12月定例県議会 水道料金引き下げ・大型開発優先の見直しを
上野たかし県議が最終日討論

kengikai201512omote kengikai201512ura

 
茨城県議会第4回定例会は12月15日に閉会しました。
上野県議が最終討論を行いました。討論全文は次の通りです。

日本共産党の上野高志です。通告した議案について討論します。

第148号議案は、いわゆるマイナンバー制度実施に伴う条例改定であり同意できません。
情報漏えい問題や、国による国民監視社会への不安は払しょくされず、「通知カードが届かない」など地方自治体や民間企業の対応不足は否めません。
1月からの実施は延期し、制度の危険性や費用負担を再検証し、廃止へ向け見直すべきです。

第166号議案、県立こどもの城の指定管理は同意できません。
多くの子どもたちが利用する、本県唯一の宿泊型児童センターであり、老朽化対策がいまだ示されておらずリニューアル策こそ必要です。

第177、178号議案は新規に、下水処理施設2カ所に指定管理者を導入するもので、現場の専門職員をなくすものです。
日本共産党は、福祉や教育、文化施設は住民サービスの継続性や、専門職の雇用確保の観点から指定管理制度に反対です。

認定第1号は、水道事業決算です。
平成26年度も実質黒字です。県民や市町村から、料金値下げの要望が出されていますが、企業局は大規模改修などを理由に応じていません。
一方で、今後10年間の「経営戦略」によると、水需要は「横ばい」、経営の見通しは「毎年度黒字を確保できる」としています。
料金値下げの声に応えるべきであり、同意できません。

認定第2号は、平成26年度決算です。
最大の特徴は、消費税の8%増税により、地方消費税で歳入が40億円増える一方、県民は消費税の家計負担に加え、使用料・手数料への転嫁で12億円の負担増となったことです。
県民経済統計をみると、平成25年の企業所得が、平成15年と比べ5.8%増える一方、個人所得は約1%の減です。
県民の個人所得が、長期にわたって下がっているときに増税が強行されたのです。
今後、軽減税率が実施されても4人家族で年間4万円以上の増税となる消費税10%は中止すべきです。

県政運営の最重要課題は、大型開発の見直しです。
八ッ場ダム・常陸那珂港・TX沿線開発などに加え、土地開発の破たん処理に、平成26年度は255億円、9年間で2,082億円も県民の税金を投入しました。
県政世論調査で要望が多い高齢者福祉や医療体制の充実、子育て支援こそ行うべきです。

本県は今年3月、原子力事故に対応する広域避難計画を策定しましたが、複合災害は想定していません。
東海第2原発は運転開始38年目の老朽原発であり、再稼働させることなく、廃炉にすべきです。よって同意できません。

請願第19号は私学助成の拡充を求めるもので、不採択に反対です。
県民の願いは、「親の収入に関係なく、子どもが自由に学校を選べるように」「幼児教育の無償化など、子育てに希望が持てる政策を」というものです。
この声に真剣に応えるべきです。

請願第23号の安全保障関連法の廃止を求める請願の不採択に反対です。
安保関連法の可決後も、全国で「立憲主義、民主主義を守れ」と国民の世論と運動はやむことなく続き、法の廃止を求める新たな動きもおこっています。

なお、このあと議題となる意見書第28号は、世界で最も高いとされる日本の大学の授業料に対し、給付型奨学金の創設を求めるものです。
今の、金利の高い貸与型奨学金により、大学卒業と同時に多額の借金を背負う仕組みを変え、若者に夢と希望を与えようというものです。
あわせて高校生給付金制度の拡充を求めており、可決すべきです。

意見書第29号は、TPP「大筋合意」の撤回を求める意見書です。
「大筋合意」では、国会決議が聖域とした重要5品目関連で3割の関税が撤廃され、本県の農林水産業の生産減少額の試算は720億円です。
本県農業と地域経済を根底からこわすものであり、可決を求め、討論を終わります。

以上

主な議案・請願・意見書

  • マイナンバー制度実施の条例改定
  • H26年度水道事業・一般会計決算
  • 福祉・教育施設等の指定管理者指定
  • 安保法制廃止を求める国への請願
  • 国立大学授業料値上げに反対し、給付型奨学金の拡充を求める意見書
  • 国会決議に反するTPP「大筋合意」の撤回を求める意見書
  • 関東・東北豪雨に関する国の徹底した対応を求める意見書

kengikai201512taido

橋本知事給与10%減額 教育委員の不適切発言問題の責任

県教育委員が「特別支援教育は大変な予算」「生まれてきてからじゃ大変」「妊娠初期に障害の有無がわかれば」などの不適切発言で辞職した問題で、橋本知事は「県政の責任者として給与を減額する」ことを提案して可決されました。

現在の給与月額(134万円)20%減額に、さらに3ヵ月間10%を加えて30%減額するもの。
日本共産党は提案に賛成するとともに、給与減額で済まされない問題として、特別支援教育や障害者福祉施策の充実を求めました。

県議会一般質問枠が拡大 日本共産党は年3回に

日本共産党は、県議会が一般質問者数を年間40人(共産党2人)に制限している問題の改善を求めてきましたが、議会改革推進会議(上野県議が委員)での議論により42人に拡大。
共産党は年間3人に増え、1人1回一般質問できることになりました。

県民の願い受けて日本共産党が提案した意見書

共産党が提案した意見書は、議会最終日に自民・公明・民主などの反対で、残念ながら否決されました。

国立大学授業料の値上げに反対し給付型奨学金の拡充を求める意見書

財務省は10月、国立大学に対する運営費交付金を削減し、授業料の大幅値上げを求める方針を打ち出した。減額分を授業料でまかなうと、現在年間53万円の授業料が16年後に93万円にもなり、憲法26条が求める「教育を受ける権利保障」を投げ捨てるものである。

