2023年3月 茨城県議会第1回定例会 江尻かな議員の最終日討論(要旨)

日本共産党の江尻加那です。

付議された議案、請願及び意見書のうち、50件に賛成、34件に反対するものですが、そのうち7件について討論いたします。

まず、議案第5号、20号、22号、44号は、一般会計、水道事業会計、地域振興事業会計予算及び一般会計補正予算です。
令和5年度予算において、法人2税と地方消費税の増収が見込まれていますが、今年度税収増で366億円の財政調整基金への積み増し補正を踏まえれば、5年度はさらに見込みを上回る増収になることは確実と考えます。当初予算からきちんと計上し、物価高騰対策や子育て・教育支援、福祉施策の拡充にあてるなど、県民要望に応える予算とすべきです。

学校給食や子ども医療費、保育料や学費無償化のための予算が必要です。さらに高齢者等の外出を支援する地域交通の拡充や補聴器補助についても、市町村の取組を後押しする県補助を求めます。
県立あすなろの郷建替整備にあたっては、入所希望者全員を受入れられるよう施設の拡充と体制確保は県の責任です。

そして、市町村からも要望がある県水道料金の引き下げを強く求めます。
また、中小・下請け事業者の価格転嫁や、非正規、ケア労働を含めた労働者全体の賃上げと男女賃金格差の是正を確実に実行する施策が求められます。

さらに、廃業の危機にある酪農をはじめとした農業者への直接支援や、医療機関・福祉施設のコロナ感染症対策予算の継続・拡充を県独自にも行うべきと考えます。

こうした予算が十分でない一方、あいかわらず霞ヶ浦導水事業に9億8千万円、常陸那珂港区整備に9億5千万円、企業誘致補助に50億円、新たな工業団地3カ所の造成には64億2千万円です。そして、住民から反対意見があがる日立セメント採石跡地への産業廃棄物最終処分場整備に19億8千万円が計上されるなど、大企業支援に多額の税金が振り向けられています。

さらに、東海第二原発の再稼働に必要な広域避難計画づくりを延々と続けていますが、老朽原発の危険な再稼働に知事は反対すべきです。

以上の立場から、一般会計、水道事業会計、地域振興事業会計予算に反対します。

次に、第36号議案・茨城県鳥インフルエンザの発生の予防及びまん延の防止に関する条例に賛成の上で、意見を申し上げます。
野鳥や小動物の侵入防止ネットを設置しても、ハエによる媒介を見過ごす対策では防げないと、国立感染症研究所が研究員と前部長が一昨年、「予防対策の盲点」と題する緊急提言を発表しました。

しかし、こうした知見を政府が認めてこなかったのは、「感染は農家の責任」とする国の衛生管理方針の根本的見直しを迫られるからです。
ハエを媒介としたウイルス拡散の可能性を示唆してきた感染症研究所の知見を採用し、感染経路の徹底究明と防疫対策の見直しを国に要請することを求めます。

次に、請願5年1号・消費税インボイス制度の実施中止または延期を求める請願を不採択とした委員会報告に反対します。
インボイスは、免税事業者に新たな課税を強いるとともに、制度の複雑さから混乱や事務負担増をもたらします。本県の登録状況は、法人が7割台の一方、個人事業主は2割台と進んでいません。一般事業者のみならず、シルバー人材やフリーランスに至るまで、多くの県民に影響を及ぼします。コロナと物価高の経済対策に逆行するものであり、10月からの制度実施を中止・延期するよう求める請願にぜひ賛同ください。

最後に、請願5年2号・介護保険制度の改善を求める請願を不採択とすることに反対です。介護保険は施行22年を経過しました。しかし必要なサービスを利用できない事態が広がっており、介護離職も高止まりです。事業所では、深刻な人手不足と経営難が続いており、コロナ禍は事態をいっそう加速させています。

よって、利用料引き上げや介護はずしをやめ、職員の処遇を改善するために、介護保険財政への国庫負担の引き上げを求める請願の採択を求めます。

以上で討論を終わります。

以上

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