2025年6月 茨城県議会第2回定例会 江尻かな議員の最終日討論(要旨)
日本共産党の江尻加那です。
2025年第2回定例会に提案された議案及び意見書等15件のうち、反対する議案4件中2件について討論します。
まず、第87号議案・県税条例等の一部改正について、主な改正内容3項目のうち県たばこ税の加熱式たばこ税額の引き上げに反対します。
政府は昨年12月に決定した与党税制改正大綱で、「加熱式たばこと紙巻きたばことの間の税負担の差を解消し、課税の適正化による増収を防衛財源に活用する」と明記しました。2023~27年度の5年間の防衛費総額を43兆円程度と定め、その財源の一部を、法人税、所得税、たばこ税の3税で1兆円強まかなう方針です。たばこ税については、まず加熱式たばこを26度から一箱最大100円値上げし、27年度に紙巻たばこも値上げして、計2,000億円以上の税収を見込んでいます。
しかし、これまでたばこ税は目的税ではなく一般財源として使われてきたものを、今後は一部を防衛費に特定して増税することの合理性はあるのか。また、値上げにより吸う人や吸う本数が減れば税収は増えないのではないか。そして、たばこ税等の引き上げだけでは足りず、さらなる軍拡増税が待ち受けているのではないか。こうした議論がまったく不十分なまま、国の防衛費は今年度8.7兆円に膨れ上がり、政府はさらに11兆円まで増やそうとしています。
加えて、トランプ政権から「日本の軍事費は少なくともGDP比3%必要」との要求が出ており、アメリカの圧力に従えば18兆円規模になってしまいます。今でも、防衛費は文教予算の2倍以上、農林水産予算の4倍以上という異常な予算構造になっています。このような大軍拡を続ければ、暮らしも経済も平和も壊されます。
よって、これら防衛増税の一環である県たばこ税の引き上げに同意できません。
次に、第92号議案は、県新産業廃棄物最終処分場建設に伴い、処分場への搬入道路となる日立常陸太田線改良工事の一部として、(仮称)大久保町第1トンネルの工事請負契約を締結するものです。相手方は、株木・オカベ・秋山特定建設工事共同企業体で、契約額13億1780万円、落札率は98%。道路1mあたり400万円かかる計算です。
契約者の株木・オカベ・秋山共同体は、処分場本体工事も218億円余で請け負っており、処分場と道路を合わせた契約額231億円は総事業費の6割に達します。特定企業への利益誘導になっているのではないかとの疑念は増すばかりです。そして、コンクリート等の資材高騰を理由に、事業者からスライド条項の申請があれば請負代金はさらなる増額も想定されます。
多額の予算を投入する産廃処分場建設について、日本共産党は当初から、建設場所の選考過程が不透明であること、かつ産廃を搬入する大型車両の通行に適した道路がない場所を選定したために新設道路をつくらなければならない事態となり、この道路だけで120億円の事業費です。さらに、広大な唐津沢に降る雨による土砂災害や河川氾濫の危険も指摘され、地元住民の方々が訴えた裁判は今なお継続中です。
日本共産党は、こうした産廃処分場の建設は見直しをと強く求めてきたものであり、トンネル工事請負契約の議案に反対いたします。
以上で討論を終わります。
以上