新型コロナウイルス感染症の対策強化を求める申し入れ(第17次、2023年1月26日)

コロナ検査 より多く 共産党茨城県委員会と議員団申し入れ

日本共産党茨城県委員会と党議員団は1月26日、新型コロナ対策の強化を求める第17次の申し入れを行いました。江尻かな議員ら県内地方議員が参加しました。

要請では、新型コロナを政府が「5類」に引き下げる方針を示していることについて、「早急な引き下げに反対する」と強調。

その上で、▽感染状況の情報発信強化▽高齢者・社会福祉施設での有症状者の入院をすすめ、無症状者の「個室管理」を徹底する▽1日1万8000件にまで拡充したPCR検査を最大限活用し、必要な検査が実施できるようにする─ことなどを求めています。

申し入れには、夫をコロナ感染で亡くした女性が参加。
入所先の高齢者施設で県の方針だった「個室管理」が行われず、他の入居者から感染が広がったとし、「個室管理を徹底し、適切な指導をしていれば命を落とさずにすんだ。個室・別室隔離は第1条件だ」と対応の見直しを強く求めました。

県の担当者は、「施設の感染対策を助言・補助している」との説明に終始。
江尻氏は、「5類」引き下げや高齢者施設などでの感染者の個室管理をめぐり、「死亡者が増えるもとで『高齢者は亡くなっても仕方ない』とのメッセージになりかねない。適切な入院・隔離措置がなされるべきだ」と求めました。

(「しんぶん赤旗」2023年2月3日付より転載)

県担当者に申し入れる江尻県議ら

県担当者(左)に申し入れる江尻県議ら=1月26日、茨城県庁

新型コロナウイルス感染症の対策強化を求める申し入れ(第17次)

2023年1月26日

茨城県知事 大井川和彦 様

日本共産党茨城県委員長 上野高志
日本共産党茨城県議 江尻加那
日本共産党茨城県市町村議団

新型コロナウイルス感染症の第8波により、1日当りの新規陽性者数が1月8日に過去最多の5,542人、死亡者数も1月12日に過去最多の16人となり、第8波の死亡者は445人(22年11月~23年1月25日報告分まで)にのぼります。高齢者施設のクラスター発生件数や救急搬送件数も過去最多となるなど、深刻な事態に至っています。
感染拡大の大きな要因の一つは、国や県が感染対策より経済を優先したことです。

知事は、「重症化率や致死率は低下し、季節性インフルエンザとほぼ同水準。過度に恐れる必要のない疾患になった」と述べましたが、この認識は軽症者や無症状者に目を向けたものであり、高齢者をはじめリスクの高い人への対策を軽視することにつながります。

さらに、死者数が過去最多になった背景について、「把握できていない潜在的な感染者がかなりの数いるのではないか」との認識を示しましたが、全数把握をやめてしまった結果であり、専門家は「現在の5割増しが実態」と指摘しています。

こうした事態にも関わらず、医療のひっ迫状況やクラスター発生状況など県のコロナ関連情報が全く伝わらない状態であり、県民への適時適切な情報提供もありません。

季節性インフルエンザとの同時流行が起きており、新学期や受験シーズンを迎えた多くの子どもや県民は、大きな不安を抱えた生活を余儀なくされています。

政府は、新型コロナの感染症法上の位置づけを「2類」から「5類」に引き下げるとの方針を示しました。このまま実行されれば、入院勧告や在宅観察はなくなり、医療費の公費負担廃止による窓口負担の大幅増で、命と健康の危機を加速させることになります。国の方針見直しを求めるとともに、県の対応も改めることが必要です。

新型コロナ感染症第8波から高齢者をはじめ県民の命を守るため、以下の対策を要請します。

  1. 新型コロナ感染症は、感染者数・死亡者数の多さ、後遺症の深刻さなどからも引き続き警戒を強めることが必要である。第8波の感染状況の詳細について、医療機関、入所施設のクラスター発生状況などの実態を含めて、県民への情報発信を強化する。
  2. 「5類」への引き下げについて、保健所や医療・救急体制およびPCR検査・診察・治療体制の強化なしに実施すれば、感染状況をさらに悪化させる危険があり、早急な引き下げに反対する。
  3. 新型コロナウイルス病床確保補助金を従前どおり給付するよう国に求めるとともに、電気代など固定費負担増への直接支援策をさらに拡充する。
  4. 地方創生臨時交付金を活用した県独自の「新型コロナウイルス対応医療機関等物価高騰応援金」「事業継続臨時応援金」を拡充する。
  5. 高齢者・障害者施設でのクラスター発生を予防するためにも、有症状患者の入院等を積極的にすすめる。無症状患者や濃厚接触者の「個室管理」を徹底できるよう、支援と指導を行う。
  6. 症状の悪化や重症化を防ぐために、抗ウイルス薬の適切な処方など早期治療が行えるよう対策を強める。
  7. 医師・看護師、保健師、介護士の体制強化と処遇改善をすすめる予算を措置する。
  8. 発熱患者の受け入れ医療機関を増やすために、検査費用等の診療報酬や受け入れに伴う助成を手厚くする。特に高齢者など重症化リスクの高い発熱患者が、早期に確実に受診・治療できる体制を確保する。
  9. PCR等の検査体制を強化する。
    (1)1日1万8千件までの検査能力を活用し、必要な人への検査が実施できるようにする。
    (2)検査キットを大量に確保し、市町村や事業所、学校、保育所などを通じて県民に配布(事前配布や希望者への配布)し、症状がある場合の積極的活用をよびかける。
    (3)薬局等での無料検査を引き続き推進し、無症状者を発見・保護して感染を予防する。
  10. コロナ感染者が死亡した場合、家族が遺体と対面できなかったり、火葬場に入れてもらえな かったりする例があることを踏まえ、厚生労働省が1月6日、制限を緩和した改正指針を公表した。遺族の意思ができる限り尊重されるよう、指針の内容を県民や関係者に周知する。

以上

新型コロナウイルス感染症の対策強化を求める申し入れ(第17次、PDF)