2013年3月水戸市議会定例会 代表質問 2013.3.12

日本共産党水戸市議団 江尻加那


日本共産党水戸市議団の江尻加那です。
3月定例議会にあたり、通告に従い代表質問を行います。
すさまじい地震と巨大津波、世界最悪レベルの原発事故が重なる未曾有の複合災害となった東日本大震災から、昨日でちょうど2年が経ちました。死者15,882人、行方不明者2,668人、避難生活による体調悪化や自殺など震災関連死は2,303人。合わせて2万人を超える尊い命が失われ、いまだ32万人の人々が避難生活を強いられています。被災者の方々があたりまえの暮らしを取り戻せる日まで、ともに力を合わせることを誓います。


1.市長の政治姿勢について


(1)国保税、下水道料金の値上げを撤回し、市民の所得を増やして、暮らしと地域経済を守る
はじめに、市長の政治姿勢について伺います。復興半ばの市民生活を急激な円安が直撃しています。ガソリンは1L150円台、灯油は100円を突破する勢いで、小麦やなど食料品の値上げも必至です。生活の大変さは増しており、その上、消費税増税では、暮らしも経営も立ち直る力を削がれてしまいます。市長は、4月から国保税と下水道料金の総額11億円を超す大幅値上げをしようとしていますが、生活再建、震災復興に水を差す値上げは撤回するよう強く求めます。
今必要なのは、いかに市民の所得を増やしながら、安定した雇用を確保するか、社会保障を良くして安心の水戸市をつくっていくかです。
水戸市統計課の資料を見ると、市民一人あたりの所得は、この15年間(1997~2012年)で344万円から274万円に70万円の減、2ヵ月分以上の所得が減っています。全国的にも、昨年の勤労者の平均賃金は1990年以降最低となりました。一方、資本金10億円以上の大企業は内部留保を100兆円も積み上げ、総額260兆円に達しています。派遣労働など不安定雇用を増やし、人件費を削りながら利益をため込み、労働者や中小業者に還元されていないことがデフレ不況の最大の要因です。市民の所得が長期にわたって継続的に減り続けており、市長は、その原因、影響をどのようにお考えか伺います。また、水戸市が策定を進めている第6次総合計画の素案において、市民所得を今後15年間で今より年30万円増やす目標値を掲げていますが、その根拠と手だてをお答えください。
今の安倍内閣には物価2%上昇目標はありますが、賃上げ目標はなく、経済団体に要請したにとどまっています。そこで以下3点について、市長の考えを伺います。
第1に、労働者全体の35.3%を占める非正規労働者の低賃金と不安定な働き方を改善し、正社員雇用を拡大するため、労働者派遣法を抜本改正するよう国に求めることです。
第2に、中小企業への大規模な支援策とセットで、最低賃金を1000円まで引き上げるよう国に求めることです。茨城県の最低賃金は699円と、全国平均749円より50円も安くなっています。
第3に、国でも水戸市でも中小企業の支援予算を強化することです。労働者の7割以上が中小零細企業で働き、ぎりぎりの経営を続けながら日本経済を支えています。大企業と公正に取引できるよう独占禁止法を強化すること。また、値上がりする燃料代や飼料費への支援策を国に求めることです。

【答弁 高橋市長】
日本共産党水戸市議団を代表されましての江尻議員の御質問にお答えいたします。
まず,国民健康保険税と下水道使用料の改定につきましては,市民の皆様に負担増をお願いすることは,たいへん心苦しい思いであります。しかしながら,一般会計から各会計への多額の繰入れ,そして国民健康保険会計の24億円にものぼる累積赤字という現状を踏まえ,将来世代に大きな負担を残さないため,政治の責任として決断を行なったものであります。この改定につきましては,市民生活への影響を考慮し,国民健康保険運営協議会及び使用料等審議会の答申から引き下げた改定案を,先の定例市議会に提案し,慎重なご審議のうえ議決頂いたところであります。
次に,市民所得につきましては,雇用者の所得とともに企業の所得を含めた市経済全体の規模等を示すものであり,国全体の景気経済動向の影響等を受け,これまでも微増微減の変動をしております。
第6次総合計画の基本構想素案における,市民所得の見込みにつきましては,国や民間シンクタンクの中・長期的な経済見通しを参考としつつ,本市の産業構造や就業者の推移等を踏まえ,平成25年度を基準に,平成40年度には,約1.1倍,対前年度の成長率を0.8パーセント程度の増となるものと見込んでおります。
雇用情勢につきましては,現在,回復の兆しは見えてはおりますが,依然として求人数が求職数を下回るという厳しい状況が続いているところであります。
私は,市民が安心できる暮らしは,その根底となる経済的な安定があって実現できるものと考えております。
そのためにも,本市の地域経済の活性化に資する施策として,中心市街地の活性化をはじめ,各種産業の振興,就業機会の創出に向けた企業立地の促進等を総合的に展開してまいります。あわせて,本市の魅力を戦略的に発信しながら,水戸のまちに人を呼び込み,交流人口の増加を図り,消費拡大につなげることによって経済の成長を目指してまいりたいと考えております。
なお,最低賃金の引き上げなどを要請することにつきましては,景気の動向や国の政策などを見定め判断してまいります。

