2017年3月定例県議会最終日 山中たい子県議が討論

日本共産党の山中たい子です。

第1号議案・修正案を除く平成29年度一般会計予算原案、第15号議案・平成29年度水道事業会計予算について、反対討論を行います。

働く人の実質賃金は、アベノミクスの4年で年額19万円も減り、家計消費も実質15カ月連続マイナスです。県内の1人あたり雇用者報酬は10年前に比べ、実に7万4千円も減っています。さらに、政府は社会保障予算の自然増さえ削減し、年金や医療・介護の更なる負担増が、県民生活に追い打ちをかけています。

新年度の県予算は、橋本知事6期目最後の予算編成でした。県政世論調査で県民が求めた「子育て支援・少子化対策」や「高齢者福祉サービス体制」「医療体制を充実」などの願いに応えることが最優先課題でした。

ところが、日本共産党が高校卒業までの医療費助成を求めたことについて、「財政状況を考慮すると困難」と切り捨てました。あと25億円でできます。すでに11市町が実施しています。また、保育所の待機児解消のためには、保育士の処遇改善は欠かせません。県独自の上乗せについて、知事は「適当でない」と拒否しました。国民健康保険の都道府県化が来年に迫り、今でも高い国保税の値上げが懸念されています。知事が廃止した県独自補助の復活要望にも応えていません。

一方で、知事は、「陸・海・空の広域交通の整備を進め、企業を誘致し」たことが本県経済や産業を成長発展させたと所信を述べ、改めて不要不急の大型開発優先の姿勢を示しました。売れ残り工業団地や開発用地の破綻処理に、これまで2,100億円も税金を投入し、未だ1,000ヘクタールもの土地と2,252億円の借金を抱えていることに、何の反省もありません。

また、国体やオリンピックに向けた茨城空港と常磐道を結ぶアクセス道路に51億円。茨城空港の就航対策費に11億円。空港の活性化、地域振興の拠点といって、いつまで税金投入を続けるのでしょうか。
八ッ場ダムや霞ヶ浦導水事業などを推進するのに21億円です。中央広域水道の基本料金の値下げはわずか3億円です。引き続き、水道料金値下げを強く求めます、

東電常陸那珂火力発電所の石炭灰の次期処分場建設には173億円計上しました。
東海第2原発の再稼働中止と廃炉は、県民多数の強い願いですが、知事は一貫して国任せの態度です。土浦市議会と鹿嶋市議会は、東海第2原発の運転期間の20年延長申請を行わないことを求める請願を採択しました。

知事は就任以来、人件費抑制のためとして、県職員を2,039名、教職員を3,483名も削減してきました。これについて、県が実施した職員アンケートでも、「人員削減は限界に近い」と指摘されました。第7次行革大綱案では、職員数の現状維持を打ち出していますが、必要な職員配置と働きやすい職場環境づくりが求められます。
よって同意できません。

請願第3号は、地域公共交通体系の確立をまちづくりの基本に据えることを求めています。県北地域にあって、ニーズに応え乗り合いタクシー事業を担うNPO法人は、地域公共交通ネットワークの構築に欠かせません。よって、不採択に反対します。

請願第4号は、主要農作物種子法の廃止に反対しています。種子法により、本県は、コメ・麦・大豆などの優良種子の生産・改良などの種子開発と安定供給に責任を持っています。市場開放が安定供給に影響を及ぼすことや外資による種の独占を招きかねず、不採択に同意できません。

なお、このあと議題となる議第3号は、過去3回、国会で廃案となった「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の撤回を求める意見書です。

「共謀罪」の対象犯罪は、277にのぼり、2人以上で犯罪の実効を「計画」するだけで処罰の対象となります。「思っただけでは犯罪にならない」という近代刑法の原則を大転換するものであり、撤回すべきです。

議第4号は、児童扶養手当の増額と年金との併給を求める意見書です。様々な事情を抱えた子どもを養育する祖父母について、児童扶養手当と年金を満額併給できるようにすべきであり、可決を求めます。

以上で討論を終わります。

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