「茨城県政パンフ」(2017年7月版)が完成しました。
※印刷物(パンフレット)をご希望の際は県議団までご連絡ください。

いまを支え未来につながるいばらきを 茨城県政を検証し提案します(PDF)

項目

未来につながるいばらきを

「魅力ある茨城」ってなんでしょう。
「県政の役割」ってなんでしょう。
私たちは、豊かな歴史と自然をいかし、一人ひとりの幸せを最大限ひろげ、一人ひとりの不安を最小限に減らしていくことだと考えます。
子どもたちが健やかに成長でき、若い人たちが希望もって働き、老後を心ゆたかにすごせる茨城県をともにつくりましょう。

県民の県政への要望は…

■県民要望は―― 1位「子育て支援」、2位「高齢者福祉」、3位「医療体制」…

「くらしが大変」「国保税が高い」……生活がいっそう困難になってきています。それだけに県政への要望も切実になっています。

県が2016年8~9月に実施した「県政世論調査」での「県政への要望」(3項目まで)では、1位「子育て支援」、2位「高齢者福祉」、3位「医療体制」の充実が上位を占めました。さらに「治安の向上」「高齢者の健康推進」「防災対策」「食の安全」「障害者福祉」「健康づくり」「雇用対策」とつづいています。
「子育て支援」は2年連続1位です。
年代別にみると、「子育て支援」は20~40代で最も多く、50~70代では「高齢者福祉」「医療体制」の要望が多く出されました。
地域別では、県央、県南、県西で「子育て支援」、県北で「高齢者福祉」、鹿行で「医療体制」が1位となりました。

家計で増えたのは「教育費」「医療費」

「暮らし向き」では29.7%の人が「苦しくなった」と回答。
その理由について「家庭内の事情で出費が増えた」(44.4%)が最も多く、「物価が上昇したため」(23.1%)と続きました。
家庭内で最も増えた経費については、「教育費」(34.7%)が最も多く、次いで「医療費」(20.1%)と続きました。
家計に占める教育費、医療費の負担が重くなっていることがうかがわれます。

保育・介護の公的サービスは不十分…

「女性が活躍する際の障害」についての質問には、女性の30代で約7割の人が「保育・介護の支援などの公的サービスが十分でない」(69.0%)と指摘し、「保育所や幼稚園に関する情報(場所、保育料)」を求めています(74.1%)。
子育て支援の充実が切実な要望となっています。

どうなっている県民の暮らし・福祉…

福祉・介護、医療の充実、安心な暮らし・雇用……県民の願いに県政はしっかり応えているでしょうか。

子育て支援

子どもの医療費助成

■残る所得制限、自己負担

子どもの医療費助成制度は長年の県民運動のなかで拡大されてきました。
しかし所得制限と自己負担は残されたままです。
2016年10月から厳しかった所得制限が緩和され、対象となる子どもたちが29万人から36万人に広がり一歩前進しました。

市町村の努力で独自に拡充

市町村では所得制限、自己負担ともなくしている自治体が増えています。
条件付きを含めると所得制限が8割以上の36市町村、自己負担が19市町村にまで広がっています。
対象年齢の拡大でも外来・入院とも中学3年生までが31市町村、高校3年生までが11市町で実施され、古河市と境町は20歳(学生)まで拡大しています。
県が所得制限と自己負担をなくし、対象の拡大に踏み出せば、それを土台に市町村においていっそうの制度の拡充や上乗せが可能になり、県内のどこに住んでいても安心して医療が受けられる子育ての仕組みがつくられます。

県は、高校卒業まで通院・入院とも所得制限も自己負担もなく医療費を無料にするためにはあと25億円の予算があればできると試算しています。
それでも知事は「財政的に困難」などと答弁しています。
25億円は1兆円を超える県の年間予算の0.2%。税金の使い方を変えれば十分可能です。

提案=
高校卒業まで医療費無料化を 必要な予算はあと25億円

●子どもの医療費助成は高校卒業まで拡大する。当面、通院・入院とも中学卒業まで所得制限も窓口負担もない完全無料化を図る。

保育

■増える待機児童

希望しても認可保育所に入れない子どもが増えています。
2016年10月は807人、過去5年間で最多となりました。
待機児童の97.1%(784人)は0~2歳児です。待機児童解消には、認可保育所の増設とともに、0~2歳児の保育定員の拡大や年度途中の入所を保障する支援策が不可欠です。
県内の保育士は約7千人。待機児童解消にはあと1千人が不足しています。
保育士の給与は全職種の平均より月額10万円以上低い現状です。
東京都は17年度予算で月額平均44,000円の補助を決めました。
県でも保育士の処遇改善が急務となっています。

■公立保育所は――10年で200→147カ所に減少

県内の公立保育所はこの10年間で53カ所減少しました。
国が保育の負担金を「一般財源化」の名でなくしてしまったことが大きな要因です。「公立保育所をこれ以上なくさないで」という県民要望に、県は「市町村が判断するもの」と公的保育への責任を回避しています。

障害児保育に県の独自補助なし

障害児を受け入れている保育所への補助は、国の加算金が低く、県補助もありません。市町村が独自に補助しているところもありますが、約4割の市町村では補助をしていません。県の補助が必要ですが、県は「市町村で判断すべき」と答えています。

提案=
待機児童解消へ認可保育所の増設、保育士の賃金引き上げを
  • 認可保育所の増設をすすめる。国庫補助の復活を国に求め、公立保育所の建て替え、増設をすすめる。
  • 障害児保育にたいする県補助を創設する。
  • 保育士の賃金を引き上げる。保育士の配置基準を引き上げ、加配のための県補助を実施する。

学童保育

■施設整備、指導員の処遇が課題

学童保育(放課後児童クラブ)は、2015年4月から実施された「子ども・子育て新制度」のもとで、これまで3年生までだった対象が6年生まで拡大されました。しかし施設や指導員の不足で利用が制限されている状況です。利用料の軽減のための県補助や指導員の正規化、複数配置のための運営費増額などを実施し、入所を希望する全ての子どもが利用できる施設・設備の改善が求められています。

児童福祉

■急増する児童虐待相談

児童虐待に対応する児童相談所は現在、県中央(水戸)、土浦、筑西の3ヵ所だけです。日立、鹿行(鉾田)は分室になっています。
児童虐待相談件数は1,200件を超え、2000年11月の児童虐待防止法施行後、3倍に増加し、過去最多となっています。
児童相談所が扱う全相談件数の3割近くを占めています。

児童福祉司 55人→19年度までに75人へ

児童虐待相談件数が法施行後3倍に増加するなかで、児童福祉司は2001年度=24人から16年度=55人と、約2倍にとどまっています。
県は17年度に8人増員し、19年度までには75人体制にすることを明らかにしました。
児童福祉司は経験と専門性が求められますが、16年度55人のうち、10年以上の職務経験者はわずかに8人です。人員の増員と専門性の向上が大きな課題です。
児童虐待には子育ての孤立や貧困問題が深く根ざしています。
児童相談所の体制強化とともに、一時保護所や児童養護施設、里親制度の拡充、NPOや子育て支援団体との連携が求められています。

提案=
児童相談所の相談支援体制の充実 職員の増員と専門性の向上を
  • 児童相談所の相談支援体制を充実させる。児童相談所を県南地域に増設し、日立、鹿行の分室は児童相談所として拡充する。
  • 職員の抜本的な増員と専門性向上のための研修を充実させる。

福祉・介護、医療

介護保険
■上がり続ける介護保険料

介護保険料は3年に1回見直されます。2015年4月の改定で676円(14.9%)値上げとなり県平均月額5,204円となりました(18年3月末まで)。
2000年の介護保険発足当時、月額2,000円台でスタートした介護保険料は初めて5,000円台となりました。
負担ばかりが増え、いざ必要なとき使えない――。
「公的保険」としての存在そのものが問われる事態となっています。

