県議会議員 江尻かな活動レポート 2022年10月号
「茨城県ってどんな税金のムダづかいをしているの?」という質問がありましたので、私が考える茨城県“3つのムダづかい”を紹介します
1. ムダな水源開発で高い水道料金
県は、人口が減少しても水道水の使用量は増えるとして、霞ヶ浦導水事業などの水源開発を国とともに推進しています。
那珂川と霞ケ浦を地下トンネルでつなぐ導水工事を延々と続けていますが、事業費は1,900億円が2,395億円にふくらみ、県が払う負担金も1,038億円に増額されました。 完成の見通しは立っていません。
いまでも県内市町村の水道料金平均額は全国6番目に高く、水戸市など38市町村が県から水を買っています。
その県水が高いことが料金高の要因の一つであり、市町村は県に値下げを要望しています。
日本共産党は、「霞ヶ浦導水事業から千葉や埼玉は撤退した。茨城県もムダな水源開発から手を引き、県水道会計の黒字を還元して料金の引き下げを」とくり返し主張していますが、他の議員や会派は導水事業に賛成しています。
霞ヶ浦導水事業に1,038億円
2. 土地開発と借金返済に多数の税金
知事は、県が売り出している工業団地のうち、8か所(約330ヘクタール)の価格を大幅値下げし、企業に売却を進めています。
この他にも、つくばエクスプレス沿線開発や港湾用地など県が開発した土地の売れ残りは886ヘクタールもあり、開発のための借金残高は1,100億円にのぼります。
これまでにも土地開発の破たん処理に2,600億円以上の税金を投入。今後、土地の売却が進まなければ、さらに莫大な税金が使われることになります。
ところが県は、2021・22年度にあらたに2つの産業用地の開発に着手しました。
- 坂東市内 73ヘクタール 事業費194億円
- つくばみらい市内 70ヘクタール 事業費200億円
※初出時に「守谷市」となっていましたが、正しくはつくばみらい市です。訂正してお詫びいたします。
こうした県有地に企業を呼び込みむために、不動産取得税や固定資産税を免除するほか、県独自の補助金(最大50億円)を上乗せし、企業が使う工業用水の料金を半額にするなど、企業に至れり尽くせりの県政です。
- 土地開発破たん処理 すでに2,600億円投入
- 現在の土地開発借入金残高 1,100億円
- 現在の売れ残り土地 886ヘクタール
- 新たな用地開発 143ヘクタールに394億円
日本共産党県議団以外の議員すべてが賛成
3. 常陸那珂港建設 6,800億円
すでに3,800億円投入するも完成時期は「未定」
常陸那珂港の建設は、ひたちなか市と東海村にまたがる太平洋海岸に1989年に着工してから30年以上が経過しました。
総事業費6,800億円のうち、これまでに3,800億円以上を投入していますが、いつ完成するかは「未定」です。
船は来ているの?
「船の来ない港」との批判に対し、県は「日立建機やコマツ、スバルなどの企業誘致により、確実に入港船舶も取扱貨物も増えている」と説明。
しかし、2019年の入港船舶数は1,731隻(1日約5隻)で鹿島港の6分の1、取扱貨物量も5分の1程度です。
石炭灰を海に埋立てて港づくり
常陸那珂港の北ふ頭には石炭火力発電所(1・2号機)があり、2021年には3号機が運転開始されました。
この3基の発電所で燃やした石炭灰を海の処分場にベルトコンベアで運んで、中央ふ頭を埋立てています。
県は「石炭灰を処分したい電力会社と、海を埋め立てて欲しい県はウインウインの関係」と言い、石炭火力発電所のための港湾と化しています。
CO²を大量排出、阿字ヶ浦
地球温暖化対策としてCO²排出削減が求められる時代になっても、大量のCO²を出す石炭火発の長期稼働を前提にした港湾整備は、「時代遅れで環境破壊の公共事業」と言わざるを得ません。
また、阿字ヶ浦海岸近くの住民は、「港湾建設で潮の流れが変わり、海水浴場としてにぎわっていた阿字ヶ浦の砂浜がえぐられてしまった」と嘆いています。
日本共産党県議団は、計画を中止し、一部企業のための港湾建設は見直すよう繰り返し求めています。
全国8位の財政力を、 県民の願い実現にいかす 県議会議員 江尻かな
自民・公明が8割を占める県議会で、茨城県は国と一体になって「陸・海・空」の大型公共事業を続け、多額の県税を投入。 1兆円を超える通常県債(借金)の7割以上が公共事業関係費です。
私は県議になって8年、霞ヶ浦導水事業費を増額する議案や土地開発・港湾建設をすすめる予算案に反対し、見直しを求めてきましたが、共産党以外はすべて議案や予算案に賛成。
全国8位の財政力がありながら、医療や福祉、子育て支援や教育が遅れている県政を変えるには、予算の優先順位を変えなければなりません。
県政のチェック役として、寄せられる願いを届ける代弁者としてがんばります。
江尻かな活動レポート 2022年10月号(PDF)
山中たい子活動レポート 2022年10月号(PDF)