台風被害、豚コレラ対策、JAEAの安全に関する3要請書を提出 共産党茨城県委員会と党県議団

日本共産党茨城県委員会と党県議団は9月27日、農林水産省に「台風15号による農作物等被害への支援強化を求める要請書」と「豚コレラ対策の緊急的強化策を求める要請書」、文部科学省・原子力規制委員会に「国立研究開発法人 原子力研究開発機構(JAEA)の安全に関する監督責任を求める要請書」を提出しました。
大内くみ子党県副委員長、上野高志党県副委員長、山中たい子県議、江尻かな県議、川澄敬子茨城町議が参加。塩川鉄也衆院議員と梅村さえこ前衆院議員が同席しました。

台風15号による農作物等被害への支援強化を求める要請書

2019年9月27日

農林水産大臣 江藤 拓 殿

日本共産党茨城県委員会
日本共産党茨城県議員団

台風15号は、鹿嶋市内で観測史上最大となる風速36.6メートルを記録し、停電戸数はピーク時で県内11万世帯など、県民生活に大きな影響を与えました。
台風は県内全域に大きな爪痕を残し、とくに農業分野の被害総額は44億円と甚大です。なかでも、倒壊したパイプハウス等農業用施設は32市町村で33億円と全体の75%に上ります。また、農作物はミニトマトやピーマンなどの茎葉が損傷し、収穫直前だった露地栽培のニラは葉折れして全滅するなど深刻です。39品目を超える野菜の被害面積は7,800ヘクタール、被害額は11億円です。
被災した農家は、「イチゴの植え付けの真っ最中なのにハウスが倒壊した。その撤去作業さえ人手が足りない。再建には1棟100万円もかかる」と切実な訴えを寄せています。
こうした被災農家が一日も早く営農を再開できるよう支援の強化を求め、以下の事項を要請します。

  1. 強い農業・担い手づくり総合支援交付金(被災農業者支援型)を発動し、本県において活用できるようにすること。
    台風被害や豪雨災害時には、これまで「被災農業者向け経営体育成支援事業」が発動され、本県においては平成25年度、27年度、28年度、30年度に活用している。
  2. 倒壊したパイプハウス等農業用施設の撤去と再建、修繕について、被災農家の負担が生じないよう補助制度などの支援策を講ずること。
  3. 倒伏した水稲のなかには飼料用米も含まれている。水田活用の直接支払い交付金のうち飼料用米について、台風による減収を考慮した支払い算定方法の見直しを行うなど被災農家を支援すること。

以上

豚コレラ対策の緊急的強化策を求める要請書

2019年9月27日

農林水産大臣 江藤 拓 殿

日本共産党茨城県委員会
日本共産党茨城県議員団

昨年、岐阜県において26年ぶりに豚コレラが確認されて以降、愛知県、三重県、福井県への感染が拡大し、今年9月に長野県、埼玉県でも確認されるなど、茨城県への拡大の危険性が高まっていることから、養豚農家への早急な対策強化が求められます。
茨城県は養豚約46万頭、養豚場403ヶ所を有し、全国6位の産出額がある養豚県です。万が一、1頭でも感染が確認されれば、同じ豚舎の飼育豚の全頭処分となり、廃業を迫られる死活問題となるばかりでなく、全国の豚肉需給にも大きな影響を及ぼしかねません。
これまでの政府の封じ込め対策は成功しておらず、ワクチン接種についての方針決定は遅すぎると言わざるを得ません。依然として感染発生県が拡大していることから、国においては次の事項について緊急的強化策を講じられるよう要請いたします。

  1. 茨城県におけるワクチン接種を早期に実施すること
    接種地域の範囲や移動制限の方法、ワクチン調達の計画、接種に伴う流通課題などを検討段階から都道府県や関係者に公表し意見聴取しながら、早期に防疫指針を見直し、実勢計画を策定すること。
  2. 野生動物による感染拡大を防止すること
    感染経路や発生原因を解明するとともに、主要因とされる野生イノシシの捕獲、駆除をこれまで以上に強化し、経口ワクチンの投与地域を拡大すること。獣医師の派遣など、飼育衛生管理への支援を強化すること。
  3. アフリカ豚コレラなど水際検疫体制を強化すること
    有効なワクチンが存在しないアフリカ豚コレラがアジア10の国と地域に拡大している下で、海外からのウイルス等の侵入を防止するため、茨城空港についても動物検査官や検疫探知犬を拡充するなど、水際検疫を徹底すること。
  4. 感染発生農家に対する殺処分家畜の十分な補償と、収入が途絶える期間の生活費や固定経費への補助など、営農再開への支援制度を抜本的に拡充すること

以上

国立研究開発法人 原子力研究開発機構(JAEA)の
安全に関する監督責任を求める要請書

2019年9月27日

文部科学大臣 萩生田光一 殿
原子力規制委員会 更田豊志 殿

日本共産党茨城県委員会
日本共産党茨城県議員団

 

日本原子力研究開発機構法において、政府の監督の下に、原子力研究所と核燃料サイクル開発機構を置くとされています。
その研究所と開発機構が所有する89施設のうち、76施設が茨城県に設置されていますが、相次ぐトラブルや事故により、県民に多大な不安を与えています。
近年では、2017年6月6日大洗研究開発センター燃料研究棟における汚染と作業員の被ばく、2019年1月30日核燃料サイクル工学研究所プルトニウム燃料第二開発室における汚染などが発生。今月9日には台風第15号によりJMTR(材料研究炉)の二次冷却塔が倒壊しました。
いずれも、廃止計画中もしくは廃止中の施設であっても、核燃料物質が保管されている施設で起きた事故です。施設と核燃料の廃止措置作業が実施・完了するまでに長期間要することを踏まえれば、これまでの保守管理のあり方を改善することが求められます。
よって、国において、次の事項について対策を講じられるよう要請いたします。

  1. JMTRや再処理施設の廃止措置を安全に速やかに実施すること
    JMTRの廃止措置計画認可申請が9月18日に提出された。台風により倒壊した冷却塔建屋(木造)が建築基準を満たしていたのかなど原因解明と再発防止はもとより、廃止措置が順調に進んだとしても2027年まで約500本の使用済核燃料がカナル室で水中保管されることになる。
    また、東海再処理施設の高レベル放射性廃液ガラス固化処理は、度々トラブルを発生させ、本年7月23日から作業が中断したままとなっている。
    地震など自然災害等への対策を含め、最悪の事故を想定した施設の保守管理と安全策を徹底するため、国の監督責任を明らかにして強化すること。
  2. すべての施設の保守管理と核燃料物質の適正保管を徹底すること
    施設や設備の老朽化が進んでいるうえ、核燃料物質が使用・保管されている53施設について、10施設で保管状態が不適切だとして原子力規制委員会から是正指導を受けている。安全を確保するため、国として施設の保守管理と核燃料物質の適正保管に必要な予算措置と専門的人員の配置を図ること。
  3. 「常陽」は廃止し、原子力発電を推進するすべての研究開発をやめること

以上

台風15号による農作物等被害への支援強化を求める要請書(PDF)

豚コレラ対策の緊急的強化策を求める要請書(PDF)

国立研究開発法人 原子力研究開発機構(JAEA)の安全に関する監督責任を求める要請書(PDF)