2017年12月定例県議会最終日 山中たい子議員が討論(要旨)

日本共産党の山中たい子です。採決にあたって、議案などに対する討論をおこないます。

項目

1. 市の合併特例債を活用させ県道トンネル工事

上曽トンネル・真弓トンネルの整備に係る環境調査が予算化されました。
上曽トンネルは桜川市と石岡市、真弓トンネルは常陸太田市と日立市において、市の借金となる合併特例債の活用を前提として道路整備をすすめようとしていますが、本来なら、県が必要な予算を確保して整備すべきであり、同意できません。

2. 森林湖沼環境税を今後4年間継続

年間約17億円の県民負担を求めてきた「森林湖沼環境税」を、さらに4年間延長することに反対です。県民負担の総額は2期10年で164億円にのぼります。
一方で、農林水産予算と林業予算は、約3割も削減されており、税金の使い方が問われます。

3. 県立リハビリテーションセンター廃止に反対

県立リハビリテーションセンターの廃止に反対です。
「県立」の大きな役割は、生活訓練や機能訓練について、患者や家族の総合的な相談支援を行うなど中核的な役割を果たすことです。
今後、県立医療大学(阿見町)の敷地内に高次脳機能障害の相談窓口を移しますが、県内に1カ所だけでは様々な要望に応えることはできません。

4. 一般職の退職手当引き下げは影響大

知事・県議会議員等、特別職の期末手当の引き上げと、一般職の退職手当支給水準の引き下げには同意できません。
退職手当は、生涯設計に大きな影響を及ぼすものです。
人事院は、「退職後の生活設計を支える勤務条件的な性格を有している」と述べて、退職手当の労働条件性を認めています。

5. 水道事業37億円の純利益─料金引き下げを

水道事業会計決算は、平成28年度の純利益を37億円とし、「企業局経営戦略」においては、平成36年度までの純利益の合計を166億円余と見通しています。水道料金の引き下げは十分可能でした。

6. 民生費1%増やせば110億円─くらし応援へ

一般会計決算は、茨城港常陸那珂港区や八ッ場ダム、霞ヶ浦導水事業などに250億円を超える多額の税金を投入しました。
一方で、民生費を見ると、本県決算総額に占める割合は平成27年度の場合、14.2%です。群馬県の15.3%、千葉県の15.4%並みに1%増やせば110億円。高校卒業までの医療費の完全無料化や国民健康保険税の県独自の軽減など、県民の声に応えることができます。

7. 教育費の負担軽減へ19,833筆の署名

私学助成の拡充を求める請願を、不採択とすることに反対です。
1筆1筆集められた約2万筆の署名には教育費負担軽減の願いが込められています。
私立高校は就学支援金制度のもとでも、公立に比べ、なお学費負担が重く、公私間格差の是正は切実となっています。

8. 制裁一辺倒でない北朝鮮への働きかけを

「北朝鮮による拉致被害者全員の即時帰国の実現に向けた国の行動を促す意見書」(いばらき自民党等が提出)に賛成します。
「制裁一辺倒では拉致問題は動かない」と横田めぐみさんの父、滋さんが話すように、日本政府は国際社会と連携を取り北朝鮮に働きかけるべきです。

9. 障害者通所施設の食費負担軽減の継続を

障害者福祉サービス等の報酬改定にあたって、通所施設を利用する低所得者への食費軽減廃止案の撤回を求める意見書です。
軽減措置が廃止されれば、食費は3倍に急増します。通所施設利用者の多くは、年金と工賃が主な収入源です。そうした実態を踏まえ、食費軽減措置の制度化が必要であり、可決を求めます。

10. 国保税引き下げのために国庫負担の増額を

国民健康保険制度における国庫負担の抜本的増額を国に求める意見書です。
政府が1984年に国庫負担を引き下げたため、国保会計に占める国庫負担割合は本県で46%から21%にまで下がり、逆に、1人当たりの国保税は3万円台から9万円台へと跳ね上がりました。

来年度の国保の都道府県化で、本県の7割を超える市町村において、国保税の引き上げが予想されます。国保加入世帯の4割は年金生活者など「無職」であり、非正規労働者などが3割です。
国庫負担の抜本的増額が必要であり、可決を求めます。

以上

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