江尻かな県政ニュース 2025年6月号

江尻かな県政ニュース 2025年6月号表 江尻かな県政ニュース 2025年6月号裏

6月3日から6月17日まで県議会が開会。大井川知事2期目最後の定例会です。(知事選は9月7日投開票)
物価高に苦しむ県民生活への支援策が求められますが、補正予算の中身は一般向けLPガスと中小事業所・病院等の電気料金の支援補助のみ。

神栖特別支援学校の校舎建設

今議会、江尻県議は一般質問権がありませんが、9日の本会議で神栖特別支援学校について議案質疑。新校舎建設工事が「入札不調」となり、開校が2027年9月に遅れます。江尻県議は、▼早期開校を願う関係者の期待や年度途中の転学になる不安への対応▼資材高騰見合った事業費等について質問。教育長は「6月13日に保護者説明会を開くなどして不安に答える。事業費も適切に見直す」と答弁。

東海第二原発 また火災発生

江尻県議は防災環境産業委員会で、「日本原電が2月の中央制御室火災の最終報告書も出さず、5月30日には原子炉格納容器近くでケーブル火災を起こした。原発を再稼働する能力も資格もない」と追及しました。

中小企業賃上げ支援金 6/2~受付開始

時給を35円以上アップして1,040円以上にする事業所に最大50万円(従業員1人3~5万円)●受付は6月2日~来年1月30日予定●県予算は7億8千万円で約2,000社を想定しています
●問合せ 電話 050-3385-8075

パワハラ、過重労働の再調査を 6/3 日本共産党が知事に要望書を提出

【要望書要旨】

県総務部秘書課職員が2024年10月20日、副知事によるパワーハラスメント等を訴える遺書を残して自死していたことがわかりました。5月28日付毎日新聞の報道等によると、亡くなる5日前に書かれた遺書は、「あの副知事の下で仕事をするのは限界、うんざりだ」との言葉から始まり、つらく苦しい思いがつづられていました。

「今まで経験したことのない数の叱責、非難の言葉を受けてきた」「対応できる限度を超える範囲、程度にまで要求が及んでおり、それをことさら強硬に完ぺきを求められても、応えきれない、限界がある。しかしかまわず血相を変えて、痛烈に、執ように穴を突いてくる。人格を否定されるような言葉も飛ぶ。これこそ一般的にパワハラと呼べるものだと思う」と記されていました。

県が遺族の意向により設置した「茨城県の職場環境等に関する調査委員会」(弁護士らメンバー4名、24年11月26日~25年2月7日、計10回非公開で実施)は「報告書」(全21ページ・非公開)で、職員へのパワーハラスメントや過重労働はなく、職場の対応にも特に問題はなかったと判断。それを受けて2月12日に県が公表した調査結果概要も、「パワハラも過重労働もなかった」と結論付けました。

一方、調査委員会「報告書」には最後に「付言」が記され、「パワーハラスメントを受けていたと感じていたことは明らか」「副知事の言動に全く問題がなかったというわけでもない」「日々の仕事のゴールが見えず、慢性的な不安を抱えるに至ったであろう事は容易に想像できる」としています。しかし、ではどのような理由でパワハラはなかったと判断したのか明らかにされていません。その上、県が公表した概要では、「付言」でパワハラについて触れた重要部分の記載はまったくなく、伏せられました。

亡くなった職員が「パワハラと呼べるもの」と訴えているにも関わらず、「なかった」と断定することは、故人の思いに反するものです。パワハラの判断要件にもとづけば、行為者に悪意があったか、教育表現として行ったかなどの意図に関係なく、結果的にその言動が相手を傷つけ、精神的に追い込み、就業意欲を害するものであるかどうかを重視しなければなりません。ましてや、被害者の職員から聞き取りすることが叶わない状況において、遺書に記された故人の訴えは最も尊重すべき事柄です。

また、ご遺族の皆様が納得して調査結果を受け入れたのかも不明です。これでは公務労働災害の認定を最初から閉ざすことになります。加えて、副知事の任命者である大井川知事の責任は問われないまま、知事は「談話」を発表したのみです。これら調査の経過や県の対応は、県民理解を得られないと考えます。
よって、再調査を求めるものです。その際、下記内容を踏まえることを要望し、6月10日までに文書で回答いただくよう求めます。