(2)市職員削減と賃金引き下げをやめ、市民サービスと防災体制を拡充する
国は、地方公務員の給与をカット(7.8%減額)するとして、2013年度の地方交付税を約4000億円削減すると決めました。水戸市の影響はどうか。この間、市職員の給与は下げ続けられ、それがまた民間労働者の賃下げにつながる悪循環です。給与カットか住民サービスカットかを天秤にかけるような交付税削減に反対し、国押し付けの給与減額は行わないよう求め、見解を伺います。
市長は任期中4年間に職員100名削減を掲げ、今年度は30名、来年度は21名削減するとしています。福祉や防災など行政力の低下につながるものです。過去5年間で市の正職員を184名減らす代わりに臨時・嘱託職員を増やし、約3,000名の職員のうち1,000名が非正規職員です。5年前と比較し、正職員の精神疾患による長期療養は1.2倍、時間外の残業勤務は1.4倍に増えており、職員の労働実態からみても、職員減らしはやめるべきです。
また、来年度の学校給食調理員について、初めて3年間という期限付きの正職員を募集しています。これが前例となり、正職員であるにもかかわらず短期間で辞めさせるなど認められません。給食調理員147名のうち、半分が臨時職員であり正職員を増やすこと。また、時給790円の臨時事務職や、嘱託の保育士等の賃金や労働条件の改善こそ求められています。

【答弁 高橋市長】
行財政改革と市民サービス、防災体制の拡充についての御質問にお答えをいたします。
まず、職員給与の減額に対する地方交付税削減の影響額につきましては、これから算定作業を行うため、現時点でお示しできる状況にはございませんが、地方交付税を削減することで、地方公務員の給与を減額させる国の手法は、自主、自立を目指す地方自治体の取り組みを阻害するものであると考えています。
しかしながら、本市も東日本大震災の被災地として復旧、復興に懸命に取り組んでおり、その財源を確保していく必要性もありますので、国に準じた職員給与の減額実施の判断につきましては、地域経済や職員の士気への影響、財政上の影響等を総合的に勘案しながら、今後、十分に検討してまいります。
次に、職員数の削減による防災体制の影響についてお答えをいたします。
今日のような厳しい行財政環境の中にあって、将来にわたって良質な市民サービスを提供していくためには、持続可能な健全財政を確立することが重要であると考えています。
そのためにも、今年度策定をいたしました行財政改革プラン2013に基づき、全庁を挙げて改革に取り組んでいくこととしているものでございます。
当該プランに、職員定数の適正管理を位置づけ、70人の削減目標を定めておりますが、これは、民間活力活用の推進、事務事業の統廃合など事務量の減少に応じた削減を進めるものでありまして、市民サービスの維持、向上を前提として取り組むこととしております。
防災体制につきましても、東日本大震災の経験を踏まえ、地域防災計画を見直すとともに、職員への周知に努め、万全の体制を確保してまいりたいと考えています。
次に、任期付職員の採用につきましては、行政ニーズの高度化、多様化に対応し、行政サービスの充実を図るとともに、公務の能率的な運営を促進するため、平成18年に条例を整備し、制度化したものでございます。
今回の学校給食調理員の採用につきましては、現在進めております新たな学校給食共同調理場の整備により、移行する時限的な業務に対応するため、任期付職員としての採用を行うもので、任期はあるものの、給与や勤務時間、その他の勤務条件は、一般職員と同様となることから、不安定な雇用にはならないものと考えています。
次に、来年度の臨時職員及び嘱託員の賃金や労働条件の改善点につきましては、人材の確保を図るため、嘱託員の保育士の報酬を増額してまいりたいと考えています。

