日本共産党茨城県議団ニュース 2021年12月号

県議団ニュース表 県議団ニュース裏

2021年第4回定例県議会報告ニュース

森林湖沼環境税の一方で林業予算半減

茨城県議会第4回定例会は11月24日に開会し、知事提出の条例・その他、報告の計27件の議案と請願5件、さらに議員提出の条例2件と意見書4件を審議しました。

日本共産党県議団は本会議での質問権がなかったため、山中たい子県議は防災環境産業委員会で、江尻かな県議は保健福祉医療委員会で質疑しました。

【山中県議の主な質問】

▽新産業廃棄物処分場基本計画の問題点▽県水道ビジョン案と市町村との協定▽原子力広報紙など

【江尻県議の主な質問】

▽コロナ感染後遺症▽介護認定における聴力調査と補聴器利用▽高齢運転免許返納者の外出支援など

共産党県議団は、県独自の森林湖沼環境税(個人:年1,000円、法人:均等割の10%)の課税期間を5年延長する議案について、「環境保全が重要と言いながら、県林業予算は10年前の107億円から57億円に半減している。環境税でなく、一般財源で林業・湖沼予算を拡充すべき」と指摘。

さらに、小・中・高校に新たな管理職として「主幹教諭」を新設する議案について、「教員定数が全体として増えることにつながらない。現場教職員の増員こそ必要」として、いずれも反対しました。

また、昨年度の一般会計、特別会計、公営企業会計の決算では、後期高齢者の医療保険料を値上げし、学校給食費の無償化を実施しない一方、大規模開発に多額の税金を投入し、水道料金引き下げ要望にこたえていないとして、県民本位の県財政の確立を求めて認定に反対しました。

コロナ対策など来年度予算編成で知事に要望提出

日本共産党県議団は12月8日、2022年度の予算編成にむけて、大井川知事に240項目の重点要望書を提出しました。これまでに寄せられた要望をもとに、山中・江尻両県議と上野高志県委員長、大内久美子県副委員長が参加して、小善真司副知事に要望を伝えました。

主な要望は、▽新型コロナ対策▽医療・福祉・子育て支援▽学びを尊重する教育の実現▽雇用拡大・中小企業支援▽原発のない脱炭素社会の実現─などです。

山中県議は、「不登校を本人や家庭の責任にする風潮がある中で、これを支える体制が必要。スクールカウンセラーを常勤としておくべきだ。フリースクールなどへの支援も始まったが、抜本的な拡充を」と述べました。

江尻県議は、「2年連続で米価が暴落している。土地改良や機械の購入など、さらなる支援も必要。コロナの影響で減収した事業者への県の支援一時金は、年末までの申請期限を来年まで延長してほしい」と求めました。

大内副委員長は、航空自衛隊百里基地での日米共同訓練について、「共同する相手は米海兵隊。部品落下事故などが全国で起こっている。担当部局を知事直轄にして、県民の命を最優先にすべきだ」と求めました。

教育の充実求め3団体が請願

教育予算の拡充や少人数教育の実施、特別支援学校の新設などを求める請願が議会に提出されました。
山中・江尻両県議は紹介議員になり、議会で採択するよう求めましたが、いずれも賛成少数で不採択になりました。
請願はどれも、子どもたちに豊かな教育の保障を求めるものです。毎年、署名や声を集めて粘り強く働きかけることが力になっています。

▼「私学助成をすすめる茨城県連絡会議」は、私立幼稚園・学校に通う保護者の負担軽減を求める1万1704人の署名とともに▽国の就学支援制度への県独自の上乗せ▽経常費査定項目から難関大学への進学実績などを除外すること─を要望。
▼「民主教育をすすめる茨城県民会議」は、▽小・中・高校での30人以下学級の早期実施▽教員の増員と学校予算の増額─などを求める署名1,147人分を提出。
▼「特別支援学校の新設を求める会」が県南地域への特別支援学校の新設を求める請願を提出。

日本共産党県議団が提出した2つの意見書-▽百里基地での日米共同訓練の中止を求める意見書 ▽核兵器禁止条約の批准を求める意見書は、どちらも賛成少数で否決となりました。

1日11,000件の検査能力いかして
コロナ第6波ふせぐPCR検査実施を

県はコロナ第6波への対策として、入院病床を877床確保(これまで814床)したほか、軽症者向けの宿泊療養施設を17施設約2,600室(これまで1,500室)に増やすと説明。
また、12月から医療従事者などに対して3回目のワクチン接種を始めました。

検査については、民間機関との契約を増やして1日の検査能力を11,000件に拡大。
「幅広い検査や重症化リスクが高い集団への検査を積極的に実施」するとしていますが、具体的な取組は示されていません。検査で感染者を発見・保護・隔離することが必要です。

コロナに関する各種情報は、県のホームページで更新されていますので、参考にしてください。

関連事業者支援金 12/28 申請締め切り

飲食店以外の中小企業・個人事業者に支給される関連事業者支援一時金(20~500万円)は、12/13時点で申請4,562件(県の見込みは1万件)、うち支給決定は1,047件で、12月28日までが受付期間です。
共産党県議団は、申請が間に合わないという声もあることから、来年まで受付期間の延長を県に要請していますが、今のところ延長の考えは示されていません。

子どもが家族の介護・世話 中学生の17人に1人
県「ケアラー条例」制定

家族などの介護・世話を担うケアラーへの支援を盛り込んだ県条例が全会一致で可決しました。埼玉県に続き2例目の県条例制定です。

ケアラーのうち18歳未満の「ヤングケアラー」が、国の初めての実態調査では中学生の約17人に1人、高校生で約24人に1人にのぼることが分かりました。ケアは、食事や洗濯などの家事が多く、幼いきょうだいの保育園送迎や、祖父母の介護・見守りなど多岐にわたります。

「宿題や勉強の時間が取れない」「友人と遊べない」「進路変更を考えざるを得ない、変更した」「学校に行けない」などの悩みをもっている一方で、「相談した経験がない」という生徒が、中高生ともに6割を超えました。

ケアラーをサポートする体制づくりも大切ですが、介護保険や障害福祉を拡充し、経済的理由に関わらず誰もが必要な支援を受けられるようにすることが重要です。

正副議長選挙が行われました(投票総数59)

【議 長】
伊沢勝徳(自民)56票、山中たい子(共産)2票、無効1票
【副議長】
舘 静馬(自民)50票、齋藤英彰(県民フォーラム)4票、江尻かな(共産)2 票、無効3票

以上の結果、議長に伊沢議員、副議長に舘議員が選出されました。

次回の県議会は、国の補正予算成立をうけて、来年1月に臨時会が開かれる予定です。

12月議会の各会派・議員の表決態度

12月議会の各会派・議員の表決態度

日本共産党茨城県議団ニュース 2021年12月号外(PDF)