不法就労外国人通報に報奨金 茨城県知事「見解」に批判 差別助長 直視せず

茨城県の大井川和彦知事は4月2日の定例記者会見で、不法就労外国人に関する通報報奨金制度に反対する県弁護士会の遠藤俊弘会長の会長声明などに、制度が「外国人排斥とは無縁」などと反論する見解を発表しました。撤回を求めた団体や個人などからは、「(大井川知事は)問題がどこにあるのか直視していない」など怒りの声が上がっています。

A4判用紙3枚に及ぶ茨城県知事の反論文書

A4判用紙3枚に及ぶ茨城県知事の反論文書

通報報奨金制度に対しては、県内の外国人を支援する人権団体や茨城農民連なども反対を表明。県弁護士会の会長声明は、通報報奨金制度は一般市民に対し、外国人への疑いの目を持たせることになるとし、「外国につながる人々に対する不当な差別と偏見を助長するものであり、社会に差別と分断を生じさせることになる」と反対しています。

県の見解は、「本県は、会長声明等が示すような一面的かつ感情的な評価に基づいて、県民の安全や法秩序、公平な労働環境を損なうことはできない」として、「本制度を撤回すべきとの主張を受け入れることはできず、制度の趣旨と必要性について今後も毅然とした姿勢で説明を続けていく」と主張しました。

6日の本紙の問い合わせに対し、制度創設担当の外国人適正雇用推進室は、「県弁護士会との意見交換はしていない」と答え、撤回の要請をした各団体なども含め、「『制度の趣旨をご理解いただきたい』という思いで県の見解を出した」と回答しました。

議会傍聴などに駆けつけた花山知宏さんは、(外国人の不法就労防止)条例制定の意見公募ではA41枚の要項説明で通報報奨金制度の詳細がほとんど分からなかった状況を指摘。県議会での答弁も「これから説明していく」など、批判や反対の声に対して、「大井川知事は、まったく聞く耳を持たず『不法滞在や不法就労は犯罪。制度が必要』の一点張りで、問題がどこにあるのか直視していません」と力を込めます。

日本共産党の江尻かな議員は、県民からの反対意見に反論し、対立するような状況をつくる大井川知事を批判。「認識の違いなどがあるのなら、意見交換などの話し合いを進めるべきであり、無用な対立を生むようなことをしてはならない。県はきちんと認識するべきだ」と力説しました。

(「しんぶん赤旗」2026年4月8日付より転載)