2019年6月茨城県議会 予算特別委員会 江尻加那議員の質問と答弁(大要)

江尻加那議員の予算特別委員会質問と答弁(大要)

2019年6月20日(木) 茨城県議会 第2回定例会

【質問事項】

  1. 医療福祉行政について
    (1)重症心身障がい児・者に対する医療的支援
    (2)保健所統廃合及び保健師配置
    (3)認知症予防と加齢性難聴への支援・補聴器購入費補助
  2. 偕楽園有料化について
    (1)有料化の時期、方法、県内・県外者の区別
    (2)来園者の視点に立った調和性のある整備
  3. 原子力行政について
    (1)東海第二原発の再稼働と経理的基礎の検証
    (2)原子力安全・防災対策のあり方

1.医療福祉行政について

日本共産党の江尻加那です。よろしくお願いいたします。
はじめに、医療福祉行政について伺います。
付託されております、医師確保強化のための5,400万円の補正予算に賛成をいたします。しかし、県外から医師を呼び込もうとしているときに、逆に、本年4月に縮小されたJAなめがた地域総合病院で勤務していた医師の1人が、今は千葉県で働いています。医療機関の縮小廃止が医師の流出につながってしまうと考えます。

(1)重症心身障害児・者に対する医療的支援

とりわけ、人口当たりの小児科医の数が全国最低の本県において、重度の心身障がいをもつ子どもへの医療が保障されているのか、福祉担当部長に伺います。

じつはあるお母さんからこんな声が寄せられました。
「茨城で医療や福祉の整備を求めるよりも他県に引っ越したほうが早いと、やむを得ず転出した知人がいる。でも、私は茨城県を離れたくない。人間を大事にしない行政だと、外に出てしまうばかりです」という声です。
どうすれば、こんな思いをせずに済むのか。

私は県の役割が本当に大事だと思います。例えば、水戸市にある愛正会記念茨城福祉医療センターの位置付けです。県が県立こども福祉医療センターを廃止した後、その役割をゆだねた施設であり、開所から5年が経ちました。

現在、県はどのようにセンターを位置づけ、医師確保を含めた運営に責任をもっているのか、福祉担当部長に伺います。

【福祉担当部長】

お答えいたします。

愛成会記念茨城福祉医療センターは、県内唯一の肢体不自由児施設であった県立こども福祉医療センターの機能を引き継ぐとともに、県内5か所目となる重症心身障がい児・者の入所等の機能を付加した施設として、委員からご紹介ありましたとおり、平成26年度から、社会福祉法人愛成会が運営しております。
この施設に対しましては、施設機能の充実や必要な看護師等の確保を行うための経費の一部として、施設経営が安定するまでの期間、支援を行っているところでございます。

医師につきましては、県立の際は医師が3名のところ、現在は常勤医8名、非常勤医を含めると16名の体制となり、診療科も以前は小児科、整形外科のみのところ、現在は内科、外科、精神科、歯科など、診療科目の充実が図られております。

このように、茨城福祉医療センターにおいては、医師は確保されているものと認識しておりますが、県内唯一の肢体不自由児施設の機能を有し、また、重症心身障がい児・者に対しても適切な対応が出来る施設として安定的に運営できるよう、引き続き支援に努めてまいります。

【江尻】

いまの部長の答弁では、安定するまでは支援するということでしたが、そういう位置づけなのでしょうか。重度心身障がいへの子どもへの医療、これはまさに県としての政策医療の一つではないか。県が継続的に支援をすべきセンターではないか。再度ご答弁ください。

【福祉担当部長】

ただいま申し上げましたとおり、我々といたしましては県立施設を引き継ぐ施設として位置づけをしております。前回は肢体不自由者のみでしたが、今回は重症心身障がい児・者の施設を付加するという形でこの施設を運営していただいておりますので、期間は限定を今のところしておりますけど、我々としましては、しっかり運営をサポートしてまいりたいと考えております。

【江尻】

開設した当初は、医師・看護師を含め17人の県職員が派遣されていましたが、今は医師1名だけです。センターでは、昨年、医院長である医師の急病により県から派遣されている医師がその代行を務め、本県に対して常勤医師確保の支援をと要請しています。耳に届いているかと思います。

