最低賃金 1,500円以上に 共産党茨城県委員会が労働局に要請

日本共産党茨城県委員会(上野高志委員長)は7月24日、茨城労働局に県内の最低賃金を時給1,500円以上に引き上げるよう求めました。
江尻かな議員と高橋誠一郎氏(衆院茨城1区予定候補)、川井ひろ子前鹿嶋市議(茨城2区予定候補)、吉田つばさ氏(茨城4区予定候補)、干葉たつお前日立市議(茨城5区予定候補)が参加しました。
茨城県の最低賃金は911円で、近隣の千葉県、東京都よりも低く、労働人口の流出など課題が生じています。

茨城労働局の担当者に要請書を手渡す江尻かな議員ら

茨城労働局の担当者(中央右)に要請書を手渡す江尻かな議員(中央左)ら=7月24日、茨城労働局

要請では、全国一律で最賃の大幅引き上げが実現すれば、地域経済や中小企業の経営安定につながると指摘。
江尻氏は、地域の医療や介護を支えるエッセンシャルワーカーでも非正規雇用が増えているとし、審議会で要請を反映するよう要求しました。
高橋氏は、アルバイトで生計を立てている学生にとって、物価高騰が家計を直撃していると指摘。川井氏は、シングルマザーの世帯で生活に困窮しているケースに触れ、最賃の大幅引き上げを求めました。吉田氏は、「地域によって賃金額に差を設けているのは合理性がない」と指摘。千葉氏は職場環境の改善など、働く人を守る労働行政の推進を求めました。

応対した稲葉典行労働基準部長は、今後開かれる地方最低賃金審議会に「要請の内容を伝えたい」と応じました。

(「しんぶん赤旗」2023年7月28日付より転載)

物価高騰を上回る最低賃金の引上げと中小企業支援の拡充を求める要請書

2023年7月24日

茨城労働局長 様
茨城地方最低賃金審議会会長 様

日本共産党茨城県委員会 委員長 上野 高志
日本共産党茨城県議団 県議 江尻 加那
日本共産党市町村議員団

 

今年6月の消費者物価指数は前年同月から3.3%上昇し、10カ月連続で3%以上となる一方、5月の実質賃金は前年同月比1.2%減で、物価と実質賃金の乖離は広がるばかりです。

岸田政権は「骨太の改革」で、最低賃金を全国加重平均で時給1,000円の達成を掲げていますが、これでは物価高騰に追いつきません。日本の最低賃金は先進国の中でも際立って低く、イギリス、ドイツ、フランスといった主要国だけでなく、韓国よりも低く、オーストラリアの2分の1以下になっています。物価高騰を上回って生活を改善させるためにも一気に引き上げることが必要です。

全労連が実施した最低生活費調査では、全国どこでも時給1,500円以上が必要なことが明らかになっていますが、最賃には大きな地域間格差があり、最高額である東京の1,072円に対して茨城県は911円とその差額は161円に上ります。

中小企業においても、とりわけ人材確保の点から最賃引き上げの必要性が高まっており、そのために中小企業支援制度の拡充が求められています。

日本共産党は、中小企業支援の財源として、過度にためこまれた大企業の500兆円を超える内部留保に適切な課税を行い、社会保険料の事業主負担軽減など中小企業支援に使うよう提案しています。

全国一律と最賃の大幅引き上げが実現すれば、茨城県から東京や千葉への労働力流出に歯止めをかけ、地域経済の立て直しや中小企業の経営の安定化にもつながります。

よって、今年10月からの最低賃金改定に向けて、下記事項を要望します。

  1. 茨城県の最低賃金を1,500円に引き上げる。
  2. 最低賃金の都道府県格差を解消するため、全国一律最低賃金を政府に提言する。
  3. 中小企業の経営と雇用を維持するために、設備投資等を行った事業所への業務改善助成金の拡充に加え、税や社会保険料の企業負担軽減などを実行するよう政府に要請する。
  4. 審議の透明性・実効性を高めるため、審議会および専門部会は全面公開で行う。労働者代表委員は様々な職種や雇用形態の労働者からなる組合等から選出する。

以上

物価高騰を上回る最低賃金の引上げと中小企業支援の拡充を求める要請書(PDF)