日本共産党茨城県議団ニュース 2020年3月号
第1回定例県議会はじまる 2/27(木)~3/24(火)
過去最大の県予算 くらし応援に
茨城県議会第1回定例会が2月27日に開会し、1兆1632億1900万円の一般会計予算案と条例案など51議案が上程されました。
企業本社機能の移転補助に50億円、大洗水族館のジンベエザメ展示施設整備費3億4700万円(総事業費130億円)など、企業誘致や観光集客に特化し、県民の暮らしを守る姿勢に欠ける予算となっています。
老朽化した県立障害者入所施設「あすなろの郷」(水戸市)は、定員を半減する施設の建て替えに9,300万円が計上されました。
児童虐待の相談件数増をふまえ、「日立児童相談所」と「鉾田児童相談所」を設置。それぞれ分室からの格上げとなり、県内の児童相談所は3カ所→5ヶ所に増えます。住民運動と共産党県議団の要求が行政を前進させました。
そのほか、昨年の台風被害からの復旧に向けた河川改修などの予算が盛り込まれました。
所信表明で、大井川和彦知事は新型コロナウイルス対策をめぐり、「患者の集団発生に備え、入院病床の確保など体制整備に努める」と表明。
東海第2原発をめぐっては、「安全性の検証や避難計画策定に取り組み、県民の意見を聞いて慎重に判断していく」と述べるにとどまりました。
- 春のイベントや入試・卒業シーズンの中、新型コロナウイルスの感染が大きな影響をもたらしています。
- 検査体制や医療受け入れを強化し、事業者や労働者への休業補償を求めます。
特徴的な予算と事業の内容
項目 | 予算額(円) |
児童相談所の拡充 (3相談所・2分室→5相談所、120人→140人) | 3.4億 |
特別支援学校 (内原に高等部設置、鹿島リース校舎更新、つくば増設にむけた土地検討等) | 9.4億 |
医師修学資金貸与月額15万~25万円(従来通り) | 7.8億 |
老朽化した県立障害者施設「あすなろの郷」の建替え整備など ※定員削減は問題あり | 9,300万 |
防災・減災事業で道路のり面対策、橋の耐震化、河道掘削など | 122億 |
県管理17河川の治水危険箇所調査、護岸修繕や土砂撤去など | 47.6億 |
認定こども園 創設4ヵ所・増改築8ヵ所 保育所 創設7ヵ所・増改築1ヵ所 | 4億 |
第3子以降3歳未満児の保育料完全無償化 | 5.7億 |
家畜伝染病豚コレラ感染防止のワクチン接種 | 4.7億 |
犬猫殺処分ゼロをめざし地域猫活動に対する不妊去勢手術費補助など | 2,700万 |
県種子条例制定に基づく稲・麦・大豆・そばの種子生産・供給事業の継続 | 1.1億 |
県内への本社機能移転企業への補助(これまでに16企業に約28億円補助) | 50億 |
茨城空港対策費(利活用促進事業など、東京への500円バスは廃止) | 12億 |
大洗水族館ジンベエザメ展示館・立体駐車場整備(総額130億円) | 3.5億 |
県立中高一貫校 2020年度5校開校 | 4.3億 |
議事予定
2/27(木) | 本会議開会(知事議案説明) |
3/3(火)~10(火) | 本会議(代表・一般質問) 9日午後1時~ 江尻一般質問 |
3/12(木)~16(月) | 常任委員会 山中県議(保健福祉医療) 江尻県議(防災環境産業) |
3/18(水)~19(木) | 予算特別委員会(山中質問) ※日時は後日決定します |
3/24(火) | 本会議閉会(討論・採決) |
▼新型肺炎感染防止のため、議会の傍聴が自粛されています。インターネット中継をご覧いただくか、傍聴の際はマスクをご持参ください。(問い合わせ先 029-301-1387)
江尻県議の一般質問
- 新年度予算と施策について
・生産拠点の再編・売却による雇用と地域への影響
・地域医療と感染症対策
・家族経営の農家の重要性と有機農業の振興
・災害に強い河川・ダムの治水対策