しかし、県立を廃止する方針が出された時、当時の大内久美子県議が予算特別委員会で『県立を維持すべきだ』と反対しました。その際、橋本知事はなんと答えたか。「施設の整備と運営の両面で県の支援が前提」、「医師は、県職派遣と、新たな医師招聘で確保していきたい」とはっきり述べています。

これをしっかりと引き継ぐのであれば、いま、常勤医師の確保の支援をという要請にもっと具体的にしっかりと取り組んでいかなければならない問題だと私は考えております。
再度ご答弁ください。

【福祉担当部長】

委員からご指摘のありましたとおり、センター長については現在不在だと聞いておりますが、愛成会が他の医療機関などに協力要請を行った結果、非常勤医師を採用したことによって、外来患者数に大きな変動はなく、運営されていることは確認しているところでございます。
しかしながら、今ございましたとおり、県に対して協力要請があった場合は、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

【江尻】

非常勤によってなんとかいま外来を維持している。重度の心身障がいの子どもたちの医療、そして福祉に役割を果たしていただいていますが、それをしっかりと支える医師の確保、という点でも、県の役割をはっきりしていただきたいと強く要望いたします。

(2)保健所統廃合および保健師配置

次に、保健所の統廃合について伺います。
今回条例提案された9ヵ所への再編整備は、そもそも12ヵ所ある保健所の医師を確保できなかったこと、さらに水戸市の中核市移行で保健所が独立設置されることも、要因だったのではないか。この2点について、保健福祉部長に確認をさせていただきたいと思います。

【保健福祉部長】

お答えいたします。
地域保健対策の専門的、技術的、広域的拠点である保健所は、地域保健に関して広範な役割を担っており、さらに近年では、新型インフルエンザ等の新興感染症対策や、大規模災害時の医療救護体制の確保といった、健康危機管理の司令塔としての役割がますます重要になってきております。

しかし、機能が限定された小規模な保健所が複数存在する本県において、健康危機管理事案の発生時などにおける適切な対応については、深刻な懸念があり、職員の集約化により健康危機管理事案への対応力を強化することが喫緊の課題となっております。

また、保健所は、地域医療構想の実現に向けた取り組みとして、二次保健医療圏ごとに将来の地域医療ニーズを見据えた病床の機能分化・連携を促進するための医療機関等との協議を行うなど、多くの保健医療施設が二次保健医療圏を単位に実施されているため、圏域内の関係機関と緊密に連携していく上でも保健所の管轄区域を二次保健医療圏に一致させることが重要と考えております。

こうした重要課題への対応力・体制の強化という観点から、今回の再編を行うこととしたものでございます。

従いまして、ご質問でございますが、保健所長の兼務解消は今回の再編の主たる目的ではなく、むしろ、保健所長と若手・中堅医師の2人体制による人材育成など、再編後も公衆衛生医師の確保及び育成には引き続き積極的に取り組み、さらなる体制強化を目指していくものでございます。

また、来年4月に水戸市が独自の保健所を設置する予定であることから、再編の方針を決定するうえでは水戸周辺地域における保健所のあり方についても整理いたしまして、二次保健医療圏を単位に実施している施設につきましては、引き続き県の水戸保健所が関係機関と連携しながら継続的に実施していくこととしております。

各保健所が地域保健対策の拠点としての本来の役割をしっかりと果たせるようる、今後とも保健所の機能強化を図ってまいりたいと考えております。

【江尻】

保健所の機能強化のためだと言いますが、今ある12ヵ所の保健所で働く職員、10年間で44人も減らして機能強化と言えるでしょうか。市町村では逆に、保健師を5年間で70人増やしています。
そこで伺います。現在、県の保健師は104人と聞いていますが、人口あたりの保健師数は、全国と比較して本県はどのような状況でしょうか。

【保健福祉部長】

お答えいたします。
厚生労働省が毎年行っております、保健師活動領域調査によりますと、平成30年度の行政保健師の総数は、全国で34,875人、本県で822人となっており、人口10万人あたりにいたしますと、本県は全国37位となっております。

一方、保健所の保健師数につきましては、単独で保健所を要する政令指定都市や中核市の設置状況などが、都道府県により異なる状況にございますので、人口割での単純な比較は難しいと考えておりますが、都道府県と同等の機能を持つ保健所を設置している政令指定市を除いた保健所保健師数につきましては、全国では人口10万人あたり4.0人であるところ、本県では2.7人で、全国42位となっております。

【江尻】

2つお示しがありました。37位と42位。どちらにしても全国に比べて少ないのが本県の保健師数であることがわかります。
では、地方交付税の中ではいったい本県で何人が措置されるとしているのか。算定基礎は、人口170万人に対し保健所9ヵ所・保健師88人とされております。
これを本県290万人で計算すると15ヵ所・150人となります。単純にはそう言えない、とも言っておりますけれども、部長わかりますでしょうか?