(3)TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加に反対を
安倍首相が、今週中にも交渉参加を表明するとしていることに対し、「国民をだますのか」と撤回を求める怒りが広がっています。安倍首相はアメリカとの共同声明で「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」と強弁していますが、声明は「全ての物品が交渉の対象とされる」ことを再確認したということが本質です。安倍首相も、どの品目や分野が関税撤廃の対象から除外されるか、明らかにできません。「交渉の中で決まっていく」「まだ、ボヤっとしている」と言うだけであります。しかし、過去の日米交渉は、小麦、牛肉、オレンジが次々と輸入自由化されるなど、日本の一方的譲歩でした。農業分野での国内生産を犠牲にして、工業製品の輸出企業の利益を拡大してきたのです。安倍内閣の姿勢は国民を欺き、裏切るものと考えないか。自民党はTPP反対の6項目の選挙公約を守るならば、TPP交渉参加はできないと考えないか、見解を伺います。
TPP参加で日本の食料自給率が39%から13%に激減するばかりでなく、食品添加物や残留農薬基準、遺伝子組み換え食品の緩和など食の安全が脅かされます。食料を自給する力を強くしながら、狭い国土ながらも、日本の豊かな自然環境と農業技術の進歩によって食料生産を高めていくことが国づくりの土台ではないでしょうか。農業所得の低下や、農家の高齢化、耕作放棄地の拡大をさらにすすめるTPP参加は水戸市農業にどのような影響を及ぼすのか。国民皆保険制度を基本とする医療や保険、雇用などあらゆる分野の仕組みをアメリカ型のルールに変えることは許されないと、市長としてTPP交渉に参加しないよう国に求めることです。

【答弁 高橋市長】
次に、TPP交渉参加についてお答えいたします。
TPPにつきましては、先月の日米首脳会談の共同声明において、全ての物品が交渉の対象とされるものの、日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに二国間貿易上のセンシティビティ、すなわち留意すべき品目が存在することを認識していると発表されました。
これまで私は、TPP加入については、農業分野に及ぼす影響がきわめて大きいにもかかわらず、不明確な部分が多すぎ、慎重に判断せざるを得ないと述べてきたところであります。
今後、交渉へ参加することとなった場合でも、国においては、交渉の経過については国民への説明責任をしっかりと果たしていただくとともに、地域農業を守る立場から、国益にかかわる重要な農産物については関税撤廃の例外品目となるよう、粘り強い交渉をしていただくとともに、例外品目とならない場合には、TPP交渉から撤退すべきであると考えております。
次に、本市の農業の現状でございますが、農業所得につきましては約95万円と低迷しており、また、農業経営者に占める65歳以上の割合は全体の約50%を占め、さらに、耕作放棄地につきましては、農業委員会による調査では約180ヘクタールであり年々増加する傾向にあります。
食料自給率につきましては、発展途上国の人口増加などにより、世界の食料需給のひっ迫が予想される中で、食材を外国に大きく依存していることは、きわめて憂慮すべき事態であると認識しております。
このような農業をとりまく様々な課題を踏まえたうえでの、本市における農業の活性化策としてしては、現在策定中の第6次総合計画において、取りまとめているところでございますが、産業として成り立つ農業を目指すため、「農産物のブランド化」の推進や「地産地消」の取り組みを、一層進めるとともに、「農業の6次産業化」を図り、さらに将来的に安定して農業が営まれるように、新規就農者の確保や集落営農組織を育成するなど「多様な担い手の確保」や、規模拡大して作業を効率的に行えるように、「生産基盤の整備」の推進を行ってまいりたいと考えております。
本市といたしましては、これらの農業振興策を総合的に推進していくことにより、安全・安心で良質な農産物を安定して供給することのできる、農業の実現に努めてまいりたいと考えております。


