江尻かな県政ニュース 2026年3月号
臨時教員1,600人正規化 県が段階的に実施へ
茨城県は、県内の公立学校で働く非正規の臨時教員について、その9割以上にあたる約1,600人を2032年度までに段階的に正規化すると発表しました。
「先生を増やして豊かな教育を」とくりかえし求めてきた学校関係者の要望や日本共産党の論戦が実りました。大井川知事は会見で、「臨時的に都合よく代替職員を探すというやり方を切り替えて、正規の教職員を採用する方向に大きく舵を切る」と説明。子どもと教員の信頼関係の構築、代わりの先生を見つける現場の負担軽減、教員の安定雇用と給与向上を進めたいとしています。
正規教員と臨時教員の平均年収は約150万円の差があり、県は正規化に年間25億円の人件費増をみこんでいます。まず、来年度採用の教員試験で、前年度より125人採用を増やします。
長時間・過密業務 残業代不支給の改善を
江尻県議は、「慢性的な教員不足の改善につながる」と評価。その上で「正規教員になることをためらわなくていいよう、長時間・過密業務や残業代を不支給としている問題など、今後も働き方の改善を求めていきたい」としています。
学校給食無償化 一気にひろがる
江尻県議は水戸市議のときから、「給食は教育。義務教育は無償に」と求めてきました。そして全国の世論と運動の力で、国の制度として公立小学校の食材費に補助(児童1人月5,200円)が実現。さらに補助対象外の私立学校や中学校にも拡充し、無償化するよう求めています。
「江尻さんにこんな相談していいのかな…聞いてもらえますか?」
江尻県議が訪ねた家で、水戸市の学校支援員をしている方からの話です。聞けば、小中学校で生活介助や学習サポートが必要な子どもを支援する「特別支援教育支援員」を、市が4月から削減するというのです。保護者や先生にも不安が広がっているとのこと。
江尻県議は3人の共産党水戸市議と、教育長に支援継続を申し入れ。これまでは支援が必要な子ども1人に、支援員1人を1日4~5時間ほど配置。4月からは多くを3時間に短縮するといいます。
理由は人件費の削減で、勤務時間が減れば期末手当がなく、社会保険も入れなくなります。一方的な方針に驚いた保護者らが、約3週間で1,200人を超える署名を集め、3月9日に提出。
教育長は「説明不足を反省する」と答えたものの、方針どおり進める考えを表明。親たちは、「支援員のおかげで子どもが落ち着いて学校にいられる。減らさないでください」と訴えました。改善を求めて取り組みます。
医療行政 保険料に「上乗せ増税」共産党は値上げに反対
「子ども・子育て支援金」名目で現役世代も高齢者も負担増
4月から、「子ども・子育て支援金」の負担が導入されます。会社員なら給料から、高齢者なら年金から、自営業者なら国民健康保険税に上乗せされる形で、自動的に徴収。国全体で1兆円徴収し子育て支援の財源にするとしていますが、医療保険料への目的外の「増税」です。
後期高齢者も
この負担分を含め、後期高齢者医療保険料の値上げ(1人平均年1万180円)が、2月の広域連合議会で可決。市町村から1人ずつ代表議員が集まる連合議会に、現在、共産党議員はいません。
誰も質問や討論をせず値上げを決める形骸化した議会では、県民の「手元に残る年金が減って大変」との声が届きません。
基金や交付金を活用し軽減実現
江尻県議はこれまでも市町村議員とともに、後期高齢者の保険料を値上げしないよう要請。とくに、県の基金を活用して負担を軽減するよう求め、広域連合は基金のうち50億円を活用し、値上げ幅を抑えました(1人平均年5千円程度軽減)。
市町村の国民健康保険についても、子どもにかかる保険税はゼロにするよう要望。現在は多くの市町村が半額免除していますが、国の減免拡充と合わせて県の交付金を継続すれば子ども分の国保税負担をさらに減らせます。
住宅行政 県営住宅入居環境の改善を
江尻県議は3月議会で、県営住宅の入居環境の改善を求めました。
県内にある約1万3千戸の県営住宅のほか、市町村営の住宅に住む方から様々な要望が寄せられます。
風呂釜・浴槽設置
江尻県議は、(1)風呂釜や浴槽が付いていない住宅に県で設置を進める、(2)若い人も単身で入居できる環境を整える、(3)保証人が見つからない方への対応─などについて、県の取り組みを質問しました。
土木部長は、(1)風呂釜と浴槽は応募の多い団地などから引き続き設置を進める。年50戸程度ずつ設置し、これまでに半数の住宅に設置でき入居率が上がった、(2)60歳未満も単身入居できるよう条例改正して以降、74件の入居がある、(3)連帯保証人の確保が困難な方には、法人保証制度や免除により、入居を妨げないよう取り組んでいく─と答えました。
*これからも要望や意見をお寄せください。
茨城県2026年度予算と施策について
過去最大の県税収入をもとに、過去最大1兆3599億円の一般会計予算案や施策について、江尻県議は「財政力指数も全国8位の豊かな財政が、県民の日々の暮らしに安心と平和をもたらしているか」という視点で審議しました。
中小企業賃上げ支援や奨学金返還支援のほか、県立・私立高校授業料の無償化や小学生の給食費無償化が実現します。一方で、農業予算は一般会計全体の3%(441億円)にとどまったままで、安定供給と担い手・後継者支援を抜本的に増やさなければなりません。
要望の強い県動物指導センター建て替えは検討費さえつかず、歩道や自転車道整備費も少なすぎます。