ぜひ調べて、必要な保健師確保の裏付けにしていただきたいと思います。
今、不安が高まっている引きこもりの相談・支援も保健所の大切な役割です。県としてこれからの保健師養成や配置の拡充にどう取り組むのか伺います。

【保健福祉部長】

お答えいたします。
急激な少子高齢化社会の進展や保健医療サービスの需要の増大、健康危機管理の事案の頻発などにより、地域での保健医療政策はこれまで以上に重要となっております。

このため、地域における保健医療施策の主要な担い手である保健所・保健師の役割は、さらに重要性を増してくるものと認識しております。

この度の保健所の再編の大きな目的の一つとして、健康危機管理等への対応の強化といった観点からの専門性の集約がございます。保健師につきましても、感染症対策や精神保健対策といった高い専門性を要する業務への対応に、再編による集約化によって生まれるスケールメリットを活かし、県全体としてのパフォーマンスの向上を目指していくものであります。

また、支所におきましては、難病医療費公費負担制度をはじめとした各種申請業務のほか、保健医療福祉にかかる相談などの業務を引き続き行うことで、住民サービスの低下をきたすことがないよう、保健師の配置を検討しているところでございます。

県といたしましては、保健師が県民の健康を守る専門職として、その専門性を活かし、保健・医療・福祉にかかる行政ニーズに、的確に対応できるよう努めてまいります。

【江尻】

かつて、本県に18ヵ所あった保健所を、ついに半分の9ヵ所にまで減らす、こうした削減一本の再編統合に反対いたします。

(3)認知症予防と加齢性難聴への支援・補聴器購入費補助

次に、認知症予防と加齢性難聴への支援について質問いたします。
70歳をこえると半数が聞こえにくさを感じるとのことです。

お聞きしたいことは2点です。
1点目は、2017年の国際アルツハイマー病会議で、「認知症の最大危険因子が難聴である」と発表されました。聞こえにくさと認知症がどう関連するのか。
2点目は、補聴器を使うことで聴力を向上できる一方で、日本は欧米に比べて補聴器の使用率が非常に低い現状です。例えばアメリカ30%、ドイツ37%、フランス41%、イギリス48%に対し、日本はなんと14%です。その要因の一つが、10万円前後から数十万円もする負担の大きさです。欧米のように公的補助を行うなど、難聴の高齢者への適切な補聴器の使用を進めるために、本県としてどう取り組んでいくのか伺います。

【保健福祉部長】

お答えいたします。
聴力と認知症予防についての関連性についてですが、近年の医学研究により、難聴のために、音の刺激や脳に伝えられる情報量が少ない状態になると、脳の萎縮や神経細胞の弱まりが進み、認知症の発生に影響するという報告があると承知をしております。

また、難聴により、他者とのコミュニケーションや社会活動が減るおそれがあり、これが認知症の発症を進める要因になるという指摘もございますことから、厚生労働省の認知症施策総合戦略、新オレンジプランにおきましても、難聴は認知症のリスク要因の一つとされているものと承知をしております。

続きまして、補聴器の使用率を高めるための取組についてお答えいたします。
補聴器購入に対する補助につきましては、現在、障害者総合支援法による「補装具費支給制度」において、耳元で大きな声で話さないと聞き取れないような「高度難聴」といわれている方など、身体障害者手帳が交付された方を対象に、補聴器の購入費用の一部を支給してございます。

一方で、認知症予防の観点からは、聴力の低下を感じた場合、早めに専門医を受信し「よい聞こえ」を取り戻すことが、認知症の予防につながる可能性があると考えられます。

こうしたことから、国におきましては平成30年度から、補聴器を用いた聴覚障害の補正による認知機能の低下予防の効果を検証するための研究を開始したところと聞いてございますので、県といたしましては、今後のエビデンスの蓄積や、国の動向を注視してまいりたいと考えております。

