“むしり取るよう” 納税者の実情無視 茨城租税債権管理機構が強権的徴税

茨城租税債権管理機構による強引な税の取り立てが問題になっています。本来、減免を含めた税務相談など、納税者の立場に立った税務行政が求められますが、「むしり取るようなやり方であまりにひどい」(相談者)など、“徴収ありき”の実態に悲鳴の声が上がっています。

(茨城県・高橋誠一郎)

「どんな偉い人を連れてきても駄目だから」─。
茨城県古河市で建設業を営む男性(72)は、相談に同行する議員などを念頭に、機構職員が放った言葉を沈痛な面持ちで振り返ります。

不動産業にも携わる男性は、約2,000万円の固定資産税が払えず、徴収業務が市から機構に移りました。所有する土地や家屋、生命保険や預金の差し押さえを受けました。

男性は機構の高圧的な姿勢を語ります。
「向こう(機構)が納得するまで帰さない、という感じ。取れるものは何が何でも取るという雰囲気を感じた」。

その後、県西農民センターや県内民主商工会のメンバーとともに機構にかけ合い、猶予制度があることが判明。
「猶予できるということすら教えてくれなかった」─。払いたくても払えないという、納税者の実情を無視した徴税業務の実態が明らかになりました。

県は2001年、全国に先駆けて、地方自治法にもとづく一部事務組合として市町村税滞納者への差し押さえなどを目的に茨城租税債権管理機構を設置。
茨城租税債権管理機構のWebサイトによると、事務局は県職員・市町村職員やその退職者、会計年度任用職員など計28人。
「より専門的で効率的な滞納整理」、「職員のための体系的、実践的な研修」をうたい、強権的な徴税業務を続けています。

古河市の男性は、「機構がやっているのは行政がやることではないと思う。また自殺者が出てしまう」と痛切に語ります。

この男性とともに機構にかけ合っていた、県西農民センターの初見安男さん(74)は、「税金を払えずに困っている人を救済するのが行政の役割だが、納税者の権利を全く無視しているのが今の機構の姿勢だ」と指摘します。

◆機構は廃止すべきだ 江尻かな議員の話

私が県議になったばかりの15年1月、機構から診療報酬差し押さえ等の徴収に追い詰められた開業医が、「税金を払うだけの人生はむなしい」との遺書を残し自ら命を絶ちました。

直後の議会で、私は強権的な徴税の是正を求め、当時の橋本昌知事も「自殺者を生むようなことはあってはならない」とし、「滞納者の生活状況等を十分に把握し、適切な対応をしていく」と答えました。

しかし昨年、またしてもコロナで経営が悪化した事業主が、機構の徴税攻勢を苦に自死したのです。「あまりに重い税負担こそ根本問題で、政治の責任。機構は廃止すべきであり、さらなる大増税・大軍拡は許されない」と断言します。

(「しんぶん赤旗」2023年6月14日付より転載)