を徹底してまいります。

また、音楽室などの特別教室を利用することが可能な場合は、クラスを半分に分けて授業を実施するなどの工夫をしてまいります。
県といたしましては、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を見極めながら、子どもたちの学ぶ機会を確保するための施策に、スピード感を持って取り組んでまいります。

以上

2020年4月茨城県議会臨時会 山中たい子議員の質問と答弁(大要、PDF)

動画はこちらから

2020年4月茨城県議会臨時会 江尻加那議員の討論(要旨)

Follow me!