また、国におきましては、一昨日「共生」と「予防」を柱とする「認知症新大綱」が閣僚決定されたところであり、県におきましても、認知症になることを遅らせる予防を重視つつ、認知症になっても自分らしく暮らせる社会の実現を目指してまいりたいと考えております。

【江尻】

本県では18歳までの子どもへの補聴器補助が制度化されています。今度は高齢者の社会参加の必需品として補助を実施していただき、ぜひ、国に対しても公的補助の早期実施を強く求めていただきたいと思います。

2. 偕楽園有料化について

(1) 有料化の時期、方法、県内・県外者の区別

次に、偕楽園の有料化について、知事に伺います。

私は、無料のままがいいという立場ですが、偕楽園が今後どのように整備されるのか関心が高まっていることも事実です。しかし、ものには順序があると思います。

第一に時期についてです。これからやる、魅力向上策が形にならない今年の11月に有料化だけが先行してしまいます。176年前の為政者斉昭が「民とともに楽しむ」ためにつくり、無料の歴史を今に引き継いできた本県です。大井川知事になって初めてその大きな歴史をひるがえそうというこの取り組み。
実行されれば、梅まつりの期間外、県民はいちいち身分証明を提示しなければなりません。4カ所ある入り口でどうやって県内・県外を区別するのか。まるで、関所を設けて通行手形を見せろというやり方になると思います。

まして、子どもまで有料など論外です。ひたち海浜公園では、「中学生まで無料なのがすごい」とPRにもなっています。小中学生にも是非偕楽園に来てほしいという思いからすれば、条例は見直すべきです。こうした点を踏まえて、知事の所見を伺います。

【知事】

お答えいたします。
偕楽園は、金沢の兼六園、岡山の後楽園と並ぶ日本三名園の一つであり、創建当初から続く公園として国の文化財に指定された本園部と昭和から平成の初めに整備された拡張部からなり、本園部には、年間約100万人の方が来園されております。

偕楽園では、現在、管理費や修繕費として年間約4憶円を費やしているところであり、今後は、適切な受益者負担の考えのもと、偕楽園の本園部を有料化し、適正なご負担をお願いしたいと考えております。

得られた収入については、本園部の歴史的景観の復元や本園部と拡張部のアクセスの向上、さらにはイベント等の利用促進を充実させることなどにより、県民の憩いの場としての役割を維持しつつ、県内随一の通年型の観光周遊拠点となることを目指して、一層の魅力向上に取り組んでいきたいと考えております。

料金制度でございますけれども、受益者負担の考え方を考慮し、県外の方は通年で有料としたうえで、偕楽園を創設した徳川斉昭公含め、そうした方々の思いやアンケート調査の結果、散歩等で日常的に利用されている方々などを考慮し、今回の県内・県外者の区別をした制度設計をいたしました。

また、子どもの料金については、すでに有料施設として偕楽園の好文亭と同様、半額としております。
様々なご意見がある中で、まずは本案により有料化をスタートさせ、施行後の状況をみて、制度の見直しを図ってまいります。

【江尻】

受益者負担という言葉が何度かいまありましたけれども、負担をせずとも皆で楽しむというこの偕楽園の心意気・精神ではなかったかと思います。

(2)来園者の視点に立った調和性のある整備

では、整備はどのようになるのか。知事は観光スポットにと取組をすすめようとしていますが、市民・県民にとって日常的な憩いの場との調和や、教育遺産としての整合性。また、自然景観や水戸市が管理する部分との一体的整備など、どうまとめあげるのか。

そして、かつてから出されていた園内通路のバリアフリー化やホームページで紹介されている約100種類の梅図鑑と梅の木にある紹介の札を関連リンクさせること。また、ほとんど現在利用されていない広い障がい者専用駐車場の活用改善などについて、知事の所見を伺います。

【知事】

お答えいたします。
偕楽園の魅力向上にあたっては、本園部とその周辺エリアとの調和を図りながら、整備を進めていくことが重要であると考えております。

このような中、今年度、偕楽園周辺を含めたエリア千波湖或いはボーリング場跡を含めたエリアについて、株式会社星野リゾートに委託し、魅力的かつ実効性のある観光魅力向上計画を策定することとしております。
偕楽園の魅力向上については、この観光魅力向上計画との調和を図りながら、その具体化を検討してまいります。

