認可外保育施設の重大事故防止を求める要請書
認可外保育施設の重大事故防止を求める要請書
2019年11月28日
茨城県知事 大井川 和彦 様
日本共産党茨城県議団
県議会議員 山中たい子
県議会議員 江尻 加那
県は10月3日、2018年9月に県内の認可外保育施設(ベビーホテル、以下同施設)において生後2カ月の男児が死亡した事故について、「茨城県認可外保育施設等における重大事故の再発防止のための事後的検証委員会」が取りまとめた報告書を公表し、9項目の提言等を踏まえて重大事故の再発防止に努めていくとしています。
同施設が水戸市内にあったこと、同施設で2016年にも乳幼児死亡事故があったこと等の情報が私どもに寄せられています。死亡原因は不明とされ、同施設から廃止届が出されました。
報告書によると、県は「認可外保育施設指導監督実施要項」に基づき、同施設が指導監督基準を満たしていないとして2012年度以降毎年のように是正指導を継続していました。特に、保育従事者が複数配置されず有資格者がいなかったことは重大です。
また、同施設に対する県の指導監査等が公表されず、子どもを預けようとする親が施設を選ぶ際に重要な情報が提供されませんでした。
待機児童解消策の一つとして認可外保育施設は増加傾向にあり、より良い保育をめざして努力する施設がある一方、保育環境等に格差があることも事実です。認可外保育施設は、本年10月から始まった無償化の対象とされましたが、5年間は国の指導監督基準を満たさなくてもよいとされていることは問題です。日本共産党県議団は第3回定例会一般質問で「保育士が少ないなど不十分な保育環境が放置されないよう、早急な改善を県が指導すべき」と求めたところです。
しかし、今回の重大事故について、知事の定例記者会見で報告はなく、所管の県議会保健福祉医療委員会委員にも報告がありません。
利用者は様々な事情によって保育施設を選んでおり、どんな施設でも子どもの福祉と安全が保障されることが求められます。しかし、国はどんどん規制緩和を進め、保育現場で働く職員も安心して働けない状況となっています。
以上を踏まえ、県の取組について下記項目を要請いたします。
記
- 報告書内容を、県内の保育関係者や市町村担当課、施設利用者等に広く周知する。
- 報告書の提言等を踏まえ、実効性ある再発防止策を早急に取りまとめ、公表・報告する。
- すべての認可外保育施設で指導監督基準が満たされるよう指導を徹底し、必要な支援策を講じる。是正指導に従わない施設は厳正な行政処分を行う。
- 利用者がより安全な施設を選択できるよう、施設に対する指導監査等の結果を公表する。
- 届出等の権限移譲の有無にかかわらず、市町村が認可外保育施設の情報を適切に提供できる体制を整備する。特に、中核市に移行する水戸市との連携を強化する。
以上