重たい利用料負担、3割負担導入も

介護が必要と認定されても15,207人(12.4%)の人がサービスを利用していません(16年11月)。利用料負担も高く、居宅サービスの利用限度額にたいする利用率は45.0%(14年度)にとどまっています。
利用料は発足以来1割負担でしたが、15年8月から一定額以上の所得がある高齢者は2割に引き上げられました。18年3月からは介護保険に初めて利用料の3割負担が導入されます。

■特養入所は――「要介護3」以上に限定

「医療・介護総合法」により、2015年度から特別養護老人ホームへの入所は原則として「要介護3」以上となりました。
14年度末の待機者約6,000人のうち「要介護1・2」の1,400人は一部の例外を除いて入所の対象外とされました。
入所者にたいしても利用料2割負担の導入とともに、食費・居住費を補助する「補足給付」が縮小され、大幅な負担増となっています。
さらに要支援1・2の通所介護と訪問介護を介護保険から外し、自治体が実施する地域包括支援事業に移行されます。
中核となる「地域包括支援センター」を県は152カ所設置するとしています。
市町村の多くは17年度から移行となりますが、これまでのサービスが継続できなくなると懸念されています。

提案=
必要な介護が保障される制度に保険料・利用料に減免制度を
  • 保険料・利用料の県独自の減免制度をつくる。
  • 軽度の高齢者から介護を奪うことのないよう独自の施策をおこなう。
  • 特養ホームを増設し待機者を解消する。
  • 介護士の賃金引き上げに独自補助をおこなう。
福祉・医療 全国指標をみると…

●福祉を支える財政は…

◇民生費(人口1人当たり、県・市町村財政合計) … 43位
◇社会福祉費(人口1人当たり、同) … 37位
◇老人福祉費(65歳以上人口1人当たり、同) … 42位
◇児童福祉費(17歳以下人口1人当たり、同) … 41位

●施設・職員体制は…

◇老人ホーム数(65歳以上人口10万人当たり) … 42位
◇老人ホーム定員数(65歳以上人口千人当たり) … 45位
◇障害者支援施設等定員数(人口10万人当たり) … 30位
◇児童福祉施設数(人口10万人当たり) … 37位
◇保育所数(人口0~5歳人口10万人当たり) … 34位
◇一般病院数(人口10万人当たり) … 30位
◇一般診療所数(人口10万人当たり) … 46位
◇医師数(人口10万人当たり) … 46位
◇看護師・准看護師数(100床当たり) … 43位
◇保健師数(人口10万人当たり) … 36位

総務省「統計でみる都道府県のすがた2017」、県統計課「茨城早わかり」より

国民健康保険税
■高すぎる保険税

国民健康保険は県民86万人、48万世帯が加入する県最大の医療保険です。しかし高すぎる国保税が大問題となっています。
水戸市の国保に加入する世帯の平均年所得は67万円、これに対し国保税は8万8千円。実に所得の13%もの負担です。
最大の要因は1984年以来、国庫負担が削減されてきたことにあります。国庫負担を計画的に引き上げ、誰もが払える国保税にする改革が急務となっています。

滞納世帯が約2割に、強まる「取り立て」

高すぎる国保税のもとで滞納世帯が加入世帯の約2割にのぼっています。滞納世帯には正規の保険証がとり上げられ、窓口で全額(10割)支払わなければならない「資格証明書」は4,387世帯に交付され、期限を区切った「短期保険証」も40,440世帯に交付されています(2016年6月現在)。

「収納率向上」のかけ声で強権的な取り立ても強まっています。
茨城租税債権管理機構が扱った滞納徴収額のうち国保税が最も多く38%を占めています(15年度)。

「都道府県化」で大幅引き上げの懸念も

18年度から国民健康保険の運営主体は市町村から都道府県に移されます。
高すぎる国保税を抑えるために市町村がおこなっている一般会計からの国保への繰り入れがなくなり、保険税の大幅引き上げなどにつながると懸念されています。

18歳以下の均等割免除など県独自の軽減策を

06年に廃止した市町村国保への県費補助の復活が求められてきましたが、今度は国保の運営主体が県に変わります。県独自の軽減策はどうしても必要です。
18歳以下の被保険者の均等割を免除するなどの支援は、子どもが多い世帯ほど高くなる国保税の課税方式のなかで、子育て支援にもなります。
県は試算の要請に約21億円で実現できると答えています。

提案=
国保への県独自軽減策で国保税引き下げへ
  • 県独自の軽減策で国保税の引き下げを図る。
  • 国庫負担の大幅引き上げを国に求める。
  • 滞納を理由にした保険証取り上げをやめる。強権的な取り立てをやめ、生活実態に応じた納付相談をおこなう。
福祉施策は…

●県立社会福祉施設を統廃合
◇保健所廃止(18→12カ所、94年4カ所、99年2カ所)
◇婦人相談所など4相談所を統合(2000年)
◇県立水戸看護専門学院・夜間定時制廃止(02年)
◇県立中央看護専門学院保健学科廃止(02年)
◇児童養護施設(友部みどり学園)廃止(03年)
◇知的障害者援護施設(内原厚生園)統廃合(03年)
◇特別養護老人ホーム(長生園)の廃止・民間売却(04年)
◇県立こども福祉医療センターを「民設民営化」(10年)

●福祉・医療施策の削減
◇介護慰労金の廃止(02年)
◇医療費助成制度に入院費・食事費の自己負担を導入(05年)
◇小児慢性疾患助成への県独自補助の削減(06年)
◇精神障害者通院費補助打ち切り(06年)
◇市町村国保への県費補助を廃止(06年)
◇在宅障害者通院費補助打ち切り(06年)
◇重度心身障害者の医療費助成を削減(08年)
◇妊産婦医療費助成の歯科診療を廃止(09年)
◇小児慢性疾患治療補助対象を縮小、所得制限を導入(09年)

後期高齢者医療制度
■保険料の「軽減措置」が縮小

後期高齢者医療制度には県内の75歳以上の高齢者約37万人が加入しています。国は17年度、低所得者にたいする保険料の軽減措置を縮小し、段階的に廃止する方針です。軽減措置の県内対象者は20万人以上おり、被保険者の半数以上が影響を受けることになります。
保険料を滞納し短期保険証を発行された高齢者は16年8月現在、41市町村で1,364人に達します。
長い治療を必要とする高齢者が、安定的に医療にかかれない事態は、健康と命にかかわる大問題です。

医療体制
■医師確保へ修学資金拡充を

県の人口10万人当たりの医師数は全国46位と最下位クラスです。
県は2017年度から筑波大学など7大学に設置している地域枠の医師修学資金貸与制度の貸与額を引き上げました。
しかし入学金が含まれていないなど、医師確保へいっそうの制度拡充が求められています。

分娩施設が減少「身近なところでお産できない」

本県の分娩施設は10年前と比べると3割も減少しています。
年間の分娩数は約2万3千件ですが、県内の産科・産婦人科医は200人程度と圧倒的に少ない現状です。
栃木県では産科医確保へ医師修学資金貸与制度の地域枠を拡大して産科の診療枠をつくって実施しています。
分娩施設の新設や再開に当たって県の整備支援が求められています。

障害者
■入所施設の現状は――

「親亡き後」を心配する声が切実です。家の近くで安心して暮らせる入所施設を望んでいます。
県内には民間施設など80カ所の入所施設がありますが、県立では水戸市にある「あすなろの郷」1ヵ所だけです。
障害福祉圏ごとに必要とされる障害者入所施設を計画的に整備していく県の施策が必要です。

生活保護
■必要な人が受給できる制度に

県内の生活保護受給者は約2万7千人、世帯数で2万世帯を超えています。
憲法25条が明記した国民の生存権を保障した制度です。
保護申請の門前払いや強権的な保護打ち切りなどの保護行政をあらため、必要な人すべてが受けられるよう、ケースワーカーの増員や相談体制の強化が急がれます。

