2016年6月茨城県議会 山中たい子県議の一般質問
〈質問項目〉
- 知事の政治姿勢について(答弁・知事)
(1) 政治資金
(2) 県広域水道事業
(3) 豪雨災害対策 - 福祉行政について(答弁・知事)
(1) 改定障害者総合支援法の課題
(2) 地域包括ケアシステムの拡充 - 教育行政について(答弁・教育長)
(1) 特別支援学校の新設
(2) 給付制奨学金制度 - 原子力行政について(答弁・知事)
(1) 老朽原発の廃炉
(2) 広域避難計画
項目
1. 知事の政治姿勢について
日本共産党の山中たい子です。
質問に先立ち、熊本地震によって犠牲となられた方々のご冥福をお祈りし、被災された皆さまに心からのお見舞いを申し上げます。
最初に知事の政治姿勢についてお尋ねします。
いま、参院選挙を目前に安倍政権の暴走に対し、県民から「戦争法はいやだ」「この貧富の格差をなくせ」という声がひろがっています。
大企業が儲かれば、いずれは家計にもまわるというのがアベノミクスのうたい文句でした。
たしかに大企業は史上最高の利益をあげ、内部留保は300兆円を超えました。しかし、働く人の実質賃金は5年連続のマイナス、個人消費も2年連続のマイナス。いずれも戦後初めてという異常事態です。本県でも、雇用者報酬は2年連続でマイナスとなりました。アベノミクスの失敗は、この茨城にも、はっきりとあらわれています。
こうした時こそ、県民の暮らし最優先の県政運営が求められています。
知事の政治姿勢はどうでしょうか。
(1)政治資金
まず、政治資金についてです。
政治とカネをめぐっていま、都知事の公私混同、甘利前経済再生担当大臣の口きき疑惑が連日のように報道されています。
私は、橋本知事の資金の集め方について伺います。
知事の資金管理団体の収入は、この5年間だけをみても3億円を超えています。その9割近くは政治資金パーティーによる収入でした。報告義務のある20万円以上のパーティー券を購入している企業・団体のなかには、県との関係が強い企業・団体が含まれています。
とくに最近増えているのが産業廃棄物関連の企業です。この5年間で820万円の政治資金が提供されています。
産廃事業者に対しては、収集・運搬、処分にいたるまで、知事には多くの許可権があり、業者の違反行為には行政処分の権限が与えられています。
それだけに産廃行政においては、厳格で公正な対応が求められています。
国においては2014年5月、閣議決定によって改正した「大臣規範」のなかで、「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する」ことを決めています。
政治資金パーティーによる収入は、形を変えた企業・団体献金にほかなりません。
こうした資金集めは、やめるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
【知事答弁】
山中たい子議員の御質問にお答えいたします。
初めに、私の政治姿勢についてご質問いただきました。
まず、政治資金についてであります。
私も事務所を構え、人を雇用しておりますことから、事務所の借上げ料や人件費、その他の必要な経費がかかっているところであります。
そのため、政治資金規正法に基づき、適正に政治資金パーティーを開催しているところであります。
パーティーは、私に対する支援の輪を広げてもらう場であるとともに、支援者の皆様同士が交流を深める場でもありますことから、私を応援して下さる各界各層の方々に幅広く御参加を頂いているところであり、一部の企業の方々の参加をご遠慮いただくということはしておりません。
先ほど産業廃棄物処理業者のことが議員からご指摘がありましたが、例えば、昨年9月の関東・東北豪雨の際にも発災直後から産廃事業者の方々が不眠不休で災害現場の復旧工事や廃棄物処理に従事してくれたからこそ、迅速な復旧ができたところでありまして、こうした企業が私の政治姿勢に賛同してパーティー券を購入していただけるというときに、わざわざその参加を断ることの方が、むしろ不自然でないかと考えております。
私といたしましては、今後とも、政治資金パーティーにつきましては、政治資金規正法に基づき適切に対応してまいりたいと考えております。
(2)県広域水道事業
知事の政治姿勢は、水道事業にも色濃くあらわれています。
県広域水道事業からの受水費が高過ぎるため、市町村の負担は耐えがたいものになっています。
つくば市では、一般家庭で32%もの大幅値上げを計画しています。
子育て世代の方は、「これから教育費がかかる。なにを削ったらいいのか。節約にも限度がある」。また、年金暮らしの女性は、「いまでさえ風呂の回数をへらし、洗濯もできるだけまとめてしている」「値上げはやめてほしい」と訴えています。
県内4広域水道関係市町村からも2011年以降、毎年5年連続で料金の値下げ要望がだされ、昨年4月につくば市からも「県南広域水道事業の水道料金の値下げに係る要望」がだされました。
こうした声に県がまともに答えていれば、市民への大幅値上げは回避できるのです。
そこで知事に2点お尋ねします。
