最低賃金の大幅引き上げの実現に関する申し入れ(2024年7月16日)

最低賃金1,500円以上に 労働局に要請 共産党茨城県委員会

日本共産党茨城県委員会(上野高志委員長)は7月16日、茨城労働局に対し、県内の最低賃金を時給1,500円以上に引き上げるよう求めました。

江尻かな議員と高橋誠一郎氏(衆院茨城1区予定候補)、川井ひろ子氏(茨城2区予定候補)、吉田つばさ氏(茨城4区予定候補)が参加しました。

茨城県の最賃は、昨年から42円アップして953円ですが、全く物価高騰には追いつかず、近隣の千葉県や東京都への労働力の流出課題も解決されません。

要請では、全国一律で最賃の大幅引き上げが実現すれば、地域経済や中小企業の経営安定につながると指摘。
江尻氏は、「最低賃金の引き上げは、あらゆる職種に影響を及ぼす」とし、審議会の中でのさらなる引き上げの議論を求めました。

高橋氏は、「街頭などでも暮らしが大変だという声がたくさんある。引き上げは多くの人の要望」と指摘。
川井氏は、保育士や介護士の経験にふれ、引き上げと合わせて処遇改善も踏まえた全面的な改善を求めました。

吉田氏は、「特にエッセンシャルワーカーとして働く人に非正規が多く、低賃金で大変な状況」だとして、雇用や職場環境の改善を要望しました。

応対した江口勇次労働基準部長は、今後開かれる地方最低賃金審議会に「要望の内容を伝える」と応じました。

(「しんぶん赤旗」2024年7月20日付より転載)

江口勇次・茨城労働局労働基準部長(左)に申し入れ書を手渡す、日本共産党の江尻かな県議、吉田つばさ氏、川井宏子氏、高橋誠一郎氏、上野高志県委員長(左2人目から)=2024年7月16日、茨城労働局

最低賃金の大幅引き上げの実現に関する申し入れ

2024年7月16日

茨城労働局長 様
茨城地方最低賃金審議会会長 様

日本共産党茨城県委員会 委員長 上野 高志
日本共産党茨城県議団 県議 江尻 加那
日本共産党市町村議員団

 

消費者物価指数の6月中旬速報値では、前年同月比で生鮮野菜+14.4%、電気代+14.7%など、生活に欠かせないあらゆる物価の値上がりが明らかになりました。一方で、厚生労働省が6月に発表した4月の毎月勤労統計調査(速報)によると、物価高騰を反映した実質賃金は前年同月比-0.7%で25か月連続でマイナスとなり、過去最長を更新しています。止まらない物価高と減り続ける実質賃金が県民生活に追い討ちをかけています。

現在、茨城県の最低賃金は953円ですが、昨年と同程度の引き上げ額では物価高騰に追いつきません。全労連が実施した「最低生計費調査」では、茨城県内の25歳単身男性で1,687円が必要と試算され、健康で文化的な「人間らしい暮らし」をするためには、全国どこでも時給1,500円以上必要なことが明らかになっています。地域間の差額にも合理性がありません。

世界的な物価高騰で、各国では最賃が大幅に引き上げられています。ドイツやフランス、イギリスでは1,500円を大きく超え、アメリカでは首都ワシントンDCで2,386円です。岸田政権は1,500円以上の実現を2030年代半ばとしていますが、あまりに遅すぎます。低すぎる日本の最賃を欧米並みに引き上げることが急務です。

同時に、賃上げのためには中小企業への支援が欠かせません。設備投資などがハードルとなっている業務改善助成金の改善や、社会保険料の負担軽減も必要です。全国一律で最賃の大幅引き上げが実現すれば、県内から東京や千葉への労働力人口の流出に歯止めをかけ、地域経済や中小企業の経営安定化にもつながります。

以上から、茨城地方最低賃金審議会で大幅な最賃の引き上げを求めて以下項目を要望いたします。

  1. 最低賃金を速やかに時給1,500円以上に引き上げること。
  2. 最低賃金の地域間格差の是正と全国一律での最低賃金制を政府に求めること。
  3. 審議の透明性・実効性を高めるため、審議会および専門部会は全面公開で行うこと。労働者代表委員はさまざまな職種や雇用形態の労働者からなる組合等から選出すること。
  4. 最低賃金の引き上げで中小企業が窮地に陥ることがないよう、事業所の経営と雇用を維持するために、設備投資等を行った事業所への業務改善助成金に加え、税金や社会保険料の企業負担への軽減策など、支援策を実行するよう政府に求めること。

以上

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