教育

教育部門職員
■24年間で4,000人削減

現知事が就任した1993年以降、教員は24年間で4,081人削減されました。
「第7次行財政改革大綱」(17年度から5カ年間)では、今後の削減について、「公立小・中学校の統合や県立学校の再編整備の進捗など踏まえ」行うとしています。
教員の多忙化を解消し、子どもに向き合える学校現場にするためには教員の増員は最優先課題です。

増える臨時講師――特別支援学校は約2割

教員が削減されるなかで臨時講師が増えています。本来、正規の教員を配置すべきところを臨時講師で補充しているためです。
とくに特別支援学校では教員の約2割は臨時講師で占められています。

少人数学級
■35人超3クラス以上が条件―2クラス以下は非常勤講師対応

県は2017年度、小学生と中学1年生で実施してきた県独自の少人数学級を中学2年生まで拡大しました。県方式は35人を超えるクラスが1学年3クラス以上あることが条件ですが、教員をふやし、全クラスでの実施は県民の切実な願いです。

教育行政 全国指標は…

◇小学校教育費(児童1人当たり)… 24位
◇中学校教育費(生徒1人当たり)… 28位
◇高等学校教育費(全日制・生徒1人当たり)… 40位
◇特別支援学校教育費(児童・生徒1人当たり)… 46位
◇図書館数(人口100万人当たり)… 42位
◇青少年教育施設数(人口100万人当たり)… 44位
◇社会体育施設数(人口100万人当たり)… 32位

総務省「統計でみる都道府県のすがた2017」、県統計課「茨城早わかり」(平成28年6月)より

特別支援学校
■教室が足りない

県立特別支援学校(23校)の児童生徒数はこの10年間に約1,000人増えているにもかかわらず、その条件整備が図られていません。
200人規模で開校したつくば特別支援学校は現在398人と2倍の過密状態です。
教室不足が常態化し、特別教室を転用したり、1つの教室を仕切って2学級にするなど小中学校では考えられないことです。
設置基準を設け、早急な改善が必要です。

県教育委員会はつくば特別支援学校の過密解消として石岡市内の中学校跡地に2019年度に新設する計画です。
しかし人口増のなかで過密解消にはならない見込みで、つくば市議会は市内に新設校設置を求める意見書を全会一致で可決しています。

校舎面積は必要面積の55%(文科省調査)

県の特別支援学校の校舎面積は必要面積の55.0%しか確保されていません(16年度の文部科学省実態調査)。全国平均の65.9%を下回っています。
つくば特別支援学校の場合、必要面積18,891m²のところ実際は10,363m²(54.9%)しかありません。

提案=
特別支援学校の教育条件の改善は急務 大規模・過密化校の分離・新設を
  • 教室不足を早急に解消する。
  • つくば特別支援学校の分離・新設を急ぐ。
  • スクールバスの増車を図り、長時間・遠距離通学を解消する。介助員の複数配置コースを増やす。
  • 特別支援学校の設置基準を国に求める。
私学助成
■続く高学費、出遅れる県補助

茨城県の私立高校の初年度納入金(授業料+入学料+施設整備費)は2016年度、809,742円と全国平均より8万円以上も上回り、全国6番目の高学費県となりました。各県が保護者負担の軽減に取り組んでいるなかで本県は大きく出遅れています。
埼玉県は17年度、授業料無償化の対象を拡大、東京都も年収760万円未満世帯の授業料無償化へ踏み出しました。
県は17年度、私立高校の入学金にたいする新たな県独自の減免制度を創設しましたが、私学の生徒と保護者は高い学費負担、公私間格差を強いられており、その改善は焦眉の課題となっています。

学校統廃合
■県教委の「指針」で加速

県教育委員会は2008年4月、「公立小・中学校の適正規模について」(指針)を策定。
学校適正規模を小学校12学級以上、中学校9学級以上としました。
学校の規模や配置は、子どもの教育にとってどうなのかを第一に考えるべきです。
「適正規模」を根拠に一方的に統廃合をすすめることは許されません。

スクールバス 35市町村で運行

学校統廃合によって歩いて通えるところに学校がなくなり、子どもの通学を困難にしています。
スクールバスは現在35市町村で運行され、うち11市町ではバス代が保護者負担です。
県教委は統廃合のための指針を出しながら、スクールバスの料金は市町村任せです。無料化のために県補助の拡充が必要です。

暮らし・経済

雇用者報酬
■企業所得が増える一方、雇用者報酬は減少

県内経済はこの10年で企業所得は12%増える一方、1人当たりの県民雇用者報酬(役員報酬など含む)は減り、非正規労働者は20%以上増えています。
「県政世論調査」(16年8~9月)では、「暮らし向きの変化」について約3割の人が「苦しくなった」と答え、その理由について、家庭内の出費(教育費や医療費の増大など)、物価の上昇、不景気(倒産、経営不振、解雇など)などが8割以上を占めました。

県民の暮らしと地域経済の建て直しのためには、賃上げと安定した雇用の拡大が不可欠です。

■全国平均より低い最低賃金

県の最低賃金は2016年10月1日から時間額771円(改定前747円)です。
全国平均よりも52円安く、関東1都6県のなかでも下から2番目です。
労働者全体の賃金の底上げには最低賃金の大幅引き上げが必要です。
最低賃金の地方格差を是正し、先進国では当たり前の全国一律最低賃金に踏み出すべきです。
最低賃金はいますぐにでも時給1,000円を実現し、1,500円をめざすことは県民の切実な要求となっています。

県が国にたいし最低賃金の大幅引き上げと、そのための中小企業支援の拡充を求め、県独自としても支援策をおこなうことが必要です。
公契約条例を制定し、県が発注する事業者との間で結ばれる契約に、生活できる賃金・単価を保障するよう定めることや、県や市町村で働く臨時・嘱託職員の賃金引き上げなどの処遇改善が緊急に求められています。

県内労働者
■製造業が減少、サービス業が増加

県内事業所で働く従業員数を産業大分類でみると、最も多い産業が「製造業」から「サービス業」に移っています。
「サービス業」が増えている大きな要因は介護事業所の増加に伴い「医療・福祉」関係の従業員が増えていることです。
2002年の分類改定で「医療・福祉」は「サービス業」に分類されました。
「平成26年経済センサス」では、県内の「サービス業」は42万人を超え、そのうち「医療・福祉」関係は約15万人、35%を占めています。

雇用対策
■非正規労働者が4割に

県内の非正規労働者は約47万人、39.3%を占めています(2014年)。
県は税金を免除して企業誘致をすすめていますが、誘致した企業が不安定な非正規を増やしている例も明らかになっています。
誘致した企業の雇用実態を把握し、大幅な雇用変動の場合は県への報告を義務付けるなど、県民の雇用をまもる独自の対策が必要です。

県が正社員化の目標もって

東京都は15年度から独自の助成金を設け、非正規労働者の正規雇用化を支援しています。
本県でも独自の助成制度を新設し、正規化の目標をもった実効ある取り組みが求められます。

中小企業
■県内雇用の85%支える

県内の中小企業は、地域に根をおろし、モノづくりやサービスの需要にこたえて県内の85%の雇用を生み出しています。
地域経済に果たしている役割にふさわしい中小企業支援策が求められます。
公共事業を学校や福祉施設の建て替え、道路・橋梁の維持補修、公共施設のバリアフリー化など県民生活分野を優先にすすめれば中小企業の仕事と雇用の増加につながります。
「住宅リフォーム助成制度」の導入などは、県民の住環境の改善とともに、地域経済への波及効果としても大きな威力を発揮します。

商店街
■「衰退している」7割以上

県が3年毎に実施している「商店街実態調査」(14年度)では76.6%の商店街が「衰退している」と答えています。

高崎市が13年度に店舗の改装などに県が正社員化の目標もって助成する「まちなか商店リニューアル助成事業」を創設しました。
県レベルでも高知県が15年度から「店舗魅力向上事業費補助金」を創設しています。県でもこうした積極的な商店街の振興・支援策が求められます。

