2017年10月定例県議会最終日 江尻加那議員が討論(要旨)

日本共産党の江尻加那です。議会最終日の採決にあたって、討論をおこないます。

項目

1. 百里基地・茨城空港へのアクセス道路に190億円

一般会計補正予算に、茨城空港と常磐道・石岡小美玉スマートインターチェンジを結ぶ9.6kmのアクセス道路整備費として9億4200万円の増額補正です。総事業費は当初164億円とされていましたが、私どもの調査で約190億円に増額されることも明らかになりました。同意できません。
茨城空港は自衛隊百里基地との共用飛行場であり、戦闘機の火災事故やオスプレイの飛来、日米共同訓練の強化など県民を危険にさらしています。基地の縮小・撤去をすすめるべきです。

2. 国の規制緩和をすすめる県条例に反対

手数料徴収条例の一部改正条例について、1点目として、通訳案内士法改定は、訪日外国人旅行者に対応するためとの口実で、無資格の違法ガイドを合法化するもので反対です。
現在、通訳案内士の資格取得者のうち、7割が通訳の仕事に就いていません。
旅行者に日本の歴史や文化を正しく伝え、魅力を感じてもらうことが観光政策の柱です。まずやるべきは、通訳案内士の年収引上げ・処遇改善をすすめて活用を図ることです。

2点目の小規模不動産特定共同事業の改定は、組合形式で出資し、不動産の売買や賃貸による収益を投資家に配当する事業の規制緩和です。これは悪質業者の参入を許し、出資者に被害をもたらすことが懸念されます。空き家や空き店舗の再生事業・まちづくりを、不動産投資というリスクある手法に委ねるべきではありません。

3. 政府に核兵器禁止条約の調印求める請願に賛成

請願第6号(新日本婦人の会茨城県本部が提出)は、日本政府に核兵器禁止条約の調印を求めるもので、これに反対する理由があるでしょうか。
被爆者をはじめ、世界各国と市民社会の多年にわたる共同の取組が結実した条約であり、被爆国日本が速やかに批准して核兵器の廃絶に積極的役割を果たすことが求められます。

4. 家族労賃を必要経費に認める所得税法改正に賛成

請願第8号(県商工団体連合会婦人部が提出)所得税法第56条の廃止を求める請願の不採択に、反対です。
農業者や中小零細自営業者を支えている家族従業者の自家労賃を、必要経費として認めることは世界の主な国々では当然のことです。
必要経費に算入しないと定めた56条を廃止し、家族従業者の多数を占める女性の働き分を税法上きちんと認めることは、男女共同参画社会づくりの前進に貢献するものです。

5. 1票の格差是正は比例代表中心の選挙制度で

意見書議第11号(いばらき自民党が提出)は、参議院議員選挙制度について、選挙区の一部合区を解消し、都道府県を単位とする選挙区に見直すことを求めています。

選挙制度は、国民の基本的権利、議会制民主主義の根幹であり、制度見直しは1票の格差を是正することが根本問題です。
日本共産党は、現行制度への改定に際し、鳥取と島根、徳島と高知を合区とする10増10減案に対しては、憲法の要請にこたえるものではないと反対しました。

多様な民意を反映し、得票数が議席に正確に反映される比例代表を中心とした制度こそ抜本的見直しにつながるという立場から、意見書には同意できません。

6. 消費税10%への増税中止を求める意見書

意見書第14号(日本共産党県議団が提出)は、消費税10%への増税中止を求める意見書です。言うまでもなく、消費税は、所得の低い人ほど負担割合が多くなる最悪の不公平税制であり、例え軽減税率が実行されてもその矛盾は解消されません。
10%へのアップによる約5兆円の税収増ではなく、高額株取引の税率見直しで1兆円、大企業向け優遇減税の見直しで4兆円の税制改革で財源をつくることは可能です。

消費税増税は社会保障のためと言いながら、安倍政権はこの5年間で社会保障費の自然増を1兆4600億円削減し、教育予算も5年前より600億円も削っています。少子高齢化の日本において、予算の中心に社会保障の充実や教育の無償化、子育て支援の拡充を据えて、最優先で取り組むべきです。県民に負担を強いる消費税増税の中止を求めて、討論を終わります。

以上

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