江尻かな県政ニュース 2023年11月

県政ニュース 2023年11月表

県政ニュース 2023年11月裏

衝撃!!!東海第二原発 施工不良でまた工事中断 内部告発

地震に弱い老朽原発 津波に耐えられる?

日本共産党の江尻かな県議は10月16日、県庁で会見を開き、東海第二原発の再稼働に向けた工事について、地震・津波対策として建設中の防潮堤基礎部分に施工不良の疑いがあると明らかにしました。

江尻県議は、工事関係者から共産党に内部告発があったとして、▽取水口部分の防潮堤基礎となる南北2つの「地中連続壁」でコンクリートが正しく打設されていない▽鉄筋が正しい形状で組まれていない▽北基礎が岩盤に到達していない▽基礎をつくる際の安定液の比重が正しく保たれていなかった―などの問題を指摘。
その事実を確認するために、江尻県議は事業者の日本原電に「質問書」を提出していました。

原電は、江尻県議の会見当日になって月例報告を発表し、「今年6月にコンクリートの未充填及び鉄筋の変形等が確認された」と施工不良を初めて公表。「今後、補修・補強計画を立案する」とし、共産党への回答に施工不良で工事を中断していると示しました。

また、この間公表しなかったことについて、「隠ぺいではない」と説明しましたが、7月に周辺市村長が現地を視察した際に「工事は順調に進んでいる」としていました。

東海第二原発は現在、来年9月の再稼働をめざして防潮堤などの対策工事を継続。これまで工期を2回延期しており、告発を寄せた工事関係者は、工期最優先で工事を進めたことが施工不良の一番の要因と訴えています。

問題が次々と発覚…再稼働なんて無理!!

東海第二原発の防潮堤工事で施工不良が明らかになった問題で10月19日、コンクリートの未充填や鉄筋の変形だけでなく、北基礎が支持層の岩盤に到達していない可能性が大きいことがわかりました。

江尻県議が共産党国会議員とともに原子力規制庁に行ったヒアリングで明らかになったもので、工事関係者の告発とも合致します。

新たに施工不良が判明したのは、取水口部分の鋼製防護壁を支える北側の基礎部分。基礎をつくる鉄筋カゴが工事計画の深さにまで沈んでおらず、高い位置で止まっている状態にあることが分かりました。

ヒアリングで原子力規制庁の担当者は、鉄筋カゴの高止まりを認めた上で、「最終的に是正し、設計通りにやることが必要だ」と説明しました。

担当者の仰天発言「報告義務はない」←えっ!?

その一方で、規制庁担当者は工事中の不備について、「規制庁や自治体への報告義務はない」とし、工事検査は完了時に行うと説明。

江尻県議が「見えない地下部分をどうやって検査するのか」と質問したのに対し、「原電からの説明や書類をもとに検査することになる」と答えました。

大井川知事も10月20日の定例会見で、「工事途中の問題点は、原子力安全協定上は報告義務のないもので、特に問題はない」との認識を示しています。

江尻県議は、「完了後でなく今すぐ現場確認が必要。原電が鉄筋カゴの高止まりを公表していないのも問題だ」と強調しました。

工期最優先のしわ寄せで…安全を軽視する日本原電

東海第二原発でずさんな工事が進んでいる実態が、工事関係者の告発と共産党の調査で明らかになりました。しかも、原電自身が「安全性向上対策の要」とする防潮堤での施工不良です。

この間、原発立地周辺6市村でつくる首長懇談会や県が独自に検証する「安全性検討ワーキングチーム会合」が開かれていますが、原電は一連の経過について説明していません。自治体や住民を軽視し、安全まで軽視する日本原電に、原発を再稼働する資格はありません。

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