農業

農業産出額
■8年連続で全国2位

農業産出額は8年連続全国2位となりました。
部門別では90年当時は、米、園芸、畜産でほぼ3分の1ずつでしたが、現在は園芸53.7%、畜産28.4%、米15.3%と生産構造が大きく変化しています。

農家数と耕作放棄地面積
■農家数減り、耕作放棄地が増加

農業従事者の高齢化などで農家数は減少しています(65歳以上は15年度63.0%)。
耕作放棄地も15年度23,918haと、10年度に比べ2,798ha(13.0%)増加しました。

新規就農者支援
■担い手確保まったなしの課題

茨城農業の新たな担い手の確保・育成はまったなしの課題です。
国は2012年度から青年就農給付金制度をスタートさせました(45歳未満の就農者に年150万円、最長5年支給。17年度から名称が農業次世代人材投資事業)。
県は国の制度を活用しながら20年度には年400人の新規就農者(45歳未満)を目標にしています。
16年度から県は新規就農者の研修を引き受けるJA部会や生産者組織に研修費用などの支援を開始しています。

米価補償
■作れば作るほど赤字に

農林水産省はコメ1俵をつくる生産費を15,390円と試算していますが、16年のコメの販売価格は約13,000円。「作れば作るほど赤字」という実態です。
13年度までは農業者戸別所得補償がとられ、稲作農家の再生産を支えてきました。14年度から「経営所得安定対策」に切り替えられ、コメの交付金は10アール当たり15,000円から7,500円に引き下げられました。
さらに18年度産米からはそれも廃止の方針です。
価格保障・所得補償を組み合せ、農家が生産コストをカバーできる施策が不可欠です。

農林水産予算
■公共事業が4割占める

一般歳出に占める農林水産予算(当初)の割合は2008年度の6.0%から17年度は3.7%に低下しました。
予算内容も4割は公共事業です。安心して再生産ができる価格・所得対策を農業予算の柱にすべきです。

提案
=価格保障・所得補償を強め 安心して再生産できる農業に
  • 農産物の価格保障・所得補償を強化し、再生産できる農業をつくる。
  • 新規就農者を増やすために特別の努力を行う。
  • 「地産地消」のとりくみを強める。米飯給食を増やし、地元産を活用したパンや加工品の普及・拡大を支援する。直売所や加工業への支援を強める。

被災者支援・防災対策

東日本大震災 2011年3月11日
■住宅被害は「一部損壊」が大半

東日本大震災での県の住宅被害は約21万4千棟に及びました。
その約9割は国の被災者生活再建支援法の対象にならない「一部損壊」でした。
中小企業も震災直後の県のアンケートに7割が建物や生産設備などに被害があったと回答しています。

住宅再建とともに事業継続に必要な県独自の支援策が切実に求められました。
しかし県の対策は、住宅の修繕資金への利子補給にとどまり、被害実態とはかけ離れた制度となりました。

関東・東北豪雨 2015年9月
■鬼怒川が決壊し甚大な被害

2015年9月9日から10日の台風18号の豪雨によって国管理の鬼怒川をはじめ、県管理の八間堀川や西仁連川、飯沼川など49河川で堤防の決壊や法面崩れなどを起こし、常総市を中心に流域の市町に甚大な被害をもたらしました。
被害は住宅のほか商店街や病院、鉄道・道路、農作物や農地、農業機械、ハウスなの農業施設に及びました。

県が被災者生活再建支援――半壊にも補助

県は特例的な支援策を実施しました。
主な支援策は▽被災者生活再建支援法で補助対象外の半壊世帯に25万円補助▽災害救助法に基づく「住宅応急修理」の所得制限をなくし、半壊世帯すべてに56万7,000円補助▽農家の農業機械や施設の取得・修繕費の上乗せ補助(自己負担40%)▽中小企業の機械や設備の取得・修繕費に上限50万円の県独自補助――というものです。
県は半壊世帯を支援する県独自の「被災者生活再建支援補助事業」を今後発生する地震を含めた自然災害に備えて恒常的な制度として16年7月にスタートさせました。

遅れていた鬼怒川の堤防整備――整備率17%

鬼怒川の県内堤防整備率は16.8%で、堤防を整備する予算も増えていませんでした。一方で上流の湯西川ダム(栃木県)には1,727億円が投じられました。
ダム建設より堤防強化が求められました。
国と県、常総市など7市町が主体となる「鬼怒川緊急対策プロジェクト」は、15年度から6年間で約600億円を投じ堤防整備をすすめる計画です。
県はこれで堤防整備率は約9割に向上するとしています。

提案
=被災者の生活と生業の再建を支援 堤防の早期整備をすすめる
  • 被災者生活再建支援法の支援金を300万円から500万円に引き上げ、対象を半壊などに広げるよう国に求める。
  • 中小商工業者や農家の施設・設備の再建、改修の支援を強化する。
  • 河川改修予算を増やし堤防の早期整備をすすめる。

環境

霞ヶ浦の水質
■水質悪化は環境基準の約3倍

霞ヶ浦の水質は依然として高い値で推移しています。
15年度の状況は、CODで環境基準の2.7倍、全窒素で2.8倍、全リンで3.1倍でした。
霞ヶ浦の水質浄化には1975年から2010年まで35年間に1兆2,800億円が投じられてきました。
そのうち2,700億円(21.1%)は大規模浚せつや霞ヶ浦導水事業など大型公共事業が占めました。
浄化対策には下水道整備や高度処理浄化槽設置への支援、減農薬農業への転換と補助制度などの実効ある取り組みが必要です。

地球温暖化対策
■CO²排出は産業部門が7割

本県の2013年度の温室効果ガスのうちCO²(二酸化炭素)の排出量は5,000万トンでした。
排出割合は産業部門が最も多く72.6%を占め、全国の2倍以上となっています。
県環境白書は「本県は鉄鋼、石油化学製品生産県であることから、産業部門の比率が全国の2倍以上となっているのが大きな特徴」と説明しています。
温室効果ガスの削減は、「企業まかせ」ではなく、大口排出施設にたいする削減量の義務付けなど実効ある対策が欠かせません。

CO²削減に逆行する石炭火発の増設

常陸那珂港区北ふ頭に立地する東京電力常陸那珂火力発電所1・2号機に加え、新たに3号機が計画されています。
政府は石炭火発を原発と並んで「重要なベースロード電源」と位置付け推進しています。
石炭火発はCO²を大量に排出します。地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」は今世紀後半にCO²排出「実質ゼロ」をめざしています。
石炭火発の新増設は世界の流れに逆行するものです。
さらに有害な大気汚染物質を排出し、健康や自然への影響も深刻にします。
県は事業者にたいし石炭火発増設計画の中止を申し入れるべきです。

エコフロンティアかさま
■放射性物質含む廃棄物受け入れ

県環境保全事業団は2005年に管理型最終処分場と焼却施設を併設した「エコフロンティアかさま」(笠間市福田)を開業させました。
当初、操業期間は10年間としていましたが、2010年に30年に延長し、産業廃棄物は県外からも、可燃ごみは市外からも受け入れることに方針転換しました。
福島原発事故後は県内外から2,000ベクレル以下の放射性物質を含む廃棄物も受け入れています。
住民団体は、「1kg当たりのベクレル値は低くても総量になると大変危険」と指摘し、浸出水や放流水、汚泥の放射性物質の濃度、遮水シートの寿命が尽きた後のセシウム137の地下水汚染の危険性などを訴えています。

県は不十分な情報開示を改め、住民団体の要請に誠実に応えることが求められます。

自然エネルギー

太陽光発電
■住宅用発電の助成を廃止

固定価格買取制度は2012年7月に本格実施され、県内では太陽光発電導入容量が拡大しました。16年12月時点で約200万kwとなりました。
しかし、ほとんどはメガソーラーなど大規模施設で、10kw以下の住宅用発電が占める割合は8.5%に過ぎずません。
県は11年度に住宅への太陽光発電の補助制度を廃止しています。