その中の項目として、議員ご指摘のバリアフリー化の推進ということも含まれると思っております。
造園当時の姿を残す園路は段差や起伏が多く、高齢者は車いす利用者等が移動するには非常に困難な場所が存在しております。「歩きやすくしてほしい」という要望の声が寄せられており、高齢者や障がい者の旅行に対するニーズが高まっている昨今、偕楽園のバリアフリーを推進していくことが重要であると考えております。

一方で、偕楽園は文化財保護法によって国の史跡・名勝に指定されており、ハード面の整備にあたっては、文化財の価値を損なわないような配慮が求められております。

このような中、県においては、仮設スロープの設置に加え、現在、車いすやベビーカーの通行が容易となるよう、砂利園路のずれ防止対策を試験的に施工しております。

今後とも、高齢者や障がいのある人を含む全ての人が、より快適に親しむことができる環境づくりを目指し、文化庁のご助言をいただきながら、文化財の保護及び活用の観点に配慮し、バリアフリー化の充実に努めてまいります。

また、委員ご指摘のホームページの活用についてですが、県内随一の観光周遊拠点としていくためには、来園者の満足度を向上させていくことが何よりも重要であると考えております。

ホームページにつきましても、情報を発信していくツールとして有効な手段であり、委員からご指摘のありましたホームページ上の梅図鑑は、梅の開花時期や花芽の写真などを紹介するために開設しているものについてですね、梅に名札をつけてホームページの梅図鑑とQRコードなどによりリンクさせることも利用者のサービス向上として考えられる手法であり、その手法や説明方法等については、観光客のニーズなどを踏まえ、新しい検討会などで検討していきたいと思っています。

最後に障がい者用駐車場についてでございますが、高齢者や障がい者の方が偕楽園に来園していただくためには、できるだけ近くに障がい者駐車場が確保される必要があると考えております。
表門に近い元山町に設置した駐車場は、障がい者等の利用を目的としたものであり、その有効利用を図るため、今後、利用実態を調査し、案内誘導を強化するなど、利用促進を図ってまいります。

また、県立歴史館など、その他周辺に設置されている既存の駐車場の利活用などにも検討していきたいと考えております。

【江尻】

今知事がいろいろおっしゃったことは、全てこれから形になる。なっていないのに有料化が11月から先行するのでは、本県の観光に逆に水を差すものにならないのか。ですから、物には順序があるのではないかと申し上げました。

年間1億3千万円の収入見込みの中で、おおよそ梅まつり期間で約1億1千万円、期間外の県外者から約2千万円。その2千万円のために、県内か県外かを確認するための人件費が約2千万円かかると試算されています。また、子どもから半額徴収するといいますが、ではいったい来園者の何%が小中学生なのかと聞いてもそれさえ把握していない。こういう状況の中で有料化は見直していただきたいと、最後に強く要望します。

3. 原子力行政について

(1) 東海第2原発の再稼働と経理的基礎の検証

次に、原子力行政について知事に伺います。

前回の本委員会で、私は、地震が多発する地域での原発の危険性を質問しました。
一昨日は山形県沖で発生し、新潟で震度6強となり被害が広がっています。

そして今週月曜日朝には本県でも地震があり、震源は県北部で北緯36.5度、東経140.6度。これは原子力安全対策課に確認しましたら、「東海第二原発もまったく同じ北緯36.5度、東経140.6度に立地している」という説明でした。まさに原発の真下が震源だったのです。
地震の多い日本でそれを止める術がない以上、原発を止めるしかないと思います。

ところが、日本原電は莫大な費用をかけて再稼働をめざしています。最初は対策費430億円、それが780億円、1,740億円、そして3,000億円になる、それ以上かかるかもしれないとされています。

しかし、日本原電にはそれだけの自己資金がない。なので、電力会社に支援をお願いして、東電などが支援の意向を書面で提出しました。それをもって、規制委員会は原電に経理的基礎があるとして審査を通してしまいました。

それが、お配りしている資料1(PDF)です。これは、日本原電が昨年4月に規制委員会に出した公表資料の該当部分ですが、次のページ「資金調達計画」を見ても白抜きで非公表、次のページ「電気料収入実績と計画」も真っ白、次の「資金調達の見通し」まで白抜き。県民は何も知ることができません。