1点目、昨年4月に策定した「企業局経営戦略」の投資・財政計画では、本県水道用水供給事業において、施設改築や更新、管路の耐震化などの事業を毎年進めてもなお、10年後も黒字を見込んでいます。黒字額の合計は165億6,900万円。値下げできる原資は充分にあるのです。事実、本年4月から工業用水道料金を年間13億円も値下げしました。
大企業の要望には応えても、市民の苦しみには目をそむけるのでしょうか。
県民生活に直結する県広域水道用水供給事業の料金を値下げするべきと考えますが、いかがでしょうか。
2点目、2011年の震災によって、もっとも長期間、給水がストップしたのが県の広域水道でした。それにくらべ、つくばの小規模な簡易水道はほとんど被害がなく供給停止もなかった、そして料金が格段に安いことも判明しました。
この際、長期水需給計画を根本から見直し、八ツ場ダムや霞ヶ浦導水事業などの水源開発を中止すべきです。知事の所見を伺います。
【知事答弁】
県広域水道事業についてお答えいたします。
まず、水道料金の値下げについてであります。
水道料金は、ダムなどの水源費や施設整備の為の借入金の償還、維持管理費及び今後の施設改築等の費用を考慮しながら、長期的な展望に立って設定しております。
企業局では、経営・財務状況を的確に把握し、将来においても安定的に事業を継続していけるよう考慮し、計画期間を10年間とする、企業局経営戦略を平成27年度に策定いたしました。
この経営戦略では、計画期間中の水需要を過去の実績を参考に、ほぼ横ばいと見込み、現行料金を維持した場合に、毎年度黒字は確保できるものの、その額は年々減少していくものと見込んでおります。
こうした中で、浄水場の改修や管路の耐震化などを進めるため、約705億円の建設改良投資を行うこととしております。
このような投資に要する経費等を考えますと、料金の値下げが直ちに出来る状況にはないと考えております。
一方、最近の県内の水道料金の値上げ状況を見てみますと、7つの市町村で実施しておりますが、県水受水率は坂東市と東海村を除くと極めて低く、特に日立市、高萩市は0パーセント、水戸市は0.5パーセントとなっておりますので、受水費が直接、値上がりにつながっているとは考えられないところであります。
また、7つのうち6つの市町村については、県内でも極めて低料金の市町村でありましたので、今後の経営見通しなど諸般の事情から値上げに踏み切ったものと考えられます。
なお、つくば市の水道料金につきましては、現在、県内で一番安い状況にありますが、水需給の動向や施設の老朽化の状況なども踏まえ、審議会で検討が行われたものと聞いております。
4つの広域の水道料金については、今年度、料金の見直しを行いますが、維持管理費の抑制や浄水場の運転管理の見直しなどによる経費節減など、経営戦略に基づく経営努力を引き続き行いますとともに、経営戦略策定時と比べ大きな情勢の変化があれば、それらを踏まえて適切な料金を設定してまいりたいと考えております。
次に、水源開発の中止についてお答えいたします。
企業局が、現在、完成済みの水質源開発施設で確保している水量は、県南広域水道用水配給事業の利根川給水系において、需要の4割程度、県中央広域水道用水配給事業の水戸給水系において、需要のわずか1割程度しか満たすことができない状況にあります。
このため、現在開発中の八ッ場ダムや霞ヶ浦導水の完成を前提に暫定水利権を取得し、県南広域水道利根川給水系においては日量約44,000トン、県中央広域水道水戸給水系においては、日量約29,000トンを安定水利権に上乗せして給水している状況にあります。
このように、不足している水量を暫定水利権でまかなっている状況に加え、引き続き、水道普及率の向上や、地下水から県広域水道用水供給事業への転換を図る必要があることなどから、霞ヶ浦導水や八ッ場ダムによる水源開発は必要不可欠であると考えております。
さらに、霞ヶ浦導水においては、霞ヶ浦、千波湖の水質浄化や、那珂川、利根川の渇水対策として、また、八ッ場ダムにおいては利根川の洪水対策としても必要な事業であり、中止すべきではないと考えております。
(3)豪雨災害対策
次に、豪雨災害対策です。ここでも、知事の姿勢が問われています。
常総市の三坂地区と若宮戸地区は、流下能力が最も不足している場所でした。しかし、国の直轄河川改修事業において、当面、改修すべき区間に盛り込まれていませんでした。湯西川ダムなど上流4ダムに巨費を投じながら、鬼怒川や八間堀川など重要河川の維持改修と堤防整備を怠ってきた国と県の責任は明確です。
現在、鬼怒川緊急プロジェクトの工事が進められています。堤防決壊という最悪の事態を招いた三坂地区は、堤防天端を拡幅・嵩上げし、川側全体をコンクリートブロックと遮水シートで覆って強化しました。しかし、宅地側は盛り土のままです。
一方、太陽光パネル設置で自然堤防を掘削した場所から溢水した若宮戸地区は、川側も宅地側も盛り土だけで進めています。「これでホントに大丈夫か」と、住民から不安の声があがっています。法面の強化を強く求めています。この声を、知事は真剣に受け止め、国に強く要請していただきたい。お答えください。
安心して暮らせる住まいの再建は復興の要です。2007年の「改正被災者生活再建支援法」の付帯決議には、「住宅再建は、地域社会の迅速な復興のために極めて重要」と明記されています。
阪神淡路大震災後の世論と運動で創設・拡充されてきた住宅再建支援金は300万円から500万円に引き上げるなど、抜本的な拡充が必要です。