無秩序な開発に県がガイドライン

無秩序な太陽光パネル設置にたいし、県はガイドラインを策定し、16年10月から施行しました。
対象は出力50kw以上の事業用太陽光発電施設。「設置するのに適当でないエリア」を明記したほか、事業者にたいし地元関係者への事前説明や災害への対策、設置した後の適正な維持・管理を求めています。

利用可能量
■自然エネルギーが豊富な県

県の再生可能エネルギーの利用可能量は太陽光発電を中心に約250万kwあり、その規模は原発2基分以上に相当します。
再生可能エネルギーの普及をさらに促進するためには、住宅用の太陽光発電の設置補助を復活させるなど県の積極的な取り組みが求められます。

街づくり

生活道路
■道路改良率は全国最下位

県の道路延長は市町村道が長く北海道に次いで全国2位ですが、道路改良率は全国最下位という現状です。
県は2011年度から「安心安全な生活道路整備事業」として、県管理の国県道の歩道整備とともに、市町村の歩道設置などに補助をしてきました。
当初3カ年事業としてはじめましたが、市町村の要望が強く2年延長し、15年度に終了させました。
県は県管理の国県道で歩道設置率が08年度末64%が15年度末68%まで高まったとしています。
また市町村補助によって39市町村44カ所で通学路の歩道設置などが整備されました。

生活道路整備へ恒常的な予算確保を

生活道路の整備のためには恒常的な制度として予算を確保し計画的な整備が求められます。
改良率の低い市町村道への県補助の拡充も必要です。
16年度の「包括外部監査」では、事業を5年間で終了させたことに「地域住民が道路を利用する際の安全性や利便性の向上は、住民の福祉向上に直接通ずるものである。事業の継続が望まれる」と指摘しています。

通学路
■危険個所の再調査必要

通学時の悲惨な事故が相次ぐなかで2013年度、県は学校関係者、警察、道路管理者による通学路の合同緊急点検を行いました。
その結果、小学校で対策が必要な危険個所は1,890カ所に上りました。
しかしこの調査では1校1ヵ所に絞った市町村もあるなど、実態が反映した調査とはなりませんでした。
取手市では1校で3ヵ所を報告していましたが、統合を予定していた3校の危険個所は61カ所に上りました。
実態にあった再調査を実施し、通学路整備の予算を抜本的に拡充することが急務です。

コミュニティバス
■県の財政支援はなし

地域の足である地域公共交通を守ることは地方自治体の重要な役割です。
路線バスの縮小や廃止のなかで県内市町村は独自にコミュニティバスやデマンドタクシーを実施していますが、県の財政的支援はありません。
利用者数はコミュニティバスで年間295万人(14年度)に及びます。
高齢者の移動手段として充実を求める声が強く、市町村への県支援策が求められています。

県は国の交付金を活用して市町村の境を超えて都市間を結ぶ「広域連携バス」の実証運行をすすめています。
コミュニティバスなどが相互乗り入れできるよう協議会の設立など県の役割が重要になっています。

残土条例
■全国一規制甘い県に

県内のあちこちに残土が埋め立てられています。
そのうち半分は県外からの持ち込みが占めています。
土砂の埋め立ての規制と指導・監督は、5千m²以上が県、それ以下を市町村が行っています。
最近、1万m²を超える埋め立て地を3区画に分けたり、1区画の面積を県の許可面積ぎりぎりで申請する例が起きています。
こうした例を防ぐには許可面積を他県並みに引き下げ、他県の残土は持ち込ませないなど条例による規制強化が必要になっています。

取手競輪場
■廃止して市民の憩いの場に

県営取手競輪場は1950年に戦後復興事業として開設されました。
JR取手駅から徒歩10分の市街地中心部に東京ドーム2つ分の広さを有しています。
市民から「公園に転用してほしい」「市民の憩いの場に」などの声が上がっています。
取手競輪場の現状は、入場者数がピーク時の1割にも満たない状況で、車券売り上げもピーク時の2割程度です。
県の一般会計への繰り出しも1億円にとどまっています。

今後、赤字も懸念されており、事業を廃止し、県民の意見を聞く機会を設け、新たな県有施設として活用が図られるよう検討に入るべきです。

基地問題

百里基地
■戦闘機部隊配備の実戦基地

航空自衛隊百里基地は、全国唯一の偵察航空隊をもち、2つの戦闘機部隊が配備されている全国最大規模の実戦基地です。
これまで滑走路は1本しかなく、誘導路は反対住民の「一坪運動地」によって「くの字」に曲げられ、「欠陥基地」といわれてきました。

2010年に「百里基地民間共用化」事業によって新滑走路が完成し、自衛隊も自由に使用できるようになり、基地機能が強化されました。
この間、日米共同訓練は7回行われています。
自衛隊の新滑走路使用は年間600回(11年度)に及んでいます。

■周辺住民苦しめる騒音被害

百里基地の騒音調査のため県は滑走路の北側と南側の2カ所に自動測定局を設置しています。調査結果はいずれも環境基準(57dB以下)を大きく超えています。
県は騒音被害の実態調査を行い、国にたいし被害補償を求めるとともに、早朝、夜間の飛行、低空飛行の禁止を申し入れるべきです。

茨城空港
■「軍民共用」の危険

2010年3月に開港した茨城空港は、実戦基地に旅客機を発着させる「軍民共用」の空港です。
新設された滑走路には平行誘導路がないばかりか、自衛隊滑走路との間隔が210mと全国の飛行場に例のない狭さです。
悪天候など視界不良のときに安全に旅客機を誘導する計器着陸システム(ILS)が設置されていません。
2012年4月22日にスカイマークの旅客機が誤って自衛隊用の滑走路に着陸する事故が起きています。

■「利用促進」へ毎年税金投入

茨城空港の国内便の旅客数は、開港時の需要予測である年間81万人に対し46万人(16年度)という現状です。
そのため県は「就航対策」「利用促進」のために毎年多額の予算を計上し続けています。
15年9月には民事再生手続き中のスカイマーク社に着陸料の半額補助を決めました。
「就航対策」や「航空会社支援」への税金投入ではなく、地域の公共交通に取り組む市町村支援こそ県の役割です。

低空飛行
■米軍機の訓練飛行ルートに

県南西部で米空軍機の低空飛行が目撃され住民の不安を高めています。
在日米軍横田基地(福生市など5市1町)のC130輸送機が首都圏周辺上空で9本の訓練飛行ルートを設定し、低空飛行や編隊飛行訓練を実施していることが米軍資料でわかりました。
訓練飛行ルートには本県南西部が含まれています。
米軍横田基地には垂直離着陸機オスプレイの配備が計画されており、オスプレイの訓練が始まれば、事故の危険や騒音被害はいっそう大きくなります。
県は、米軍機の低空飛行訓練の中止、オスプレイ配備の撤回を国に求めるべきです。

18歳名簿提出
■自衛隊に個人情報を提供

自衛隊茨城地方協力本部が18歳男女の自衛官募集対象者名簿(氏名、生年月日、住所、性別の4情報)を紙媒体で提出するよう市町村長に求めています。
自衛隊法97条、施行令120条を法的根拠にしていますが、提出を求めることが出来る資料は統計資料などであり個人情報ではありません。
住民基本台帳法は、外部提供を原則禁止しています。

しかし県は閲覧請求や資料提出を求めることは「法的に問題ない」という姿勢です。
県内では約半数の市町村が紙媒体で名簿を提出し、残り半数が閲覧請求に応じています。

平和行政
■非核平和県宣言生かして

「非核平和県宣言」は2009年12月の第4回定例県議会で全会一致決議されました。全国では41道府県が宣言しています。
2016年3月までに県内全市町村で非核都市宣言が決議されています。
12市町村では毎年、広島平和記念式典に小中学生の代表派遣に取り組んでいます。
県としても「非核平和県宣言」の趣旨を生かし、平和行政の推進体制をつくり、広島平和記念式典への高校生の派遣や市町村支援、原爆パネル展の実施など、積極的な取り組みが求められています。

