茨城民報2022年8月号(県議選特集)
切実な願いを力にして 12月県議選 江尻かな県議に聞く
ことし12月の茨城県議選で水戸市・城里町選挙区から3期目をめざす江尻かな県議に今期、取り組んできた論戦や活動を聞きました。
医療、福祉、教育の拡充が優先 憲法が生きる県政へ
みなさんのご支援で、29歳で議会に送っていただいてから、水戸市議12年・県議8年活動することができました。今度の県議選で3期目をめざします。
県の財政力は全国8番目なのに、県民生活に直結する医療や福祉、教育の指標は最下位クラスという現状は、まさに県政のゆがみです。
先日訪問したお宅では、私と同年代の女性が「財政力8位なんですか!知りませんでした。福祉とか教育とかいまいちだから、財政も大変なのかと思っていました」とのこと。
この矛盾をつくっているのが自民党県政ですが、県議会は共産党以外は立憲民主を含めて予算・決算にすべて賛成の「オール与党」という実態です。
一方で、「東海第二原発の再稼働反対」で立憲民主議員との共闘や、女性議員ネットワークの活動が継続しています。
一人ひとりにやさしい県政こそ茨城の未来つくる
私がめざすのは「子育ても、仕事も、老後も安心して暮らせる茨城」です。私自身3人子どもがいますが、当時、水戸市の保育所待機児は400人を超え、「水戸市で子どもを産んだ自分が悪かったのか」と涙ながらに相談にくるママたちの声を届け、増設させました。
また、「市立の学童保育が夕方5時半まででは仕事と両立できない」、「お金の心配なく子どもを病院に連れて行けるよう医療費補助の拡大を」と要求し、改善することができました。
県議になってからは、児童虐待や不登校、障がいや難病など様々な困難を抱える子どもや家庭の問題に取り組みました。
児童相談所の増設、教員やスクールカウンセラーの増員、病院や専門医の拡充。どれも切実な願いです。一人ひとりにやさしい県政こそ、茨城の未来をつくる要だと思います。
コロナ対策、現場の声届け 検査、支援策一歩ずつ改善
コロナが感染拡大して以降、お気に入りだったコーヒー豆屋、パン屋、飲食店が次々と店を閉めました。知り合いのバス会社も大変です。自殺や子どもの不登校が増えていることも、私にとってさらに身近な事となりました。
国や県が行っている対策はまったく不十分です。予算も人も足りません。すべて現場にしわよせがきています。その現場の声をまっすぐ届け、検査や医療、支援策を一歩ずつ改善してきましたが、保健所や病院を減らしてきたこと、中小事業者や小規模農林水産業を大事にしてこなかった県政のツケが、困難の根底にあると思います。
コロナだけでなく、自然災害や病気、障がい、失業など、個人の努力ではどうにもならないときに、「大丈夫、なんとかなる。力合わせましょう」と言える政治をつくりたいです。
市民の意見が反映されていない新水戸市民会館
公共施設をつくるとき、必要性やどこにどんな規模でつくるのかなど、家を建てるのと同様、最初が肝心です。お金がなければ借金。その大事なことに、市民意見が反映されていないのが新水戸市民会館建設です。
県が日立市に予定する産廃処分場も、偕楽園の有料化や公園内のレストラン建設も、県立図書館への珈琲店設置も、利用者や住民の声は十分聞かれないまま。これは民主主義、地方自治の後退に他なりません。
子どもたちを二度と放射能の危険にさらしたくない
東海第2原発を止めるために県議になったと言っても過言ではありません。福島第1原発が爆発した3日後、茨城の空間放射線量が急上昇したことを知らず、子どもを外で遊ばせました。「水道水は大丈夫?」「母乳をあげて大丈夫?」というママたちの心配に答えることができませんでした。
二度と放射能の危険にさらしたくありません。家族や友達がバラバラにされるなんて受け入れられません。
一昨年、県議会に県民投票条例案が出されましたが、自民・公明・国民民主がこれを否決しました。投票すれば「再稼働反対」が多数になると感じているのです。
原発に頼らない電力供給を本気になって進めること。高い電気代の仕組みを見直すこと。それを政治の責任で進めるときです。県議として大事な役割を果たせるようがんばります。
プロフィール
- 1973年徳島県生まれ
- 筑波大学芸術専門学群・建築デザイン卒
- 寿小学校PTA会長
- 2003年に水戸市議初当選(3期)
- 現在、県議(2期)
- 水戸市平須町在住
- 夫、二男一女