通常国会に野党4党が共同提出した「被災者生活再建支援法改正案」は重要です。加算支援金の額を2倍にして上限を500万円とし、国庫補助は2分の1から3分の2へ引き上げるものです。
知事には、改正案実現を強く国に働きかけていただきたい。また、その実現まで当分の間、本県独自の上乗せを求めます。合わせて、知事の所見を伺います。
【知事答弁】
豪雨災害対策についてでございます。
鬼怒川の河川整備につきましては、国において、「鬼怒川緊急対策プロジェクト」として、河川激甚災害対策特別緊急事業等を活用し、約580億円をかけ、平成32年度の完成を目指して、緊急的・集中的に事業が進められているところであります。
先月末には、常総市三坂地区の堤防決壊箇所の堤防整備が完成し、常総市若宮戸地区や下妻市前河原地区の大規模な溢水が生じた箇所につきましても、工事が進められるなど、整備の進捗が図られております。
住宅側の堤防のり面の被覆についてお尋ねいただいたところでございますが、「試験的に施工された事例はあるものの、越水に耐えうる効果の確実性などに課題があり、全国的に展開する状況には至っていない」と国から説明を受けているところであります。
鬼怒川の堤防整備の手法につきましては、昨年の関東・東北豪雨と同規模の洪水が再び発生した場合でも、計画高水位以下で安全に流下させることができるよう、堤防の嵩上げや拡幅、河道掘削等で対応することとなっております。さらに、漏水やパイピング現象が多く発生したことから、必要な箇所においては、鋼矢板の設置や、堤防内に浸透した水を堤防の外に排水するための施設の設置等も実施していくこととなっております。
県といたしましては、現在のこの計画を、一連区間において迅速かつ着実に、一日でも早く進めていただくべきと考えており、国としっかり連携を図り、鬼怒川緊急対策プロジェクトの推進に努めてまいります。
次に、被災者生活再建支援についてであります。
まず、支援金の限度額につきましては、平成16年に300万円へ引き上げられて以来、金額が据え置かれているところであり、近年における住宅建設費用等の増加などを踏まえて、県では、限度額を引き上げることが必要であると考えてきたところであります。
また、支援金の財源が全都道府県の拠出による基金であることから、災害の規模が大きい場合、都道府県にとって極めて大きな負担となるため、基金への国庫補助率の拡充が必要であると考えております。
このため、県では、これまでもあらゆる機会を捉えて、国に直接、あるいは、関東知事会を通して、支援金の限度額の引き上げ及び基金への国庫補助率の拡充について、要望活動を行ってまいりました。
去る5月30日にも内閣府特命担当大臣に対して要望を行いましたところ、「財源等の問題から難しい」との見解が示されましたが、県といたしましては、被災者の生活再建を少しでも支援するため、引き続き粘り強く国へ働きかけてまいりたいと存じます。
なお、野党4党による改正法案が5月13日に衆議院へ提出され、現在は、閉会中審査に付されているところでありますので、是非、早期の法案成立のために、議員にも御尽力をいただければと思っております。
次に、改正法案の成立までの間、引き上げ額を県が負担することにつきましては、県単独で支援金の限度額を500万円まで引き上げた場合には、昨年の豪雨災害と同様の規模を想定しますと、支援金の支給総額が約49億円増加いたします。あるいは、東日本大震災における本県の被害と同程度を想定しますと、支給総額が約119億円増加すると試算されまして、極めて膨大な金額となることなどから、現状では県単独の負担で措置することは難しいと考えております。
県といたしましては、支援金の額の引き上げなど法改正等に関する国の動向を注視しながら、適切に対応してまいります。
2. 福祉行政について
(1)改定障害者総合支援法の課題
次に、福祉行政について伺います。
まず、先の国会で改定された障害者総合支援法についてです。
3年前に厚生労働省が障害者自立支援法違憲訴訟原告団と結んだ「基本合意」や「骨格提言」に基づいて改定されるはずでした。
障害者が求めていたのは、65歳になると、それまで多くが無料だった障害者福祉サービスから、原則1割負担を伴う介護保険に移行させる、介護保険優先原則をなくすことでした。ところが、改定法にはこの原則が残されました。
ある筋ジストロフィーの男性は、24時間の介助が必要で障害者福祉サービスを受けていましたが、「入院中に65歳になったら、今度は介護保険で1割負担が生じると言われた。なぜ、歳をとったら負担が増えるのか」と話しています。現在、月2回の外出支援以外は全て介護保険サービスを利用し、毎月の負担が1万5千円から2万円を超す月もあります。
多くの障害者が無料だった制度から、原則1割負担の介護保険に移行され、苦しんでいます。
そこで、介護保険優先原則を廃止するよう国に求め、利用者負担が生じないよう現物給付で軽減策を図ることについて、知事の所見を伺います。
【知事答弁】
福祉行政についてお答えいたします。
まず、改定障害者総合支援法の課題についてでございます。
障害福祉サービスを利用される方が65歳となり介護保険対象者となった場合、就労支援や自立訓練など、障害福祉サービス固有のものと認められるものを除き、原則として介護保険からの給付が優先されることとなっております。