非核平和茨城県宣言

核兵器を廃絶し、戦争のない平和な世界を実現することは、茨城県民すべての願いであり、人類共通の悲願である。
わが国は、世界唯一の被爆国として、平和を希求する国民世論の同意のもと、非核三原則を国是として、世界の恒久平和の実現を目指している。
しかしながら、地球上には今なお多くの核兵器が存在し、人類に大きな脅威を与え続けている。
また、民族・宗教・経済的利害の対立などにより、世界各地で武力行使が行われるとともに、新たな核兵器の拡散の懸念が生じている。
このような状況の中、今般、国連安全保障理事会の首脳会合において、核兵器のない世界を目指す決議が採択されたことは、今後の核廃絶に向けた貴重な第一歩となる歴史的な出来事であった。
私たちは、広島・長崎の悲劇を再び繰り返さないために、世界に対し、核兵器の廃絶と軍縮、生命の尊厳と世界の平和を強く訴え続けていかなければならない。
茨城県議会は、県民とともに、全人類の幸福と世界の恒久平和の実現を目指すため、核兵器の一日も早い廃絶を願い、ここに「非核平和茨城県宣言」を行う。
以上、決議する。

平成21年12月9日 茨城県議会

大型開発はいま…

大型開発をやれば企業が進出し地域がよくなるといって巨額の税金を投入してきましたが、現実はどうでしょうか…。

茨城港常陸那珂港区建設

■北ふ頭は大企業の“専用港”

茨城港常陸那珂港区建設は、ひたちなか地区開発の中心的事業です。
東海村とひたちなか市にまたがる海岸を埋め立て、北、中央、南の3つのふ頭を建設する総事業費6,800億円の巨大事業です。
北ふ頭は1988年に着工し、98年12月に内貿バース、2000年4月に外貿バースが完成しました。
北ふ頭の面積200haの7割は東京電力常陸那珂火力発電所が占めています。
現在、1・2号機が稼働し、さらに3号機が計画されています。
07年に港湾用地を工業用地に用途変更して大手建設機械メーカーを誘致しました。
現在、コマツ、日立建機の2社の工場が臨港地区に進出し、北ふ頭はさながら2社の“専用積み出し港”と化しています。

取扱貨物量の半分は火力発電所の輸入石炭

入港船舶数は年間1,565隻、取扱貨物量は1,078万トンです(2015年)。
前年より増えていますが、火力発電所用の石炭の輸入増によるものです。
取扱貨物量の51%は輸入石炭が占めています。
県は14年度からコンテナ貨物を呼び込むために利用荷主や新規に航路を開設した船会社を支援する助成制度を導入しました。
県は「インパクトのあるポートセールスが可能になる」などと説明しています。

■中央ふ頭内に工業用地造成

常陸那珂港区の中核ともなるのが中央ふ頭です。
県は2001年2月、北ふ頭の貨物が伸びないなかで、今後「需要が見込める」などとして中央ふ頭建設に着手しました。
09年3月には中央ふ頭の一部を工業用地(58.8ha)に計画変更しました。
ふ頭内で組み立て、直接船に積み込めるようにしたいという企業の要請に応えるものでした。
中央ふ頭は常陸那珂火力発電所の石炭灰の処分場にもなっており、重金属の有害物質による海洋汚染が懸念されています。

■総事業費は6,800億円――すでに3,600億円投入

港湾建設費の半分は県負担

常陸那珂港区の総事業費6,800億円のうちすでに3,599億円が投入されました。
電力会社の負担もありますが8割以上は税金によるものです。県負担は51%に及びます。
常陸那珂港区建設関連予算は毎年100~200億円規模の予算が計上されています。

今後、常陸那珂港区建設には3,200億円以上が投入される計画です。

■開発用地に大型店が集中立地

常陸那珂港区を含めた「ひたちなか地区」は総面積1,182ha、千代田区に匹敵する広さです。
この土地に「国際港湾公園都市」の建設をめざしているのが「ひたちなか地区開発」です。
現在、税金投入の港湾建設などは着々とすすめられていますが、企業呼び込みによる業務ビルやホテルなどの姿はありません。
県の開発用地には大型商業施設が集中立地しています。地元の商工団体から「地域の商業環境に大きな影響を及ぼしている」「これ以上の大型商業施設の立地は控えてほしい」との要望書が県に提出されています。

ひたちなか市と東海村は「まちづくりの方向性に一定の整理がつくまで土地の処分を留保するよう」求めています。
しかし県は「早期処分が必要。特定機能に限定することなく誘致する」(議会答弁)と、地元の声に耳を傾ける姿勢ではありません。

提案
=常陸那珂港区の中央・南ふ頭建設は中止する
  • 常陸那珂港区の中央・南ふ頭建設は中止する。
  • 中央ふ頭の一部を埋め立てる新たな工業団地造成は中止する。
  • ひたちなか地区開発は凍結し、県民生活優先の立場から土地利用計画の全面的な再検討を行う。

水開発・ダム

県水道

■人口減少期に過大な需要予測

県の長期水需給計画(2007年3月改定)は、2020年を目標年次に1人1日最大給水量を450リットル、1日最大給水量を143万1,000トンと予測し、水源開発をすすめています。
県総合計画では2025年の県人口を280~281万人と予測しています。
県総合計画で人口減少を予測しながら、水の使用量だけは増えるという計画です。
県は長期水需給計画改定で日量47万トン、100万人分の水余りを認めざるをえませんでした。

過大予測による水源開発は、結局は市町村・県民に高い水道料金となって跳ね返ってきます。
県内の4つの広域水道事業の15年度決算は32億円の純利益となりました。
関係市町村から毎年、水道料金値下げの要望が出されています。17年度は県中央広域水道が引き下げられました。

水開発

■事業目的が破たんしている霞ヶ浦導水事業

霞ヶ浦導水事業は、那珂川~霞ヶ浦~利根川の間を地下トンネル(導水路)で結びそれぞれの水を往来させ、▽霞ヶ浦の浄化▽新規都市用水の確保――を目的に、1984年に着工された総事業費1,900億円の大規模公共事業です。
国土交通省は16年3月、完成予定を2015年度から2023年度に延期すると発表しました。工期の延期は4度目です。事業費1,900億円は変更しないとしています。
すでに事業費の8割を使っていますが、トンネル工事の進捗率は3割程度です。
今後、工期延長と事業費の大幅増額は必至の状況です。

那珂川の送水で水質浄化できない

事業目的の一つ、那珂川の水を導水して霞ヶ浦を浄化するという方法は、アオコを増殖させる硝酸態窒素が那珂川の方が霞ヶ浦より高く、むしろ導水によって富栄養化を促進させることが明らかになっています。
さらに霞ヶ浦に繁殖する特定外来生物カワヒバリガイ(二枚貝)などが導水によって那珂川に拡大すれば、農業用水施設に侵入して通水障害を起こしたり、河川生態系に悪影響を及ぼします。
異なる水系の水を移動させることは生物多様性条約・同基本法にも反するものです。

水余りひどくし、市町村・住民の負担増に

もう一つの事業目的「都市用水の確保」は、すでに県は大幅な水余り状況で、新規用水は必要なくなっています。
とくに導水事業から最も多く供給を予定している県中央広域水道(水戸市など10市町村、1企業団)は、事業が完成すると現在の給水実績の4倍以上の水を県から買うことになります。
事業の継続は市町村と住民に新たな負担を強いることになります。

■八ッ場ダム――事業費は2.5倍に増額

国土交通省は16年8月、群馬県長野原町で建設中の八ッ場(やんば)ダムの事業費を約720億円増額し、約5,320億円にすると発表しました。
県負担金も42億円増額され、311億円となります。

国が治水対策や首都圏の水の確保を主目的に利根川上流の吾妻渓谷にダムをつくる構想を発表したのは65年前の1952年です。
当初の事業費は約2,110億円、今回の計画変更で事業費は2.5倍に膨れ上がりました。
国交省は今回の増額について、地すべり対策や地質が想定と異なったことなどを理由にしていますが、工事がすすめばさらに事業費が膨らむおそれもあります。