そして最後にあるのが、東電が日本原電に出した書面ですが、「資金支援について」、下から3行目の後ろに、「何ら法的拘束力があるものではない」としています。この書面1枚で、1,740億円の経理的基礎があると判断した規制委員会も規制委員会です。

ですから、「担保されていないんじゃないか」、「事故が起きたら原電に賠償能力があるのか」と県民から不信の声が出たのは当然です。そこで、経理的基礎について知事はどのように重要視されているのか、また県として独自に検証し直す考えがあるのか伺います。

【知事】

お答えいたします。
原子力発電所の設置や変更の際には、原子炉等規制法に基づき、原子力規制委員会が事業者の経理的基礎について審査することとなっております。

日本原電の経理的基礎についても、国や電気事業者が判断すべき問題と考えております。
県の役割は、県民の安心・安全の確保のため、東海第二発電所の安全性の検証や、実効性ある原子力防災体制の構築に取り組むことであります。

日本原電の経理的基礎については、国や日本原電からその内容を聴取し、安全性の検証結果や実効性ある原子力防災体制の情報とともに、県民に情報提供したいと考えております。

【江尻】

安心安全を図るためにも当然お金がなければそれはできません。
知事が仰ったように検証の際、県としてしっかり考えていただきたいことがあります。
例えば原電が再稼働をめざすと発表した後の今年4月、東京電力は「資金的協力について、当社はなんら決定しておりません」としています。

また、世耕弘成・経済産業大臣は、国会審議で「東京電力は福島への責任を全うするために、1銭たりとも無駄に使っている余裕はない」と答えました。

そして一昨日、東電の株主2人が、福島事故を起こした東京電力が他社を支援する資格はない、支援は中止すべきと、東京地裁に社長と副社長を訴えております。
こうした状況の中での再稼働は、到底県民の理解は得られるものではありません。再稼働に同意できないということを原電と国に伝えるべきだと思いますが、所見を伺います。

【知事】

お答えいたします。

放射性廃棄物の処理処分なども含めた原子力発電の経済性については、エネルギー政策の観点から国が判断すべきものであり、そのうえで、県としては、国のエネルギー政策における東海第二発電所の位置付けや必要性について示すよう、国に要望しております。

東海第二発電所の再稼働問題については、安全性の検証結果や実効性ある原子力防災体制の情報とともに、エネルギー政策における位置付けや必要性についても、県民に情報提供のうえ、県民の意見を聴いて判断していきたいと考えております。

【江尻】

東海第二の必要性について国に早く示してほしいと、県から今年も6月、要望書が提出されております。

(2) 原子力災害対策について

それが、資料2(PDF)です。「原子力災害について」という部分を抜粋したものですが、3ページ目の上段に、東海第二発電所の取扱いとして、こう要望しています。
「(中略)国のエネルギー政策における原子力発電の位置付けや東海第二発電所の必要性などについて国の考え方を早急に示すこと」と毎年同じような中身の要望がなされておりますけれども、国からなにか示されているのか、お答えください。

【知事】

お答えいたします。
国に対しては、安全性や防災体制の強化を図るために、国の主体的な取り組みや、県や市町村への支援を求めております。

これまでの県の要望に対しては、例えば、
・安定ヨウ素剤の使用期限について延長を求めていたところ、3年の期限だったものが5年に延長された
ほか、
・原子力発電所から30km圏外における万が一の防護措置として、安定ヨウ素剤が配布できる具体的な対策を求めていたところ、国における広域的な備蓄と配布できる体制の整備が図られたところ
であります。

国のエネルギー政策における東海第二発電所の位置付けや必要性については、これまでのところ、国の考え方は示されておらず、引き続き、要望してまいりたいと考えております。

【江尻】

いまのご答弁ですと、東海第二原発の必要性については何も言ってこない、ということなのでしょうか。再度確認いたします。

【知事】

要望書にありますような東海第二発電所についての国のエネルギー政策における位置づけや必要性について、国からの回答はまだいただいておりません。

【江尻】

では次のページにある一番下の「放射性廃棄物の処理・処分」については何か示されているのでしょうか。再稼働すれば必ず核のゴミ、放射性廃棄物が増えます。これをどう処分するのか、これについてはなにか示されておりますか。