この原則は、公費負担の制度よりも、社会保険制度の給付を優先させるという国の考え方に基づくものであります。
しかしながら、その具体的な運用については、一律に介護保険適用とすることなく、必要とする障害福祉サービスに相当する介護保険サービスにより、適切な支援を受けることが可能か否かについて、市町村が障がい者個々人のおかれた状況に基づき判断しているところであります。
本改正にあたっては、全国知事会としても、障がい当事者や障がい関係団体をはじめ、実施主体である地方公共団体等の意見を十分に踏まえたうえで、障害福祉サービスと介護保険の両制度に基づくサービスの提供の在り方について十分に検討するよう国に要望したところであります。
今般、通常国会において、いったん1割の負担は生ずるものの、後に償還払いにより給付されるといった利用者負担を軽減する仕組みなどが盛り込まれた改正障害者総合支援法が成立したところであります。
今後、平成30年度の施行に向け、負担軽減となる対象者の障がいの程度や所得の状況などの要件については、政省令等で順次規定していくとされておりますので、障がい者が必要なサービスを利用できなくなることのないよう、現場の実態を把握し、国に現場の実情を伝えてまいります。
負担軽減の方法でございますが、現物給付方式とした場合、国保連合会や各市町村のシステムはもとより、障害福祉サービス及び介護保険の各事業所の端末に至るまで、システムに大掛かりな改修が必要となってまいります。
国は新たな制度の円滑な施行のため、現行の両制度に設けられている償還払いの仕組みを用いるとのことですが、実際の運用に当たっては、申請手続きの簡素化や一時的であっても利用者負担の支払いが困難な方への配慮について、必要な検討をすることになっております。
県といたしましては、一時的であっても利用者負担が困難な方の実態を把握したうえで、より利用者に寄り添った制度運用となるよう、国に要望してまいります。
(2)地域包括ケアシステムの拡充
続いて、地域包括ケアシステムの拡充についてです。
2014年5月、全野党が反対するなか、医療介護総合法が成立しました。特別養護老人ホーム入所は原則要介護3以上とし、入院ベッドの削減で重症患者まで在宅で受け皿をつくるなど、社会保障を切り捨てるものです。
その受け皿として、来年度中に、全市町村において介護予防・日常生活支援総合事業を実施する計画です。その中核的な機関として地域包括支援センターが位置づけられています。
本県の第6期高齢者プランでは、2017年度までに地域包括支援センターを152か所設置する目標を掲げていますが、現在68か所です。
ある支援センターの担当者は、「一人ひとりの高齢者の生活実態を丁寧に把握して、要支援のプランを作るのは大事な仕事です。しかし、いまの体制では不十分」と話しています。
地域包括支援センターには原則、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員の3職種を配置する必要があります。これらの専門職の確保、人材育成も含めた、センターの設置促進をどう図っていくのか、知事の所見を伺います。
また、本県にはすべての要援護者を対象とした「茨城型地域包括ケアシステム」がありますが、体制が後退しているのが現状です。独居老人や子どもの貧困など1人ひとりの支援や地域づくりを推進するには、地域ケアコーディネーターの役割が重要です。コーディネーター配置のための、一人あたり、わずか150万円の補助を増額する必要があります。知事の所見を伺います。
【知事答弁】
地域包括ケアシステムの拡充についてお答えいたします。
まず、地域包括支援センターの設置促進についてでございます。
地域包括ケアシステムは、高齢者の日常生活の支援が包括的に確保される体制を構築するものでありますことから、県では、地域包括支援センターの設置目標数を、市町村ごとの日常生活圏域数に基づき、152か所と設定したところであります。
しかし、市町村によっては専門職を集約するために、1か所のセンターで複数圈域を担当させているところもあることから、センターの数では68か所にとどまっておりますが、住民の利便性も考慮のうえ、支所であるサブセンターや、地域の住民に身近な所で相談を受け付けてセンターにつなぐ機能を果たすブランチと呼ばれる窓口を設置するなど、実情に応じた対応がなされているところであります。これらを合わせますと147か所のセンター・窓口が設置されており、実情を踏まえた効果的・効率的な設置がなされているものと考えております。
また、人材の面でも、センターに配置されている専門職の合計数は、保健師と社会福祉士がそれぞれ約140名、主任介護支援専門員が約100名となっており、必要な専門職は概ね確保できているところであります。
今後、総合事業の実施を踏まえ、県といたしましても、引き続きサブセンターやブランチを含めたセンターの増設や機能の充実・強化を働きかけ、県民が地域包括支援センターのサービスを享受しやすい環境をつくってまいります。
次に、地域ケアコーディネーターの人件費に係る補助の増額についてであります。