・環境保全を重視した公共事業への転換 - 認可外保育施設の重大事故防止と改善策について
- 特別支援学校の環境整備と支援教育の拡充について
- 東海第二原発の再稼働問題について
※一般質問の模様はインターネット(YouTubeライブ)でも視聴できます。
※動画が削除されている場合はこちらから選び直すか、茨城県議会インターネット中継からご覧ください。
▼訂正しておわびします
前回ニュースで、「読み書き障害の支援学級」とあるのは「言語障害学級」の誤りでした。また、宇野彰氏の監修図書を併記ましたが、本文中の学校とは直接関係ありません。
新型コロナウィルス 国の責任で抜本対策を
新型コロナ肺炎対策
日本共産党の対策本部長 小池書記局長に聞く
国の責任で抜本的な対策強化を
政府は2月25日に「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を発表しました。
日本共産党の新型コロナウイルス関連肺炎対策本部長の小池晃書記局長に、国の基本方針をどう見るかや、今後必要な対策について聞きました。
国の責任が示されていない
政府は基本方針で、国民や患者には、手洗い、せきエチケットを求め、「軽度の風邪症状」なら自宅で安静にするよう求めています。企業に対してはテレワークや時差出勤などを求め、学校には臨時休校などを求めています。さらに、医療機関に対しても感染拡大した場合の外来や入院の受け入れを準備せよと求めています。しかし、国が何をやるのか、果たすべき責任が示されていません。これが最大の問題です。
国民や企業、医療機関などに協力を求めるのであれば、国は責任をもって十分な財政措置を取るべきです。
十分な財政投入で対策を
―共産党は当初から補正予算などの財政措置を求めていましたね。
政府が打ち出している予備費103億円を含む総事業費153億円では全く足りません。しかし、安倍晋三首相は26日の衆院予算委員会での藤野保史議員の質問に「今の予算措置で対応は可能」と言い放ちました。驚くべきことです。
アメリカでは大統領が約2,800億円の予算措置を認めるよう議会に要求しました。シンガポール政府は約5,000億円、香港政府も約4,300億円をそれぞれ経済的支援を含む対策費として投入すると発表しています。
財務省に確認したところ、現時点で今年度の予備費は2,743億円も残っているということですから、これを全面的に活用すべきです。さらに、来年度予算案には1円も新型ウイルス対策費は入っていません。
予算案を修正すべきですし、政府がやらないのであれば、野党として組み替えを提案し、十分な財政投入で対策を抜本的に強化することを強く求めていきます。
1. 受け入れ体制の確立
- 外来診療では、感染者(疑いを含む)を診察できるように一般患者とは別ルートの診療スペースと人員の確保を支援
- 入院医療では、感染患者を受け入れるベッドの確保とともに、マスク、ゴーグル、防護服など感染防御のための資機材の迅速な提供。搬送用の車両・人員の調達を支援
- 介護施設等に対しても感染防御の資材の提供
2. 検査体制の確立
- リアルタイムPCR検査機器、検査試薬などの供給を抜本的に増やし、大学、民間検査機関の力を総動員して、国の責任で検査体制を抜本的に拡充する
- 医師が必要と判断したら、PCR検査ができるようにするための保険適用と、そのための体制の速やかな構築
- 簡易検査キットの早期開発と提供
3. 相談体制の抜本的拡充
- 自宅待機の人の相談にのる体制の確立。重症化の兆しを見逃さないために、一定の専門的な知識を持った人が病状を聞き、適切にアドバイスできるようにする
4. 地域経済に対する緊急支援策
- 中小零細企業などに対する緊急のつなぎ融資実施
- 仕事を休んだすべての人に休業期間中の収入を保障する。雇用調整助成金の対象拡大
茨城県や市町村の取組への意見・要望・質問などは、日本共産党茨城県議団へお寄せください。 TEL:029-301-1387