2.原発、防災対策について


(1)東海第2原発の廃炉を求めること
次に、原発及び水戸市の防災対策について伺います。
東京電力福島第一原発事故という最悪の人災は、事故の収束どころか、壊れた原子炉の冷却のために大量に発生し続ける高濃度の汚染水はたまり続け、貯蔵タンクは最大でもあと2年で一杯です。放射能汚染とのたたかいが長期にわたって続き、処理できない核廃棄物、除染の遅れ、健康への影響、線引き・縮小される賠償など、他に類を見ない被害の甚大さをみれば原発の再稼働はあり得ません。
3月10日には、国会前、日比谷公園、霞が関一帯が原発ゼロを訴える4万人の人波であふれました。地震列島の日本に安全な原発などないと、国民過半数の原発ゼロの意思が示されているにもかかわらず、安倍首相は、「安全性が確認された原発は再稼働する」と言明。またしても安全神話の復活です。事故原因も究明されていないのに、国の新たな安全基準に適合した原発から再稼働させようとしています。原発立地および周辺自治体の姿勢がますます重要です。市長は、東海第二原発を運転する日本原子力発電㈱との安全協定について、再稼働の是非に関し東海村と同等の発言権を求めていますが、今こそ「廃炉の決断を」と表明すべきです。
日本原電は安全対策を進めていますが、莫大な費用と時間と体制をかけて、運転開始34年の老朽化原発を稼働させる必要があるでしょうか。そもそも、市長は原発は必要だとお考えでしょうか。昨年7月31日、住民266名が原告となり、東海第二原発の再稼働差し止めを求め水戸地裁に集団提訴しました。1月17日に第一回口頭弁論が行われましたが、原発の安全性はもちろん、そもそも必要があるのか問われています。原発がなくても電力が賄えると証明されました。これまで、原発に傾注してきた技術と体制と予算を、再生可能エネルギーと新しい産業、廃炉作業に切り替えていくよう国の政策を転換するよう求めることです。

【答弁 高橋市長】
東海第二発電所の廃炉について,お答えします。
原子力発電所の必要性につきましては,国が責任を持って,未来のある子どもたちのためにも自然エネルギーや再生可能エネルギーの活用を十分検討し,実効性のあるエネルギー政策を,しっかりと判断していくべきものと考えております。
東海第二発電所につきましては,原子力発電所の安全性を最優先する考えのもと,県央地域首長懇話会の構成市町村と日本原子力発電との間で覚書を交わし,東海第二発電所に係る重要事項等の情報提供の強化を図ったところであります。
日本原電から,東日本大震災を上回る地震,津波に対し,浸水防止や電源確保対策などの安全対策を講じているとの報告を随時受けておりますが,二重三重の安全対策が講じられ,万全であると確認されることが大前提であります。
私は,市民の安全で安心な暮らしを守っていくという立場からは,厳しい判断をしていかなければならないものと考えております。
今後の,国の具体的な原子力災害対策や東海第二発電所の安全対策等を踏まえ,多くの市民の声を十分考慮しながら,市長として適切な判断を下してまいります。

(2)地域防災計画について
第二に、見直しが進められている水戸市の防災計画ついて伺います。まずは、新庁舎が整備されるまでの間、地震や大雨水害などの発生時に、市の災害対策本部はどこに設置するのか。想定していた市民会館大会議室は耐震診断の結果、もう使えません。
次に、地域防災計画のうち、原子力災害対策計画の改定について、以下4点について市長の考えを伺います。
1) 市の改定案は県にならい、東海第2原発での過酷事故を想定していますが、過酷事故が起き得る危険な原発は再稼働させない、廃炉にすることが最も現実的な防災対策ではないか、市長の見解を伺います。
2) 全市民の避難は実現可能なのか。屋内退避や速やかな安定ヨウ素剤の配布と服用。避難開始の判断、避難する手段、ルート、避難場所の確保と全市民への速やかな避難指示、要援護者(生活弱者)への特別の対応、全市民対象の一斉訓練など、現実的な計画をつくる責任を市長は果たせるのか伺います。
3) 仮に市民が避難できたとしても、全国各地にばらばらに避難生活を余儀なくされ、いつ戻れるのかさえわからない。避難できればいいという問題ではありません。仮に避難によって生命・身体が守れたとしても、市民や地域社会の財産(住宅や農地、家畜など)は、どうやって守られるのか。
4) 再稼働しなくても、東海第二原発の使用済み核燃料貯蔵プールには2000体を超す燃料棒が保管されており、過酷事故の危険と常に隣り合わせです。日本原電に対し、使用済み核燃料をプール保管から、少しでも安全な鉄筋コンクリート製の乾式貯蔵容器(※写真参照)に移すなど対策強化を求めると同時に、あらゆる原子力災害を想定した防災計画が必要不可欠だと考え、市長の見解を伺います。

