茨城県議団ニュース 2023年7月号

県議団ニュース2023年7月号表 県議団ニュース2023年7月号裏

教員の時間外勤務 年75万円分の“ただ働き!?”

県教委が初めて試算

6月20日の県議会予算特別委員会で、公立学校教員の残業代を不支給とする国の特別措置法のもと、教員1人あたり年約75万円も給与が低くなっていることが分かりました。

日本共産党の江尻かな県議の質問に対して、県教育委員会が初めて試算したものです。 国は公立学校の教員について残業代の支払いを認めておらず、代わりに月額給与の4%を「教職調整額」として上乗せしています。

教育長は、調整額の支給対象となる全教員の平均調整額が1人あたり年22万円となっている一方、実際の時間外勤務に合わせて残業代を支給した場合、年97万円に相当すると答弁。

茨城県の時間外勤務の平均時間(昨年10月・11月)は小学校で月35時間37分、中学校で月48時間55分にのぼり、全国平均を下回るものの長時間勤務が続いています。

残業代不支給をやめ 学校の先生を増やそう

江尻県議は「実態を見れば、調整額で支払われているのは4分の1程度。残業代を認めない制度を改め、教員を増やすべき」と要求。教育長は、教員の処遇改善を審議する国の動きを注視し、「積極的な検討を期待したい」と答えました。

江尻県議は「調整額を10%にすれば良いなどの議論もあるが、定額働かせ放題を放置しかねない」と強調。やりがいに見合う改善を求めました。

よせられた声

  • 以前より早く帰れるようになったけれど、この先働き続けられるか不安。一番必要なのは教員定数を増やすこと!
  • 「早く終わらせる」ことが先行し、実際にはタイムカードを押した後に残ったり、それでも終わらず自宅に持ち帰ったり…ということもある。
  •  年75万円少ないということは、40年働くと3千万円の差? これは理不尽。

県議会補正予算 物価高騰・被災支援 まだまだ不十分

6月6日~22日まで開かれた県議会に、物価高騰対策費や大雨・台風による被災者支援費などが提案され、全会一致で可決。江尻かな県議も賛成しました。

採決前の討論で江尻県議は、「支援はまだまだ十分でなく、光熱費や飼料代に継続した対策が必要」と主張。また、大雨で浸水した農作物の被害はまだ確定できず、具体的支援はこれからです。

事業者、生活者物価高騰対策支援など…79億2400万円

主な事業補助内容
病院、診療所、薬局、福祉施設、私立学校・幼保等の光熱費補助2022年光熱費(年間総額)×17%×1/2(6ヶ月)×1/2
※17%の根拠は、水戸市の消費者物価指数によるもの
酪農家への輸入飼料高騰補助
国産飼料の利用拡大補助
基本額 乳用牛17,500円/1頭、肉用牛5,500円/1頭を補助
※国産飼料の利用割合を15%アップする生産者に上乗せあり
県立学校給食の材料高騰分補助中学・中等教育、特別支援、夜間定時制の給食に1食20円補助

大雨および台風2号に伴う災害の被災者支援など…7億3900万円

主な事業補助内容
生活再建支援住宅応急修理、住宅再建補助、援護資金貸付、見舞金など
中小企業への支援被災企業に災害対策融資、信用保証料補助、利子補給など
社会福祉施設の復旧支援被災した幼稚園、高齢者施設、障害者施設に補助

那珂川流域の洪水対策 2年遅れで令和8年度予定

2019年の東日本台風で、水戸市や城里町に大水害をもたらした那珂川の緊急治水対策(堤防整備、河道掘削など)が、当初の令和6年度完成から令和8年度に2年延長され、事業費も147億円増えて約813億円に変更。国交省は、地質調査や用地買収が理由としています。

一方で、「コンクリート擁壁をつくる国田地区は、なぜ民有地を無償貸与することが求められるのか」「2年遅れるのは心配だ」と住民から声があがっています。

県立あすなろの郷建て替え

老朽化したあすなろの郷(障害者入所施設)の建て替え工事がいよいよ始まります。
江尻県議は、工事契約議案に賛成した上で、入所定員をこれまでの約半分(200人)に縮小するのは問題であり、広い敷地を生かして施設の増設や、県南地域などに2か所目の整備が必要ではないかと主張しました。

マイナンバーカードとの一体化は問題だらけ 健康保険証はなくさず存続を

江尻かな県議は、予算特別委員会で「来年秋までに健康保険証を廃止して、マイナンバーカードと一体化するのは問題だ」として、県が関与する国民健康保険や後期高齢者医療保険の保険証存続を知事に求めました。

資格確認書はどうなる?

