福島第一原発汚染水の海洋放出に反対することを求める申し入れ(2020年10月26日)

福島第一原発で発生しているトリチウム汚染水を、大井川和彦茨城県知事が海洋に放出することを容認する発言を受け、日本共産党茨城県委員会と県議団、市町村議員団は大井川知事あてに申し入れを行いました。
県側の対応は堀江防災・危機管理部長。堀江部長は申し入れ書を受け取ったのみで、頑なに口頭での受け答えを拒み、3分ほどで中座しました。

県担当者に申し入れ書を手渡す山中たい子県議、江尻かな県議、大内くみ子県副委員長ら

県担当者に申し入れ書を手渡す山中たい子県議、江尻かな県議、大内くみ子県副委員長ら(右から)=10月26日、茨城県庁

福島第一原発汚染水の海洋放出に反対することを求める申し入れ

2020年10月26日

茨城県知事 大井川 和彦 様

日本共産党茨城県委員会
日本共産党茨城県議団
日本共産党茨城県市町村議員団

政府は、東京電力福島第一原発の汚染水を海洋放出する方針を決定しようとしています。当初、知事が本県漁業関係者らとともに「容認できない」と表明し、「白紙撤回」を求めたことは大きな注目を集めました。知事は「科学的な説明だけでは納得できない」として、海洋放出以外の方法の検討や風評被害への具体策を示すよう求めてきました。

ところが、政府の方針決定を前にした10月22日の知事記者会見で、海洋放出の「容認も十分視野に入る」と態度を一変しました。これは県民への裏切りであり、強く抗議します。

漁民をはじめ国民からの批判を受け、政府は今月中の決定を見送りましたが、早期に海洋放出を決定する方針は変えていません。
汚染水の海洋放出を許せば、本県の漁業、農業、観光はじめ、その打撃は計り知れません。科学的にも、基準値以下なら人体や生態系への影響はなく安全という根拠はなく、風評被害で済む問題ではありません。しかも、排出時の放射性物質の濃度と年間排出量を規制しているだけで総量規制はなく、薄めればいくらでも流せることになります。海洋放出ありきの対応は、国際社会からの批判も免れません。

よって、知事に対し、下記事項を強く申し入れます。

  1. 漁業者をはじめあらゆる産業に打撃を及ぼす原発汚染水の海洋放出に対し、「容認も視野に入る」との立場を撤回して明確に反対すること。
  2. 海洋放出方針の決定強行に反対する申し入れを、国に緊急に行うこと。
  3. 福島第一原発事故の教訓を踏まえ、東海第二原発の再稼働に反対すること。

以上

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