日本を除くOECD(経済協力開発機構)の加盟国33カ国のうち、大学の授業料が無償の国は17カ国あり、残りの16カ国でも給付型の奨学金が制度化されている。日本においては、国立大学の初年度納付金の標準額が81万7,800円と高額の上、国による給付型の奨学金がなく、貸与型のみである。そのうち有利子奨学金が約4分の3を占めており、教育または研究の職についた場合の免除制度は既に廃止されている。近年は全国の大学生のおよそ半分が奨学金を借りている現状がある。

高金利の貸与型奨学金により、平均300万円、多いと1千万円もの借金を背負う実態は、高等教育の段階的な無償化を求める国際人権規約に反するものと言わざるを得ない。若者にとって、低賃金で不安定な非正規雇用が広がる日本の社会経済状況のもと、返済を遅延すればブラックリスト化され、卒業後の人生にも大きな支障を来たす結果となっている。貸与型奨学金を利用しない理由として、将来の返済が不安と答えた学生が3分の1に上っているという統計もある。平成26年度から始まった高校生等奨学給付金についても制度の拡充が求められている。

よって、政府においては、現行の貸与型奨学金制度の金利を引き下げるとともに、大学生に対する給付型奨学金制度を早急に創設し、高校生等奨学給付金制度を拡充されるよう強く要望する。

以上

国会決議に反するTPP(環太平洋連携協定)「大筋合意」の撤回を求める意見書

10月6日、TPP(環太平洋連携協定)交渉の「大筋合意」が発表され、政府は国民にも国会にも秘密のままに国会決議に反する譲歩を行い、各国に合意の受け入れをせまっている。交渉参加にあたり、国会決議が聖域とした重要5品目(米、麦、牛・豚肉、乳製品、甘味資源)で輸入枠を増やし、30%の品目の関税を撤廃するとされており、国会決議違反は明白である。

茨城県農業協同組合中央会が、TPP「大筋合意」にともなう本県農林水産業に及ぼす影響額について公表した試算によると、生産減少額は合計で720億円(減少率16.44%)とされ、とりわけ畜産関係の影響額が大きく、豚肉は約60%も減少するとされている。

国会決議は、「交渉により収集した情報を、国会に速やかに報告し、国民に十分な情報提供を行うこと」を求めたが、「秘密協定」を盾にいっさい情報を出さず、次々と譲歩を重ねたことが「大筋合意」に示されている。突然発表された野菜やくだものなどの関税撤廃は深刻であり、国民の豊かな食生活を支えている国内農産物を輸入との競争にまかせ、多くの家族経営と地域農業を押しつぶすものである。

さらに、事前交渉で食の安全(BSE検査の廃止など)や保険市場の開放、自動車関税を長期間維持するなど、米国の要求を次々に受け入れた。また、ISDS条項を設定するなど、経済主権を売り渡すものである。
いま、必要なことは、日本の食料主権を守って生産コストを償う価格と所得補償を確立し、青年就農者支援や農産物加工の開発と販路の確保など、地域農業を振興することである。

よって、政府においては、「大筋合意」と交渉経過の全面公開、各分野への影響を明らかにするとともに、大筋合意を撤回し、協定文書の作成や国会での承認を行わないよう強く要望する。

関東・東北豪雨に関する国の徹底した対応を求める意見書

9月に本県を襲った台風18号の豪雨による影響は、鬼怒川等の堤防決壊や越水がなければ、これほどまでに被害が広がることはなかった。かねてより、鬼怒川沿いの住民は国に対し、堤防が未整備な状態にある危険性を訴え、太陽光パネル設置に際する自然堤防掘削を取りやめるよう申し入れていた。しかし、住民要望は聞き入れられないまま今回の甚大な浸水被害に見舞われたものであり、国の責任は免れない。「人災」による被害に対し、国は徹底した復旧と、被災者の生活と財産の再建にむけて全面的な責任を負うべきである。

本県は、常総市などと連携して、これまでの制度を上回る特例措置として、(1)半壊世帯に対する生活再建支援金の支給、(2)所得制限により国補助の対象とならない半壊世帯に対する住宅応急修理への補助、(3)農業用機械・施設の取得や修繕の費用に対する上乗せ補助、(4)中小企業の機械・設備の取得や修繕の費用に対する独自の補助を行うことを決定した。
よって、政府においては、現行の災害復旧や被災者支援に関する法制度を早期に改正するとともに、下記事項を実現するよう強く要望する。

  1. 鬼怒川決壊・越水の徹底した原因究明と、国の責任を明らかにし、地域住民に十分な説明と情報公開を行うとともに、堤防の早期整備を図ること。
  2. 被災者生活再建支援法について、2007年第2次改正に続く第3次改正を実施し、支援金支給限度額を当面500万円に引き上げるとともに、支給対象世帯を半壊・一部損壊世帯に拡大すること。
  3. 災害救助法を改正し、住宅応急修理制度の所得制限を廃止し、限度額を引き上げること。
  4. 被災農業者向け経営体育成支援事業について、現行30%の国の補助率を大幅に引き上げること。浸水被害を受けたコメに対し9割程度の補償を行ない、収穫後のコメについても同程度を補償すること。
  5. 生業を維持するために必要な施設や設備を再建する中小商工業者に対し、「グループ補助」(国2分の1、県4分の1)程度の直接補助を行うこと。
  6. 災害廃棄物の撤去と処理において、浸水被害を受けた家屋等の建築廃材を受け入れるとともに、必要な費用の全額を国が支援すること。

以上

2015年12月議会速報(PDF)