本県がこれまで20年以上に渡って培ってきた地域ケアシステムのノウハウを踏まえると、茨城型地域包括ケアシステムを拡充するためには、それぞれの市町村において多職種連携のチームを組み、一体となって取り組むためのコーディネート機能を強化することが最も重要であると考えております。
チーム編成の要となる地域ケアコーディネーターの人件費等の補助を増額することは、市町村の費用負担の減少にはつながりますが、県としては地域包括ケアシステムを推進していくためには、それ以上に人材の質の向上が重要であると考えており、ケアマネジメント技法や、在宅医療の取組等に関する研修を実施するなど、コーディネート機能のさらなる強化に力を入れているところです。
また、今後は市町村ごとの取り組みに大きな格差が生じないよう、昨年度策定した「茨城型地域包括ケアシステム推進マニュアル」を活用し、広域的な観点から、市町村の取り組みについて検証する場を定期的に設け、進捗状況を確認しながら、個別助言を行うことなどにより、市町村を積極的に支援し、茨城型の地域包括ケアシステムの拡充に努めてまいります。
3. 教育行政について
(1)特別支援学校の新設
次に教育行政について、教育長にお聞きします。
特別支援学校の新設についてです。つくば特別支援学校の過密解消は、茎崎地区と筑波地区の通学区域の変更と石岡市内の新設校設置で対応することになりました。
つくば特別支援学校の児童生徒数は現在398人、不足教室数は25クラスです。石岡の新設校開校時、3年後は児童生徒数338人、不足教室数は12クラスと見込んでいます。過密状態は全く解消されません。こうした事態に、つくば市議会は3月議会において、市内に新設校設置を求める意見書を全会一致で可決しました。
つくば市内は、TX沿線開発地区を中心に人口が増加しており、つくば特別支援の過密状態を抜本的に解消する必要があります。市内の新設校計画を持つべきではありませんか。お答えください。
石岡市内に予定される新設校には、給食施設の計画がありません。センター方式ではなく、自校方式の実施を強く求めます。
重複障がいの子ども達が増えています。ペースト状にしたり、刻む、つぶすなど再調理が必要な子ども達の為に、丁寧できめ細かな対応ができるのが自校方式です。調理員との日常的な交流も大切な教育ではないでしょうか。災害時は福祉避難所として給食施設を活用することができます。
新設校の給食は、自校方式で実施していただきたい。合わせてお答えください。
【教育長答弁】
教育行政についてお答えいたします。
まず、特別支援学校の新設についてでございます。
はじめに、つくば市内への新校設置についてでございますが、つくば特別支援学校は、平成19年度の開校以来、児童生徒数が年々増加し、過密状態にありましたことから、今般その改善策として、石岡市に新校を設置いたしますとともに、併せて通学区域の見直しを進めているところでございます。
こららの対応により、不足教室は現在の25室から、12室程度に半減する見込みであり、完全な過密解消には至らないものの、計画前の深刻な状況からは相当程度の改善が図られるものと考えております。
なお、残る不足教室につきましては、必要に応じ教室配置の見直しや施設の改修等により、引き続き対応してまいります。
具体的には、知肢併設型であるつくば特別支援学校は、広い特別教室を多く整備しておりますので、この特別教室を普通教室と入れ替え、これを分割して普通教室2教室分に改修するなど、児童生徒への教育上の支障が無いように配慮しながら、必要な教室の確保に努めてまいります。
なお、つくば市内への新校の設置につきましては、今後、引き続き児童生徒数の推移等を注視しながら、適切に対応してまいりたいと存じます。
次に、新設する特別支援学校における学校給食についてでございます。
現在、県内の特別支援学校の多くは自校給食方式をとっておりますが、昨年度開校いたしました常陸太田特別支援学校では、常陸太田市のご協力をいただき、市の学校給食センターから配食していただいております。
一方、新校における給食の提供方法につきましては、現在、石岡市と協議しながら、検討を進めているところでございます。
特別支援学校の児童生徒の中には、ペースト状の食事の対応が必要な場合もございますので、給食の提供にあたりましては、そうした児童生徒一人一人の個別事情にきめ細かく対応できる体制を整えてまいります。
今後とも、保護者の意見を十分に踏まえながら、市町村教育委員会など関係機関と連携を図り、特別支援学校の教育環境の充実に努めてまいります。
(2)給付制奨学金制度
給付制奨学金制度についてです。
日本学生支援機構の調査によると、学生の半数が奨学金を利用しています。
奨学金を利用しなければ、大学で学ぶことができず、卒業時には平均300万円、大学院に進学すれば、500万円~800万円もの借金を背負ってしまうケースもあると聞いています。
高い学費でありながら、給付制奨学金制度がない、日本の高等教育の最大の課題であり、早急な改善が必要です。
国の責任で無利子中心の奨学金制度に切り替え、給付制奨学金を速やかに創設することを国に求めていただきたい。本県独自に有利子奨学金に対する利子補給制度や高校生や大学生に対する給付制奨学金制度を創設するなどの支援策も必要ではありませんか。
教育長の所見を伺います。
【教育長答弁】
