新型コロナウイルス感染症対策の強化と「学びの保障」に関する申し入れ(第5次)

教員の負担軽減と教育環境の整備を 共産党茨城県委員会、県に第5次申し入れ

日本共産党茨城県委員会(上野高志委員長)と党県議団(山中たい子議員、江尻加那議員)をはじめ、県内の地方議員は7月9日、新型コロナウイルス感染下での教育環境の整備を求めて、大井川和彦知事と小泉元伸県教育長あてに第5次の申し入れを行いました。

申し入れは▽学校で感染者が発生した場合の対応周知▽スクールカウンセラーの増員▽勤務時間や休暇取得を考慮するなど教員の負担軽減▽教員増と少人数学級の実施─など10項目です。

県義務教育課の担当者は、共産党が要望していた児童・生徒の不安を把握するためのアンケートを実施したと説明。
「子どもの心身のストレスに寄り添って対応していきたい」と答えました。

教員の負担軽減をめぐっては、消毒作業などのコロナ対策で「先生の疲労が蓄積している」との認識を表明。
「休暇が確実にとれるよう指導・助言していく」と応じました。

参加した議員からは、スクールカウンセラーや教員増を求める意見が相次ぎましたが、県の担当者は「カウンセラーは予算の範囲内で配置する。教員増も政策的には難しい」と答えました。

山中議員は、「根本的には教員増と少人数学級の実現が重要。ひとりの成長を丁寧に見守ることができる環境整備を求めたい」と抜本的な対策を求めました。

(「しんぶん赤旗」2020年7月10日付より転載)

新型コロナウイルス感染症対策の強化と「学びの保障」に関する申し入れ(第5次)

県担当者に申し入れる山中たい子県議、江尻かな県議

県担当者に申し入れる山中たい子県議、江尻かな県議(左から)=7月9日、茨城県庁

東京都を中心に首都圏で再び感染が拡大しています。県内でも6月20日以降に陽性者の確認が続き、知事は7月3日の会見で「感染症対策と社会経済活動を両立」させるために「コロナ対策指針」を改定しました。(以下「改定指針」)

学校対応では、原則「通常登校・通常授業」を継続させることとし、「部活動」や「給食」の中止が緩和されました。
そのうえで、対策をStage1から2へ強化しましたが、その基本は一律の外出自粛は行わず、業種別の感染防止対策を推進するものです。
現在、学校では、県が示した「学校再開ガイドライン」を基にした教育活動が行われています。

子どもたちの様子は、3ヶ月余の長期休校によって人との接触が制限され、子ども同士の関係性も奪われる中で心身ともに不安定になっています。

いま大切なのは安定した生活リズムを取り戻し、適度な運動や休養、睡眠などを保障して免疫力を高め、子どもたちの負担が過重にならないようにすることです。

子どもの安全と成長・発達を保障する「学びの保障」のために、以下の事項について適切な対応を求めて申し入れます。

  1.  第4次申し入れ(5月20日)の教育関連15項目について、具体的に進展した取り組み内容をお示しください。
  2. 「学校で感染者が出た場合の対応」について、児童生徒や教職員、その家族などに周知徹底し、理解を得る。
  3. 文科省は、児童生徒の「学びの保障」総合パッケージと学習活動の重点化に係る留意事項を通知し、「あらゆる手段を活用し、学びを取り戻す」としている。これを受けて、夏季休業の短縮や1日7時間授業等がどのように計画・実施されているのかを把握するとともに、詰め込み学習とならないよう教育課程の精選をすすめる。
  4. 教室で身体的距離を2~1メートル確保するには、1教室(約64m²)あたり20名程度となることから、教員増と教室の確保をすすめて少人数教育を拡充する。
    参考) 全国知事会「新しい時代の学びの環境整備に向けた緊急提言」2020.7.2
  5. 新型コロナ対応による加配教員の状況を示すとともに、必要となる学習指導員やスクール・サポート・スタッフを国または県独自に確保する。国の第2次補正による教員加配は、「地域の感染状況に応じて」・「学級を2つにわけるなど分散登校等を行う場合」とされ、本県は対象外となっている。
  6. スクールカウンセラーについて、新型コロナ対応で加配された人数や時間数を示すとともに、子どもの心身への変化や影響を考量したカウンセラーの増員をすすめる。
  7. 授業時間数の確保が教職員の過重負担にならないよう、勤務時間や休暇取得を考慮する。
  8. 熱中症対策を踏まえたマスクや通学ヘルメットの着用について、児童生徒の心身の負担とならないよう柔軟に対応する。
  9. 国の「学校再開緊急対策事業」による予算措置を最大限確保し、学校の状況に応じた幅広い事業に対応する。その際、▽夏季における学校給食実施・調理室のエアコン設置、▽スクールバスの増便、▽遠足・宿泊学習等に利用するバス増便、▽特別教室や空き教室へのエアコン設置、▽部活動や大会開催支援─などをすすめる。
  10. 学校の臨時休業等においてもオンライン学習ができる環境を充実させる。タブレット配布やインターネット環境整備などハード面が優先されているが、適切な学びを保障するためには教員の増員が必要であり、あわせてICTスクールサポーター等の人材を確保する。

以上

新型コロナウイルス感染症対策の強化と「学びの保障」に関する申し入れ(第5次、PDF)

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