福島第一原発処理汚染水の海洋放出反対を求める要望書

福島原発 汚染水放出「反対を」 共産党、茨城県知事に要請

日本共産党茨城県委員会(上野高志委員長)と江尻かな議員ら県内の党議員団らは6月29日、福島第1原発事故の処理汚染水の海洋放出に反対するよう求める申し入れを大井川和彦知事宛てに行いました。
宇田たか子・ひたちなか市議、花島進・那珂市議、菊地昇悦・大洗町議、川澄敬子・茨城町議、武田さとし氏(ひたちなか市議予定候補)らが参加しました。

海洋放出をめぐっては、茨城沿海地区漁業協同組合連合会も反対を表明しており、漁業者の理解は得られていません。

江尻氏は、「原発事故を受けて漁業が継続できる環境をつくることが土台で、風評被害は払拭できていない」と指摘。方針を撤回するよう強く求めました。

宇田氏は、「地元の那珂湊・磯崎の漁協からは、原発事故からの復興をめざす努力が水の泡になり、反対だという気持ちが伝わってくる。行政として味方になり反対を貫いてほしい」と力説。

菊地氏は、「地元首長に地域の住民・県民がどのような思いや不安を感じているか、聞き取ることが必要だ」と述べました。
花島氏は、「漁業関係者の合意を得て放出するはずだったが、あっさり投げ捨てて不誠実だ。その点だけでも考え直すべき」と求めました。

高橋誠一郎氏(衆院茨城1区予定候補)、吉田つばさ氏(衆院茨城4区予定候補)がそれぞれ同席しました。

(「しんぶん赤旗」2023年6月30日付より転載)

県側に要望書を提出する議員ら=6月29日、茨城県庁

県側に要望書を提出する議員ら=6月29日、茨城県議会
左から、吉田つばさ・衆院茨城4区予定候補、武田さとし・ひたちなか市議予定候補、宇田たか子・ひたちなか市議、江尻かな議員、県原子力安全対策課長、県漁政課長、菊地昇悦・大洗町議、高橋誠一郎・衆院茨城1区予定候補

福島第一原発処理汚染水の海洋放出反対を求める要望書

2023年6月29日

茨城県知事 大井川 和彦 様

日本共産党茨城県委員会
委員長 上野 高志
日本共産党茨城県議団
県議 江尻 加那
日本共産党地方議員団

東京電力は6月26日、福島第一原発処理汚染水の海洋放出に向けて、海洋トンネル工事を完了させました。試運転を実施後、原子力規制委員会の使用前検査が終了すれば、放出設備の準備が整うとされています。
東電と政府は今年夏ごろまでに放出を開始する方針を変えていませんが、 漁業者をはじめ県民の理解は得られていません。

政府は風評被害対策と放出後の漁業継続支援にそれぞれ基金を設けて対応する考えですが、漁業関係者は「風評被害は避けられない」として、放出反対を強固に貫いています。全漁連とともに、茨城沿海地区漁業共同組合連合会 (飛田正美会長)も改めて反対を表明しています。

しかし、政府も東電も今年夏ごろまでに放出を始める方針を変えておらず、国際原子力機関(IAEA)が7月4日にも包括報告書を公表して“お墨付き”を与えかねません。

日本共産党はこれまで、海洋放出を止めるよう政府や東電に方針の撤回を 繰り返し求めてきましたが、今般の状況を踏まえて下記事項を要望します。

  1. 今年夏ごろまでの海洋放出に、ただちに反対を表明すること。
  2. 漁業関係者を含め県民の理解が得られない海洋放出の方針を撤回するよう、政府と東京電力に申し入れること。

以上

福島第一原発処理汚染水の海洋放出反対を求める要望書(PDF)