給付制奨学金制度についてお答えいたします。議員から4点ご質問をいただきました。
まず、1点目、大学進学者向けの奨学金制度の早期創設を国に求めることについてでございますが、先日、国が公表いたしました「一億総活躍プラン」の中に、給付型奨学金制度の創設に向けた検討を進めることが盛り込まれたところでございます。
現在、国におきましては制度創設に向け、財源の確保などの課題について検討が進められており、給付金額や給付対象者などを含めた制度の案を、来年度予算の概算要求前までに取りまとめる予定となっております。
県といたしましては、これまで全国知事会や全国都道府県教育委員会連合会をとおして、国に対し奨学金制度の充実について要望してまいりましたが、引き続き、給付型奨学金制度の早期創設について働きかけてまいります。
次に、2点目、県独自の大学生向け給付制奨学金制度の創設についてでございます。
これにつきましては、まずは、国が給付型を導入した後の運用状況や実績などを見極め、そのうえで、本県における導入の必要性や緊急性を初め、給付の在り方、財源の確保などの様々な課題について、幅広く検討していく必要があるものと考えております。
次に、3点目でありますが、日本学生支援機構の有利子奨学金への利子補給につきましては、現在、国におきまして、無利子奨学金の貸与人員を増員し、奨学金の無利子化への流れを加速しており、一億総活躍プランにも、有利子奨学金の見直しを検討することが盛り込まれております。県としては、当面こうした国の動向を注視してまいりたいと存じます。
最後に、高校生に対する給付制奨学金の創設についてでございます。
高校生につきましては、近年、教育費の負担軽減や低所得世帯への支援が充実してきたことなどから、奨学金利用者は年々減少傾向にございます。
特に、平成22年度からは、授業料の無償化や高等学校就学支援金制度が開始され、さらに平成26年度からは、低所得世帯を対象に教育費を支援する「奨学のための給付金」など、経済的支援制度を実施してまいりました。
今後とも、家庭の経済状況にかかわらず希望に沿った進路選択ができますよう、まずはこうした経済的支援制度や奨学金制度の周知を図り、しっかりと運用してまいりたいと考えております。
そのうえで、高校生向けの給付制奨学金制度につきましては、財源の確保はじめ様々な課題を踏まえ検討してまいりたいと存じます。
いずれにいたしましても、奨学金制度につきましては、今大きな転換期にあるものと考えております。
平成26年、国の「学生の経済的支援の在り方に関する検討会」からの報告書の中でも、奨学金制度についての今後の改善の方向が示されております。
今後は、こうした流れを踏まえ、国の動向や他県の対応なども参考にしながら、本県の奨学金制度の在り方について検討してまいります。
4. 原子力行政について
(1)老朽原発の廃炉
次に、原子力行政について、老朽原発である東海第二原発の廃炉を求めて質問します。
いつ、どこで大災害が起きてもおかしくない地震列島の日本で、原発の危険性は高まり、老朽原発はなおさら危険です。
6月2日、東海第二発電所内の廃棄物処理施設で、750リットルの放射性廃液が漏れ出す事故が発生しました。運転開始以来59回目の事故であり、報告義務のないトラブルを含めると258回にのぼります。
今回漏れ出た廃液には、コバルト60等の放射性物質が1リットル当たり37万ベクレル含まれるとのことですが、配管金属の腐食や疲労が原因ではないか。原子炉や配管などのステンレス鋼材は、中性子が当たり続けることによって劣化し、亀裂が入りやすくなる。これは避けがたい法則であり、原発の運転期間は原則40年とされました。四国電力伊方原発でも一昨年、配管からコバルト60等の放射性物質が漏えいし、その配管が32年間一度も交換されていなかったことが明らかとなりました。
そこで、第一に、今月2日の放射性廃液漏えい事故を受け、県はどのように対応したのか伺います。
第二に、間もなく40年の運転期限を迎え、かつ、東日本大震災でM9の地震と津波の被害を受けた原発の状況を、どのように考えるのか伺います。
第三に、60年運転に必要な国への運転期間延長認可は、来年9月~11月が申請期間であり、それは知事選挙時期と重なります。廃炉を宣言することが、どれだけ茨城のイメージアップにつながるか考えていただきたい。
老朽原発であり、被災原発である原発は直ちに廃炉を求め、再稼働や運転延長を認めるべきではないと考えます。本県でも、原発に変わる再生可能エネルギーは、太陽光発電導入量が原発1基分を超えて広がっています。知事の所見をお示しください。
【知事答弁】
原子力行政についてお答えいたします。
まず、老朽原発の廃炉についてでございます。
はじめに、東海第二発電所において先日発生した放射性廃液の漏えいを受けた県の対応についてお尋ねいただきました。
今回の事案は、廃液の漏えいが管理区域内に設けられた堰内にとどまっており、県や事業者が設置するモニタリングポスト等の測定値に異常はなく、幸い周辺環境に影響をおよぼすものではございませんでしたが、県といたしましては、日本原電から第一報の連絡を受けた後、直ちに、県が設置するモニタリングポストにおける測定値の監視頻度を高めますとともに、日本原電から逐次、電話及びファクシミリ等により、現場の状況に関する情報収集に努めたところであります。
