東海第2発電所の再稼働を含む政府の原発推進方針に抗議し、撤回を求める声明(2022年8月25日)

2022年8月25日

内閣総理大臣 岸田 文雄 様

日本共産党茨城県委員会 委員長 上野 高志
日本共産党茨城県議団 県議 山中たい子
日本共産党茨城県議団 県議 江尻 加那
日本共産党茨城県市町村議団(52名)

岸田文雄首相は8月24日、「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」で、次世代型原発の建設や原則40年・最長60年とされる原発の運転期間の延長、及び、すでに再稼働した10基(うち現在運転中は6基)に加え、来夏以降に東海第二発電所を含めた7基の再稼働を進める考えを表明した。

これらは、原発の新増設と建て替えは「想定していない」としてきた政府方針を大転換するものであり、安全性を軽視した原発推進政策に強く抗議するとともに方針の撤回を求めるものである。

岸田首相は、「再エネや原子力はGXを進めるうえで不可欠な脱炭素エネルギー」と強調したとのことだが、電力安定供給や気候危機打開の面からも、原子力から脱却したエネルギー政策への転換が求められる。たとえ次世代型であっても原発が内包する危険性や課題は変わりない。

とりわけ、東海第二発電所については、今後1年余りで再稼働できる可能性はゼロである。日本原電が行っている工事は2024年9月完成予定とされ、茨城県が進める安全性検証も多くの検討課題が積み残されている。合わせて、UPZ圏内14市町村約94万人の住民避難計画が策定できる目途はまったく立たず、実効性ある計画策定は不可能であると言わざるを得ない。

茨城県と周辺6自治体(東海村、水戸市、ひたちなか市、那珂市、日立市、常陸太田市)は、日本原電との間で事前了解権を含む安全協定を締結し、再稼動や延長運転に関して、関係自治体や住民への事業者説明の実施や議論が進められている渦中である。また、水戸地方裁判所は昨年3月、運転差し止めを求める訴えに対し、避難体制の不備を理由に再稼働を認めない判決を下した。

こうした地元の事情や司法の判断を考慮せず、国が再稼働方針を示すことは認められない。よって、政府において、東海第二原発の再稼働を含む原発推進方針に抗議し、撤回することを強く求める。

東海第二発電所の再稼働を含む政府の原発推進方針に抗議し、撤回を求める声明(PDF)