【答弁 高橋市長】
次に,地域防災計画原子力災害対策計画編につきましては,本市が東海第二発電所から30キロ圏内の緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)に含まれることから,原子力災害特別措置法に基づき,東海第二発電所における災害発生を想定した計画策定が,国から求められております。
原子力規制委員会においては,安定ヨウ素剤の配布や服用方法,避難計画をはじめ各種の具体的な防護対策などを検討課題としているため,今後の原子力規制委員会における検討結果や県の地域防災計画の改定との整合を図る必要がありますことから,段階的に避難計画や避難後の市民の財産確保を含む地域防災計画に改定をしてまいります。
使用済み核燃料の安全対策につきましては,県央地域首長懇話会においても,原子力安全対策検討会議を設置し,その所掌事項に盛り込んだところでありますので,関係市町村と情報交換を行い,連携して取り組んでまいります。
災害対策本部の設置場所につきましては,現在のところ,市民会館の大会議室を使用しているところでありますが,代替施設といたしまして,建設を進めている北消防署の会議室に災害対策本部が設置できるようなバックアップ機能の整備を進めておりますとともに,本庁舎周辺のプレハブ庁舎の中にも設置できる場所を確保する考えでおります。

(3)放射能の影響から子どもを守るための健康調査実施を
福島第一原発の爆発事故により、大量の放射性物質が大気中に放出され、プルームとなって水戸市の空気を汚染しながら通過しました。水戸市内に3カ所設置されている放射線量観測局の数値は、それまでは概ね0.04マイクロシーベルト台で推移していたのが、3月15日に日付が変わった午前1:10、まずは常澄大場の測定局で、続いて吉沢小学校敷地内の測定局、その後石川1丁目の測定局で数値がぐんぐん上がり始め、平常時の約100倍に迫る3.63マイクロシーベルトの最高値が記録されたのは15日の朝7:30でした。その後、現在の基準値とされる0.23マイクロシーベルト以下に落ち着いたのは2週間後の3月28日でした。一番放射線量が高かった15日、水戸市内の学校は休校で、多くの子どもは家族といましたが、水戸市から屋内退避の指示はなく、子どもたちは親とともに給水所に並んだり、外で遊ぶなどして被ばくしました。そのことを今でも後悔し、子どもの健康を心配する親が大勢います。健康調査をしてほしいと願っています。
2月28日、茨城県市長会(会長・守谷市長)と町村会(会長・河内町長)は、原発事故子ども・被災者支援法に基づく支援対象地域に茨城県全体を指定するよう求め、国に要望書を提出しました。昨年6月に成立した支援法の地域指定をうけると、福島第一原発事故で被ばくした子どもが生涯、健康診断を受けられるよう国が必要な措置を講じます。水戸市議会はじめ県内多くの議会が住民からの陳情を採択しています。
しかし、国の具体化が遅れており、県内では龍ヶ崎市や牛久市、東海村に続き、北茨城やかすみがうら市等が検査費用への補助を4月以降始めます。水戸市でも子どもの健康調査への支援を早急に行っていただけるよう求め、市長の見解を伺います。

【答弁 高橋市長】
放射能の影響から子どもを守るための健康調査についてお答えいたします。
本市では、現在、原発事故に伴う保護者の健康不安を軽減するため、保健センター健康相談窓口において、国などが公表する放射線被曝及び健康への影響に関する新しい知見や日常生活における健康上の注意点等について、情報提供を行うなど、個別の対応をとっているところでございます。
国においては、福島県で行った子どもの甲状腺超音波検査と比較検討するため、福島県以外の地域で同種の検査を実施していることろではありますが、現段階においては、放射線の健康への影響が、まだ、科学的に十分に解明されていない状況でもございます。
したがいまして、本市では、現在、国が実施している福島県と福島県以外の地域との比較検討の結果やこれを踏まえた国の考え方、及び「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」に基づく支援対象地域に茨城県を指定するよう、茨城県市長会が求めた要望の結果なども踏まえ、中長期的な視点からも、健康調査の支援について検討してまいりたいと考えております。