その結果、周辺環境への影響や作業員への被ばく等がないことが確認されましたことから、その結果を速報としてとりまとめ、記者発表等により県民にお知らせしたところであります。
さらに、翌日には、東海村とともに施設の立ち入り調査を実施いたしました。県からは、原子力安全調整監など3名を現地に派遣し、漏えいの拡大防止措置や現場の監視体制の強化が図られていることなどを実際に確認しますとともに、日本原電に対し、速やかな原因究明と再発防止策の検討、漏えい発見以降の初動対応に関する検証の実施などについて要請を行ったところであり、この結果につきましても県のホームページで公表しているところであります。
今後、日本原電の対応状況について報告を受けたうえで、関係市町村とともに立入調査等により確認し、必要な対策を日本原電に求めてまいりたいと考えております。
次に、東海第2発電所の健全性についてでございます。
平成23年に発生した東北地方太平洋沖地震により、東海第二発電所が立地する東海村においては、震度6弱の地震が観測されたところであります。
このため、日本原電では、東海第二発電所内における地震観測記録を用い、安全上重要な建物や機器・配管等に対する影響評価を実施し、原子炉施設の健全性に問題がなかったと評価しているところであり、この結果については、国の検討会合や県の原子力安全対策委員会においても確認がなされているところであります。
また、現在、新規制基準に基づき、東海第二発電所の安全性を評価する上での基準地震動に係る審査が行われており、その結果を受けて、日本原電は必要な耐震対策を講じることとなります。
県といたしましては、東海第二発電所の安全性を検証するため、県の原子力安全対策委員会の下に「東海第二発電所安全性検討ワーキングチーム」を設置しているところであり、今後、耐震対策の状況はもとより、施設、設備の健全性も含めた幅広い観点から安全性をご審議いただくこととしております。
東海第二発電所につきましては、現在、国の原子力規制委員会において進められている新規制基準への適合性審査の結果や県の原子力安全対策委員会における検討結果等を踏まえた上で、原子力審議会における審議、県議会や地元自治体との十分な協議をさせていただきながら、県としての対応方針を決定してまいりたいと考えております。
(2)広域避難計画
最後に、避難計画についてうかがいます。
2012年10月に原子力災害対策指針が制定され、県、市町村では、過酷事故を想定した避難計画の策定作業が進められています。
そもそも、一企業の事故にたいして、なぜ自治体が時間と労力と予算をつぎこんで計画を作らなければならないのか。アメリカでは避難計画は電力会社がつくるもので、自治体はその可否を評価することになっています。そのため計画が認められず、一度も稼働しないまま廃炉になった原発もあるほどです。
30km圏内の人口が世界一多い東海第二原発の場合、100万人規模の避難が不可能であることは火を見るより明らかです。しかも一時的な避難だけですむ話ではありません。帰る家、地域、働く場がなくなってしまうのが原発事故です。
知事は今年3月、「いばらき未来共創プラン」と称する「総合計画」を策定し、そのあいさつのなかでこう述べています。
「本県は、豊かな自然や暮らしやすい気候風土、特色ある歴史・文化」、そのあとに続けて、茨城の産業、農業、交通ネットワークなど魅力と発展の可能性をうたいあげています。
しかし、原発事故の避難計画はこれらすべての魅力と可能性を根底から覆すものではないでしょうか。再稼働をもし認めたとすれば、燃料棒の冷却期間をふくめ30数年間、総合計画の目標年度まで、県民と県土をおびやかし続けます。
「安心、安全、快適」の総合計画と、「事故、被災、放射能」の避難計画。この矛盾の唯一、最大の解決策は廃炉の決断です。
再稼働を前提にした避難計画など認められないことは当然ですが、宮城県美里町は避難計画の中に「女川原発の再稼働を容認するものではない」と明記しました。知事は避難計画と再稼働について、現在どのような考えをお持ちなのか、伺います。
さらに、総合計画には県民の原子力防災にむけた取組として、防災講座への参加者1万1千人を目標としていますが、防災訓練については一言もふれておりません。計画の実効性を確認するための、県における避難訓練を実施する考えがあるかどうかお答えください。
以上で質問を終わりますが、答弁によりましては再質問いたします。
【知事答弁】
広域避難計画についてお答えいたします。
原子力災害に備えた広域避難計画につきましては、国の防災基本計画等により、UPZ内の市町村が策定することとされており、発電所の再稼働の有無に関わらず、策定するものであります。
再稼働にあたっての避難計画の位置づけにつきましては、明確な規定はありませんが、既に再稼働した地域では、国の防災基本計画に基づき、各地域の原子力防災協議会において、避難計画を含むその地域の緊急時における対応が、具体的かつ合理的であると確認されていること、また、政府の再稼働要請文書においても、政府の方針の一つとして「避難計画を含む地域防災計画について、政府として計画の更なる充実のための支援やその内容の確認を行うとともに、計画の改善強化に継続して取り組んでいく」旨が記載されていることから、関係があるものと考えております。
