八ッ場ダム事業費増額(本県42億円の負担増)に反対
9月定例議会 江尻かな県議が最終日討論

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茨城県議会 第3回定例会は9月30日に閉会しました。江尻かな県議が最終討論にたちました。全文は次の通りです。

茨城県議会第3回定例会反対討論

2016.9.30 江尻加那

日本共産党の江尻加那です。通告に従い、討論をおこないます。

◆人口減少・水あまりで新たな水源開発は無用

第112号議案は、八ッ場ダム建設の5回目の計画変更となる事業費増額に、本県が同意しようとするものです。今回の720億円の増額により、当初計画の2.5倍となる5,320億円に膨れ上がります。本県負担金は42億円増えて311億円。国の直轄事業でありながら、本県を含む1都5県が事業費の62%を負担する不合理です。

1952年の計画発表以来、60年以上にわたって名勝・吾妻渓谷の環境と地域住民の暮らしを壊し続け、未だ完成に至りません。あと3年の工期が守られず、再度の工期延長や事業費増額も予想されます。知事が「コスト縮減」、「工期短縮」と意見を付すことに、どれだけの意味があるというのでしょうか。ダム建設は中止すべきです。

八ッ場ダム基本計画における本県の人口想定は420万人です。これに対し、本県人口ビジョンは、10年後に280万人と、むしろ今後の減少を見込んでいます。今でさえ水が余っている本県に八ッ場ダムは無用です。

高度成長時代に意思決定された計画を見直さず、過大な水源開発と施設整備によって、本県水道料金は全国上位の高い料金となっています。市町村や県民から、くり返し「料金引き下げ」の要望が出されていますが、ダムが完成すれば、新たな維持管理費の負担まで上乗せされてしまいます。

◆洪水対策のためには堤防強化を

さらに、洪水対策をダムに頼ることの危険性は、関東・東北豪雨の鬼怒川決壊によって、耐え難い被害と大きな教訓が突き付けられました。利根川の本県堤防整備率は59%にすぎません。防災、安全を最優先に考えるならば、ダム建設ではなく、河川改修や堤防強化にこそ充てるべきです。

「原子力ムラ」と並び称される「河川ムラ」の利権構造によって、環境が破壊され、莫大な税金が投入されてきました。その象徴が八ッ場ダムです。利水上も治水上も必要のないダム建設から本県が撤退を決断し、事業費増額に同意すべきではありません。

◆TPP協定は食料、医療、経済を売り渡すもの

次に、28年第2号は、臨時国会でTPP協定を批准しないことを求める請願であり、不採択とすることに反対です。本格論戦がスタートした臨時国会で、輸入米の価格が偽装され、政府の公表より60kgで最大3,600円も安く販売されていることが明らかになりました。

政府は、「輸入米の国内販売価格は国産米と同水準だからTPPはコメに影響しない」としてきましたが、政府試算の前提が崩れたのです。さらに、外務省によるTPP協定文書の和訳に18ヵ所の誤りがあったことも発覚しました。日本の食料と食の安全、医療や経済主権を多国籍企業に売り渡すTPP協定は批准すべきではありません。

◆家族の働き分は必要経費とみなし課税やめよ

28年第4号は、所得税法第56条の廃止を求める請願です。どんなに働いても家族従業者の労賃を必要経費として認めないことを原則とする規定が、いまや世界の流れから取り残されていることは明らかです。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、韓国といった国々は自家労賃を経費として認めています。今年2月の国連女性差別撤廃委員会では、家族経営における女性の労働を認めるよう所得税の見直し検討が日本政府に勧告されました。中小業者の経営支援にもつながる税制の見直しであり、不採択に同意できません。

◆危険なプルトニウム利用の核燃料サイクルからの撤退を

なお、このあと議題となる議第14号は、核燃料サイクルの断念を求める意見書です。原発の使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、再利用する核燃料サイクル事業のために、政府は高速増殖炉「もんじゅ」に1兆円以上の税金をつぎ込んできました。

しかし、政府も廃炉に踏み込まざるをえなくなり、核燃料サイクルの大破綻は明白です。日本が保有するプルトニウムは、すでに核兵器6,000発分相当の48トンにのぼります。もんじゅの廃炉はもちろん、プルサーマルを含めた核燃料サイクルを断念することを政府に要望する意見書の採択を求めて、討論を終わります。

以上

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坂東市議会が否決した大学誘致 県も予算の減額

9月県議会に新規事業として、大学誘致推進事業が3,000万円の予算で提案されていました。「若年層の増加により地域活性」がねらいです。
ところが誘致先の坂東市議会で、「地域活性化の効果ははっきりしない」と否決。
県議会本会議で、一度出した補正予算に減額補正の追加議案が出されるのは異例のことです。

県民の願い受けて日本共産党が提案した意見書

日本共産党が提案した意見書は、議会最終日に自民・公明・民主などの反対で、残念ながら否決されました。

社会保障の給付費削減に反対する意見書(案)

