教員給与 年75万安く 残業代支給と比較試算 江尻かな議員に示す 茨城県議会

茨城県教育委員会は6月20日、現在は不支給となっている公立学校教員の残業代を支払った場合の給与試算額を公表し、残業代を不支給とする現行制度のもと、教員1人あたり年約75万円も低くなっていることが明らかとなりました。

県議会予算特別委員会で、日本共産党の江尻かな議員の求めに応じて県が初めて試算したもの。国は公立学校の教員について、不支給の代替の措置として月額給与の4%を「教職調整額」として上乗せしています。

森作宜民教育長は、現行の調整額は教員1人あたり年22万円で、実態に合わせた残業代は年97万円になると明らかにしました。

時間外勤務の平均時間は昨年10・11月時点で県内小学校月35時間37分、中学校月48時間55分にのぼるとしています。

江尻氏は、「実態を見れば、教職調整額で支払われているのは4分の1程度。教員の働き方改革というなら、残業代を認めない今の制度を改善すべき」だと要求。

教育長は、給与水準を引き上げるなど、教員の処遇改善を諮問する国の動きに触れ、「積極的な検討を期待し、注視したい」と答えました。

江尻氏は、「教職調整額を10%にすれば良いなどの議論もあるが、これでは『定額働かせ放題』を放置しかねない」と強調。教員増とともに、残業代支払いに向けて県の取り組みを促しました。

(「しんぶん赤旗」2023年6月23日付より転載)