また、避難訓練は、原子力災害時に防災業務関係者が、応急対策活動を迅速かつ確実に行うことが出来るよう実施するものであるとともに、住民が取るべき行動や留意点等について、実際に体験し身体で理解していただくことを目的に実施するものであります。
これまで県では、JCO臨界事故を教訓に、県地域防災計画の全面的な改正を行った平成13年度から東日本大震災発生時まで、毎年度、住民の避難訓練も含めた総合防災訓練を実施してきたところであります。
現在は、防災業務関係者の対応能力向上を図るための訓練を実施しているところでありますが、住民の避難先や避難ルートが決まり、市町村の避難計画が策定された段階で、より具体的な住民も参加した訓練が実施できるよう検討してまいりたいと考えております。
【再質問】
それぞれご答弁をいただきました。
2点再質問いたします。
政治資金について。知事は法に触れなければ、どんな業者から受けとろうと問題ないとおっしゃるのでしょうか。
いま国民の関心は、法律上の問題ではなくトップリーダーのモラルにむけられているのです。
県との利害関係が深い業者からの献金は、うけるべきではありません。
知事は不法投棄件数が全国で一番多いのが茨城県であることはご存じのはずです。それも4年連続ワースト1位です。
さらに、公害苦情件数が全国一多いのも本県です。献金をきっぱり断って厳格で公正な廃棄物行政をすすめるべきではないでしょうか。ご答弁ください。
2点目は、東海第二原発における放射性廃液の漏えい事故についてです。
事故発見が午後2時55分。私たち共産党県議団がちょうど第二原発を訪ねていたときです。老朽原発のヒアリングの最中でした。
説明者は、茨城県の原電トップ、総合事務所長と副所長、そして技術担当者でしたが、その間、事故の連絡は一切ありませんでした。
最高幹部への通報が遅れたことも問題ですが、県への通報はさらに、2時間以上も経過した5時7分でした。
日本原電は、たび重なる事故通報の遅れを反省し、2005年、通報連絡の3原則を社内規定に明記しました。
- 兆候を確認した時点で通報連絡
- 要否の判断に迷ったときは必ず連絡
- 情報収集に時間を要する場合、まず一報
この、みずから決めた三原則も守れずに、どうして住民の安全が守れるでしょうか。こんな状態で再稼働などとんでもないことです。
ただちに廃炉をもとめ再質問をおわります。
【知事答弁】
山中たい子議員の再質問にお答えいたします。
まず、この不法投棄に絡んでいる業者が多い、産業廃棄物業者から出ているんではないかということでございますけれど、そういった形で業種を決めつけるという事は、私はどうかと思います。
不法投棄が一番多いということでありますけれども、一方で私のところに参加してくださっている方々から不法投棄が出ているという話は聞いていないところでございますので、一律に業種を決めつけるということは、私は、極めて問題だと思っておりますし、先ほどもお話ししたように、この方達が一生懸命関東・東北豪雨の時にもやってくれたからこそ廃棄物の処理が進んだ訳でございまして、そういったことについても十分に認識をしていただければありがたいと思っておりますし、また、このパーティー券を買っていただいたからという事で、公正な行政に何か変化を生じていることは全くありませんので、ご理解いただきたいと思います。
先程の漏えい時刻から県への速報開始時刻までかなりの時間があるんじゃないかということでございますけれども、今回漏えい水の放射能濃度を分析し、立ち入り制限区域の設定が必要な放射能が検出されたことから報告がなされましたけれども、放射能の分析の為、ある程度の時間がかかることはやむを得ないものではないかなと思っております。
ただ、今回2時間を要したことが妥当であったかどうかということにつきましては、2日の立ち入り調査の際にも漏えい発見からの初動対応について検証するよう原電に要請をしているところでございます。
これからその結果を踏まえて、私どもの方でも安全対策委員会の方で検討していくことになりますけれども、廃炉ということにそれがすぐ結びつくかということになりますと、それはまた別であろうと思っております。
先程も申し上げましたように、規制委員会の方でどういう結果を出してくるのか、あるいはまた、それを受けたうえで政府がどう考えるのか、さらには県の原子力安全対策委員会、あるいはまた、原子力審議会等での審議がどうなるか、そういう諸々のことを踏まえて、県議会や地元自治体と相談しながら、方向を見出していきたいと考えておりますのでご理解を願います。
【再々質問】
日本原電の放射性廃液の漏えい事故について自ら決めた3原則さえ守れない、この日本原電の体質こそ問題であり、そのことについて知事は強く、むしろ抗議すべきだし、そのことをもってでも再稼働などとんでもない。こういう立場を明らかにすべきではないでしょうか。
【知事答弁】
議員がおっしゃられるような、この自分で決めたことが守れないということについては、それはもちろん大変重要なことだろうと思っております。そういったことも含めて、これから審査の中で検討していけばいいのではないかと考えております。
以上
山中県議の一般質問(PDF)