安倍政権は7月中旬以降、介護・医療・年金・生活保護などの給付削減案を次々と国の審議会で打ち出し、来年の通常国会に提出しようとしています。社会保障予算の自然増を抑制するため年間3千~5千億円の経費を圧縮する案は、かつて小泉内閣が実行した「毎年2,200億円の自然増削減」路線を、より乱暴に推進するものです。
安倍内閣が2015年12月に決めた「社会保障改革の工程表」をみると、介護保険では、「要介護1・2」の訪問介護のうち調理や掃除などの生活援助、車イスや介護用ベッドなどの福祉用具レンタル、住宅バリアフリー改修などを「原則自己負担」とする計画です。

年金では、積立金を株価維持の道具に使って巨額の損失を生み出す一方、国民への年金給付は削られ続けています。2017年度の年金もマイナス改定の計画であり、すでに国会に提出されている「マクロ経済スライド」の強化法案を、秋の臨時国会で審議・採決しようという動きです。
医療では、「75歳以上の窓口2割負担化」や、「入院患者の食費・居住費(水光熱費分)の負担増」、「風邪薬や胃腸薬など市販品と効能が似ている医薬品の保険給付外し」など患者負担増のオンパレードです。

生活保護についても、「行政が“就労活動を怠っている”と判断する受給者への保護費減額」や「医療扶助の支給水準の見直し」など、受給者いじめと保護費削減をさらに強化する案が書かれています。
このままでは、日本の社会保障はまともな給付保障もないまま、保険料や税金だけが情け容赦なく取り立てられるという“国民収奪の仕組み”に変質しかねません。
よって、政府においては、社会保障の給付費削減をやめ、貧困と格差を是正する制度改革を実現するよう強く要望します。

核燃料サイクルの断念を求める意見書(案)

高速増殖炉「もんじゅ」は、1994年に完成したものの、事故やトラブルが相次ぎ、これまでまともに運転されたことはありません。このほど、政府が廃止を含めた検討に入ったと報じられました。

「もんじゅ」は、原発の使用済み核燃料を再処理して取り出すプルトニウムを燃料にするものです。高速増殖炉で燃やし、その使用済み核燃料を処理すれば、燃やした以上のプルトニウムが取り出せる、「夢の原子炉」と呼ばれていたものです。

歴代政府は、「もんじゅ」開発に1兆円を超す巨額の費用を注ぎこみ、福井県敦賀市に建設を進めました。ところが、完成して核反応が連続して起きる臨界に達した直後、冷却材に使用されるナトリウムが漏れ出す大事故を起こして停止しました。その後も、運転を再開しようとした際に、重さ3.3トンもの機器が原子炉内に落下しました。長期間の停止中に、老朽化した部品の点検漏れなども発覚し、ほとんど運転できないまま今日に至っています。

高速増殖炉が燃料にするプルトニウムは、原子爆弾の燃料にもなる猛毒の物質で、冷却材のナトリウムも、水にふれれば大爆発を起こすことなど、難航することは、目に見えていたことでした。これまで開発に取り組んできた各国もほとんどが失敗しています。
日本は、すでに48トン近くのプルトニウムを保有し、これ以上、核燃料サイクルに固執してプルトニウムをため込むのは危険というほかありません。
よって、政府において、高速増殖炉はもちろん、「プルサーマル」も含め、核燃料サイクルから撤退することを強く求めるものです。

政府による沖縄県への強権と無法に抗議する意見書(案)

沖縄の米軍基地問題が新たな重大局面となっています。参議院選挙直後から安倍政権は、沖縄に対する強権、かつ無法な行動を続けています。
沖縄県東村・高江のヘリコプター(実態はオスプレイ)着陸帯建設の強行と、抗議する県民への不当な弾圧を続けています。普天間基地移設問題では、沖縄県との話し合いを拒否し一方的な提訴に踏み切りました。さらに法律を無視し、辺野古新基地建設工事の再開や、米軍伊江島補助飛行場内の着陸帯建設工事の強行など、文字通りの強権、無法が横行しており、決して許すことはできません。

日本の米軍基地面積の75%が沖縄県に置かれ、騒音や事故、犯罪に苦しめられてきました。翁長沖縄県知事は、9月16日に福岡高裁・那覇支部が出した不当判決に対し、強く抗議し、最高裁に上告し、高裁判決の破棄を求める考えを表明しました。

沖縄県議会は9月27日の本会議で、米軍嘉手納基地を離陸したアメリカ海兵隊のAV8Bハリアー攻撃機が沖縄本島の東の海上に墜落した事故に対し、抗議する決議と意見書を全会一致で可決しました。決議では、事故原因の究明とともに、沖縄県外からのアメリカ軍機の飛来の制限、訓練空域や水域の返還促進などを求めています。
よって、政府においては、沖縄県民の総意に基づき地方自治を尊重することを強く要望します。

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日本共産党茨城県議団ニュース2016年10月号(PDF)