3.子ども・子育て支援について


(1)子どもの医療費助成の拡大について
今年10月から中学3年生まで対象を広げることは、子育て世代の大きな願いの反映ですが、「なぜ4月ではなく10月からなのか」「なぜ所得制限を廃止しないのか」という声にお答えください。県内市町村44のうち30市町村で所得制限を廃止しています。
市長は、医療費助成に所得制限は必要という立場なのか。それとも、予算の問題なのか。現在、所得制限により4割の子どもが助成を受けられていませんが、廃止に必要な予算はいくらかお答えください。

【答弁 高橋市長】
子どもの医療費助成拡大についてお答えいたします。
子どもたちの医療費助成を中学校3年生まで拡大することにつきましては,未来への投資として,子育て世代の負担軽減を図るものであり,私の公約でありました。その実現のため,このたび,条例の改正案を新年度予算と合わせて今議会に提出させていただきました。今後,市民への周知及び申請受付,国保連合会や医師会等との調整など,事務に要する準備期間を勘案いたしまして,実施時期については本年10月1日としたところでございます。
また,所得制限についてでありますが,この制度の目的は,条例第1条において「医療費の一部を助成し,生活の安定と福祉の向上に寄与すること。」と規定しており,児童手当などと同様に,扶助費として支出するものであり,将来にわたって持続可能な制度とするためにも,一定の所得制限は必要であると考えております。
なお,中学校3年生までを対象とし,所得制限を廃止した場合に必要となる予算額は,さらに,約3億円の負担が生じるものと試算されます。
いずれにいたしましても,子どもの医療費助成制度につきましては,我が国の少子化対策,子育て支援のための重要な施策でありますので,引き続き,国に対し制度創設を働きかけてまいりたいと考えております。

(2)保育所待機児童に対する緊急保育実施を
水戸市では、毎年1カ所から2カ所の保育所を増やしていますが、ニーズに追いついていません。来月4月からの入所を申し込んだ子ども962人のうち、2月時点で内定したのは665人。300人も入所が決まっていません。相談があった母親は「入れるまで待つしかないけれど、その待っている間どうすればいいのか市に考えてほしい」と切実な訴えです。また、別の母親は、あちこちの施設の一時保育に1日単位で子どもを預けて働き、泣きたくなるくらい大変な思いで保育所入所を待っています。高い保育料を払って認可外保育所にお世話になる親もたくさんいます。
そこで、提案です。一つは、せめて市として認可外保育施設の保育料補助を実施すること。2つ目に、現在1日単位の預かり保育を実施している「わんぱーく・みと」や「はみんぐぱー・みと」、赤塚ミオスの「スマイルキッズ」等を活用し、保育士をきちんと確保して、一日単位ではなくせめて月単位で緊急保育を実施するよう求めます。

【答弁 高橋市長】
保育所待機児童に対する緊急保育実施についてお答えいたします。
3月1日現在の保育所待機児童は,約400人おり,その解消は重要な課題であると考えております。
そのため,本市におきましては,民間保育所の整備促進や,市立保育所の移転増改築などにより定員増を図っており,今年度,民間保育所につきましては,2箇所の創設を決定し,また今月,河和田町地内に定員90名の保育所を開設したところであります。さらに,市立保育所につきましては,白梅保育所の移転増改築事業を進め,待機児童の解消に努めているところであります。
あわせて,自宅などで少人数の低年齢児をお預かりする家庭的保育事業や,保護者の疾病や冠婚葬祭等により一時的に保育ができなくなった場合にお預かりする一時預かり事業,保護者が一定の日時に保育することができないときにお預かりする特定保育事業等を実施しております。
議員御提案の,認可外保育施設の保育料補助の実施についてでありますが,平成24年3月31日現在で,市内の認可外保育施設数41箇所,入所児童数は775名となっており,運営費のうち児童や職員の健康診断費用等の一部を補助しているところであります。
保育料の補助につきましては,国が平成27年度の本格施行を目指している子ども・子育て支援新制度において,認可外保育施設についても,認可を受けることにより,小規模保育等が新たに給付の対象となるなど補助対象の拡大が見込まれることから,国の動向を注視してまいります。
また,待機児童解消のための,子育て支援・多世代交流センター,(わんぱーく・みと,はみんぐぱーく・みと)等の活用につきましては,施設の問題からも月単位での保育の実施は難しい状況にありますが,現在実施している一時預かり事業が十分に機能しており,一定の効果が上がっていると認識しております。
今後は,子ども・子育て支援新制度の制度設計の過程で,就学前の子どもに関する教育・保育のための需要量を的確に把握することに努め,待機児童の解消とともに,安心して子どもを産み,育てやすい環境の整備に努めてまいります。

