茨城県議会第3回定例会 日本共産党議員団の質問・討論より

県議会第3回定例会(8/31~)は9月27日、県立高校エアコン整備費や県有施設ブロック塀改修費、宇宙ビジネス支援事業などの予算約133億円の増額補正案や条例改正案などを可決し、閉会しました。また、議員提案された「手話言語普及促進条例」が可決し、10月から施行されます。

日本共産党県議団は、上野たかし県議が12日に一般質問、山中たい子県議が21日に予算特別委員会で質問。27日最終日に江尻かな県議が討論にたちました。その要旨をお知らせします。詳しくは、後日発行予定の県議団ニュースで報告します。
第4回定例会は、県議選のために前倒しされ、10月29日~11月14日の会期予定です。

山中たい子議員 予算特別委
避難施設面積を過大に算出 「見直しを」

9月21日の予算特別委員会で、東海村の東海第2原発の過酷事故を想定した広域避難計画をめぐり、東海第2原発30キロ圏内の避難住民を受け入れる施設の1人当たりの面積が、トイレや倉庫などを含めた建物全体の面積で算出されていたことが明らかになりました。
日本共産党の山中たい子議員の質問に大井川和彦知事が認めたもの。

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広域避難計画について、県は「避難先を(東海第2原発30キロ圏内)96万人分確保するミッションがある」として、避難所の1人当たりの面積を2平方メートルと計算。しかし、これは避難住民が横になれないトイレや体育倉庫などを含めた施設全体の面積で算出されたものでした。

山中議員は「避難住民の生活よりも、96万人を詰め込むことを優先した計画ではないのか」と指摘。避難計画の見直しを求めました。

大井川知事は、避難できない場所を含めて計算していたことを認め、「関係14市町村に確認し、調整するが、直ちに2平方メートル(1人当たりの面積)を見直すことにならない」と答えました。

山中議員は「実効性ある避難計画の策定は無理であり、再稼働を認めてはならない」と強調しました。

特別支援学校で訪問教育の実施を

山中議員は、障害により通学できない子どものための訪問教育の拡充を求めて質問。
柴原教育長は「来年4月に開校予定の仮称・県南地区特別支援学校(石岡市)では現在、入学予定者と相談し、障害や教育的ニーズについて確認している。通学が困難な児童生徒については、訪問教育を実施し、教育機会の確保に努めたい」と実施を約束しました。

(「しんぶん赤旗」政治・総合9月23日付より転載)

上野たかし議員 一般質問
東海第2原発「再稼働反対」が7割 県民の声を聞け

9月12日の一般質問で、日本共産党の上野高志議員が東海第2原発の再稼働問題や県立高校のエアコン設置問題などを取り上げ、知事と教育長の考えをただしました。

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「福島第1原発事故で大きな被害を受けた本県が、原発をやめるとなぜ決断できないのか」と質問を切り出した上野議員は、東海第2原発で過酷事故が起きた場合、消費活動や産業活動、雇用などの各分野に莫大かつ深刻な被害が出ることを指摘しました。
そのうえで、再稼働反対の世論が7割を超えていると力説。「知事は県民の声をどのように聞くのか」と迫りました。

大井川和彦知事は「東海第2原発について県民の関心は高い。県民の声を広く聞き、適切に判断する」などとこれまでの答弁を繰り返し、その時期や方法については明言を避けました。

県立高校にエアコン設置 統廃合予定の3校にも整備

上野議員は提出されている補正予算案に県立高校の統廃合で閉校が決まっている3校―佐竹・鉾田農業・坂東総合高校(いずれも来年度在校生がいる)のエアコン設置費が計上されなかったことを批判。エアコン設置を要求しました。
柴原宏一教育長は「3校についても、来年夏の稼働に向けて整備する」と答えました。

(「しんぶん赤旗」首都圏版9月15日付より転載)

茨城県議会第3回定例会 日本共産党議員団の質問・討論より

江尻かな議員 採決前討論
県民の声の代弁者として本会議で討論

9月27日の県議会閉会日は、水戸工業高校の生徒200人が主権者教育の一環として本会議を傍聴したほか、聴覚障害者団体や動物愛護団体の方々が委員長報告や討論に耳を傾け、採決を見守りました。
日本共産党の江尻かな県議が、採決に先立ち行った討論は、以下の通りです。共産党以外の討論はありませんでした。

