日本共産党茨城県議団ニュース 2022年4・5月号

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県政は県民の願いにこたえているでしょうか ――

2月25日の県議会初日、「ロシアのウクライナ侵攻に断固抗議する決議」を全会一致で可決しました。知事は、2022年度予算案などを提案するともに、今後4年間の県政方針をしめす「第2次県総合計画」を発表。計画では、国の統計指標などから38項目を選び、“幸福度”を独自に算定。その結果、茨城県は“全国9位”と公表しました。

なにが県民の幸せなのか。医療や福祉、教育は拡充されるのか、コロナ対策やジェンダー平等、地球温暖化にどう取り組むか。そして、「東海第2原発の再稼働反対」の声にどうこたえるか―この立場で議会にのぞみました。これからも、みなさんの声と願いを届けます。
ご意見、要望、お困りごとなどお寄せください

検査拡充が必要

2022年度県予算のコロナ対策はまったく不十分です。保育園や学校などで集団感染が相次ぐなか、県は「小児は重症化リスクが低い」として、日常的な検査を行っていません。

しかし、重症化しなくても無症状のまま感染が広がり、多くの子どもと親が自宅待機を余儀なくされています。親は仕事に行けず、職場はこれまで以上に人手不足が深刻です。

共産党県議団は、改善を求めて知事に質問。 3月中旬以降、感染した子どもと同じクラスや学年などで、幅広く検査が行われるようになりましたが、事前に検査キットを配布するなど、検査体制の拡充が急務です。

保健所削減を 「機能強化」と強弁

保健所業務のひっ迫も改善されていません。知事は、保健所を12カ所から9カ所に減らしたことについて、「集約化して機能強化できた」と強弁しましたが、12カ所それぞれに専任の所長をおき、感染対策の部署や保健師を増員すべきでした。また、入院ベッドを減らす「地域医療構想」の計画見直しも必要です。

水田活用交付金 改悪やめよ

政府が、米の生産を減らすため、麦や大豆、飼料用米に転作する農家への水田活用交付金を減額する方針です。
「もうやっていけない」と農家からの悲鳴。共産党県議団が「国に撤回を求めるべき」と主張したのに対し、知事は「国の方針は理にかなったもの。米・麦・大豆をローテーションすれば交付金も可能」などと答弁。
しかし、水田を畑地に変えたり、新たな機械の導入は困難であり、国・県の支援は不十分です。農産物の価格保障と自給率の向上に取り組むべきです。

県民の税金 369億円の債権放棄

県は、破産した住宅供給公社への貸付金369億円を、回収不能として債権を放棄。また、売れ残り工業団地の破たん処理に、これまでに2,600億円超を投入する一方、新たな工業団地造成や企業立地補助を実施。また、港湾カーボンニュートラル基金に200億円のほか、産業廃棄物処分場を230億円で整備する方針です。
共産党県議団は、これら開発行政・大企業優先の予算に反対しました。

要望が実現しました

コロナで1~3月減収した事業者に一時金支給 4/22受付開始

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飲食店以外の事業者で、1~3月のいずれかの売上が2021年(もしくは2020年・2019年)同月比で30%以上減少した事業者に、20万~最大500万円を支給します。国の事業復活支援金等と併給可。
問合せ/029‐301-5558

薬局等でのコロナ無料検査 6月末まで実施延長

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県内350カ所以上の薬局等で無料検査を実施。対象者は、無症状で飲食、イベント、旅行・帰省、仕事等で検査が必要な方です。
問合せ/0570-050-336

児童相談所の正職員15人増 児童福祉司・心理司・保健師

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県内5カ所の児童相談所で対応する児童虐待件数は増加の一途です。専門職15人の増員と、建物の改修等で相談室の増設・拡充をすすめます。

主な議案に対する各会派の表決態度

主な議案に対する各会派の表決態度(2022年第1回定例会)

原発やめる決断のとき ロシアがウクライナの原発攻撃

核施設への攻撃は国際法で禁止されており、日本の原子力施設も武力攻撃に対する備えは想定されていません。ところが、天然ガスなどの価格高騰を理由に、自民党や日本維新の会は原発の再稼働を迫っています。
しかし、日本の電源に占める原子力発電の割合は4%たらずです。数基の原発を動かしても発電量は大きく増えず、地震多発の茨城県で東海第2原発の再稼働はやめるべきです。

県や市町村が反対すれば、原発は止められます。茨城の豊かな自然を生かしたエネルギーに転換し、新たな産業や雇用を生みましょう。

予算も人も増やして教育拡充を

だれもが自分らしくいられる学校づくり、すべての子どもの学びを保障する教育、高校・大学を含めた教育費の無償化など、子どもたちのために、“できること・やるべきこと”はまだまだあります。

