コロナ対策 検査抜本的強化を 共産党茨城県委員会が県に申し入れ
日本共産党茨城県委員会(上野高志委員長)と党県議団(山中たい子議員、江尻加那議員)ら県内地方議員らは1月15日、新型コロナウイルス感染症の対策強化を求めて第7次の申し入れを行いました。大内くみ子県副委員長(衆院北関東比例予定候補)も参加しました。
申し入れは、▽入院・重症病床の確保や検査の抜本的強化▽緊急小口資金や生活福祉資金特例の継続と給付への転換▽事業と雇用を継続できる補償と支援の強化▽DVや児童虐待、不登校への対策と支援―など22項目です。
大内氏は、県社会福祉協議会との懇談で、生活福祉資金を貸し付けから給付に切り替えるよう求める声が寄せられているとし、「現場の切実な声だ。県として国に要請してほしい」と求めました。
県の担当者は、感染者の病床を今月中に410床から500床に増やすほか、看護師や保健師を県保健所に派遣するなど、人員体制の強化を進める意向を示しました。
山中県議団長は、「コロナ収束が見通せない中、無症状者を含めた抜本的な検査強化が必要。引き続き十分な対策を要望したい」と県に求めました。
(「しんぶん赤旗」2021年1月16日付より転載)
新型コロナ感染症の対策強化に係る申し入れ(第7次)
2021年1月15日
茨城県知事 大井川 和彦 様
日本共産党茨城県委員会
日本共産党茨城県議団
日本共産党市町村議員団
全国的な陽性確認者が激増するなか、政府は関係都府県の要請を受け、東京など1都3県に加え、関西3府県、東海2県、福岡・栃木などを対象に、2度目の緊急事態宣言を発出しました。しかし、時短要請に応えた十分な補償もなく、検査と医療体制を抜本的に強化する財政支援も確保されていません。
この間の経過を見れば、菅政権の科学無視と無為無策がもたらした結果であり、最も危惧される医療の逼迫を解決することが待ったなしの課題です。医療機関への減収補填や医療・福祉施設への社会的検査実施など、対策の抜本的な転換が求められます。
本県においても感染が県内全域に拡大し、院内感染や福祉施設、学校等でのクラスターが引き続き発生しています。
県は、感染拡大市町村の指定を28自治体まで広げました。すべての飲食店にたいし20日までの営業時間の短縮を要請していますが、協力金は1日当りわずか4万円です。1年にわたるコロナ禍のもと、県民生活のあらゆる分野、階層に影響が深く及んでいます。中小事業者は廃業の瀬戸際に立たされています。
無症状者をいち早く発見、保護、隔離する明確な検査戦略を持ち、県民生活を守る対策強化を求めて以下の事項について申し入れます。
記
1. 県の方針決定や情報提供について、科学的かつ具体的根拠にもとづく説明を行うこと
- 感染拡大市町村や地域を指定・公表する際は、当該市町村と事前に協議し、適切な範囲の指定を行う。
- 集団感染が発生した施設や事業所等の名前を公表するかどうかの判断基準を明確にし、市町村や県民に周知する。不安や疑念などからの差別や誹謗中傷を生まないためにも、濃厚接触者だけでなく感染リスクのある接触者を広く検査できるようにする。
- 陽性確認者の情報を速やかに市町村に情報提供し、必要な支援につなげる。
- 自宅療養者数について、入院を待って自宅待機している人数と、入院の必要がなく自宅療養している人数を分けて公表する。
2. 医療・福祉施設への検査等の抜本的強化、医療機関・保健所への支援拡充を行うこと
- 入院・重症病床、医療従事者の確保に最大限努めるとともに、減収に対する補填など直接的な財政支援をただちに行う。これまでの補助金、支援金、慰労金等について、一刻も早く医療機関や従事者に支給する。
- 県が行ってきた「夜の街」や福祉施設等での検査について、クラスター発生や感染拡大地域以外にも検査の範囲を広げ、無症状者の発見・保護・隔離によって感染を防止するための検査戦略を実行する。
- 医療機関・福祉施設における利用者・職員全員のPCR検査は、重症者を減らして医療への負担を軽減するうえで重要であり、全額国の責任で行うよう求める。
事業所や市町村が独自に行う「自主検査」についても、自己負担なく無料で検査できるよう、費用を公費で負担する仕組みをつくるよう国に要請する。 - 保育園や幼稚園、学校、学童クラブなどでもクラスターが発生しており、検査を実施する。
- 重度心身障害児・者の通所施設や入所施設でクラスターが発生した場合、障害児・者が入院できる医療機関をあらかじめ確保しておく。クラスター発生防止のため、障害福祉施設従事者等の定期検査を実施する。
- 保健所において、積極的疫学検査のため感染追跡者を確保するなど体制を強化する。
- 自宅療養中の死亡事例が他県で確認されている。陽性者は、軽症や無症状であっても原則宿泊施設での療養とし、病状急変に対応できるよう市町村に支援を要請する。自宅療養となった場合、食料品・日用品等のほか指先で計れる酸素濃度計(血液中)を配布するとともに、日々の体調を確認できる体制をつくる。
- 今後実施されるワクチン接種に向け、必要な人員や会場、資機材を万全に準備し、市町村や関係団体と事前調整をすすめながら接種体制を確立する。
3. 事業と雇用を継続できる補償と支援を強化すること
- 時短営業を要請する際の協力金について、昨年の実施分を一日も早く支給するとともに、今後は一律定額ではなく売上規模や雇用者数に応じた上乗せを実施する。納入業者や生産者をはじめ関連事業者も補償の対象にする。
- 集客制限を要請するイベント業者や文化・芸術団体などへの補償を行う。
- 1月15日で打ち切られる持続化給付金や家賃支援給付金について、第2弾を実施する。
- 雇用調整助成金の特例や休業支援金の打ち切りを撤回し、感染収束まで継続する。学生アルバイトやパート労働者が事業主から休業手当を受け取れない場合、本人からの申請で直接支援が受けられる制度を再度周知し、支援につなげる。
- GoTo事業に代わる宿泊・観光・飲食業への直接支援制度を実施する。
4. 生活困窮やDV・虐待、不登校への緊急支援を行うこと
- 生活困窮者や低所得者に新たな給付金を支給する。緊急小口資金や生活福祉資金の特例を当面継続し、給付に転換するよう国に要請する。
- 住居確保給付金について、コロナ後の滞納分も対象にする。一度限りの申請という規定を見直し、実態にあった制度に改善する。自治体負担分について国庫負担とするよう求める。
- 国の「緊急事態宣言等に伴う生活保護業務における対応について」(2021.1.7)に基づき、生活保護を必要とする人が躊躇なく利用できるようにする。車の保有について、コロナ禍における柔軟な対応を窓口に徹底する。
- 生活に困っている人に支援制度が知らされていない状況があり、県の広報やメディア媒体の活用などで広く周知するとともに、相談体制を強化する。
- コロナ禍のもとで、全国的にDVや虐待、不登校が増えているが、本県の実態を的確に把握し、対策や支援に結び付ける。
以上
新型コロナ感染症の対策強化に係る申し入れ(PDF)