(3)通学路の重点危険個所の早期改善を
昨年4月に水戸市教育委員会が行った市立小中学校への通学路緊急調査の結果、改善要望があった38か所のうち、これまでに信号機の設置などハード面で改善されたのは6カ所。歩道設置など今後の対策が検討されているのは6カ所。残り26カ所は、児童への安全指導やスクールガード活動の強化などソフト面の対応にとどまっています。これで本当に事故が防げるのか。要望箇所の中には、調査以前から長年、学校やPTA、地域から要望として上がっている個所が多く含まれており、危険な状態が続いています。すぐに改善できない場所を明らかにし、学校等と協議の上、実施可能な応急策、代替策が必要です。来年度の予算で改善されるのはどこか。完了目標年度を設定して早期改善を求め、取り組み姿勢を伺います。

【答弁 本多教育長】
「通学路重点危険箇所の早期改善」についてお答えいたします。
昨年4月に実施した通学路改善要望箇所の緊急調査の結果,各小中学校から報告された38箇所のうち,今年度末までに,各担当部門において,信号機の設置,路面表示,電柱幕の設置等,ハード面における対応により6箇所の改善が図られており,さらに6箇所について歩道拡張などの整備の検討を進めているところです。
また,その他の歩道の新設や道路改良など対応に時間を要する箇所については,用地取得をともなうため,整備には困難な状況も想定されることから,各学校に対し,安全指導の徹底やスクールガード活動の拡充を図るよう指導したところでございます。
今後も引き続き,要望箇所を所管する各課や茨城県,水戸警察署などと連携し早期改善を目指すとともに,各学校においては,より一層の安全教育の徹底や,学校,PTA,地域との連携の強化により,登下校時の児童生徒の安全確保に努めてまいります。
なお,歩道設置において,一部整備が未完の路線につきましては,代替の安全対策について,暫定整備等も視野に入れ,現状で可能な手法について,担当部門とともに検討してまいります。


4.教育行政について


(1)いじめ・体罰の実態把握と対応について
人権侵害であり、暴力であるいじめや体罰から、子どもの命、心身の安全を最優先で守るため、教育と社会の在り方を見直すことが切実に求められています。
教育委員会は、いじめや体罰の実態を把握するために、子どもや保護者、教員へのアンケート調査を行っていますが、今回、初めて行った体罰アンケートを記名式にした意図は何か。現時点において調査結果からどのような実態が把握されているのか伺います。
全国的な傾向では、いじめも体罰も、小学校より中学校のほうが多いとされますが、水戸市の実態はどうでしょうか。

【答弁 本多教育長】
いじめ,体罰の実態把握と対応についてお答えいたします。
まず,いじめの実態把握の方法につきましては,本市では,年6回実態調査を行っており,調査目的等に応じて記名式又は無記名式で行っております。また,その実態につきましては,1月末現在,認知件数1,102件に対し,解消した件数が1,053件,解消率は95%でございます。認知件数の小中学校別の内訳は,小学校882件,中学校220件となっております。
次に,体罰の実態把握の方法につきましては,国の方針の下,本県全体で実施方法を統一した形式となっております。児童生徒に対してはアンケート調査を行い,本人から体罰の報告があった場合には,担任以外の教員が本人に聞き取り調査を行いました。また,調査は児童生徒だけでなく,保護者及び教職員に対してもアンケートを行い,より詳細な状況を把握できるようにしております。なお,その結果につきましては,現在精査中でございます。

(2)小中学校全学年で少人数学級の実施を
中学生は、他人と自分を比較してコンプレックスに悩む思春期真っただ中で自分の存在価値を見つめ、社会や大人に反発しながら学校生活を送っています。
滋賀県大津市立中学校での壮絶ないじめを苦にした男子生徒の自殺を受け、第三者調査委員会が設置され、1月31日までに提言が取りまとめられました。提言を読みましたが、「先生は僕たちに向き合う時間をたくさんつくってほしい」「僕たちと遊んでほしい」と、生徒たちの言葉です。
本来の「学ぶ喜び」を競争と管理教育によって潰していないか。ストレスがいじめを助長していないか。体罰により生徒との信頼関係を壊していないか。じっくり生徒に向き合える環境をつくるため、小中学校全学年で少人数学級の実現を求めます。国と県が後回しにしている小学5・6年生、中学2・3年生について、水戸市独自に35人以下学級を実現していただきたい。教員の多忙化を改善しながら、忙しい中にもやりがいと達成感を持てる環境をつくることです。

