日本共産党茨城県議団ニュース 2019年10月号

県議団ニュース表 県議団ニュース裏

東海第2原発 直下地震が全国最多 江尻かな県議が明らかに

9月県議会で江尻議員は、「東海第二原発は『廃炉』しかない」と大井川知事の決断を求めました。

江尻議員は気象庁データ等をもとに、東海第二原発の直下(10キロ圏内)で、この4年余りで125回の地震があり、同時期の全国の原発の中で最多にのぼると明らかにしました。

大井川知事は、「地震や耐震の評価は、当事者である日本原電が評価すべきもの」と答弁。
しかし、国土地理院は、地面下の岩盤がずれた断層活動のうち、数十万年前以降に繰り返し活動するものが活断層で、地表に現れないものもあるとしています。
数十万年単位で活動する断層を活断層だと言っているのに、わずか4年余りでこれだけ多く地震が起きているのです。
日本原電の評価ではなく、県として評価すべきです。

また、再稼働の是非について知事は、原発の安全性と実効性のある避難計画の策定に取り組み、県民の意見を聞いたうえで判断したいと答えました。

再稼働工事に3,500億円

日本原電は再稼働に向けた工事費を自前調達できず、東京電力などに3,500億円も支援を要請しています。
しかし、福島原発事故を起こし実質国有化された東電が、他社の原発を支援する資格はないと批判が広がっています。

水戸市など周辺自治体は、「再稼働工事のなし崩し的な着工は容認できない」としていますが、工事のための保安林伐採を県は許可してしまいました。

「テロの標的になりうる」

江尻議員が、原子力規制庁に原発の危険性を質問した際、規制庁は「原発はテロの標的になる可能性があるということだ」と答弁。
そんな危険な原発は即刻『廃炉』にさせましょう。

即刻廃炉に

提案…とりあえずすべての核燃料を保管容器に

東海第2原発の廃炉を決定し、原子炉建屋プールにある核燃料を乾式キャスク(保管容器)に移すこと

原子力防災計画による必要な避難計画

  • 再稼働の場合=30km圏内14市町村 94万人
  • 廃炉を決定し核燃料を十分に冷却=5km圏内4市村 6.5万人
  • 廃炉を決定し、核燃料を全て乾式キャスクに貯蔵=必要なし

2015年6月~19年9月までに起こった原子炉直下の地震回数

2015年6月~19年9月までに起こった原子炉直下の地震回数

台風19号 被害調査し要請

大きな被害をもたらした台風と川の氾濫。前日から日本共産党県委員会に対策本部を立ち上げ、発災後は浸水地区の調査や被災者訪問を重ね、市、町、県に支援要望を伝えました。
国に対しても、水に浸かった家屋や農作物への補償を抜本的に拡充するよう、内閣府や農林水産省と交渉しました。

あまりにも遅れている堤防整備。那珂川は約5割、久慈川は約3割です。
国土交通省が那珂川の洪水氾濫情報を出さなかった問題まで発覚しました。
再発防止はもちろん、堤防整備と水郡線復旧への予算措置を国に求めました。

もとの暮らしに戻るには、まだまだ時間がかかります。
取り残される被災者がないよう駆け付けますので、ご連絡ください。(TEL 029-247-6523 またはメールフォームでも受け付けています)

いじめ 自死をくいとめられる学校を

茨城県でも、いじめや不適切指導等に追い詰められ自死する子どもがいます。
日本共産党は、県が3月に公表した取手市立中学生の自殺調査報告書で、学校と教員の問題点、市教育委員会の対応の違法性が認定されたことを示し、どう生かしていくのか求めました。

教育長は、教職員1人1人が調査報告書を読み込み、指導を振り返り、教育に携わる者全員が理解することで防止に全力で取り組むとしました。

子どもたちの「自分らしくありたい」「生きづらさを受けとめてほしい」という叫びや思いに、どう応えるのか問われています。

給食 米飯・パン・めんの安定供給に県の支援を

学校給食の主食業者の廃業が相次ぎ、30年間でパン業者は28、米飯は20、めんは9業者にまで大幅に減少しています。

日本共産党は、「配達エリアが広がり、今の単価契約では限界」「夏休みは収入がストップするが従業員は切れない。最低限の補償があると助かる」という業者の実情を示し、給食費に県補助を求めました。

教育長は、市町村に業者負担軽減策を働きかけ、補助金等の情報を知らせるなど主食提供を支援していくとしました。

不登校 心やすまる居場所が必要

茨城県では小学生850人、中学生2,500人超が長期欠席になっていて、増加傾向にあります。
日本共産党は、子どもたち一人一人に応じた支援を行うことなどを規定した「教育機会確保法」をもとに、県の取組を求めました。

教育長は、各市町村にある教育支援センターで心理専門職員を配置するなどして個別支援を充実すると答弁。
さらに、学校復帰のみを目的とするのではなく、多様な学びを提供しているフリースクールとの連携が重要として、保護者等に情報発信していくとしました。

私学助成 教育費負担の軽減を 県補助金の点数化配分やめよ

来年春から私立高校授業料への国の支援金が年収約590万円未満の世帯まで拡充されます。
しかし、授業料以外の施設費負担の平均が茨城県は全国2番目で年約29万円と、全国より12万円高くなっています。

日本共産党は、私学助成の拡充を求めていますが、知事は施設費への「県の軽減策は考えていない」と答えました。

また、私立高校への運営費補助について、県は各学校を50項目で点数化し補助金に差をつけるとしています。
これは「私学教育への介入」であり問題です。

過大な計画実態とかい離 霞ヶ浦導水事業は中止に

那珂川と霞ケ浦と利根川を地下トンネルで結ぶ巨大な霞ケ浦導水事業――。
大井川知事は9月議会で、「各市町村から申し込まれた水量に応じて実施協定を締結し、建設負担金を国に支払っている」としました。
しかし、実態はどうでしょうか。

江尻議員は、県の施設計画(給水能力24万m³/日)に対して、市町村への給水実績は昨年度最大54,090m³/日、平均42,816m³/日と大きくかけ離れている実態を突き付けました。
さらに、市町村からの要望ではなく、国主導で始めた事業経過を示し、県の認識を正しました。

1970年に当時の建設省が予備調査に着手。
国に合わせるように県の水道整備基本構想で県人口を420万人と想定。
この過大な想定に基づき市町村に24万m³/日もの水が割り振られました。
知事は「今後も、実施協定に基づいて進める」と、さらなる建設費負担による水道料金へのしわ寄せを続ける姿勢です。

人口減少と節水機器普及により、水需要の増加は見込めません。
これ以上のムダ遣いと環境破壊はやめるべきです。

導水事業を根拠に過大計画

県中央広域水道(水戸市など10市町村、1企業団)

  • 整備計画=240,000m³/日
  • 1日最大給水実績=54,090m³/日
  • 1日平均給水実績=42,816m³/日

国策 トップダウンで延々と

  • 1970年 (国)事業の予備調査着手
  • 1976年 (国)事業の実施計画調査着手
  • 1978年 (県)水道整備基本構想の策定 県人口420万人を想定
  • 1984年 県と市町村が実施協定締結
    (国)建設事業スタート
    (当初1,600億円、1993年完成予定→現在1,900億円、2023年完成予定?)

要望実現へ一歩前進

  • 性暴力被害者に県が医療費負担スタート
  • 自治体での旧姓使用拡大
    ――選択的夫婦別姓制度の実現を
  • 豚コレラのワクチン接種を県が国に要望
  • 県立あすなろの郷建て替え
    ――しかし問題は入所定員の削減

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