利水・治水とも必要性失う

事業目的の一つ治水対策は、ダム予定地が利根川最上流にあり、下流域の水位低減には役立ちません。
洪水を防ぐには利根川の河川改修予算を増やし堤防整備を急ぐことが求められています。
水の確保という目的も、首都圏はすでに水需要が減少しています。
県の八ッ場ダムによる水利権は日量約9万トンですが、今でも日量47万トン余っているもとで、さらに水余りを深刻にするだけです。

提案
=霞ヶ浦導水、八ッ場ダムから撤退 水道事業黒字分を料金引き下げへ

  • 霞ヶ浦導水事業や八ッ場ダムなど過大な水源開発は中止する。
  • 長期水需給計画を見直す。水道事業の水量、料金、契約水量については、地下水など既得水利権を優先し、市町村へ過大な押し付けは見直す。
  • 広域水道事業の黒字分を還元し、水道料金を引き下げる。

TX沿線開発

■将来負担伴う大規模宅地開発

つくばエクスプレス(TX)沿線開発は、県などが事業主体となり、8地区1,700haに人口10万人を呼び込む大規模宅地開発です。県は民有地の先買いや区画整理事業を行ってきました。
土地の処分がすすまず、地価下落がつづいて将来負担額は15年度決算で約510億円と見込まれています。
県はTX鉄道会社からの償還余剰金などがあり、実質的な将来負担額は約120億円を見込んでいると説明しています。
つくば市の開発地区では人口増にともなう学校整備が追いつかない状況です。
これまであった学校は大規模化を招き、新設予定の学校も大規模化が予想されています。
開発優先で学校など教育条件の整備は後回しにしてきた県の責任が問われています。

開発の破たんに税金投入

借金を財源にした土地造成によって、残されたのは売れ残り土地と借金の山です。
そのツケを払うために県民の暮らしを守る大切な税金が消えていきました。

破たん処理

■売れ残り土地の借金返済に、これまで2,222億円投入

県民生活支援より金融機関への支払いを優先

売れ残り開発用地の破たん処理予算が急増しています。
2006年度から17年度当初予算を含め、これまで2,222億円の税金が投入されました。
大震災で住宅復旧など生活再建に県の独自補助が求められた11年度も360億円以上が破たん処理に回されました。
県民の暮らしを支援すべき県政の役割が問われます。
金融機関に対して、返済額の縮減や返済期間の延長など「貸し手」責任を求め、県民負担をできるだけ少なくする財政運営上の努力が求められます。

バブル崩壊後にも土地取得を拡大

現在、県や開発公社、土地開発公社が保有する土地は1,072ha、借入残高は2,252億円にのぼります。
20年以上も売れ残りを抱えている工業団地は、いずれも1991~93年のバブル崩壊後に取得した土地です。
2010年9月に都道府県では初めて破産申し立てをした住宅供給公社も、売れ残り土地の8割はこの時期に取得した土地でした。
景気が後退し本来、開発を控えるべき時期に事業を拡大した知事の県政運営の責任は重大です。

県債残高

■現知事のもと借金は4倍に

県の借金である県債残高は、2017年度末には2兆1,632億円、年間予算の2倍となり、現知事(1993年度~)のもとで4倍に増やされました。
県債残高の増大にともない、毎年の借金返済である公債費の支出も増えています。17年度当初予算では1,410億円(構成比12.6%)と、教育費、保健福祉費に次ぐ大きな予算規模となっています。

■通常県債の7割は公共事業

2兆円を超える県債残高のうち、「特例的県債」といわれる約9千億円は、地方交付税の不足分の穴埋めとなる臨時財政対策債がほとんどで、元利償還金が後年度に交付税措置されるとされています。
それを除いた「通常県債」1兆2千億円の使い道は、7割以上が公共事業関係です。
借金を財源に港湾や水開発、企業誘致のための大型開発がすすめられ、財政悪化の最大の要因となりました。
一方、県民には財政悪化を理由に、暮らし・福祉予算の削減や負担増が強いられました。

税務行政

■進出企業に税金免除

県は県内に新規立地・増設した企業に対し、不動産取得税と法人事業税を3年間免除をしています。免除総額は12年間で312億円にのぼります。
免税を受けている進出企業が人員リストラ整理をすすめている例も出ており、雇用を守るための県の要請が必要です。
進出企業への優遇策から県内の雇用を支える中小企業支援に産業政策の転換が求められます。

■租税債権管理機構で徴税強化

茨城租税債権管理機構は、市町村税や個人県民税の滞納整理を目的に2001年4月、全国に先駆けて設立されました。
県内44市町村で組織する一部事務組合ですが、県は事務局長や各課長を派遣し、年間1,700万円を補助しています。
市町村から徴収業務が移管され、厳しい取り立てが行われています。
日本共産党や商工団体に徴税攻勢を受けた住民からの相談が相次いでいます。
滞納者一人ひとりの生活実態に応じた納付相談こそ必要です。

原発の危険から県民まもる

原発事故から県民の命と健康を守り、「原発ゼロ」の社会をめざすことは県政の重要な役割となっています。

東海第2原発

■40年の老朽原発、トラブルが多発

東海第2原発は2018年11月、運転開始から40年を迎えます。
運転開始からのトラブル状況について、運転当初は部品の不具合などがありましたが、20数年から30年を過ぎると明らかに増加傾向にあります。
原発は長期間運転すれば、放射線にさらされる原子炉がもろくなったり、配管などの設備が老朽化したりして事故の確率が格段に高まります。
福島原発事故後の法律改正で、老朽原発の経年劣化による危険性から原発の運転期間は40年と定められました。

住民の不安は「高経年化」(老朽化)対策

日本原電が14年10月から周辺14市町でおこなった住民説明会で最も多く出された質問は「高経年化」(老朽化対策)にかかわることでした。
16年10月からの発電所状況報告会でも「火災・ケーブル対策」など老朽化に関連する質問が最も多く出されました。

茨城大学が東海村、日立市、那珂市、ひたちなか市の住民を対象にした「地域社会と原子力に関するアンケート」(16年10月発表)の結果でも、「老朽原子炉の危険性」について、「そう思う」65.1%、「どちらかと言えばそう思う」18.0%、合わせて83.1%の住民が「老朽原発は危険」と考えています。

■集中する原子力施設・発電所――複合災害の危険

全国一の人口密集地に加え 原子力施設の集積地

東海第2原発の30キロ圏内は96万人が住む原発周辺では全国一の人口密集地です。
さらに5キロ圏内には使用済核燃料の再処理施設や核燃料加工施設が立地し、さらに常陸那珂港区に石炭火力発電所、日立港にLNG(液化天然ガス)基地など、原子力関連施設や発電所が集積している地域です。
再処理施設内にはガラス固化されていない大量の高レベル放射性廃液や危険なプルトニウムが存在しています。
もし原発の過酷事故で5キロ圏内が立ち入り禁止になったら、こうした原子力施設や発電所はどうなるのか。
県議会で知事は「どういうことが生ずるのかについては十分検討していない」と答えました。
原発事故にとどまらず他の原子力施設との複合災害の危険も高まっています。

東日本大震災以降に地震多発

政府の地震調査委員会が17年4月、30年以内の震度6弱以上の確率を水戸市は81%と発表しました。
東日本大震災以降、県南部を震源とするマグニチュード5.0級の地震が頻発しています。
専門家は地震活動が活発化していると指摘しています。地震や津波によって原発が大事故を引き起こす危険も高まっています。

3.11―重大事故寸前だった
「冷温停止」状態に3日半かかる

東海第2原発は地震発生時、原子炉が自動停止しましたが、外部電源を喪失し、3台ある非常用発電機のうち1台が津波で水没しました。
原子炉の冷却がすすまず、注水と水蒸気による圧力上昇を抑えるための弁の操作を頻繁に繰り返す「綱渡り」の状態が続きました。
原子炉水温が100度未満になる「冷温停止」には、通常の倍以上、3日半の時間がかかりました。