県と市町村が運営する国保に約65万人、後期高齢者医療に約43万人の県民が加入しています。その他、すべての県民が何らかの公的医療保険に入っていますが、マイナンバーカードを持っていないか、持っていても保険証とひも付けしていない人は、代わりに保険運営者が「資格確認書」を発行するとしています。

茨城県のマイナンバーカード交付率は7割で、カードと保険証をひも付けしている人はそのうち約7割と言われていることから、現時点で約半数の県民は「資格確認書」が必要と見込まれます。

障害者の家族や高齢者から、「マイナ保険証や資格確認書の作成は困難で、保険証が廃止されると困る」という声が寄せられています。また、医療機関でもトラブルが相次ぎ、保険医協会は保険証廃止に反対しています。

何のためのデジタル化?

国会で、自民、公明、維新、国民民主が保険証との一体化法案を可決してしまいましたが、与党内からも「廃止はいかがなものか」と声が上がり始めました。

江尻県議は、「デジタル化は一番使いづらい人に合わせるべき。 保険証が手元にない無保険状態を決して生まない対策を」と主張。

知事は「課題について認識し、必要であれば国に伝えていくが、基本的には国でしっかり対応してもらえるということなので注視していきたい」と答えました。

●共産党国会議員団は「保険証廃止撤回・マイナンバー問題追及委員会」を立ち上げ、引き続き改善を求めて取り組んでいます。

江尻県議が予算特別委員会で知事に質問

原発処理汚染水の海洋放出に反対を

政府と東電は、今年夏頃に福島第一原発の処理汚染水を海に放出する方針を変えていません。 今なお福島県沿海の漁は制限されており、海洋放出で再び影響が出ることが予想されます。 茨城県漁連は当初から「放出反対」を貫いています。
江尻県議が、知事に反対するよう求めたのにたいし、知事は「風評被害には国が責任をもって対応するよう求めていきたい」と答えるだけでした。

実験炉「常陽」再稼働 意義や必要性はない

岸田政権は、高速増殖炉「もんじゅ」で失敗した核燃料サイクル(原発の使用済燃料を再処理してウランやプルトニウムを生成し、再び燃料にする)の開発をこれからも進めるとして、大洗町にある実験炉「常陽」を2025年に再稼働させる方針。再稼働には大洗町と県の了解が必要です。

「常陽」は2007年の事故以来ストップしたままで、江尻県議は「核燃料サイクルの開発は破たんしている。常陽は危険なナトリウム火災のリスクもあり、再稼働を認めるべきでない」と迫りました。

知事は、「再稼働の意義や必要性は国が説明責任を果たすべきであり、県としては安全対策委員会や審議会、隣接市町村(水戸市、ひたちなか市、鉾田市、茨城町)の意見聴取を行ったうえで判断する」と答弁しました。

障害者グループホーム 避難計画除外は問題

江尻県議は、東海第2原発の再稼働を前提として避難計画をつくるのではなく、危険な老朽原発の再稼働はやめるよう、知事に質問しました。

計画策定は10%弱

そのうえで、県が避難計画策定から障害者グループホームを除外している問題を追及。

これにたいし、知事は「グループホーム利用者は、ある程度自立して避難が可能なことから、一般住民と同様に避難することが基本」などと答弁。

そのため、30km圏内にある障害者グループホーム121か所のうち、独自に計画を策定しているのは10%弱であることが分かりました。

江尻県議は、「障害者が学校体育館で長期避難できるという認識は間違っている」と、厳しく知事の姿勢をただしました。

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