*****記*****

  1. 先の「茨城県の職場環境等に関する調査委員会」がパワハラも過重労働もなかったと判断した理由と、調査委員会が聞き取りを行った「ご遺族及び関係職員」の範囲を明らかにする。
  2. パワハラも過重労働もなかったと判断した調査結果に対するご遺族の意向を、県はどのように確認し、把握しているのか示す。
  3. 再調査にあたって、調査方法等に対してご遺族や関係職員の意向を反映させたものとする。調査委員は高い中立性を担保するとともに、幅広い職能から複数人ずつ構成する。聞き取り調査に加え、知事部局全職員にアンケートを実施して県庁全体のパワハラや過重労働の実態をつかむ。
  4. 再調査内容と結果の公表について、ご遺族の意向やプライバシーを尊重すると同時に、公共性・公益性に資する内容を積極的に適切に公表し、パワハラや過重労働を一掃する。

以上

日本共産党は、県が行った調査の事実関係を確かめるために、調査委員会の議事録や報告書を開示請求しましたが、出された約300ページの文書はほぼ黒塗り。なぜパワハラはないと判断したのか伏せられています。
県は、非公開の理由を「ご遺族の意向」としています。

主食用米の作付け 昨年より8%増加

  • 今春、県内で主食用の米の田植え面積が昨年より8%増え、64,700ヘクタールになるとのニュース。44市町村のうち41自治体で増加。国や県が減らす計画を掲げていても、現場では「米生産を増やそう」という動きになっています。一方、米農家の数は減り続け、飼料用米を含む田んぼ面積全体は減少しています。
  • 今年、主食用米が増えたのは、家畜のえさとしていた飼料用や海外への輸出用を減らして主食用米の作付けに切り替えたからとされています。
  • 県の2023年策定「茨城農業の将来ビジョン」では、主食用米を含む米の作付面積を75,200ヘクタールから66,000ヘクタールにする計画です。減らす約9,000ヘクタールはJR山手線内側面積の1.5倍!
  • 米の安定供給には農家の所得補償など予算拡充が必要ですが、県一般会計に占める農林水産業費の割合は約30年で4分の1に縮小しています。

医師は足りる?

  • 知事は3月議会で私の質問に対し、「医師の総数確保ではなく、偏在是正が重要と考える。国の推計で本県は、2036年時点で必要な医師数を達成するが、地域偏在は残ることが見込まれているから」と答えました。
  • 選定療養費徴収を実施した知事に対し、私が「現場で働く医師や看護師を増やすことが重要であり、国の医師数抑制策こそ見直すべきではないか」と質問したことへの答弁です。
  • このやりとりを知ったある医師から、「国の推計はごまかしだ」との指摘がありました。そして、全日本民主医療機関連合会が発表した声明『過労死ラインの時間外労働および引退80歳を前提とする「医師偏在対策」は、「医師の働き方改革」に逆行する』を示しました。
  • 要は、「医師が足りる」という国の計算は、医師が80歳まで働き、かつ年間960時間・月80時間残業する前提なのです。医療を切り捨てないためには、偏在対策の強化だけでなく、絶対的医師不足の解消と病院経営を支える国の社会保障予算の拡充こそ必要ではないでしょうか。

民医連「声明」全文はこちらから

空港拡張は何のため?

  • 拡張計画が作られようとしている茨城空港。5月21日、空港ターミナルビルのほか、敷地外にある旧射撃場山や百里神社、今春移設されたばかりのVOR(航空無線標識)を視察しました。F-2戦闘機が次々と飛び立ち、空気を振動させる爆音が響きます。
  • 県が「空港将来ビジョン案」に示す新たな誘導路計画は、多くの民地を買収しなければ成り立たず、基地反対の一坪運動による旧射撃場山(500人超の共有名義)も入ります。
  • しかし、それらの事実や多額の事業費などは明らかにされないまま、県は5月にパブリックコメントを実施しました。
  • 先祖代々この地で暮らす梅沢優さんは、「県が掲げる年間旅客数170万人は夢物語。空港拡張は基地強化そのもの。国や県は我々から土地収用するつもりなのか」と話します。政府は、自衛隊百里基地に最大500億円かけて施設などを軍備強化する方針です。軍事基地一体の空港で、民間機倍増計画は成り立ちません。

茨城空港将来ビジョン(案・PDF)

江尻かな県政ニュース 2025年6月号(PDF)