一方、茨城空港拡張や工業団地、霞ヶ浦導水事業や常陸那珂港整備などに多額の予算が計上。日立市に建設中の県産廃処分場と搬入道路は37億円増額され事業費426億円です。その上、知事・副知事・教育長の給与や県議報酬を引き上げることを含め、江尻県議は提案された83件の議案のうち。44件に賛成、39件に反対しました。
中小企業等に25億円予算 賃上げ支援金使いやすく拡充
「茨城県の労働分配率(会社の利益がどれだけ賃金に還元されたか)が全国平均より大幅に低いのはなぜか」─江尻県議の質問に、知事は「製造業と農業が盛んであることが要因の一つ。製造業は分母の利益が大きいため労働分配率が低い。農業や自営業など個人事業主は報酬が賃金に含まれないため分配率が低くなる」との認識を初めて示しました。
また、江尻県議は、25年度に実施したいばらき中小企業賃上げ支援金(15億円)の申請が、見込みの3割以下にとどまった原因をあげて、改善を要求しました。
知事は、26年度は予算を増額し、▽最低賃金引き上げの支援額を増やす、▽1事業所あたりの支給上限をなくして支給額を大幅に増やす、▽早期に周知して申請しやすくしていく─と答えました。
労働行政 外国人への偏見や差別につながる通報報奨金は撤回を
県は、外国人の不法就労に関する情報を県民から募り、摘発につながった有益な通報者に報奨金1万円を支払う制度を始める考えです。
江尻県議は、「不法」といわれる状況で働く外国人がなぜ茨城で多いのか、なぜ農業現場に多いのかと質問し、「人権侵害が国際社会からも批判される日本の入管難民法や技能実習制度が生む構造的問題の解決こそ取り組むべき課題だ」として制度の撤回を求めて反対しました。
県は、「通報は外国人個人に関するものでなく、雇用する側の事業者に限定する」「匿名の通報は受けない」と説明しますが、県弁護士会や外国人支援団体、個人などから「差別や排他主義につながる」として反対する声が多数寄せられています。
原発行政 東海第二原発は再稼働せず廃炉に
基準地震動の信頼性揺らぐ 防潮堤の施工不良解決せず
福島第一原発事故で、県外に避難する福島の人は約2万人、うち2千人が茨城で暮らしています。「もう大きな事故は起きないだろう」と安全神話に逆戻りしてはなりません。
国や県は、「地元理解と安全確保が最優先」と言いますが、それが吹っ飛ぶ事態が起き続けています。
中部電力でデータねつ造 束海第二と同じコンサルタント
中部電力は浜岡原発の基準地震動をねつ造して過小評価。データ算出をコンサルタントに委託していました。
江尻県議は、「共産党国会議員団が過去の資料を調べ、そのうち2社が東海第二原発も請け負っていたことが分かった。ねつ造の疑念が増す」と指摘し、県に対応を迫りました。現在、原子力規制委員会が調査中ですが、地震対策を揺るがす大問題です。
共産党への内部告発がきっかけ
原発を津波から守る防潮堤の施工不良を事業者が公表したのは、作業員からの告発を受けて江尻県議が記者会見した当日(23年10月)でした。工事は中断中で、設計変更や工事完了の見通しは立っていません。
ミサイル保有が「抑止力」!?
大井川知事が議会初日の所信表明で「法の支配にもとづく国際秩序が揺らぎ、むき出しの力による理念なき大国家間競争時代の幕開け」と述べた2日後の2月28日、米国とイスラエルがイランを先制攻撃しました。
国際法や国連憲章違反の無法な戦争に日本が加担し、自衛隊を派遣するようなことはあってはなりません。
百里基地(小美玉市)で“なし崩し”の共同訓練
自衛隊百里基地で多国軍との共同訓練が急増しています。江尻県議は一般質問で「米軍の基地使用は日米安保条約第6条による地位協定が根拠とされてきたが、オーストラリアやドイツ、インド、カナダ、イギリス、フランス軍との訓練は何を根拠に基地を使用しているのか」と質問。知事は「外交ルートを通じて日本に申し入れがあり、『受け入れます』という外交的な手続き」によると答弁。法的根拠な<、なし崩しに百里基地が使われていることが明らかになりました。
増え続ける百里基地の強化予算(軍事費)
政府は10年間で百里基地に最大500億円を投入して戦闘機の隠ぺい施設や地下シェルター化など基地の強化をすすめています。
江尻県議は専守防衛をはるかに超える軍備増強を批判。百里が攻撃の標的となることを前提に国は基地の強化をすすめていますが、周辺住民を守るすべはなく、置き去りの状態です。
F-2戦闘機にミサイル配備 前線基地の危険
政府は2027年度以降、敵基地攻撃が可能な国産の長距離ミサイルを自衛隊百里基地に所属するF-2戦闘機(20機)に配備する方針です。F-2戦闘機による他国への攻撃が可能となり、百里基地が前線基地となる重大な動きです。
江尻県議は知事にミサイル配備撤回を国に求めるよう質問。あわせて周辺住民への説明会開催を求めました。沖縄県や大分県では自治体の求めに応じて実施されています。
知事は「個々の案件ごとに実施を判断しており、他県での開催状況は把握していない」と答弁。このままでは住民に何も知らされないまま、敵基地攻撃ミサイルが配備されることになります。
「非核平和茨城県宣言」を生かして 戦争も核兵器もない世界と日本へ
茨城県議会は2009年、「非核平和茨城県宣言」を全会一致で採択。「世界に対し、核兵器の廃絶と軍縮、生命の尊厳と世界の平和を強く訴えていかなければならない」と宣言しています。軍事対軍事では憎しみの連鎖を生み、平和をつくることはできません。戦争も核兵器もない世界と日本、茨城をめざしましょう。
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