■さらに20年の運転延長を計画

日本原電は東海第2原発について、さらに20年の運転期間延長を申請する「特別点検」を2017年5月19日から開始しました。
福島原発事故を受け原子炉等規制法の改定で原発の寿命は原則40年としましたが、「例外」として「特別点検」を実施すれば1度だけ最長20年の運転延長が認められます。
延長運転の申請は、運転期間40年を迎える1年3ヵ月から1年前までに規制委員会におこなう必要があり、東海第2原発の場合、17年11月が期限となります。
東海第2原発は大震災で大きな揺れと津波で被災した「被災原発」でもあります。
長期運転は原発の危険をいっそう増大させるだけです。

安全協定

■周辺自治体が拡大求める

日本原電が締結している原子力安全協定では、再稼働の事前協議に参加できるのは、県と所在地の東海村に限られ、周辺市は対象になっていません。
東海村を含め日立、ひたちなか、那珂、常陸太田、水戸の6市村の首長でつくる「原子力所在地域首長懇談会」は、日本原電にたいし東海第2原発の再稼働をめぐる事前協議について周辺5市にも東海村と同等の権限を与えるよう安全協定の見直しを求めています。
30キロ圏内の自治体には避難計画の策定が求められており、これらの自治体が再稼働に意見を表明できるよう安全協定の権限拡大は当然のことです。

避難計画

■「複合災害」は考慮せず

県は2015年3月、東海第2原発の過酷事故を想定した広域避難計画を策定しました。30キロ圏内の14市町村、対象住民は約96万人です。
計画は原発事故だけを想定し、地震や津波などとの複合災害は想定していません。
道路が通行不能になった場合の代替ルートや避難先が被災した場合の避難所の確保など計画の実効性が問われています。

■要配慮者は施設まかせ

30キロ圏内には避難に援助が必要な入院患者や入所者を抱える病院、福祉施設が317施設、定員数で23,000人を超えています。
広域避難計画では、社会福祉施設や病院の管理者が、あらかじめ避難先を確保しておき、避難時のバスや車両も自ら確保することになっています。

子どもの健康調査

■お母さんたちに不安広がる

福島原発事故によって大量の放射性物質が県内にも広範囲に放出され、放射能被害への不安が広がりました。
とくにお母さんたちから子どもの健康調査を求める声が高まりました。
低線量被ばくによる健康被害は不明点が多く、長期にわたり健康調査が必要です。
子どもや妊産婦、希望者への内部被ばく検査、尿検査、甲状腺超音波検査などの実施が求められました。
県議会では4回の定例会で意見書が全会一致で可決されました。
しかし知事は「専門家が大丈夫といっている」「国の検討結果を注視する」と県での実施を拒みつづけています。

北茨城市、城里町などで甲状腺検査

福島県に隣接する北茨城市では13年度から事故当時0歳から18歳までの市民を対象に甲状腺超音波検査が実施されました。
城里町でも16年8月から事故当時18歳以下の町民を対象に甲状腺超音波検査を実施しています。ほか県内8市町村で実施されました。

放射性廃棄物

■放射性廃棄物を素掘り埋め立て

日本原電は東海原発の解体により発生する低レベル放射性廃棄物(L3)を敷地内に埋設処分する事業許可を2015年7月16日、原子力規制委員会に申請しました。
低レベルといっても1kgあたり数万ベクレルという危険なもので、素掘りの穴に埋めて50年以内を目安に監視し、その後永久埋設する計画です。
素掘りでは地下に浸透し、周辺の自然環境が汚染されると住民は不安を高めています。

■増える放射性廃棄物

県内の原子力施設には放射性廃棄物が大量に貯蔵されています。
使用済み核燃料の処理・処分方法が未確立のまま原発を推進してきた結果です。
国は原発推進をやめ、英知を結集して安全な処理・処分方法の開発に力を入れるべきです。
それまで現存する放射性廃棄物は厳重な管理が必要です。

提案
=東海第2原発の再稼働を認めず、廃炉を求める

  • 東海第2原発の再稼働は認めず、国と日本原電に廃炉を求める。20年の「運転期間延長」は認めない。
  • 30キロ圏内の自治体が再稼働に意見表明できるよう安全協定の拡大、見直しを事業者に求める。
  • 原発を廃炉にしたうえで、それでも起こりうる事故にたいし避難計画を策定し、県民の広域的・長期的避難のリスクを低減する計画にする。
  • 東海原発の放射性廃棄物(L3)の埋設計画は、素掘りによる埋設は中止し、遮断型構造による「一時保管」の計画にする。
  • 高速実験炉「常陽」の再稼働をやめ、「核燃料サイクル」 から撤退するよう国に求める。

全国8位の財政力を生かし 県民の暮らし第一の県政へ

安倍政権のもとで年金、医療、介護の改悪などくらしも生業もますます大変になっています。こうしたときこそ、県民要望に寄り添い、「住民の福祉の増進」という自治体本来の立場に立った県政への転換が必要です。

(1) 国の社会保障削減から くらし、福祉・子育てをまもる

第1は、くらし、福祉・子育てをまもる仕事に最優先に取り組む県政への転換です。

国民健康保険の運営が18年度から県に移管され、国保税のさらなる引き上げが懸念されています。
介護保険料は発足後初めて県平均5千円台まで値上げされ、「要支援1・2」の介護サービス打ち切り、特養ホーム入所の「要介護3以上」への限定など「保険あって介護なし」の事態です。
「待機児童ゼロ」といっても保育の質の低下をもたらす「規制緩和」と「詰め込み」によるもので、認可保育所の増設や保育士の処遇改善など、父母の願いに逆行するものです。

国が社会保障を連続削減し、県民の暮らしが困難になっているときこそ、暮らしを支える県政の役割が求められます。
ところが現知事の6期24年は、国の制度改悪をそのまま持ち込み、県民に負担を強いてきました。
追い打ちをかけるように「行財政改革」の名で県独自の福祉サービスを次々に切り捨て、福祉・医療施設の統廃合をすすめてきました。
誰のための県行政なのかが厳しく問われています。

(2) 大型開発依存から 地域の力生かす産業振興へ

第2は、地域に根ざした産業振興への転換です。

茨城県政はこれまで企業呼び込みのための大型開発に巨費を投じてきました。その結果、残ったのは荒廃した工業団地と巨額の県民負担です。「開発すれば企業が進出し、地域が栄える」という「開発神話」からの決別が必要です。

地域に根ざした中小企業、地場産業、農林漁業を総合的に支援してこそ、安定した雇用と仕事を作り出すことができます。
防災に強い街づくりをすすめ、学校や病院・福祉施設の耐震化、生活道路や橋、河川の改修など公共事業を生活関連に切り替えれば中小企業にも仕事が回ります。

原発再稼働を中止し、「原発ゼロ」に踏み出せば、再生可能エネルギーの推進で雇用を創出し、地域経済の好循環につながります。

(3) 破たん処理優先を改めて 税金は県民生活支援に

第3は、税金の使い方の転換です。

県は開発用地の破たん処理に12年間で2,000億円以上を投じてきました。
県民要望が多い高校3年生までの医療費無料化に知事は、あと25億円でできるといいながら、「財政的に困難」と拒否しています。税金の使い方が問われています。

県予算は1兆円を超え、財源に余裕があることを示す財政力指数は全国8位です。民生費の割合を他県並みに1%増やしただけでも100億円の予算が生まれます。県民の税金は、遅れている福祉・医療の充実、県民生活支援に優先して使うべきです。

県民の暮らし・福祉を応援する、希望がもてる県政へ力をあわせましょう。


2017年7月 県政資料

茨城県政を検証し提案します
いまを支え未来につながるいばらきを

発行/日本共産党茨城県議会議員団

〒310-8555 水戸市笠原町978-6 茨城県議会内 日本共産党議員室
この県政資料は県議会政務活動費で作成しています。
電話/FAX 029-301-1387