【答弁 本多教育長】
少人数学級の実施についてお答えいたします。
「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」の改正により,今年度の小中学校の学級編制について,都道府県の教育委員会が定めた基準を標準として,当該学校を設置している地方公共団体の教育委員会が,当該学校の児童又は生徒の実態を考慮して行うこととなり,これまでは,都道府県教育委員会の同意を得なければなりませんでしたが,市町村教育委員会からの届け出制に改められました。
水戸市立小中学校の全学年で35人以下学級を実施すると想定した場合の増加学級数は,平成25年3月1日現在の児童生徒数で推計いたしますと,小学校で16学級の増,中学校で17学級の増,合計で33学級の増加となります。それにともなう教員の増員数は,県の教員定数で比較して,小学校で16人,中学校で24人,合計で40人と推計されます。
この場合,学校の増築をはじめとして,国から措置される少人数指導加配教員を学級担任としたり,中学校教員の授業時間数の増加につながるなど,厳しい課題が想定されます。

(3)スクールカウンセラーの拡充を
あわせて、スクールカウンセラーの増員を求めます。水戸市立49の小中学校に配置されているカウンセラーは8名です。臨床心理士や大学教授としての本業のかたわら、週1日、7時間という限られた時間の中で、8名のカウンセラーが複数校をかけもちで相談業務などにあたっています。少なくとも、中学校区に1名―全体で16名に増やし、教員と違った立場で、専門性、独立性をもって安心して相談できる場所をしっかり拡充できるよう求めます。

【答弁 本多教育長】
スクールカウンセラーの拡充についてお答えいたします。
スクールカウンセラーは,いじめ,不登校等の児童生徒の問題行動等の未然防止,早期発見及び早期解決を図るために派遣され,生徒指導体制の充実や教員の資質能力の向上に,大変重要な役割を担っていると認識しております。
本市には,平成24年度,延べ8人のスクールカウンセラーが全中学校と小学校3校に県から派遣され,児童生徒や保護者,教職員に対する相談活動を実施しております。
具体的には,児童生徒からのいじめに関する相談では,いじめられた児童生徒とその保護者の精神的な苦痛の軽減が図られ,いじめの解消に直接関わる教員は専門的な助言を得られるなど効果をあげており,大変有意義であることから,今後も県へ更なる拡充について要望を続けてまいります。
加えて,相談体制の充実のため,本市独自に心の教室相談員を全中学校に一人ずつ配置し,生徒や保護者及び教員に対する手厚い支援に努めているところでございます。
一方,直接児童生徒と日々接する教員のカウンセリングスキル向上も重要であり,県で行う教育相談に関する研修等に加えて,さらに本市独自に,受容的・共感的な態度をもち人間的な温かみがある教員を育成するため,様々な研修を行っております。
今後も引き続き,教員のカウンセリングスキル向上のための研修を計画的に実施し,学校の教育相談体制の充実に努めてまいります。


再度の質問では、地域防災計画の改定・見直し案はいつ市民に提示されるのか、防災会議の開催スケジュールや、市民の声をどのように反映させていくのか質問しました。また、原子力災害時にすべての市民を避難させることは到底不可能であり、原発を再稼働させずに廃炉にすることが一番現実的な防災対策であると主張し、高橋市長が答弁した「厳しい判断」とは「廃炉を求めることなのか」とただしました。
再度、答弁に立った高橋市長は、「避難計画などは水戸市単独では決められない部分も多く、広域的な連携や県との調整が必要。段階的に改定・見直しをすすめていく。いずれにしても、市民の安全で安心な暮らしを守る立場から,厳しい判断をしていかなければならないと考えている」と繰り返し述べました。


●学校の通学路の改善について、歩道の整備や道路の改良、カーブミラーやガードレールの設置等に必要な予算は、教育委員会ではなく建設部の予算で実施されるため、市長に答弁を求めましたが教育長が答えました。教育委員会が学校やPTAと一緒になって現場の調査や児童への指導などソフト面の対策に取り組むとともに、ハード面での改善策を建設部が促進するよう、これからも求めていきます。