茨城県議会2018年第2回定例会最終日 江尻かな議員が討論(要旨)

日本共産党の江尻加那です。通告に従い、討論をおこないます。

項目

●看護師修学資金の拡充こそ必要

第89号議案は、看護師等の修学資金貸与制度について、対象者範囲を変更するものです。現行制度では、県内200病床以下の中小規模医療機関で働こうとする方に貸与しています。これを改定し、今後は規模に関わらず、看護師数が県平均を下回る地域の医療機関に限定するとしています。しかし、県平均を上回る地域においても全国平均からみれば看護師は不足しています。と同時に、学生の就業選択を狭めることになり、同意できません。

●県北の活力失わせる高校統廃合に反対

第94号議案は、県立太田第二高校と佐竹高校を統合し、来年度「太田西山(せいざん)高校」を新たに開校する条例です。新校は現在の太田二高に開校されます。

この間、定員割れする学校の統廃合が進められてきましたが、佐竹高校は今年度を含め、過去に一度も定員割れをしていません。また、太田二高は小規模校ながら幅広い生徒の学び舎となり、100周年を迎えた伝統校としての特色と役割を発揮しています。

ところが、統廃合が突然2015年12月末に公表され、その後の新たなコース導入についても、さらに今回の新名称の発表についても、現場に事前に知らされることはありませんでした。教職員や生徒・保護者は、新聞報道で初めて知らされたという状況です。現場の実情や意見が十分反映されているとは言えず、県北地域の活力を失わせるような統廃合に同意できません。
生徒数の減少に対しては、県立高校での少人数学級こそすすめるべきです。

●全世界の非核化実現へ

次に、請願第6号は、日本政府に国連・核兵器禁止条約への署名と批准を求めるものです。朝鮮半島の非核化はもちろん、核保有国を含むすべての国々に、核兵器の開発、実験、製造、保有、移譲、使用と、威嚇を禁止する条約が採択されました。
世界を支配してきた「核抑止論」を乗り越え、全世界の非核化を実現することが、被爆者をはじめ、世界各国と市民社会の切実な要求です。被爆国日本が速やかに批准して核兵器の廃絶に積極的役割を果たすことが求められており、不採択とすることに同意できません。

●核燃料サイクル・高速炉「常陽」すすめる意見書に反対

なお、このあと議題となる意見書議7号、「原子力研究開発」に関する意見書について、反対いたします。老朽化が進む原子力施設の安全管理の徹底と、必要予算の確保は当然国の責任ですが、意見書別記1には、「核燃料サイクルの必要性」や高速炉「常陽」の明確化が示されています。しかし、核燃料サイクル政策の破たんはすでに明らかであり、「常陽」も「もんじゅ」同様、廃炉とすべきです。さらに、別記3に「原子力発電所の運転管理に必要な人材の確保・育成」を盛り込むことは、原発の運転・再稼働を意図するものであり同意できません。

●農作物種子法の復活を

次に、議10号、「主要農作物種子法の復活を求める意見書」について、採択を求めます。稲・麦・大豆などの種子は、農業の基本的生産資材です。今後、高い民間種子を買わなければならない事態が懸念されています。よって、これまで通り、優良で安価な種子の供給を将来にわたり保障することを都道府県に義務付ける種子法の復活を求めるものです。

●原発推進のエネルギー計画は見直すべき

最後に、議11号は、国の第5次エネルギー計画案の見直しを求める意見書です。今年夏の改定をめざす政府の計画案は、いまだに原発を重要なベースロード電源に掲げ、原発比率を20~22%としています。そのためには、40年を超える原発を含めすべての原発を再稼働させても足りず、今後建設する青森の大間原発や東通原発、島根原発3号機まで入れ込んだ数字です。
脱原発の世論と世界の流れに逆行する原発推進のエネルギー基本計画案見直しの意見書について、採択を求めて討論を終わります。

以上

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