学校始業日に担任がいない ―文科省が教員不足実態を初公表

文科省が初めて公表した公立学校の教員不足調査で、茨城県は昨年4月で小学校58人、中学校59人が未配置。特に中学校は全国5番目に不足数が多い事態です。

長時間労働の改善を

最大の原因は、異常な長時間労働です。中学校では、1カ月の残業が45~100時間超の教員が6~8割。解決するには、なによりも教員の増員が必要です。現在の教員定数は、義務教育標準法の制定時と比べて2割も足りません。国や県は、働き方改革というなら、教員を増やし少人数学級を拡充することです。
第2は、部活動の改革です。県は中学校の部活動改革に関する有識者会議を設置し、5月中に提言がまとめられます。

部活動にかかるお金が大変

国と県は、土・日の部活動を学校から切り離し、民間コーチに任せる「地域部活動」をモデル校で進めています。共産党県議団は、コーチの人件費等として、つくば市の中学校では保護者が月1,250円、水戸市では学校後援会費から年100万円を支払っている実態を示し、公費でまかなうよう求めました。

提案ポイント

小・中学校の「就学援助制度」はクラブ活動費も対象としていますが(中学で年間30,150円支給)、実施しているのは県内16市町村のみ。(水戸、日立、 結城、常総、常陸太田、ひたちなか、常陸大宮、那珂、筑西、坂東、 かすみがうら、大子、美浦、五霞、境、東海)

共産党県議団は改善を求め、教育長は「市町村に実施を要請していく」と答えました。

定期的なPCR検査を求めて県に再度要請

共産党議員団は4月18日、保育園や幼稚園、学童クラブなどで子どもが感染した場合、濃厚接触者の特定や検査の範囲を「施設管理者の判断」に任せている問題で県と交渉。現場が混乱し、戸惑っている現状を感染症対策課と子ども未来課に伝え、改善を求めました。

10歳未満の感染が一番多く、保育施設や学校での集団感染が最も多い現状に対し、県は「対策が難しい」として、具体的な手立てを取っていません。

どんなに気をつけていても感染を防げないなら、少しでも早く感染が分かるように、定期的なPCR検査が必要ではないでしょうか。

県立高校 1人1台端末 整備率3割未満

コロナ禍の自宅学習などに必要な生徒1人1台のパソコン・タブレット整備が昨年度から本格化しました。ところが、茨城県立高校は全生徒の3割しか整備されておらず、全国下から2番目です。それは、1年生だけを対象に保護者負担で購入させ(約5万円)、2年・3年生は自分のスマートフォンを使ってリモート授業に対応しています。

共産党県議団は「小さな画面でやりにくい、目が疲れる」との生徒の声をとりあげ、「18府県が公費で100%整備しているのに、なぜ茨城はやらないのか。せめて購入費補助や貸与の対象を広げるべき」と迫った質問に、教育長は「本人所有なら必要なアプリをダウンロードでき、卒業後も活用できる。支援拡大は必要ない」と冷たい姿勢です。

寄せられた声

  • 医療的ケア児が学校に通えるよう看護師を配置してください。親の付き添いだけでは限界です。
  • 不登校の子どもも通えるフリースクールのような居場所が、身近なところにあるといいなと思います。
  • スクールカウンセラーの先生に悩みや自分の気持ちなどを相談しながら、なんとか学校に通っています。

県立病院の役割重要 施設改修を要望しました

江尻県議は、県立こども病院の拡充にむけて施設改修を議会で要望しました。県病院事業管理者は、「本県唯一の小児専門病院として、重篤・難治な疾患に高度専門医療を行うなど、県全域の小児医療を支えている。また、隣接する水戸済生会総合病院と一体で総合周産期母子医療センターの役割を担っている。改修など今後のあり方は、地域医療構想の議論をふまえて検討していく」と答えました。

国は公立病院を統廃合し、入院病床を削減する方針ですが、県立病院の役割はますます重要です。

水戸医療圏の公立・公的病院(10施設)の現状

水戸医療圏の公立・公的病院(10施設)の現状

★県議会を身近に感じてもらえるように、全議員の紹介1分動画が議会ホームページに掲載されています(※動画は各議員のプロフィールにあります)
★よろしければご覧ください。

江尻かな議員動画

日本共産党茨城県議団ニュース 2022年4・5月号(江尻版・PDF)

県議団ニュース表 県議団ニュース裏

山中たい子議員動画

日本共産党茨城県議団ニュース 2022年4・5月号(山中版・PDF)