2026年3月 茨城県議会第1回定例会 江尻かな議員の最終日討論(要旨)
日本共産党の江尻加那です。今定例会に上程の議案等83件のうち、44件に賛成、39件に反対し、以下、主な反対理由を述べます。
まず、令和8年度一般会計予算(1兆3599億円)及び水道事業会計予算と国民健康保険条例の一部改正についてです。
物価高対策として、国の重点支援地方交付金の本県分は約194億円。そのうち、令和7年度最終補正(約49億円)と8年度当初予算で140億円が予算化され、医療や福祉、地域産業の支援に充てられます。しかし、交付金事業の中には、茨城空港就航対策利用促進(2億円)や防衛産業を含む国の戦略17分野での軍民両用の製品開発補助金(2億円)など、県民生活支援とは言い難い事業が盛り込まれています。
また、国の子ども・子育て支援の財源を社会保険料から徴収する制度により、本県の国民健康保険で約20億円、後期高齢者医療保険で約14億円の県民負担増は、筋違いの医療保険への上乗せ増税であり認められません。
一般会計予算には、中小企業賃上げ支援(25億円)や奨学金返還支援(300万円)、高校授業料の実質無償化(260億円)や臨時教員の正規化など、県民要望にこたえた事業もあります。とくに、国の小学校給食費無償化(76億円)は、「給食は教育、義務教育は無償」という憲法の本旨に沿った世論により実現されました。
しかし、国の補助対象外とされた中学校の給食費は、県内33市町村が独自に無償する一方、11市町村(鹿嶋市、笠間市、常陸大宮市、ひたちなか市、那珂市、つくば市、守谷市、つくばみらい市、取手市、大洗町、東海村)は保護者負担を徴収する見込みで、地域間格差が生じます。県補助を創設し、中学校も無償化すべきです。
また、農業予算は高温対策(6億円)が新規予算化されたものの、一般会計に占める農林水産業費は3%(441億円)にとどまっており、安定供給と担い手・後継者支援予算を抜本的に増やすべきです。
また、動物指導センターの建て替えは検討費すらなく、歩道や自転車道整備の予算も少なすぎます。一方で、茨城空港拡張(3,200万円)や取付誘導路整備(1億円)、TX延伸(1億円)、阿見実穀工業団地造成(174億円)に加え、水道経営一体化(22億円)や霞ヶ浦導水事業、常陸那珂港区整備などに大型開発への多額の予算は認められません。
加えて、新県産廃最終処分場の搬入道路整備は、地盤が想定より軟弱だったとして37億円増額で、処分場本体と合わせた事業費は426億円と大幅増です。その道路工事で昨年9月と先週3月19日、立て続けに作業員の死亡事故が発生。不適切な管理による負傷事故も起きるなど、請負業者の責任は重大であり、全区間での工事中止を求めます。
また、今定例会で大きな問題となった、外国人に関する不法就労情報提供システムと通報報奨金制度予算が一般会計に入っています。県は受け付ける情報を限定するとしますが、相互監視による謂れのない偏見や差別を助長することに変わりなく、弁護士会や外国人支援団体、個人等から多数の反対意見があがっています。茨城県弁護士会の会長声明では、農業に従事できる柔軟な在留資格の創設や、転職・転籍が円滑にできる制度改正、相談体制の一層の整備など、窮地に立たされる外国人を生みださないために県と協力していきたいとしています。
こうした関係者との協議も議会への事前説明もなく、唐突な報奨金制度の提案と実施は撤回を強く求めます。国際社会から人権侵害の批判をあびる入管難民法や技能実習制度の構造的問題を打開する県の役割を発揮し、共生社会の柱に人権擁護を据えることを求めます。
次に、令和8年度病院事業会計のうち、新県立病院整備事業費(3,500万円)と建設用地調査・取得の債務負担行為(6年間で32億円)についてです。
県立中央病院とこども病院の建て替えは大きな課題です。しかし、病院を統合してどんな医療を実現するのか、明らかでありません。国の入院ベッド削減により県立も縮小されないか、こども病院の機能は小児医療センターとして拡充されるのか、医療従事者や患者の意見はどう反映されるのか不確定です。加えて、経営合理化の独立行政法人化も検討をという意見まで出てきています。医療後進県の本県で地域医療の中核を担う県立病院の基本構想が未だ示されず、基本計画策定や用地取得の予算に同意できません。
最後に、知事や副知事、教育長など特別職の給与及び議員報酬を引き上げることに反対です。元々知事や議員には十分な額が支払われており、県民生活の現状をみれば、増額に理解は得られません。よって、これらを含む一般会計予算と条例改定に反対し、以上で討論を終わります。
以上