【知事】

それについても具体的な回答はいただいておりません。

【江尻】

本当に無責任だと思います。全国ではこんな状況のままで原発を再稼働している地域があります。
県としては国がなんら示さないから毎年要望しているのだと思いますが、原子力行政の根幹にかかわる部分、国は8年間、何も示していない、示せないということですね。

一方で、本県と市町村が何年もかけて、人もお金も相当費やして避難計画を作らなければならないこと事態、おかしいことです。

確かに、国の防災基本計画で策定が義務付けられています。しかし、一企業の事故リスク・防災に、なぜ地方自治体が一義的責任を負わなければならないのか。本来なら事業所が被害を想定し、どうすれば住民を避難させられるのか、どんな準備が必要か、自治体になにを協力お願いするか、自分たちで賠償能力も含めて事業者が計画を作り、これでどうかと示すのが筋ではないかと思っております。

自治体に策定を義務付けている国の防災基本計画の見直しこそ、国に要望して企業への責任を持つよう求めていただきたいと思いますが、知事の所見を伺います。

【知事】

原子力災害時の避難計画の策定は、国の防災基本計画などにおいて、原子力発電所から概ね30km圏内の市町村が策定することとなっており、住民の安心・安全の確保のため、実効性ある原子力防災体制を構築することは、当然に県や市町村の責務となっております。

そのため県では、市町村の避難計画の策定を支援することを目的に、平成27年に広域的な避難先や避難経路など、基本的な事項を定めた広域避難計画を策定したところであります。

県としては、これまでも市町村とともに課題解決に取り組んできたところであり、国に対しては、要望活動や東海第二地域原子力防災協議会作業部会において、必要な支援を求めてきたところでありますが、日本原電に対しても、必要な対応を求めております。

原子力災害時の避難計画は、地域の実情を熟知している自治体が中心となって策定することが適切であるというのが国の見解であります。

一方で、避難計画の策定に際しては、例えば、避難に伴い必要となる移動手段の確保や、避難退域時検査等で必要となる要員・資機材の確保をはじめとした、地方公共団体だけでは解決が困難な様々な課題があり、国に対して必要な支援を求めているところであります。

また、他地域においては、例えば、高齢者の避難にあたり電力会社の社員が支援を行うことや、電力会社による福祉車両の配備などの対応がなされているところであり、日本原電に対しても、必要な対応を求めてまいりたいと考えております。

【江尻】

なぜか日本では自治体が作ることが当たり前のようにされていますが、決してそうではありません。

例えばアメリカでは、ニューヨーク州のショーラム原発のように、事業所が示した避難計画を州知事が不十分として認めず、一度も運転されず、わずか1ドルで売却された原発もあります。

再稼働のための対策工事、避難計画作りよりも、廃炉という本県にとっても長期にわたる一大事業に転換させることのほうが知事の大事な役割ではないでしょうか。所見を伺います。

【知事】

東海第二発電所の再稼働問題につきましては、まずは安全性の検証や実効性ある原子力防災体制の構築を行い、その結果について県民に情報提供し、その上で、県民の意見を聴いて判断してまいりたいと考えております。
そのため、国に対しては、引き続き、安全性の確保や実効性のある原子力防災体制の構築のために必要な要望を行ってまいります。

また、国におけるエネルギー政策における東海第二発電所の位置づけなどについても引き続き要望を行って、その情報についても県民にきちんと提供していきたいと考えております。

【江尻】

この質問の冒頭でも申し上げましたが、月曜日に起きた地震の震源地は、まさに東海第二原発の真下でした。震源とは、「断層の破壊が最初に起きた場所」であります。

ということは、東海第二原発の下に断層があるのか。活断層があれば再稼働は認められないのではないか。県の安全対策検討委員会等でこの断層の問題を議題にし、検証すべき重大な課題だと思います。最後にそのことを知事に要望しておきます。

【知事】

東海第二発電所の真下に起こる地震につきまして、ワーキングチームにおける委員からの意見を踏まえ、日本原電に評価するよう求めております。
今後、日本原電からの説明を聴取しながら、審議していきたいと考えております。

以上

2019年6月茨城県議会 予算特別委員会 江尻加那議員の質問と答弁(大要、PDF)

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