●茨城空港の周辺整備に税金投入やめよ

第102号議案・一般会計補正予算は、茨城空港と常磐道を結ぶ石岡小美玉スマートICアクセス道路について、総事業費190億円のうち、今年度当初予算50億円にさらに10億円を増額し整備を促進するものです。
茨城空港は自衛隊百里基地との共用飛行場であり、新滑走路を使用する自衛隊の訓練や米軍共同訓練が強化され、県民を騒音と危険にさらしています。
開港以来、毎年10億円規模の就航対策費や利用促進費を県費から投入しており、これ以上のアクセス道路等周辺整備への税金投入には反対です。

●薬物による野犬掃とう条例は削除を

第111号議案は「茨城県動物の愛護及び管理に関する条例」の一部改正です。同条例の13条で「知事は、薬物を使用して野犬等を掃討することができる」としていますが、その薬物を移動・損傷した市民への罰則強化が含まれます。
野犬を排除するために薬物を使用することに対して、動物愛護団体等から13条の削除を求める声が強く出されています。さらに本県の「犬猫殺処分ゼロを目指す条例」との整合性をどうとるのかなど、県民や愛護団体との協議を丁寧に重ねることが重要です。
罰則強化の方向ではなく、野犬を減らす取り組みや、捕獲する努力が必要であり、同意できません。

●高校使用料の保護者負担に反対

第114号議案は県立学校空調設備使用料を新設する条例です。
当初エアコン設置を除かれていた3校・佐竹、鉾田農業、坂東総合高校も含めて、来年夏までにすべての県立高校の普通教室に整備することには賛成です。
しかし、保護者から年2,400円の使用料を徴収することには同意できません。これまで高校のエアコンはPTAが独自に設置することとされ、保護者の負担がありました。しかし、今後は公費による設置に切り替るのであり、その管理費も県の教育予算でまかなうべきです。

●辺野古の米軍新基地建設は断念を

なお、このあと議題となる意見書議16号「沖縄の民意を尊重し辺野古の米軍新基地建設の断念を求める」意見書について、採択を求めます。
国土面積のわずか0.6%の沖縄に、在日米軍専用施設の73.8%が集中し、戦後73年たった今なお、沖縄の人々の日常生活を脅かしています。危険な普天間基地を速やかに撤去するとともに、今後200年もの使用が前提とされる辺野古新基地反対の民意は何度も示されています。

本県でも終戦後、米軍水戸射爆場での事故が相次ぎ、県民の怒りと不安が頂点となって激しい返還運動が起こりました。そして、45年前に返還が決まった時に、当時の知事、議長、関係市町村長は一様に感激し、乾杯したと報道されました。
その米軍射爆場がすべて沖縄に置かれているのです。米軍基地の押し付けによる分断と対立を解消し、沖縄県民の生活と安全を守る責務を果たすよう政府に求めるものです。

●精神障害者マル福 手帳2級者にも拡充を

次に、請願第3号「精神障害者に対する医療福祉費支給制度の拡充を求める請願」には賛成です。あわせて、茨城県精神保健福祉会連合会から提出された20,624名の署名の要望事項にそって、福祉手帳1級者だけでなく、手帳2級者・約 9千名も対象にするよう、今後の拡充を求めます。

●女性の役割評価される所得税法に改善を

最後に、請願第5号「所得税法第56条廃止を求める意見書採択に関する請願」の採択を求めます。自営業者や農業従事者の配偶者や家族の所得を必要経費と認めていない56条の規定を廃止することは、すでに政府も検討課題に掲げながら具体策が進んでいません。
国の第4次男女共同参画基本計画でも、自営業において女性が果たしている役割が適切に評価されるよう、税制等の各種制度の在り方を検討する文言が盛り込まれ、閣議決定されました。ここで言われる税制には、所得税法56条が含まれることが確認されています。全国ですでに意見書可決された10県を含む504自治体に続き、本県での採択を求め、討論を終わります。

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採決の結果 補正予算や条例改定など全議案が可決されました。また、日本共産党が提案した3つの意見書(辺野古米軍新基地建設の断念▼障害者雇用の水増しに抗議し再発防止を▼最低賃金を1,000円以上に)は、いずれも共産党以外のすべての会派が反対し否決。所得税法56条の廃止を求める請願も否決されました。

日本共産党茨城県議団ニュース 2018年10月(PDF)